JP2581021Y2 - 自動変速機のライン圧制御装置 - Google Patents

自動変速機のライン圧制御装置

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JP2581021Y2
JP2581021Y2 JP1992053633U JP5363392U JP2581021Y2 JP 2581021 Y2 JP2581021 Y2 JP 2581021Y2 JP 1992053633 U JP1992053633 U JP 1992053633U JP 5363392 U JP5363392 U JP 5363392U JP 2581021 Y2 JP2581021 Y2 JP 2581021Y2
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、自動変速機のライン圧
制御装置に係り,詳しくは、スロットルセンサが出力す
るスロットル開度に応じたスロットル開度検出信号を入
力情報の1つとして、自動変速機の摩擦要素のライン圧
を制御する自動変速機のライン圧制御装置に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の制御装置としては、例え
ば、実開昭63−62656号公報に記載のものが知ら
れている。
【0003】かかる制御装置は、スロットルセンサ内に
中開度センサが構成されており、その中開度センサによ
って、スロットル開度が所定の中開度にあることを検出
し、そして、その検出時にスロットルセンサの検出信号
が所定の正常範囲内にあるか否かを判定して、それが正
常範囲内にないときに、自動変速機における摩擦要素の
ライン圧を補充して、摩擦要素のすべりに起因する駆動
トルクの低下を防止するようになっている。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】ところが、上記従来の
制御装置では、その制御機能を果たすだけのために、ス
ロットルセンサ内に中開度センサを構成しなければなら
ず、しかも、その中開度センサは、アクセルペダルの踏
込みによって回動する回動端子と、その回動端子の回動
軌跡上の所定の範囲内に設けられた固定端子とによって
構成されているため、スロットルセンサの構成の複雑化
および大型化を招くという問題があった。
【0005】本考案の目的は、構成の簡素化と共に、高
い信頼性をもってスロットルセンサの検出信号の異常の
有無を判定して対処することができる自動変速機のライ
ン圧制御装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本考案の自動変速機のラ
イン圧制御装置は、スロットルセンサが出力するスロッ
トル開度に応じたスロットル開度検出信号を入力情報の
1つとして、自動変速機の摩擦要素のライン圧を制御す
る自動変速機のライン圧制御装置において、車載エンジ
ンの吸気流量に応じた検出信号を出力する第1の検出手
段と、前記第1の検出手段の検出信号が所定の中開度判
定用の基準信号に対応するときに中開度の検出信号を出
力する第2の検出手段と、前記第2の検出手段から中開
度の検出信号が出力されたときに、前記スロットルセン
サのスロットル開度信号が所定範囲のスロットル開度に
対応するものであるか否かを判定する判定手段と、前記
判定手段によって前記スロットル開度信号が所定範囲の
スロットル開度に対応するものでないと判定されたとき
に、前記摩擦要素のライン圧を所定圧に補充制御する圧
力補充制御手段とを備えてなることを特徴とする。
【0007】
【作用】本考案の自動変速機のライン圧制御装置は、吸
気流量の検出手段を用いてスロットルが中開度にあるこ
とを検出し、その検出時にスロットルセンサの検出信号
の異常の有無を判定して、それが異常のときに自動変速
機における摩擦要素のライン圧を補充制御する。
【0008】
【実施例】以下、本考案の一実施例を図面に基づいて説
明する。
【0009】図1において、1は車両用自動変速機2の
制御ユニットであり、その内部には、後述するように自
動変速機2の摩擦要素のライン圧を制御するライン圧制
御手段11、およびその自動変速機2を変速制御する変
速制御手段21が備えられている。後者の制御手段21
には、スロットルの開度が所定以下であることを検出す
るアイドルスイッチ22、およびスロットルの開度が所
定以上であることを検出するキックダウンスイッチ23
などの種々のセンサが接続されており、それらのセンサ
からの情報により車両の走行状況を察知して、自動変速
機2を自動変速する構成となっている。なお、それらの
スイッチ22および23は、例えば、後述するスロット
ルセンサ30と一体に構成されている。
【0010】一方、ユニット1内の前者のライン圧制御
手段11には、スロットルの開度を検出するスロットル
センサ30が接続されており、そのスロットルセンサ3
0の検出信号に基づいて、自動変速機2の摩擦要素のラ
イン圧をスロットルの開度に応じて制御する。ここで、
自動変速機2の摩擦要素としては、例えば、多板クラッ
チ,多板ブレーキ,バンドブレーキ等が用いられてお
り、それらは、スロットルの開度に比例したライン圧が
供給されることによって、所定の摩擦力を得て動力を伝
達することになり、仮に、そのライン圧が不足した場合
には伝達トルクの低下をもたらすことになる。また、ス
ロットルセンサ30は、例えば、アクセルペダルの踏込
み量に応じて回動する回動体に可動接点が設けられてい
て、その可動接点が抵抗体上を摺接することによって、
スロットル開度に応じたスロットル開度の検出信号P1
(電圧)を出力する構成となっている。さらに、このス
ロットルセンサ30内には、前述したアイドルスイッチ
22およびキックダウンスイッチ23が構成されてお
り、前者のスイッチ22は、例えば、アクセルペダルの
踏み込み量が所定量以下のときに、前記の回動体に設け
られた第1の可動端子がスロットルセンサ30の本体側
の第1の固定端子に接触してスイッチ「ON」となる構
成とされている。一方、後者のスイッチ23は、例え
ば、アクセルペダルの踏み込み量が所定量以上のとき
に、前記の回動体に設けられた第2の可動端子がスロッ
トルセンサ30の本体側の第2の固定端子に接触してス
イッチ「ON」となる構成とされている。
【0011】また、ライン圧制御手段11は、中開度検
出手段(第2の検出手段)12、異常判定手段(判定手
段)13および圧力補充制御手段14と共に、ライン圧
制御装置10を構成しており、その中開度検出手段12
には、車載エンジンの吸気流量を検出するエアーフロー
センサ(第1の検出手段)40が接続されている。
【0012】まず、エアーフローセンサ40は、図3お
よび図4に示すようなエンジンの吸気管50に備えられ
ている。そして、その吸気管50の内側に位置する基体
41に、後述するホットフィルムRH ,温度補償抵抗R
1 ,および基準抵抗R2 が備えられ、さらに、それらが
回路基板42上の制御回路に接続されることによって、
エアーフローセンサ40が図2に示すような回路構成と
なっている。
【0013】すなわち、オペアンプAの反転入力端子が
出力抵抗R3 を介して出力端子T1に接続され、そのオ
ペアンプAの出力端子がトランジスタTr1 のベースに
接続され、さらに、そのトランジスタTr1 のエミッタ
と、車載バッテリーの陽極に接続される電源端子T2
の間には、トランジスタTr2 およびTr3 がダーリン
トン接続されている。そのトランジスタTr3 のコレク
タは、前述したホットフィルムRH を介してオペアンプ
Aの反転入力端子に接続されていると共に、前述した温
度補償抵抗R1 を介してオペアンプAの非反転入力端子
に接続されている。また、オペアンプAの非反転入力端
子は基準抵抗R2 を介してアース端子T3 に接続され、
またその反転入力端子は分圧抵抗R4 を介してアース端
子T3 に接続されている。さらに、電源端子T2 とアー
ス端子T3 との間には、抵抗R5および可変抵抗VR
直列に接続されている。また、図2中のDは保護ダイオ
ードである。
【0014】このようなエアーフローセンサ40におい
て、ホットフィルムRH は、その表面に白金皮膜が形成
されており、吸気管50中を矢印A方向(図3および図
4参照)に流れるエンジンの吸入空気に応じて冷却され
ることにより、その吸気流量に応じて抵抗値が変化する
ものである。本例の場合は、吸気流量が増してホットフ
ィルムRH の冷却程度が大きくなるにつれて、その抵抗
値が下がるものになっている。また、温度補償抵抗R1
も同様の特性を示すものとなっている。したがって、図
2に示すエアーフローセンサ40の回路構成において、
いま、吸気流量が増してホットフィルムRH の抵抗値が
小さくなった場合は、オペアンプAの反転入力端子の電
位が上がり、その出力電位が下がってトランジスタTr
2 のコレクタ電位つまり図2中のP0 点の電位が上が
る。そのP0 点の電位の上昇に伴って、抵抗R1 および
2 によって定まるオペアンプAの非反転入力端子の電
位も増加し、そして、そのオペアンプAの非反転入力端
子と反転入力端子の電位が一致したときにP点の電位の
上昇が止まる。したがって、吸気流量の増加に伴って出
力端子T1 の出力電圧が上昇し、また逆に、吸気流量の
減少に伴ってその出力電圧が下降することとなる。そし
て、本例のエアーフローセンサ40の場合には、図5に
示すような「吸気流量−出力電圧」特性を示すことにな
る。以下においては、その出力電圧を「吸気流量の検出
信号P2 」という。
【0015】ところで、このような構成のエアーフロー
センサ40は、元々、エンジンの燃料噴射制御装置など
に接続されて、例えば、吸気流量の検出信号を燃料噴射
装置の制御のための入力情報として出力するものであ
る。したがって、本例においては、他の制御装置のため
にも利用される既存のエアーフローセンサ40がそのま
ま用いられることになる。
【0016】次に、再び図1に戻り、中開度検出手段1
2は、前述した吸気流量の検出信号P2 に基づいて、ス
ロットルの開度が所定の中開度にあるか否かを判定する
ものであり、そのために、図2に示すように、検出信号
2 と比較基準信号P3 (電圧)とをコンパレータCに
よって比較して、それが一致したときに中開度検出信号
4 を出力する構成となっている。その比較基準信号P
3 は、車両の走行状況(例えば、車速やエンジン回転数
など)に応じて変化させる。これにより、スロットルが
中開度にあることを確実に検出できることになる。
【0017】また、図1において異常判定手段13は、
中開度検出信号P4 を入力し、その入力時に、前述した
スロットル開度の検出信号P1 のレベル(電圧)が所定
の正常範囲内にあるか否かを判定するものであり、その
検出信号P1 のレベルが所定の正常範囲内から外れてい
た場合に、スロットルセンサの異常検出信号P5 を出力
する。また、圧力補充制御手段14は、異常検出信号P
5 を入力し、その入力時、つまりスロットルセンサ30
の検出信号の異常時に、前述した自動変速機2の摩擦要
素のライン圧を所定値にするための圧力補充信号P6
前述したライン圧制御手段11に出力する。そして、そ
のライン圧制御手段11は、圧力補充信号P6 を入力し
たときに、自動変速機2の摩擦要素のライン圧を補充し
て、それを所定値にすべく制御する。また、本実施例の
場合、制御ユニット1は図2に示すようにCPUを用い
た構成とされている。
【0018】しかして、以上のように構成されたライン
圧制御装置10は、既存のエアーフローセンサ40を用
い、それが検出した吸気流量に基づいてスロットル開度
が中開度にあるか否かを判定し(中開度検出手段1
2)、そして、それが中開度にあるときに、スロットル
センサ30の検出信号の異常の有無を判定して(異常判
定手段13)、それが異常の場合に、自動変速機2の摩
擦要素のライン圧を補充して、それを所定圧に制御する
(圧力補充制御手段14,ライン圧制御手段11)こと
になる。したがって、スロットルセンサ30の検出信号
の異常によって自動変速機2の摩擦要素のライン圧が不
足したときに、そのライン圧が補充されて、摩擦要素の
すべりに起因する駆動トルクの低下が防止されることに
なる。しかも、既存のエアーフローセンサ40を用い
て、スロットル開度が中開度にあることを検出する構成
であるため、その検出のためだけにスロットルセンサ内
に中開度センサを組込む従来の構成に比して、装置全体
の構成の簡素化が図られることにもなる。
【0019】なお、図1中の2点鎖線で示すように、ス
ロットルセンサ内に組込まれた従来の中開度センサ60
をも異常判定手段13に接続して、その中開度センサ6
0の検出信号、つまりスロットル開度が中開度であると
きに出力される検出信号P4′を、前述した中開度検出
手段12の検出信号P4 と同様に入力してもよい。この
場合、異常判定手段13は、検出信号P4 ,P4 ′の両
方、または少なくとも一方が出力されたときに、スロッ
トル開度の検出信号P1 の異常の有無を判定することに
なる。
【0020】
【考案の効果】以上説明したように、本考案の自動変速
機のライン圧制御装置は、吸気流量の検出手段を用いて
スロットルが中開度にあることを検出し、その検出時に
スロットルセンサの検出信号の異常の有無を判定して、
それが異常のときに自動変速機における摩擦要素のライ
ン圧を補充制御するため、スロットルの中開度の検出手
段として、他の制御装置のためにも利用される吸気流量
の検出手段を用いて構成の簡素化を図ることができ、さ
らに、その吸気流量の検出手段は、スロットルセンサと
は検出対象が異なる別系統の検出手段であるため、高い
信頼性をもって、スロットルの中開度を検出して対処す
ることができる。その吸気流量の検出手段としては、車
載エンジンの燃料噴射制御装置に備わるものを用いるこ
とができる。また、吸気流量の検出手段から出力される
検出信号の判定基準となる中開度判定用の基準信号を、
車両の走行状況に応じて変化させることにより、スロッ
トルの中開度をより確実に検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の一実施例を示すブロック構成図であ
る。
【図2】図1に示すエアーフローセンサの回路構成図で
ある。
【図3】図1に示すエアーフローセンサを備えた吸気管
の斜視図である。
【図4】図3に示す吸気管の縦断面図である。
【図5】図1に示すエアーフローセンサの作動特性図で
ある。
【符号の説明】
1 制御ユニット 2 自動変速機 10 ライン圧制御装置 11 ライン圧制御手段 12 スロットルの中開度検出手段(第2の検出手段) 13 スロットルセンサの異常判定手段(判定手段) 14 圧力補充制御手段 30 スロットルセンサ 40 エアーフローセンサ(第1の検出手段)

Claims (3)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スロットルセンサが出力するスロットル
    開度に応じたスロットル開度検出信号を入力情報の1つ
    として、自動変速機の摩擦要素のライン圧を制御する自
    動変速機のライン圧制御装置において、 車載エンジンの吸気流量に応じた検出信号を出力する
    1の検出手段と、 前記第1の検出手段の検出信号が所定の中開度判定用の
    基準信号に対応するときに中開度の検出信号を出力する
    第2の検出手段と、 前記第2の検出手段から中開度の検出信号が出力された
    ときに、前記スロットルセンサのスロットル開度信号が
    所定範囲のスロットル開度に対応するものであるか否か
    を判定する判定手段と、 前記判定手段によって前記スロットル開度信号が所定範
    囲のスロットル開度に対応するものでないと判定された
    ときに、前記摩擦要素のライン圧を所定圧に補充制御す
    る圧力補充制御手段とを備えてなることを特徴とする自
    動変速機のライン圧制御装置。
  2. 【請求項2】 前記第1の検出手段は、車載エンジンの
    燃料噴射制御装置に備わるものであることを特徴とする
    請求項1に記載の自動変速機のライン圧制御装置。
  3. 【請求項3】 前記第2の検出手段は、車両の走行状況
    に応じて前記中開度判定用の基準信号を変化させること
    を特徴とする請求項1または2に記載の自動変速機のラ
    イン圧制御装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPH03224833A (ja) * 1990-01-31 1991-10-03 Japan Electron Control Syst Co Ltd 自動変速機のライン圧制御装置

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