JP2579990B2 - 回転斜板式ポンプのシール構造 - Google Patents

回転斜板式ポンプのシール構造

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JP2579990B2
JP2579990B2 JP63041270A JP4127088A JP2579990B2 JP 2579990 B2 JP2579990 B2 JP 2579990B2 JP 63041270 A JP63041270 A JP 63041270A JP 4127088 A JP4127088 A JP 4127088A JP 2579990 B2 JP2579990 B2 JP 2579990B2
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義健 米窪
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Kayaba Industry Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、回転斜板式ポンプの内部において加圧流体
と斜板回転軸の潤滑油とを分離するためのシール構造に
関する。
(従来の技術) 回転斜視式のポンプとして例えば、モータに回転駆動
される斜板をポンプボディの内側にシリンダに相対して
設け、シリンダに摺動自由に挿入したピストンの基端を
球状継手とシューを介して斜板に摺接保持したものがあ
る。
このようなポンプでは、ピストンの行程によりシリン
ダ内の流体圧力が異なるため、この流体圧力がそのまま
ピストンを介してシューに作用するとシューを斜板に押
し付ける力が不均一になり、摺接面の摩耗を招きやす
い。そこで、例えばシューと斜板との間にピストンを貫
通してシリンダ内の流体圧を導くことにより、シューの
両側に等しい流体圧を作用させ、軸方向力の均衡を図っ
ている。
(発明の課題) ところが、このような回転斜板式ポンプを例えば水や
海水の汲み上げ用として使用すると、シューと斜板との
間から漏出した水や海水により回転軸と軸受との間が潤
滑不良になったり、部材が腐食するなどの不都合が生じ
る恐れがあった。
このため、これらの用途に使用するポンプでは例えば
ピストンとシリンダとの間にシールを設けて流体がシリ
ンダの外へ漏出しないようにしているが、この構造では
シューと斜板との間に流体圧を導くことはできず、ピス
トンの基端を斜板に安定的に摺接保持するために複雑な
構造が必要になり、またシリンダ内にシールを設けるこ
とでピストン径が制限されるなど別の問題が発生する。
本発明は、回転斜板式ポンプにおけるこのような問題
点を解決すべく、シューと斜板との間に導かれた流体が
斜板回転軸の軸受部へ浸入するのを確実に阻止できるシ
ール構造を提供することを目的とする。
(課題を達成するための手段) 本発明は、ポンプボディの内側に軸方向に固定したシ
リンダと、このシリンダに相対して回転する斜板と、斜
板の回転軸をポンプボディに回転自由に支持する軸受
と、基端をシューを介して斜板に摺接しつつシリンダに
摺動自由に挿入されたピストンと、このピストンを縦貫
してシリンダ内の流体圧力をシューと斜板との間に伝達
する圧力伝達通路とを備えた回転斜板式ポンプにおい
て、スペーサにより軸方向に離間保持した2片のリップ
状の弾性部材からなるシールをポンプボディに取り付
け、これらの両先端を斜板と前記軸受との間で回転軸に
摺接させるとともに、環状部材に小孔を形成したバッフ
ァをこのシールと斜板との間の回転軸外周部に臨んでポ
ンプボディに固設している。
(作用) シールを構成するリップ状弾性部材の一方の先端が流
体の軸受方向への浸入を阻止し、もう一方の先端が軸受
の潤滑油の斜板方向への漏出を阻止する。また、スペー
サはこれらのリップ状弾性部材を離間保持することによ
り回転軸上で流体と潤滑油を混合するのを防止する。ま
た、環状部材に小孔を形成したバッファがシールに至る
流体の勢いを緩和する。
(実施例) 第1図に本発明の実施例を示す。
1は密閉されたポンプボディであり、内側の作動室1A
内には中心線の周囲に複数のシリンダ2が等間隔に固設
され、各シリンダ2の内側にピストン3が摺動自由に挿
入される。シリンダ2はチェックバルブ4を介してポン
プボディ1に形成した吸込口5に連通し、また、図示さ
れないチェックバルブを介して吐出口6に連通する。ま
た、ピストン3の基端には球状継手7を介してシュー8
が取り付けられ、このシュー8がシリンダ2に相対して
回転する斜板9に摺接する。
斜板9は回転軸10の先端に形成される。回転軸10は斜
板9に連続する大径部10Aとその後方の形成された小径
部10B及びこれらの間の段付部10Cからなり、回転軸10を
ポンプボディ1に回転自由に支持する軸受として、小径
部10Bに当接するラジアルベアリング11と段付部10Cに当
接するスラストベアリング12が設けられる。また、ラジ
アルベアリング11とスラストベアリング12の潤滑のため
にポンプボディ1の内部に潤滑油通路13が形成される。
なお、小径部10Bはポンプボディ1から突出し、突出端
に図示されないモータが連結される。
一方、シリンダ2の内側と斜板9に面してシュー8に
凹設した油室15とを連通する圧力伝達通路14がピストン
3を縦貫して形成される。また、各シュー8を斜板9に
向けて付勢するためのピストン16が、斜板9に相対して
回転軸10の中心軸の延長上にシリンダ2と平行に配設さ
れる。このピストン16の基端は球状継手7を横方向に連
結するブラケット18に球状継手19を介して連結し、先端
にはピストン16を斜板9に向けて付勢するスプリング17
が当接する。なお、ピストン16の両側はピストン16が縦
貫する通路20により連通する。
ポンプボディ1の内側には回転軸10の大径部10Aに臨
んでバッファ21とシール22とが隣設される。バッファ21
は外周部をポンプボディ1に支持され、内周部を大径部
10Aの外周に近接する環状部材を二重に配設したもの
で、それぞれの部材に複数の小孔21Aが互いに位置をず
らして形成され、バッファ21の前後はこれらの小孔21A
を介して連通する。
また、シール22はバッファ21の小径部10B側に環状に
配設される。シール22はスペーサ24を介して軸方向に離
間保持された2片のリップ状の弾性部材23Aと23Bからな
り、弾性部材23Aと23Bの基端がポンプボディ1の内側に
支持され、先端が大径部10Aにそれぞれ摺接する。
次に作用を説明する。
このポンプにおいて、シュー8はピストン16及びブラ
ケット18を介して作用するスプリング17の反発力により
斜板9に摺接保持され、図示されないモータの運転によ
り回転軸10を介して斜板が回転する、シュー8は回転す
る斜板9の表面を摺動しながら、順次軸方向に往復運動
を繰り返す。そして、シュー8に連結したピストン3が
伸張行程で吸込口5からチェックバルブ4を介してシリ
ンダ2に流体を導き入れ、圧縮行程でこの流体を加圧し
て、図示されないチェックバルブを介して吐出口6に吐
出する。
したがって、シリンダ2内の流体圧力はピストン3の
これらの行程により当然変化するが、この流体圧力はピ
ストン3を縦貫する圧力伝達通路14を介してシュー8に
形成した油室15に伝達されるため、シュー8に働く流体
圧力は相殺され、シュー8はピストン3の行程によら
ず、スプリング17の反発力に基づく一定の力で斜板9に
摺接保持される。
ところで、この油室15に導かれた圧力流体はシュー8
と斜板9が摺動するのに伴い摺接部から外側に浸出す
る。一方、回転軸10の小径部10Bを支持するラジアルベ
アリング11と段付部10Cを支持するスラストベアリング1
2には潤滑油通路13から潤滑油が供給されており、この
ために小径部10Bと段付部10Cは潤滑油に浸された状態と
なっている。
しかしながら、作動室1Aに浸出した流体の段付部10C
方向への移動は、回転軸10の大径部10Aに摺接するシー
ル22のリップ状の弾性部材23Aに阻止され、また小径部1
0Bと段付部10Cを浸す潤滑油の作動室1A方向への移動は
同じく大径部10Aに摺接するシール22のもう一方の弾性
部材23Bに阻止される。
またこの時、スペーサ24により弾性部材23Aと23Bとが
軸方向に離間して保持されているため、これらの間に位
置する大径部10Aの外周部には流体も潤滑油も浸入せ
ず、この部分はドライな状態を保つ。したがって、シー
ル22の前後で流体と潤滑油とが混じり合う恐れもない。
さらに、大径部10に近接するバッファ21がシール22に
向けて大径部10Aを伝う流体の流れを妨害し、大量の流
体が弾性部材23Aに直接衝突するのを阻止するので、斜
板9の回転数の変化やシュー8の摩設などのため流体の
油室15からの漏出量が変化してもシール22には過大な負
担がかからず、安定したシール機能を発揮する。
したがって、ラジアルベアリング11やスラストベアリ
ング12の潤滑状態は常に良好に維持され、腐食の恐れも
ない。
(発明の効果) 以上のように、本発明は離間保持された2片のリップ
状弾性材からなるシールとこれに隣接するバッファとを
斜板の回転軸に臨ませて、ポンプの扱う流体と回転軸軸
受の潤滑油とを分離したため、2片リップ状部材が流体
と潤滑油とをそれぞれ個別にシールするとともに、バッ
ファがシールに達する流体の勢いを殺してシールの負担
を軽減する。このため、流体と潤滑油は混合することな
く完全に分離され、流体が斜板回転軸の軸受部に浸入す
る恐れがないので、水や海水を対象としたポンプにおい
ても回転軸と軸受とが潤滑不良や腐食を起こさず、十分
な耐久性が得られる。
また、本発明はポンプの基本構造に何等の変化を加え
ることなく、ポンプボディの内側にシールとバッファを
取り付けるのみで良いため、構造が極めて簡単で僅かな
コストで実施できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の実施例を示す回転斜板式ポンプの縦断
面図である。 1……ポンプボディ、2……シリンダ、3……ピスト
ン、8……シュー、9……斜板、10……回転軸、10A…
…大径部、10B……小径部、10C……段付部、11……ラジ
アルベアリング、12……スラストベアリング、13……潤
滑油通路、14……圧力伝達通路、21……バッファ、21A
……小孔、22……シール、23A,23B……弾性部材、24…
…スペーサ。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポンプボディの内側に軸方向に固定したシ
    リンダと、このシリンダに相対して回転する斜板と、斜
    板の回転軸をポンプボディに回転自由に支持する軸受
    と、基端をシューを介して斜板に摺接しつつシリンダに
    摺動自由に挿入されたピストンと、このピストンを縦貫
    してシリンダ内の流体圧力をシューと斜板との間に伝達
    する圧力伝達通路とを備えた回転斜板式ポンプにおい
    て、スペーサにより軸方向に離間保持した2片のリップ
    状の弾性部材からなるシールをポンプボディに取り付
    け、これらの両先端を斜板と前記軸受との間で回転軸に
    摺接させるとともに、環状部材に小孔を形成したバッフ
    ァをこのシールと斜板との間の回転軸外周部に臨んでポ
    ンプボディに固設したことを特徴とする回転斜板式ポン
    プのシール構造。
JP63041270A 1988-02-24 1988-02-24 回転斜板式ポンプのシール構造 Expired - Lifetime JP2579990B2 (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE102018205010A1 (de) * 2018-04-04 2019-10-10 Robert Bosch Gmbh Hydrostatische Axialkolbenmaschine

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE102018205010A1 (de) * 2018-04-04 2019-10-10 Robert Bosch Gmbh Hydrostatische Axialkolbenmaschine
US10760554B2 (en) 2018-04-04 2020-09-01 Robert Bosch Gmbh Hydrostatic axial piston machine

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