JP2581578Y2 - 農業用被覆資材 - Google Patents

農業用被覆資材

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JP2581578Y2
JP2581578Y2 JP1993076015U JP7601593U JP2581578Y2 JP 2581578 Y2 JP2581578 Y2 JP 2581578Y2 JP 1993076015 U JP1993076015 U JP 1993076015U JP 7601593 U JP7601593 U JP 7601593U JP 2581578 Y2 JP2581578 Y2 JP 2581578Y2
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孝 福島
幹男 丸山
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02ATECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
    • Y02A40/00Adaptation technologies in agriculture, forestry, livestock or agroalimentary production
    • Y02A40/10Adaptation technologies in agriculture, forestry, livestock or agroalimentary production in agriculture
    • Y02A40/25Greenhouse technology, e.g. cooling systems therefor

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  • Protection Of Plants (AREA)
  • Greenhouses (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この考案は、特にトンネル栽培、
ハウス栽培に用いられる農業用被覆資材に関する。
【0002】
【従来の技術】野菜は、強い雨の直撃或いは雨粒に飛散
させられた土が野菜の葉裏に付着することによって病気
を起こしやすいので、それを防止し、野菜を好適に栽培
する方法としてトンネル栽培やハウス栽培が盛んに行わ
れている。それに伴い、それらに用いる被覆資材とし
て、フィルム品や織物品等が多数紹介されている。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】各被覆資材としては、
疎水性、流滴性、防雨性、強度、軽さ、適度な通気性と
光線透過率を備えているのが最適であるが、全ての面を
満足しているものは存在しなかった。
【0004】フィルム品は、破れやすいという欠点があ
り、有孔品、無孔品のいずれを使用しても内部が高温多
湿に成りやすく裾部分やつま面等の開放が必要である。
【0005】フィルム以外では寒冷紗、カラミ織、ラッ
セル編、不織布等の製品がある。寒冷紗は、約0.5m
m幅の糸条を平織して成るので、雨が被覆資材の表面に
て遮断されずに浸入しやすく、網目形状がほぼ正方形を
成しているため水滴の流れ具合(以下、流滴性と記す)
が悪い。しかも、吸湿性を有するので、水分を吸収する
ことによって資材重量が重くなり、たわみが生じやすく
なる。カラミ織、ラッセル編による製品は、断面が立体
的で空隙を有し表面は凹凸があり、従って、水滴が流れ
にくく溜まりやすいので、内部への水滴落下につなが
る。不織布による製品は、多くのものがあるが、疎水
性、流滴性、防雨性、強度、通気性、光線透過性等の面
で、いずれも幾つかの欠点をもっている。
【0006】本考案は上記実情に鑑みてなされたもので
あり、適度な強度を備え、疎水性と流滴性と防雨性と通
気性のいずれもが良好で、しかも軽量でかさばらず、保
管スペースが少なくてすむ農業用被覆資材の提供を目的
とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本考案による上記課題の
解決手段は、ポリオレフィン樹脂による芯材の両面に低
融点のポリオレフィン樹脂を外層として被着して成るフ
ラットヤーンを平織りし、経糸と緯糸の交差点を熱融着
して形成した網状被覆資材であって、空隙の形状が長辺
と短辺を有する平行四辺形であり、その長辺の長さ及び
短辺の長さが、それぞれ1.5〜2.5mm及び0.5
〜1.0mmの範囲で、且つ該被覆資材の空隙率が20
〜30%の範囲であることを特徴とする。
【0008】
【作用】ポリオレフィン樹脂が有する疎水性と、フラッ
トヤーンの特徴である長方形の断面形状、表面平滑性及
び糸幅設定の自由度を利用することによって表面張力を
有効に引出し、加えて被覆資材の空隙の形状を長辺と短
辺を有する平行四辺形とすることによって、空隙を通過
する水滴の径を制限し且つ空隙における水滴の移動を容
易ならしめ流滴性を向上させる。具体的には、長辺の長
さ及び短辺の長さを、それぞれ1.5〜2.5mm及び
0.5〜1.0mmの範囲であり且つ被覆資材の空隙率
を20〜30%の範囲であることによって、雨の浸入並
びに害虫の侵入を抑止且つ通気性を確保する。更に、該
フラットヤーンの両面に低融点ポリオレフィン樹脂の外
層を被着し、経糸と緯糸の交差点を熱融着することによ
り、平織されたフラットヤーンが、ずり動くことなく空
隙の形状とサイズが保持される。
【0009】
【実施例】本考案による農業用被覆資材は、フラットヤ
ーン1を網状に平織して形成したものである。以下その
一実施例を図面に基づいて詳細に説明する。
【0010】フラットヤーン1は、高密度ポリエチレン
を混練したものを芯材1a、同じく低密度ポリエチレン
を、芯材1aを両側から挟む外層1bとして、それぞれ
溶融押出機より押出し多層インフレーション法により、
構成比率が外層1b:芯材1a;外層1b=10:8
0:10となるフィルムを形成し、更にスリット、次い
で熱板上にて延伸し、太さ:350デニール,糸幅d:
1.1mmに形成したものである。
【0011】該フラットヤーン1を経糸及び緯糸とし
て、スルーザー織機にて平織し、前記低密度ポリエチレ
ンの融点より高く前記高密度ポリエチレンの融点より低
い温度(125℃程度)に設定した熱ロールで、経糸と
緯糸の交差点を熱融着して平行四辺形の空隙2を有する
網状被覆資材を形成した。この被覆資材は、高密度ポリ
エチレンの芯材を有するフラットヤーンを用いたことに
よって強度が高く破れにくいという特徴をもっている。
又、例えば着色をして、光線透過率の調整をすることも
可能である。
【0012】この被覆資材を、図1に示すように空隙2
の長辺が傾斜部に沿うように張設してトンネル3を作
り、空隙2のサイズ別のデータをとり比較した。尚、ト
ンネル3に使用した被覆資材は、空隙2の長辺の長さL
1及び短辺の長さL2がそれぞれ1.5〜2.5mm及
び0.5〜1.0mmの範囲にあり且つ該被覆資材の空
隙率が20〜30%の範囲にある「サンプル3」をはじ
め、空隙率及び空隙2の長辺の長さL1及び短辺の長さ
L2が異なる5つのサンプル、或いは従来の被覆資材で
ある。各サンプルの外観及び重量に関するデータは表1
に示すとおりであり、表2には,各サンプルの機械的物
性を示した。また、表3には、弱雨時、強雨時、豪雨時
における雨の浸入量(受皿4に溜る水の総量)を示し、
表4には、トンネル3外風速5m/s時、10m/s
時、20m/s時におけるトンネル3内外の風速差を示
した。また更に表5には、ホウレン草の成育状況、色
艷、葉の形状及びバランス、発芽率を示した。
【0013】
【表1】
【0014】
【表2】
【0015】
【表3】
【0016】
【表4】
【0017】
【表5】
【0018】データ採取時に見られた雨の浸入状態は、
「サンプル1」では、強雨以上において水滴のボタ落ち
が見られ、「サンプル2」では、極小さい水滴の落下が
部分的に見られた。「サンプル3」では、雨の粒は完全
に遮断されるが、霧状となってトンネル3内部へ浸入し
被覆資材の内面を伝って側方へ滑り落ちた。表3のデー
タによれば、空隙2が小さいほど雨の浸入量が少なく、
「サンプル3」と「サンプル5」を比較すると、同じ面
積の空隙2であっても長辺の長さL1と短辺の長さL2
とが等しい場合よりも、異なる場合の方が雨の浸入量が
少ないという傾向がみられる。また表4には、空隙率の
小さいサンプルほど、トンネル3内における風速の減
少、即ち、通気性の減少が顕著にあらわれている。
【0019】このように、防雨性と通気性とは相反する
条件のもとで良好となるものであるから、両者のバラン
スが良い領域を確認するために、実際にホウレンソウの
成育状況等を観察した結果を表5に示した。その結果、
最も良好な成育状況が得られたサンプルは「サンプル
3」である。一方、「サンプル1」では、雨の浸入によ
るボタ落ちで種子の流出及び病害が発生し、発芽しない
種子が多く枯死の発生率も高かった。「サンプル2」
は、種子の流出はなく病害の発生率も下がり、枯死数が
さらに少なかった。又、PVCフィルムについても実験
を行ったが、蒸れが生じ良好な成育状況が得られなかっ
た。
【0020】葉の形状や色艷及び成育が比較的良好な
「サンプル2」と「サンプル3」の空隙率は、31%と
27%である。雨の浸入量については「サンプル3」と
「サンプル4」が良好であるが、「サンプル4」は通気
性が劣るというデータもあり、地域や年ごとの気候の違
い等も考慮すると、空隙率20〜30%が実用的である
と判断でき、空隙2のサイズについては、空隙2の短辺
の長さL2が1.0mmを超えると効果が低いという傾
向がみられ、それ以上の径の水滴が直接浸入しないよう
に1mmを上限とすることは適当だと思われる。また、
「サンプル4」では通気性が不十分であるから、短辺の
長さL2の下限として0.5mmは必要である。
【0021】空隙2の形状は、長辺と短辺を有する平行
四辺形が有効であるから、必然的に短辺の長さL2の上
限より大きくする必要があり、長辺の長さL1と短辺の
長さL2との差を明確にし、流滴性を確実に良くするた
めに短辺の長さL2の上限より0.5mmは長くとる必
要があるから、長辺の長さL1の下限としては1.5m
mが適当である。更に、長辺の長さL1の上限は、大き
く取り過ぎると、空隙2の形状維持が困難となり、ひい
ては通気性や流滴性や防雨性を損なう恐れがあるため
2.5mmが適当である。
【0022】
【考案の効果】以上のごとく本考案による農業用被覆資
材を使用すれば、降る雨がフラットヤーンの面に衝突飛
散するため、大粒の雨が野菜やトンネル内の土壌に直接
衝突することがなく、微小の雨粒が集まってできた水滴
は、フラットヤーンの素材が有する平滑性と疎水性と空
隙のサイズから生じる好適な流滴性によって、被覆資材
表面に溜まる水滴や、トンネル内部へ落下する有害な雨
垂れを減少させることができる。従って、大粒の水滴が
土壌表面を荒らすことによる土壌の飛散や種子の流出、
トンネル内の蒸れや水滴及び土壌が野菜に直接当たるこ
とによる病害が防止できるようになった。
【0023】又、織成された経緯糸の交差点が外層の低
融点ポリオレフィン樹脂で熱融着され空隙の大きさが一
定に保持されているので、通気性並びに前記流滴性と防
雨性を良好な状態に維持でき、害虫の侵入も抑止でき
る。しかも、吸湿性がなく軽量であるため降雨時に被覆
資材が垂下しにくく、張設時及び撤収時の作業性が良好
であり、かさばりが少なく保管スペースが少なくてすむ
ので、今後の野菜栽培において顕著な実用効果を奏する
ものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案による農業用被覆資材の一張設例を示し
た説明図である。
【図2】図1のa部拡大図である。
【図3】本考案におけるフラットヤーンの断面図であ
る。
【図4】従来の被覆資材の一例である寒冷紗の拡大説明
図である。
【符号の説明】
1 フラットヤーン 1a 芯材 1b 外層 2 空隙 3 トンネル 4 受皿 d 幅 L1 長辺の長さ L2 短辺の長さ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) A01G 13/02 A01G 9/14 B32B 27/12 B32B 27/32

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリオレフィン樹脂の芯材(1a)の両
    面に低融点ポリオレフィン樹脂の外層(1b)を被着し
    て成るフラットヤーン(1)を平織りし、経糸と緯糸の
    交差点を熱融着して形成した網状被覆資材であって、各
    空隙(2)の形状が長辺と短辺を有する平行四辺形であ
    り、その長辺の長さ(L1)及び短辺の長さ(L2)
    が、それぞれ1.5〜2.5mm及び0.5〜1.0m
    mの範囲で、且つ該被覆資材の空隙率が20〜30%の
    範囲であることを特徴とする農業用被覆資材。
JP1993076015U 1993-12-28 1993-12-28 農業用被覆資材 Expired - Lifetime JP2581578Y2 (ja)

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US9167754B2 (en) * 2011-09-22 2015-10-27 Ab Ludvig Svensson Greenhouse screen
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