JP2579874Y2 - ガスバーナー - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、ガスバーナー、さらに
詳しくは液化石油ガスを燃料とし噴射した気化ガスに着
火して拡散燃焼させるガスバーナーの改良に関する。

【０００２】

【従来の技術及びその問題点】従来、除草・解氷・土壌
殺菌などには燃料ガスを噴射燃焼させるガスバーナーを
用いたが、近年では灯油を燃料としその気化ガスを燃焼
させる灯油バーナーが広く用いられている。これは、従
来のガスバーナーが燃料ガスをボンベから高圧で噴射し
て高い拡散燃焼を確保しており、爆発の危険を伴い慎重
な取扱いを要するのに対して、灯油バーナーが相対的に
安全で取扱いも容易なことによる。

【０００３】しかしながら、灯油バーナーは取り扱いが
容易で安全である反面、燃料灯油を安定的に気化供給し
適切な流速と流量を付与して高い拡散燃焼を確保するこ
とが困難である。このため通常の灯油バーナーでは、燃
料灯油の油送パイプをコイル状に展伸した上で引き戻し
内奥にノズルを開口して燃焼部を形成し、燃焼部のコイ
ル状油送パイプを十分に予熱した後に燃料灯油を供給し
て油送パイプ内で気化させる構成を採っている（実開昭
５９−８１９２５、実開昭６１−８７２１）。

【０００４】この結果、灯油バーナーの使用前にはコイ
ル状油送パイプを炎にかざして予熱しなければならず、
予熱時間も１分以上３分程度の長時間に及んでいる。ま
た、予熱作業には別途の予熱用燃焼手段が必要で、これ
を灯油バーナーと一体化（実開昭６３−４４０２９）す
る提案もその簡易・軽量性を犠牲にしなければならな
い。しかも、複雑な燃焼部構成と煩雑な予熱作業によっ
ても安定した拡散燃焼は不十分で、液状燃料灯油のノズ
ルからの断続的飛散、燃焼時の多量の煤煙発生、油送パ
イプやノズルの頻繁な目詰まりが不可避の問題として指
摘されている。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】本考案の課題は、簡易
・軽量且つ安全で高い拡散燃焼を確保できるガスバーナ
ーを提供し、従来のガスバーナーと灯油バーナーの問題
を解決する点にある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本考案は、ボンベの燃料
ガスを相対的に低圧下で供給して安全を確保するととも
に、燃料ガスをバイパスパイプに経由し燃焼熱の影響下
でノズルから噴射させることにより完全燃焼と拡散燃焼
を確保するものとし、上述の課題を解決した。

【０００７】

【実施例】以下、図示実施例に基づいて本考案に係るガ
スバーナーの詳細を説明する。

【０００８】本考案に係るガスバーナーは、開閉コック
６を備えた開閉バルブ２の供給側に燃料部である基体１
を連設するとともに、当該開閉バルプ２の排出側にメイ
ンパイプ３とバイパスパイプ４を併設して燃焼部を構成
してなる。開閉バルブ２は供給側に一つの開口、排出側
に二つの開口とノズル２ｃを有し、供給側の開口と排出
側の開口の一つを結ぶ流路２ａ及び排出側の他の開口と
ノズル２ｃを結ぶ流路２ｂが設けられている。燃焼部を
構成するメインパイプ３は適長の中空パイプの一方端を
開閉バルブ２のノズル２ｃに連結するとともに他方端を
開放してなり、バイパスパイプ４は中空パイプの一方端
を流路２ａの排出側開口に連結しメインパイプ３に並行
して展伸するとともにメインパイプ３の開放端の近傍
（望ましくは、メインパイプ３の開放端を越えた位置）
で折り返しその他方端を流路２ｂの他の排出側開口に連
結してなる。

【０００９】メインパイプ３の開放端の近傍（望ましく
は、メインパイプ３を挟むバイパスパイプ４の反対位
置）には着火手段５が付設され、バイパスパイプ４とメ
インパイプ３と着火手段５は基体１に連設されたカバー
１０によって保護されている。基体１はその端部に開閉
自在な蓋１１を有する中空容器形状に形成されており、
この中空部分に液化石油ガスのボンベ９を保持して開閉
バルブ２の供給側開口に装着し燃料ガスを開閉バルブ２
へと供給するよう構成されている。

【００１０】図示実施例では着火手段５に圧電素子を用
いており、着火ボックス７の着火ボタン８で着火操作す
るよう構成している。また、液化石油ガスのボンベ９に
は携帯型ガスコンロ用として市販されている小型のガス
ボンベを用いている。

【００１１】本考案に係るガスバーナーの構成は以上の
通りであるから、ボンベ９から開閉バルブ２に供給され
た液化石油ガスは、開閉バルブ２の流路２ａを通ってバ
イパスパイプ４へと送られバイパスパイプ４から流路２
ｂを経てノズル２ｃに至っており、ノズル２ｃからは完
全に気化した燃料ガスが噴射される。したがって、灯油
バーナのように煩雑な予熱作業は要求されず、メインパ
イプ３の開放端近傍で着火することにより直ちに良好な
拡散燃焼を得ることができる。

【００１２】また、バイパスパイプ４を経由して供給さ
れる燃料ガスは燃焼開始から燃焼熱の影響下に置かれ、
完全燃焼が確保されるとともに、ボンベ９の燃料ガスを
相対的に低圧下で供給しても高い流速と流量を付与でき
高い拡散燃焼が確保される。従来のガスバーナーは燃料
ガスを高圧下に供給して所望の拡散燃焼を確保するため
に爆発などの危険を不可避的に伴っていたが、本考案に
係るガスバーナーではかかる必要がなく図示実施例の様
に灯油燃料より安全で簡便な携帯型ガスコンロ用のボン
ベ９を用いて所望の拡散燃焼を容易に確保することがで
きる。

【００１３】尚、図示実施例においては着火手段５とし
て圧電素子を用いているが、他のすべての公知な着火手
段を用い得る。

【考案の効果】

【００１４】以上のように、本考案は開閉バルブに二つ
の流路を設けバイパスパイプを付設すると言う簡易な構
成によって爆発の危険や煩雑な予熱作業を伴うことなく
高い拡散燃焼を確保できる簡便で安全なガスバーナーを
実現するものであり、従来のガスバーナーと灯油バーナ
ーでは避け得なかったあらゆる問題を解決する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係るガスバーナーの一実施例を示す正
面図である。

【図２】本考案に係るガスバーナーの一実施例を示す背
面図である。

【図３】本考案に係るガスバーナーの一実施例を示す平
面図である。

【図４】本考案に係るガスバーナーに用いられる開閉バ
ルブの断面図である。

【符合の説明】

１ 基体 ２ 開閉バルブ ２ａ 流路 ２ｂ 流路 ２ｃ ノズル ３ メインパイプ ４ バイパスパイプ

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】開閉バルブの供給側に一つの開口を設ける
   とともに排出側に二つの開口とノズルを設けて供給側の
   開口と排出側の開口の一つを結ぶ流路および排出側の他
   の開口とノズルを結ぶ流路を形成し、当該開閉バルブの
   供給側には液化石油ガスのボンベを保持・装着する基体
   を連設して燃料部となすとともに、排出側には一方端で
   ノズルに連結し他方端を開放してなる適長のメインパイ
   プとその両端で排出側の二つの間口に連結するバイパス
   パイプを併設して燃焼部となし、ボンベから供給された
   燃料ガスが燃焼熱の影響下にバイパスパイプを経由して
   ノズルからメインパイプへ噴射されるよう構成したこと
   を特徴とするガスバーナー。