JP2581075Y2 - 医療用カバー - Google Patents

医療用カバー

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JP2581075Y2
JP2581075Y2 JP1993048053U JP4805393U JP2581075Y2 JP 2581075 Y2 JP2581075 Y2 JP 2581075Y2 JP 1993048053 U JP1993048053 U JP 1993048053U JP 4805393 U JP4805393 U JP 4805393U JP 2581075 Y2 JP2581075 Y2 JP 2581075Y2
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medical
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高雄 牧野
恵介 森
昭文 橘
正和 鈴木
敏博 薦田
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J Morita Manufaturing Corp
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、たとえば歯科用X線撮
影に用いるCCD(Charge Coupled Device)センサな
どの医療機器を収納して、たとえば口腔などの体腔に挿
入して検査または治療するときに用いられる医療用カバ
ーに関する。
【0002】
【従来の技術】たとえば歯科治療のときに行われる口腔
内のX線撮影では、X線撮影装置のCCDセンサを患者
の口腔内に挿入して患部に押当て、モニタ画面に映し出
された画像を見て診断を行う。従来では、前記CCDセ
ンサは直接患者の口腔内に挿入されるので、術者は患者
の唾液中の細菌が他の患者や術者自身に感染することを
防止するために、前記CCDセンサを使用する毎にたと
えば消毒用アルコールなどをガーゼに含ませて拭浄して
いる。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】前述のように感染防止
のために前記CCDセンサを使用する毎に拭浄して完全
に消毒するのには、非常に手間がかかり効率も悪い。
【0004】したがって本考案の目的は、たとえば口腔
などの体腔に挿入して使用される医療機器を収納して診
断または治療のために使用し、使用後は容易に取外して
廃棄することができるようにして、手間を要することな
しに容易かつ確実に感染防止することができる医療用カ
バーを提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本考案は、医療機器が収
納される袋状の収納部と、この収納部と少なくとも同径
以上の直径を有する開口端側の筒部とが一体的に形成さ
れており、医療機器の収納方向に対する引張り力によっ
て縮径する可撓性の熱可塑性合成樹脂から成り、熱可塑
性合成樹脂は結晶化されて溶融温度よりも低い予め定め
る温度で医療機器の収納方向に延伸処理されていること
を特徴とする医療用カバーである。
【0006】また本考案は、少なくとも収納部は、透光
性を有することを特徴とする。
【0007】また本考案は、筒部の開口端部には、収納
部寄りに延びる切欠きによって分断された2つの舌状部
が形成されることを特徴とする。
【0008】また本考案は、収納部から筒部にわたって
延びる索条を、前記収納部に収納された医療機器または
前記収納部の先端内部に係着させることを特徴とする。
また本考案は、前記収納部と筒部との間に収納部よりも
直径の小さい部分を形成することを特徴とする。
【0009】
【作用】本考案に従えば、医療機器の収納方向に対する
引張り力によって縮径する可撓性の熱可塑性合成樹脂か
ら成る医療用カバーには、袋状の収納部と、開口端側に
前記収納部と少なくとも同径または同径以上の筒部とが
一体的に形成され、前記収納部には医療機器が収納され
る。また熱可塑性合成樹脂には、医療機器の収納方向に
延伸処理が施されている。このような医療用カバーは、
前記医療機器の収納方向に引張ることによって縮径させ
ることができるので、前記医療用カバーを引張ることに
よって希望する部位、たとえば収納部の筒部側付け根付
近が縮径して、前記医療機器が筒部へ移動することなし
に収納部内に保持される。
【0010】また、前記医療用カバーの少なくとも収納
部は透光性を有し、前記医療機器がたとえばCCDセン
サのように患者の口腔内で患部への正確な位置決めが必
要とされる場合であっても、前記医療用カバーの収納部
内におけるCCDセンサの位置を外部から容易に視認す
ることができる。
【0011】また、前記筒部の開口端部には、前記収納
部寄りに延びる切欠きによって分断された2つの舌状部
が形成されるので、これらの舌状部を相互に剥離するこ
とが容易であり、前記舌状部を把持して容易に前記医療
用カバーを裏返すことができる。
【0012】また、前記医療用カバー内で収納部から筒
部にわたって延びる索条が前記収納部に収納された医療
機器または収納部の先端内部に係着される。これによっ
て前記索条を把持して引張ることによって、容易に医療
用カバーを裏返した状態で前記収納部内の医療機器を取
出すことができる。また、前記収納部と筒部との間に収
納部よりも直径の小さい縮径部が形成されているので、
検査または治療時における医療機器のカバー内の移動を
防止することができ、保持性を向上することができる。
【0013】
【実施例】図1は本考案の一実施例の医療用カバー1を
歯科用X線撮影装置2のCCDセンサ3に装着した状態
の斜視図であり、図2は前記医療用カバー1を拡大して
示す平面図であり、図3は切断面線III−IIIから
見た断面図である。X線撮影装置2は複数の操作キー4
を有する装置本体5と、CRT(Cathode-Ray Tube;陰
極線管)などによって実現されるモニタ6と、前記モニ
タ6に映し出された画像をプリントアウトするプリンタ
7と、コード8を介して前記装置本体5に接続され患部
に当接させて撮影するCCDセンサ3とを有する。
【0014】医療用カバー1は、たとえばポリエチレ
ン、ポリプロピレンおよびポリ塩化ビニルなどの透光性
を有する熱可塑性合成樹脂フィルムから成る。その厚み
Tはたとえば0.05mm程度であり、医療用カバー1
は前記フィルム2枚を重ね周囲が加熱融着され袋状にさ
れている。また、前記医療用カバー1は、袋状の収納部
10と、前記収納部10よりは同径以上、本実施例では
大径の開口端側の筒部11とを有し、収納部10の内径
および収納方向である長手方向の長さは、その内部に種
々の医療機器が挿入できるよう適宜選ばれる。また前記
医療用カバー1の表面には微細な凹凸が粗面状に形成さ
れ、患部に当接させたときに不用意にずれないように加
工されている。
【0015】CCDセンサ3は、その収納方向A1上流
側の端部に索条9を係着させて医療用カバー1の収納部
10に挿入される。前記索条9は、たとえば紙または合
成樹脂フィルムなどから成り、前記収納部10から前記
筒部11の開口端部11b付近にわたって延びている。
【0016】また、前記索条9は、医療用カバー1の収
納部10の先端内部すなわち収納方向A1下流側の端部
10bに一体的に融着されてもよい。
【0017】CCDセンサ3が収納部10に挿入された
後、図4の矢符A1,A2で示される相反する方向に収
納部10の筒部11側の端部10aと筒部11の収納部
側の端部11aとを把持して引張ると、伸びもそれにつ
れて次第に増加し、収納部10の筒部側付け根12付近
の厚みTがほぼ均一な環状の断面が、その厚みTを減少
させながら半径方向内方に収縮する断面収縮がおこる。
この断面収縮は、伸び率およびヤング率によって異な
り、伸び率が大きく、ヤング率が小さい合成樹脂材料の
断面収縮率は大きくなる。しかも、前記断面収縮に方向
性を持たせ、希望する方向の断面収縮率をより大きくす
るために、前記医療用カバー1の医療機器の収納方向で
ある長手方向に延伸処理を施す。すなわち前記熱可塑性
樹脂では、細長い分子がお互いに結合することなく集合
しているので、前記熱可塑性樹脂を結晶化させて溶融温
度よりも少し低い温度、たとえばポリエチレン、ポリプ
ロピレンまたはポリ塩化ビニルでは95〜100℃で伸
張させて結晶化部分を前記長手方向と垂直に配列させ
る。これによって長手方向の強度およびヤング率を増大
させることができる。このように、長手方向に延伸処理
した医療用カバー1を、上述のように相反する方向に収
納部10の筒部11側の端部10aと筒部11の収納部
10側の端部11aとを把持して引張ると、規則正しく
配列した結晶化部分が、長手方向とは垂直な半径方向に
配列して長手方向の機械強さが強くなっているので、医
療用カバー1は長手方向とは垂直な半径方向内方に収縮
する。このように引張り力によって、収納部10の付け
根12付近を縮径させることができるので、前記収納部
10内に挿入されているCCDセンサ3が筒部11内へ
移動することなしに収納部10内に保持される。
【0018】以上のようにして抜止めされたCCDセン
サ3は、患者の口腔内に挿入されて患部に押当てられ撮
影される。このときの映像は装置本体5を介してモニタ
6に映し出される。同時にプリンタ7で必要とされる映
像がプリントアウトされる。撮影が終了したときには、
CCDセンサ3は索条9を引張りながら医療用カバー1
から取出され、前記医療用カバー1は唾液などが付着し
ている表面を内側に裏返して廃棄される。
【0019】また、本実施例において、医療機器または
収納部10の先端内部に係着した索条9は、医療用カバ
ー1と同じ材質の合成樹脂製テープでもよいし他の材質
の合成樹脂製テープでもよい。また、係着とは、収納部
10先端内部に一体的に融着されていてもよいし、CC
Dセンサ3に粘着テープで貼着したり、また単に長い索
条9の中央部を折曲げ、その部分にCCDセンサ3を押
込むようにするだけでもよい。
【0020】本考案の他の実施例として、医療用カバー
1を低密度ポリエチレンおよびリニア低密度ポリエチレ
ンを用いて構成してもよい。
【0021】以上のように医療用カバー1にCCDセン
サ3を収納して口腔内へ挿入して撮影するので、患者の
唾液などが直接CCDセンサ3に付着するのを防止し、
したがって確実に細菌が他の患者や術者自身に感染する
ことを防止できる。また、使用済みの医療用カバー1
は、裏返して廃棄するので非常に衛生的である。
【0022】図5は、本考案の他の実施例の医療用カバ
ー21を示す斜視図である。医療用カバー21は前述の
医療用カバー1とほぼ同じ構成を有し、対応する部分に
は同一の参照符号を付す。特筆すべきは、医療用カバー
21の筒部11の開口端部11bには、収納部寄りに延
びる切欠き13が形成されるとともに、前記切欠き13
によって分断された2つの舌状部14が形成されている
ことである。前記舌状部14は、円弧状の形状を有して
おり、撮影後医療用カバー21を裏返すときに前記舌状
部14を相互に剥離することは容易であり、これらの舌
状部14を把持して容易に裏返すことができ、利便性が
向上している。
【0023】前述の各実施例では、収納部10および筒
部11を透光性材料から形成するようにしたけれども、
本考案のさらに他の実施例として、収納部10は透光性
を有し、筒部11は遮光性、たとえば白色としてもよ
い。
【0024】本考案は、前述のような歯科用X線撮影装
置2のCCDセンサ3を収納して用いるだけではなく、
たとえば口や耳などの体腔内に挿入される舌圧子および
鼻鏡などの医療用具ならびに胃カメラおよび超音波セン
サなどの診断器具に関しても好適に用いることができ
る。
【0025】
【考案の効果】以上のように本考案によれば、医療用カ
バーは袋状の収納部と、開口端側に前記収納部よりは少
なくとも同径以上の直径を有する筒部とを有し、医療機
器の収納方向に対する引張り力によって縮径する可撓性
の熱可塑性合成樹脂から成るので、収納部に医療機器を
収納して引張ることによって、希望する部位たとえば収
納部の筒部側の付け根付近を縮径させて前記医療機器を
収納部内に保持して、前記医療機器が筒部側へ移動する
ことを防止できる。また、熱可塑性合成樹脂が前記収納
方向に延伸処理されているので、前記縮径部の形成を確
実かつ容易に行うことができる。また、医療機器は直接
体腔内の患部に接触しないので、前記医療機器を使用す
る毎に消毒する必要がなくなり、診断または治療した
後、前記医療用カバーを取外して廃棄すればよく、利便
性の向上が図られるとともに非常に衛生的である。
【0026】また本考案によれば、前記医療用カバーの
少なくとも収納部は透光性を有するので、前記医療機器
がたとえばCCDカメラのように患者の口腔内で患部へ
の正確な位置決めが必要とされる場合であっても、前記
医療用カバーの収納部内におけるCCDカメラの位置を
外部から容易に視認することができる。
【0027】また本考案によれば、前記筒部の開口端部
には、前記収納部寄りに延びる切欠きによって分断され
た2つの舌状部が形成されるので、これらの舌状部を相
互に剥離することが容易であり、この舌状部を把持して
容易に前記医療用カバーを裏返すことができる。
【0028】また、本考案によれば、前記医療用カバー
の収納部から筒部にわたって延びる索条を前記収納部に
収納された医療機器または前記収納部の先端内部に係着
させるようにしたので、前記索条を把持して引張ること
によって容易に汚染された医療用カバーの表面を内側に
裏返して収納部内の医療機器を取出すことができる。ま
た本考案によれば、医療用カバーに縮径部が形成されて
いるので、検査または治療時における医療機器のカバー
内の移動を防止することができ、保持性を向上すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の一実施例の医療用カバー1を歯科用X
線撮影装置2のCCDセンサ3に装着した状態の斜視図
である。
【図2】図1に示す医療用カバー1を拡大して示す平面
図である。
【図3】切断面線III−IIIから見た断面図であ
る。
【図4】図1に示す医療用カバー1を長手方向に引張っ
たときの斜視図である。
【図5】本考案の他の実施例の医療用カバー21を示す
斜視図である。
【符号の説明】
1,21 医療用カバー 9 索条 10 収納部 11 筒部 13 切欠き 14 舌状部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 橘 昭文 京都府京都市伏見区東浜南町680番地 株式会社モリタ製作所内 (72)考案者 鈴木 正和 京都府京都市伏見区東浜南町680番地 株式会社モリタ製作所内 (72)考案者 薦田 敏博 大阪府大阪市東淀川区菅原7丁目8番27 号 株式会社精宏内 (56)参考文献 特開 平4−253849(JP,A) 特開 平2−13439(JP,A) 実開 昭59−11709(JP,U) 実開 昭63−68306(JP,U) 実開 昭57−191323(JP,U) 実開 平5−39501(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) A61B 6/00 - 6/14

Claims (5)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 医療機器が収納される袋状の収納部と、
    この収納部と少なくとも同径以上の直径を有する開口端
    側の筒部とが一体的に形成されており、医療機器の収納
    方向に対する引張り力によって縮径する可撓性の熱可塑
    性合成樹脂から成り、熱可塑性合成樹脂は結晶化されて
    溶融温度よりも低い予め定める温度で医療機器の収納方
    向に延伸処理されていることを特徴とする医療用カバ
    ー。
  2. 【請求項2】 少なくとも収納部は、透光性を有するこ
    とを特徴とする請求項1記載の医療用カバー。
  3. 【請求項3】 筒部の開口端部には、収納部寄りに延び
    る切欠きによって分断された2つの舌状部が形成される
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の医療用カバ
    ー。
  4. 【請求項4】 収納部から筒部にわたって延びる索条
    を、前記収納部に収納された医療機器または前記収納部
    の先端内部に係着させることを特徴とする請求項1〜3
    のいずれかに記載の医療用カバー。
  5. 【請求項5】 前記収納部と筒部との間に収納部よりも
    直径の小さい部分を形成することを特徴とする請求項1
    〜4のいずれかに記載の医療用カバー。
JP1993048053U 1993-09-03 1993-09-03 医療用カバー Expired - Lifetime JP2581075Y2 (ja)

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JPH0717207U JPH0717207U (ja) 1995-03-28
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPH0717207U (ja) 1995-03-28

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