JP2580793Y2 - 容器兼用注射器用の耐圧ホルダー - Google Patents

容器兼用注射器用の耐圧ホルダー

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JP2580793Y2
JP2580793Y2 JP7075292U JP7075292U JP2580793Y2 JP 2580793 Y2 JP2580793 Y2 JP 2580793Y2 JP 7075292 U JP7075292 U JP 7075292U JP 7075292 U JP7075292 U JP 7075292U JP 2580793 Y2 JP2580793 Y2 JP 2580793Y2
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、所定量の薬液をガラス
カートリッジ内に予め無菌状態で密閉することが可能な
容器兼用注射器を、血管造影剤等の高圧注入薬剤を注射
するための高圧注入注射器として使用可能にするため
の、容器兼用注射器用の耐圧ホルダーに関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】図8に示されている従来の高圧注入注射
器1は、シリンジ2が肉厚の合成樹脂製であり、血管造
影剤等の高圧注入薬剤を予めシリンジ2内に充填してお
くと該薬剤にシリンジ2から化学物質が溶出する危険性
がある。このため、従来の高圧注入注射器1では、高圧
注入薬剤を予めシリンジ2内に充填しておくことができ
ず、注射時に医療現場においてシリンジ2内に充填しな
ければならない。
【0003】従って、従来の高圧注入注射器1には、医
療現場における高圧注入薬剤のシリンジ2内への充填時
に該薬剤が空気中の細菌等で汚染される危険性がある、
という問題がある。また、血管造影剤等の高圧注入薬剤
は一般的に粘性が高いため、注射に先立つ充填作業にお
いて、シリンジ2の貫通孔3から高圧注入薬剤をシリン
ジ2内に吸い上げる場合には時間がかかるという問題も
あり、プランジャー4及びプランジャーロッド5(一部
図示省略)をシリンジ2内から抜き取って、シリンジ2
内に高圧注入薬剤を充填する場合には、その作業が煩雑
であると共に、該作業時に高圧注入薬剤が空気中の細菌
等で汚染される危険性が大きく、かつ、該作業時に高圧
注入薬剤の飛沫が作業者に付着するという問題もある。
なお、図9の符号6は、高圧注入注射器1の使用時まで
シリンジ2内の無菌性を保持するためのキャップを示し
ている。
【0004】ところで、特公昭62−58745号公報
等で公知である容器兼用注射器では、その一例が図10
に示されるように、ガラスカートリッジ12の一方の端
部13が合成樹脂製の針基15に密嵌させられ、ガラス
カートリッジ12の他方の端部14が合成樹脂製のフィ
ンガーグリップ16に密嵌させられて、ガラスカートリ
ッジ12と針基15とフィンガーグリップ16からシリ
ンジ11が形成されており、容器兼用注射器10のメー
カーにおいて、ガラスカートリッジ12内におけるゴム
栓17とゴム製のプランジャー18との間に所定量の薬
液20が充填・密閉された後、加熱滅菌等の滅菌処理が
施されて、ガラスカートリッジ12内に所定量の薬液2
0が予め無菌状態で密閉された状態で、出荷されてい
る。なお、図10の符号19は、容器兼用注射器10の
無菌性を保持するためのキャップを示している。
【0005】従って、容器兼用注射器10は、通常の注
射器と比べて、医療現場で薬液を所定量だけシリンジ1
1内へ充填する手間がかからず、該充填時に薬液が空気
中の細菌等で汚染される危険性がない等の利点を有して
いる。
【0006】なお、容器兼用注射器10の針基15は、
図10に示されるように、円筒状の周壁部31の一部に
ガラスカートリッジ12が密嵌されて、周壁部31の残
りの部分及び底部32によって内室33が形成されてお
り、底部32の外壁面34に2条ネジを有するルアーロ
ック型のキャップ取付部35が突設され、該取付部35
の中央部先端から内室33に至る貫通孔36が貫設さ
れ、該貫通孔36から放射状に走るバイパス溝37が内
室33を形成する内壁面に凹設され、内室33の軸方向
の長さLがゴム栓17の厚さMより長く設定されてい
る。
【0007】このため、容器兼用注射器10ではその使
用に際して、図11に示されるように(シリンジ11及
びプランジャーロッド21の一部図示省略)、プランジ
ャー7にプランジャーロッド21を取り付け、キャップ
取付部14にキャップ付注射針22を取り付けて、プラ
ンジャーロッド21を押進させると、ゴム栓17が薬液
20を介して針基15の内室33内に移動させられて、
薬液20がバイパス溝37を通り貫通孔36を通って、
キャップ付注射針22から吐出される。
【0008】ところで、図10の容器兼用注射器10に
おいて、高粘度の血管造影剤等のような高圧注入薬剤を
薬液20の代わりにガラスカートリッジ12内に所定量
だけ予め無菌状態で充填・密閉して、容器兼用注射器1
0を高圧注入注射器として使用する場合には、図12に
示すように、手動等によってプランジャーロッド21を
押進させて、ゴム栓17を針基15の内室33内に移動
させ、高圧注入薬剤40がチューブ付注射針(注射針図
示省略)41から吐出される状態にした後に、容器兼用
注射器10のフィンガーグリップ16を自動注入器のグ
リップ把持部50に取り付け、プランジャーロッド21
(一部図示省略)を介してプランジャー18を自動注入
器(グリップ把持部50以外図示省略)によって所定の
押進力Pで押進させる必要がある。
【0009】ところが、高圧注入薬剤40が充填されて
いる図12の容器兼用注射器10では、薬液20が充填
されている図10の容器兼用注射器10を通常に使用す
る場合(図11参照)と比べて、強い押進力Pを必要と
するため、ガラスカートリッジ12内の高圧注入薬剤4
0が高い内圧Qを有しており、該内圧Qが、ガラスカー
トリッジ12の一方の端部13に嵌着されている針基1
5にゴム栓17を介して作用するので、針基15には、
図11の場合と比べて強い引抜力Rが発生する。
【0010】このため、図10の容器兼用注射器10を
高圧注入注射器として使用すると、針基15とガラスカ
ートリッジ12との嵌合が緩んで高圧注入薬剤40が漏
出する危険性や、針基15がガラスカートリッジ12か
ら外れる危険性が生じ、針基15がガラスカートリッジ
12から外れない場合であっても、ガラスカートリッジ
12の他方の端部14に嵌着されているフィンガーグリ
ップ16からガラスカートリッジ12が針基15と共に
外れる危険性が生じる。また、ガラスカートリッジ12
が高圧注入薬剤40の内圧Qによって破損する危険性も
生じる。
【0011】従って、図9の容器兼用注射器10は、高
圧注入注射器としての使用が不可能である。
【0012】
【考案が解決しようとする課題】従来技術の前記問題点
及び前記危険性に鑑み、本考案では、ガラスカートリッ
ジ内に高圧注入薬剤を予め無菌状態で密閉した容器兼用
注射器を高圧注入注射器として使用可能にするための、
容器兼用注射器用の耐圧ホルダーを提供することを課題
としている。
【0013】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
の手段として、本考案では、容器兼用注射器用のガラス
カートリッジが一方の端部から密嵌させられる合成樹脂
製で有底筒状の針基部と、前記ガラスカートリッジが他
方の端部から密嵌させられる合成樹脂製で筒状のフィン
ガーグリップ部とが相互に連結し合う連結手段を有し、
前記針基部が、周壁部の一部であり前記ガラスカートリ
ッジが密嵌させられる嵌合部と、前記周壁部の残りの部
分及び底部によって形成される内室を有する内室部と、
前記底部の外壁面に突設された注射針取付部とで形成さ
れており、前記注射針取付部の中央部先端からは前記底
部の内壁面に至る貫通孔が貫設され、該貫通孔から放射
状に走る1本以上のバイパス溝が、前記底部の内壁面か
ら前記内室部における前記周壁部の内周壁面の軸方向に
連続させられて凹設され、前記内室部における前記内室
の軸方向の長さが、前記ガラスカートリッジ内に密嵌さ
れ前記内室に移動させられるゴム栓の厚さより長く設定
され、前記フィンガーグリップ部の外周壁面には鍔部が
突設されている、という構成を採用している。
【0014】
【作用】本考案の作用を、図8に基づいて以下に説明す
る。
【0015】本考案は前記構成とされているので、容器
兼用注射器用のガラスカートリッジ12の一方の端部1
3を合成樹脂製で有底筒状の針基部101における嵌合
部111に密嵌させ、ガラスカートリッジ12の他方の
端部14を合成樹脂製で筒状のフィンガーグリップ部1
02に密嵌させ、針基部101及びフィンガーグリップ
部102が有する連結手段131,145により針基部
101とフィンガーグリップ部102とを互いに連結さ
せて、シリンジを組み立て、該シリンジのガラスカート
リッジ12内におけるゴム製のプランジャー18と所定
のゴム栓17との間に血管造影剤等の高圧注入薬剤40
を所定量だけ無菌状態で密閉して、所定量の高圧注入薬
剤40が無菌状態で密閉されている容器兼用注射器15
0を作製した後、該注射器150のプランジャー18に
プランジャーロッド21(一部図示省略)を取り付け、
該注射器150における針基部101の注射針取付部1
13にチューブ付注射針41(注射針は図示省略)を取
り付けて、プランジャーロッド21を介してプランジャ
ー18を手動等で押進させると、高圧注入薬剤40を介
してゴム栓17が針基部101の内室122に向かって
押進させられる。
【0016】このとき、本考案に係る耐圧ホルダーで
は、針基部101の内室部112における内室122の
軸方向の長さN(図3参照)が、ガラスカートリッジ1
2内に密嵌され内室122に移動させられるゴム栓17
の厚さM(図3参照)より長く設定されており、注射針
取付部113の中央部先端から底部121の内壁面12
4に至る貫通孔125が貫設され、該貫通孔125から
放射状に走る1本以上のバイパス溝126が、底部12
1の内壁面124から内室部112における周壁部11
0の内周壁面127の軸方向に連続させられて凹設され
ているので、本考案に係る耐圧ホルダーを使用した容器
兼用注射器150では、高圧注入薬剤40を介してゴム
栓17が針基部101の内室122内に押進させられ
て、針基部101の内室部112における底部121の
内壁面124に当接させられても、該内壁面124に当
接させられたゴム栓17によって針基部101の貫通孔
125が密閉されることなく、高圧注入薬剤40が、針
基部101の内室部112内に凹設されているバイパス
溝126を通り、貫通孔125を通って、チューブ付注
射針41から吐出される。
【0017】この状態において、フィンガーグリップ部
102の鍔部142を自動注入器のグリップ把持部16
0で把持させ、容器兼用注射器150を自動注入器(グ
リップ把持部160以外図示省略)にセットして、該注
入器を作動させると、プランジャーロッド21を介して
プランジャー18が所定の押進力Pで押進させられて、
高圧注入薬剤40に内圧Qが発生し、該内圧Qがゴム栓
17を介して針基部101に作用して、針基部101に
引抜力Rが発生する。
【0018】しかし、本考案に係る耐圧ホルダーを使用
した容器兼用注射器150では、針基部101とフィン
ガーグリップ部102とが連結手段131,145によ
って互いに連結させられているので、図12に示される
容器兼用注射器10と比べて、針基部101とガラスカ
ートリッジ12との嵌合が緩んで高圧注入薬剤40が漏
出する危険性が減少すると共に、針基部101がガラス
カートリッジ12から外れる危険性も減少し、ガラスカ
ートリッジ12が針基部101と共にフィンガーグリッ
プ部102から外れる危険性も減少する。
【0019】また、自動注入器によってプランジャー1
8を所定の押進力Pで押進させると、高圧注入薬剤40
の内圧Qがガラスカートリッジ12に対して法線方向に
作用するが、本考案に係る耐圧ホルダーを使用した容器
兼用注射器150では、ガラスカートリッジ12が、合
成樹脂製の針基部101における嵌合部111と合成樹
脂製のフィンガーグリップ部102とにそれぞれ密嵌さ
せられて、全体に亘って針基部101の嵌合部111と
フィンガーグリップ部102とで補強されているので、
図12の容器兼用注射器10と比べて、ガラスカートリ
ッジ12が高圧注入薬剤40の内圧Qによって破損させ
られる危険性も減少する。
【0020】
【実施例】本考案の第1実施例を図1〜図3に基づいて
以下に説明する。なお、図3において、図9に示される
部材と同一の部材には、同一の名称及び符号を付してい
る。
【0021】本考案の第1実施例である耐圧ホルダー1
00は、図1に示されるように、容器兼用注射器用のガ
ラスカートリッジ12(図3参照)が一方の端部13か
ら密嵌させられる透明性を有する合成樹脂製で有底筒状
の針基部101と、ガラスカートリッジ12が他方の端
部14から密嵌させられる透明性を有する合成樹脂製で
筒状のフィンガーグリップ部102とから形成されてお
り、針基部101とフィンガーグリップ部102とが相
互に連結し合う連結手段131,145(追って詳述)
を有している。
【0022】ところで、第1実施例である耐圧ホルダー
100では、針基部101及びフィンガーグリップ部1
02が透明性を有する合成樹脂製とされているが、本考
案に係る耐圧ホルダーでは、針基部及びフィンガーグリ
ップ部が合成樹脂製であれば良いのであって、該合成樹
脂が透明性を有するか否かは限定されていない。しか
し、針基部及びフィンガーグリップ部が透明性を有する
合成樹脂製である場合には、ガラスカートリッジ内に血
管造影剤等の高圧注入薬剤を充填・密閉しても、該薬剤
の有無が耐圧ホルダーの外側から確認できるので、使い
勝手が良い。従って、耐圧ホルダーの針基部及びフィン
ガーグリップ部は、透明性を有する合成樹脂製である方
が好ましい。
【0023】また、本考案に係る耐圧ホルダーでは、耐
圧ホルダーの針基部及びフィンガーグリップ部が合成樹
脂製であれば良いのであるから、該合成樹脂が透明性を
有するか否かに関係無く、ガラスカートリッジ内の高圧
注入薬剤を見るための監視孔が、少なくとも後述する針
基部の嵌合部に1箇所以上貫設されていても良い。耐圧
ホルダーの針基部及びフィンガーグリップ部が不透明性
の合成樹脂製であっても、ガラスカートリッジ内の高圧
注入薬剤の有無が耐圧ホルダーの外側から確認できるか
らである。
【0024】図1及び図3に示されるように、耐圧ホル
ダー100の針基部101は、周壁部110の一部であ
ってガラスカートリッジ12が密嵌させられる嵌合部1
11と、周壁部110の残りの部分及び底部121によ
って形成される内室122を有する内室部112と、底
部121の外壁面123に突設された注射針取付部11
3とで形成され、該取付部113が2条ネジを有するル
アーロック型とされており、嵌合部111の外周壁面に
おける開口部130寄りの部位には、フィンガーグリッ
プ部102と相互に連結し合う連結手段である断面楔形
の係止突部131が周設され、嵌合部111の内周壁面
における内室部112との境界部位には、ガラスカート
リッジ12の一方の端部13に周設されている第1凸部
61を凹凸嵌合させるための第1凹部133が周設され
ている。
【0025】また、針基部101は、図1に示されるよ
うに、注射針取付部113における中央部先端から底部
121の内壁面124に至る貫通孔125を有し、貫通
孔125から放射状に走る4本(図2参照)のバイパス
溝126が、底部121の内壁面124から内室部11
2における周壁部110の内周壁面127の軸方向に連
続させられて凹設され、内室部112における内室12
2の軸方向の長さN(図3参照)が、ガラスカートリッ
ジ12内に密嵌され内室122に移動させられるゴム栓
17の厚さM(図3参照)より長く設定されている。な
お、図3の符号18はゴム製のプランジャーを示してい
る。
【0026】フィンガーグリップ部102は、図1及び
図3に示されるように、外周壁面140における第1開
口部141寄りの部位に鍔部142が突設されており、
内周壁面143における第1開口部141寄りの部位に
は、ガラスカートリッジ12の他方の端部14に周設さ
れている第2凸部62を凹凸嵌合させるための第2凹部
144が周設され、内周壁面143における中央部に
は、針基部101と相互に連結し合う連結手段である断
面楔形の係止凹部145が周設されている。
【0027】なお、針基部101におけるフィンガーグ
リップ部102との連結手段である断面楔形の係止凸部
131は、嵌合部111の外周壁面の全周に亘って連続
的に周設されていても良いし、断続的に任意数に分割さ
れて周設されていても良い。また、フィンガーグリップ
部102における針基部101との連結手段である断面
楔形の係止凹部145も、フィンガーグリップ部102
の内周壁面143の全周に亘って連続的に周設されてい
ても良いし、断続的に任意数に分割されて周設されてい
ても良い。要は、針基部101の係止凸部131とフィ
ンガーグリップ部102の係止凹部145とが互いに係
合されて、針基部101とフィンガーグリップ部102
とが互いに連結されれば良いのである。
【0028】ところで、第1実施例である耐圧ホルダー
100では、針基部101が第1凹部133を有し、フ
ィンガーグリップ部102が第2凹部144を有してい
るが、本考案に係る耐圧ホルダーでは、針基部における
第1凹部の有無及びフィンガーグリップ部102におけ
る第2凹部の有無が限定されていない。
【0029】また、第1実施例である耐圧ホルダー10
0では、針基部101の注射針取付部が2条ネジを有す
るルアーロック型とされているが、本考案に係る耐圧ホ
ルダーでは、注射針取付部は、ルアーロック型に限定さ
れておらず、例えば2条ネジを有さないルアーテーパ型
であっても良い。ただし、針基部の注射針取付部は、ル
アーロック型である場合の方がルアーテーパ型である場
合より、チューブ付注射針のキャップ等が螺合によるロ
ックを加味されて注射針取付部から外れる危険性が少な
いので、好ましい。
【0030】更に、第1実施例である耐圧ホルダー10
0では、針基部101のバイパス溝126の本数が4本
とされているが、本考案に係る耐圧ホルダーでは、バイ
パス溝の本数は1本以上であれば良いのであるから、4
本に限定されない。
【0031】ところで、本考案の第1実施例である耐圧
ホルダー100では、針基部101及びフィンガーグリ
ップ部102における連結手段の構造が断面楔形の係止
凸部131及び係止凹部145とされている。しかし、
針基部とフィンガーグリップ部とが有する連結手段の構
造は、上述した構造に限定されない。そこで、上述した
構造以外の連結手段の構造例の幾つかを図4〜図6に基
づいて以下に説明する。なお、図4〜図6は容器兼用注
射器用のシリンジの縦断面図であり、図4〜図6におい
て、符号12は容器兼用注射器用のガラスカートリッジ
を示している。また、図4〜図6において、耐圧ホルダ
ーにおける連結手段以外の構造は、図1に示される耐圧
ホルダー100の構造と同一であるので説明を省略す
る。
【0032】図4に示される本考案の第2実施例である
耐圧ホルダー200では、針基部201の嵌合部211
の外周壁面における開口部230寄りの部位に、フィン
ガーグリップ部202と相互に連結し合う連結手段であ
る断面テーパ状の係止突部231が周設され、フィンガ
ーグリップ部202の内周壁面243における中央部
に、針基部201と相互に連結し合う連結手段である断
面テーパ状の係止凹部245が周設されている。
【0033】なお、針基部201が有する断面テーパ状
の係止凸部231は、嵌合部211の外周壁面の全周に
亘って連続的に周設されていても良いし、断続的に任意
数に分割されて周設されていても良い。また、フィンガ
ーグリップ部202が有する断面テーパ状の係止凹部2
45も、フィンガーグリップ部202の内周壁面243
の全周に亘って連続的に周設されていても良いし、断続
的に任意数に分割されて周設されていても良い。
【0034】図5に示される本考案の第3実施例である
耐圧ホルダー300では、針基部301の嵌合部311
の外周壁面における開口部330寄りの部位に、フィン
ガーグリップ部302と相互に連結し合う連結手段であ
る断面半円形の係止突部331が周設され、フィンガー
グリップ部302の内周壁面343における中央部に、
針基部301と相互に連結し合う連結手段である断面半
円形の係止凹部345が周設されている。
【0035】なお、針基部301が有する断面半円形の
係止凸部331は、嵌合部311の外周壁面の全周に亘
って連続的に周設されていても良いし、断続的に任意数
に分割されて周設されていても良い。また、フィンガー
グリップ部302が有する断面半円形の係止凹部345
も、フィンガーグリップ部302の内周壁面343の全
周に亘って連続的に周設されていても良いし、断続的に
任意数に分割されて周設されていても良い。
【0036】ところで、図5に示される本考案の第3実
施例である耐圧ホルダー300では、断面半円形の係止
凸部331及び係止凹部345の個数が1個とされてい
るが、該個数は1個に限定されず1個以上であっても良
い。
【0037】図6に示される本考案の第4実施例である
耐圧ホルダー400では、針基部401の嵌合部411
の外周壁面における開口部430寄りの部位に、フィン
ガーグリップ部402と相互に連結し合う連結手段であ
る雄ネジ431が螺設され、フィンガーグリップ部40
2の内周壁面443における第2開口部446寄りの部
位に、針基部401と相互に連結し合う連結手段である
雌ネジ445が螺設されている。
【0038】ところで、図6の耐圧ホルダー400で
は、針基部401に雄ネジ431が螺設され、フィンガ
ーグリップ部402に雌ネジ445が螺設されている
が、図7に示される本考案の第5実施例である耐圧ホル
ダー500のように、針基部501に雌ネジ531が螺
設され、フィンガーグリップ部502に雄ネジ545が
螺設されていても良い。
【0039】また、以上説明した第1〜第4実施例10
0,200,300,400では、針基部101,20
1,301,401の長さがフィンガーグリップ部10
2,202,302,402の長さより長く、主に針基
部101,201,301,401によってガラスカー
トリッジ12が補強されているが、本考案に係る耐圧ホ
ルダーでは、図7の耐圧ホルダー500のように、フィ
ンガーグリップ部502の長さが針基部501の長さよ
り長く、主にフィンガーグリップ部502によってガラ
スカートリッジ12が補強されていても良い。
【0040】また、以上説明した第1〜第4実施例10
0,200,300,400では、ガラスカートリッジ
12を針基部101,201,301,401に単に密
嵌させているのみであるが、本考案に係る耐圧ホルダー
では、図7に示す耐圧ホルダー500のように、針基部
501の内壁における嵌合部511と内室部512との
境界部の凹部528にリング状のゴムパッキン550を
挿入し、該パッキン550をガラスカートリッジ12の
一方の端部13の端縁で圧縮して、ガラスカートリッジ
12を針基部501内へ挿入する時の緩衝材とすると共
に、針基部501とガラスカートリッジ12との嵌合の
気密性を高めることも可能である。
【0041】更に、本考案に係る耐圧ホルダーでは、フ
ィンガーグリップ部の外周壁面に突設されている鍔部
は、該外周壁面の全周に亘って周設されていても良く、
該外周壁面における任意の部位にのみ突設されていても
良い。また、鍔部の形状は、第1〜第4実施例のように
断面鉤型であっても良く、第5実施例のように断面スト
レート型であっても良く、あるいは、断面鉤型及び断面
ストレート型以外の形状であっても良い。
【0042】なお、本考案に係る耐圧ホルダーにおい
て、針基部とフィンガーグリップ部とが有する連結手段
の構造は、以上説明したものに限定されず、針基部とフ
ィンガーグリップ部とが相互に連結され得るものであれ
ばどの様な構造であっても良い。なお、針基部及びフィ
ンガーグリップ部における連結手段を有する部位を接着
剤による接着・高周波又は超音波加熱等による溶着・該
接着と該溶着との併用等によって相互に固着してやれ
ば、針基部とフィンガーグリップ部との連結強度をより
強固にすることができる。
【0043】
【考案の効果】本考案に係る耐圧ホルダーは以上説明し
た構成及び作用を有しており、該ホルダーを使用して容
器兼用注射器用のシリンジを組み立て、該シリンジのガ
ラスカートリッジ内におけるプランジャーと所定のゴム
栓との間の空間に高圧注入薬剤を無菌状態で密閉して、
該薬剤が無菌状態で密閉されている容器兼用注射器を作
製し、該注射器を高圧注入注射器として使用した場合に
は、針基部の底部の内壁面にゴム栓が当接させられて
も、ゴム栓によって針基部の貫通孔が密閉されることな
く、高圧注入薬剤が、針基部の内室部内に凹設されてい
るバイパス溝を通り、貫通孔を通って注射針から吐出さ
れるので、本考案に係る耐圧ホルダーを使用して組み立
てられたシリンジは、容器兼用注射器としての使用が可
能である。
【0044】また、本考案に係る耐圧ホルダーは以上説
明した構成及び作用を有しているので、該ホルダーを使
用して組み立てられたシリンジ内に高圧注入薬剤が密閉
されている容器兼用注射器を高圧注入注射器として使用
した場合には、従来の容器兼用注射器を高圧注入注射器
として使用する図12に示される場合と比べて、針基部
とガラスカートリッジとの嵌合が緩んで高圧注入薬剤が
漏出する危険性が減少すると共に、針基部がガラスカー
トリッジから外れる危険性及びガラスカートリッジが針
基部と共にフィンガーグリップ部から外れる危険性も減
少する。また、高圧注入薬剤の内圧によってガラスカー
トリッジが破損する危険性も減少する。従って、本考案
に係る耐圧ホルダーを使用して作製された容器兼用注射
器は、高圧注入注射器としての使用が可能になる。
【0045】更に、本考案に係る耐圧ホルダーを使用し
て作製された容器兼用注射器では、高圧注入注射器とし
ての使用が可能になるので、所定量の高圧注入薬剤をガ
ラスカートリッジ内に予め無菌状態で密閉した状態で出
荷することができる。従って、合成樹脂製のシリンジを
有する図8の従来の高圧注入注射器と比べて、医療現場
における高圧注入薬剤のシリンジ内への所定量の充填作
業が不要となり、該作業時に空気中の細菌等が高圧注入
薬剤に混入する危険性がなくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の第1実施例を示す縦断面図である。
【図2】図1に示すもののA−A線断面図である。
【図3】図1に示すものを使用して組み立てた容器兼用
注射器用のシリンジ内にゴム栓及びプランジャーを密嵌
させたものを示す縦断面図である。
【図4】本考案の第2実施例を使用して組み立てた容器
兼用注射器用のシリンジを示す縦断面図である。
【図5】本考案の第3実施例を使用して組み立てた容器
兼用注射器用のシリンジを示す縦断面図である。
【図6】本考案の第4実施例を使用して組み立てた容器
兼用注射器用のシリンジを示す縦断面図である。
【図7】本考案の第5実施例を使用して組み立てた容器
兼用注射器用のシリンジを示す縦断面図である。
【図8】図2に示すものを使用して作製した容器兼用注
射器を高圧注入注射器として使用した場合の作用を示す
縦断面図である。
【図9】従来の高圧注入注射器を示す縦断面図である。
【図10】従来の容器兼用注射器を示す縦断面図であ
る。
【図11】図10に示すものを通常に使用した場合の作
用を示す縦断面図である。
【図12】図10に示すものを高圧注入注射器として使
用した場合の作用を示す縦断面図である。
【符号の説明】
12 容器兼用注射器用のガラスカートリッジ 13 容器兼用注射器用ガラスカートリッジの一方の端
部 14 容器兼用注射器用ガラスカートリッジの他方の端
部 17 ゴム栓 100,200,300,400,500 容器兼用注
射器用の耐圧ホルダー 101,201,301,401,501 針基部 102,202,302,402,502 フィンガー
グリップ部 110 周壁部 111,211,311,411,511 嵌合部 112,512 内室部 113 注射針取付部 121 底部 122 内室 123 底部の外壁面 124 底部の内壁面 125 貫通孔 126 バイパス溝 127 内室部における周壁部の内周壁面 131,231,331,431,531 針基部が有
する連結手段 140 フィンガーグリップ部の外周壁面 142 鍔部 145,245,345,445,545 フィンガー
グリップ部が有する連結手段 M ゴム栓の厚さ N 内室部における内室の軸方向の長さ

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 容器兼用注射器用のガラスカートリッジ
    が一方の端部から密嵌させられる合成樹脂製で有底筒状
    の針基部と、前記ガラスカートリッジが他方の端部から
    密嵌させられる合成樹脂製で筒状のフィンガーグリップ
    部とが相互に連結し合う連結手段を有し、前記針基部
    が、周壁部の一部であり前記ガラスカートリッジが密嵌
    させられる嵌合部と、前記周壁部の残りの部分及び底部
    によって形成される内室を有する内室部と、前記底部の
    外壁面に突設された注射針取付部とで形成されており、
    前記注射針取付部の中央部先端からは前記底部の内壁面
    に至る貫通孔が貫設され、該貫通孔から放射状に走る1
    本以上のバイパス溝が、前記底部の内壁面から前記内室
    部における前記周壁部の内周壁面の軸方向に連続させら
    れて凹設され、前記内室部における前記内室の軸方向の
    長さが、前記ガラスカートリッジ内に密嵌され前記内室
    に移動させられるゴム栓の厚さより長く設定され、前記
    フィンガーグリップ部の外周壁面には鍔部が突設されて
    いる前記容器兼用注射器用の耐圧ホルダー。
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