JP2579704Y2 - エリクセン試験機 - Google Patents

エリクセン試験機

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JP2579704Y2
JP2579704Y2 JP2548993U JP2548993U JP2579704Y2 JP 2579704 Y2 JP2579704 Y2 JP 2579704Y2 JP 2548993 U JP2548993 U JP 2548993U JP 2548993 U JP2548993 U JP 2548993U JP 2579704 Y2 JP2579704 Y2 JP 2579704Y2
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  • Investigating Strength Of Materials By Application Of Mechanical Stress (AREA)

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案はエリクセン試験機に関
し、特にJISで規定されたA方法によるエリクセン試
験を精度よく行えるよう工夫したものである。
【0002】
【従来の技術】エリクセン試験機は、例えば金属薄板か
ら成る試験片が載置されるしわ押えと、このしわ押えと
対向配置された円筒状のダイスとを備え、しわ押えに載
置された試験片をポンチでダイスに押圧し負荷を与える
ものである。そして、試験片の少なくとも1箇所に裏面
にまで達する亀裂が生じたら、その時点までのポンチ移
動量(エリクセン値)を試験結果として得る。ここで、
上記エリクセン試験にはA方法とB方法とがあり、A方
法では、上記ダイスとしわ押えとの間に試験片の厚さの
他に0.05mmの隙間を設けた状態で試験を行うよう
JISで規定されている。そこで従来は、試験片にかか
る荷重を検出するロードセルを設け、しわ押えに載置さ
れた試験片に向けてダイスを下降させた後、上記ロード
セルが荷重を検出したらダイスが試験片に当接したと判
断してダイスをいったん停止し、その後、ダイスと試験
片との間に0.05mmの隙間が生じるまでダイスを上
昇させるようにしていた。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
ようにロードセルを用いてダイスと試験片との当接の有
無を検出する構成では、下降するダイスが試験片に当接
した瞬間ではなくある程度試験片が押圧されて初めて当
接が検出されることになる。このため、当接検出からダ
イスを0.05mm上昇させても実際にはダイスと試験
片との隙間が0.05mm未満になるおそれがあり、こ
の場合には正確な試験結果が得られない。
【0004】本考案の目的は、上記A方法の試験を行う
にあたってダイスと試験片との隙間を正確に規定量とす
ることが可能なエリクセン試験機を提供することにあ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本考案は、しわ押えに試
験片を載置し、しわ押えと対向配置された円筒状ダイス
としわ押えとを離接手段により離接させてダイスと試験
片との間に規定量の隙間を設け、この状態で負荷手段に
より試験片をダイスに押圧して負荷するエリクセン試験
機に適用される。そして、しわ押えとダイスにバッテリ
の両端をそれぞれ接続して成る検出回路と、この検出回
路を流れる電流を検出する電流センサと、ダイスとしわ
押えとが互いに近接するよう離接手段を作動させた後、
電流センサが電流を検出するのに伴って離接手段を停止
し、その後、試験片とダイスとの間に規定量の隙間を設
けるべく離接手段を作動せしめる制御手段とを具備し、
これにより上記問題点を解決する。
【0006】
【作用】離接手段によりダイスとしわ押えとを互いに近
接させた後、電流センサが電流を検出するのに伴って離
接手段が停止される。ここで、電流センサが電流を検出
したということは、ダイスと試験片とが当接して上記回
路が閉じたことを示している。その後、離接手段が再び
作動し、試験片とダイスとの間に規定量の隙間が設けら
れる。
【0007】
【実施例】図1〜図7により本考案の一実施例を説明す
る。図2は本考案に係るエリクセン試験機の要部構成図
である。1は負荷シリンダ、2はシリンダチューブ1a
の上部に検出プレート3を介して連結された試験ブロッ
ク、4は試験ブロック2の上部に螺着されたウォームハ
ウジングである。シリンダ1のロッド室1bおよびボト
ム室1cには不図示の油圧回路から圧油が供給され、こ
れによりピストンロッド1dが伸縮する。
【0008】ピストンロッド1dの先端には、ジョイン
ト5を介してポンチ6が連結され、ポンチ6の先端に球
座7が固着されている。試験ブロック2の内周面に嵌合
されたシリンダハウジング8内には、上記ピストンロッ
ド1dの昇降を案内するガイドハウジング9が螺着さ
れ、ガイドハウジング9の上部には、例えば金属薄板か
ら成る試験片TPが載置される円筒状のしわ押え10が
固着されている。ピストンロッド1dが伸長すると、ポ
ンチ6を介して球座7がしわ押え10の内部を通って上
昇する。
【0009】ウォームハウジング4にはウォームホイー
ル11が回転可能に支持され、その外周面に形成された
ギア部11aにウォーム12が噛合している。ウォーム
12は、図1に示すモータ34から回転伝達を受け、そ
の回転によりウォームホイール11が回転する。ウォー
ムホイール11の内周面に形成されたギア部11bには
角ねじ13が螺合され、角ねじ13の下端部にはダイス
ハウジング14を介して円筒状のダイス15が上記しわ
押え10と対向するよう保持されている。角ねじ13
は、不図示のキーによりその回転が阻止されており、し
たがって上記ウォームホイール11の回転により角ねじ
13およびダイス15が一体に昇降する。ここで、上記
ダイス15およびしわ押え10は共に金属製材料、すな
わち導電性材料で構成されている。なお、ウォームハウ
ジング4の上部に設けられたばね受け16と、角ねじ1
3の上部に設けられた蓋17との間にはばね18が設け
られている。
【0010】図1は上記エリクセン試験機の電気回路の
構成を示す図である。20は、バッテリBTの両端を上
記ダイス15およびしわ押え10にそれぞれ接続して成
る検出回路、31はこの回路20内を流れる電流を検出
する電流センサであり、電流センサ31の出力は制御回
路32に入力される。制御回路32には、エリクセン試
験の試験条件を設定するための条件設定部33、ダイス
昇降用のモータ34が接続されるとともに、負荷シリン
ダ駆動用の油圧回路を構成する油圧制御弁(電磁弁)3
5のソレノイド部35aが接続されている。条件設定部
33は、ダイス15が試験片TPと当接した瞬間からダ
イス15の下降を停止させるまでの時間を設定するため
のものであり、その時間は操作者が試験片TPの表面状
態に応じて決定し入力する。
【0011】次に、上述のエリクセン試験機を用いてJ
ISに規定されたA方法によるエリクセン試験を行う際
の動作を説明する。図3は、試験に先立って試験片TP
とダイス15との間に0.05mmの隙間を設ける際の
手順を示している。図2に示す状態でしわ押え10に試
験片TPを載置し、不図示のスイッチをオンするとこの
プログラムが制御回路32内で起動される。この時点で
はダイス15が試験片TPと接触していないので、上記
検出回路20に電流は流れず、電流センサ31の出力は
ゼロである。
【0012】まずステップS1でモータ34を所定方向
に駆動する。これによりウォーム12を介してウォーム
ホイール11が回転し、角ねじ13を介してダイス15
が試験片TPに向けて下降する。ステップS2では、電
流センサ31が電流を検出するのを待つ。上述したよう
にダイス15,しわ押え10および試験片TPがが共に
金属製であるから、図4に示すようにダイス15が試験
片TPに当接した瞬間に検出回路20内に電流が流れ、
電流センサ31にて電流が検出される。これによりステ
ップS2が肯定されてステップS3に進み、上記条件設
定部33により待ち時間が設定されているか否かを判定
する。設定されていない場合にはステップS5に進み、
設定されている場合には、ステップS4でその設定時間
だけ待ってステップS5に進む。
【0013】ステップS5ではモータ34を停止してダ
イス15の下降を停止する。その後、ステップS6でモ
ータ34を上述とは逆方向に駆動してダイス15を上昇
させ、ダイス15の上昇量が0.05mmに達したらモ
ータ34を停止する。以上の手順により、図1に示すよ
うにダイス15と試験片TPとの間隔を正確に0.05
mmとすることができる。
【0014】ところで、上述した構成では、例えば試験
片TPにうねりがある場合にダイス15が図7の如く試
験片TPの一部に接触しただけでも検出回路20に電流
が流れる。このため電流が流れた瞬間にダイス15を停
止すると、ダイス15を0.05mm上昇させたときに
ダイス15と試験片TPとの間隔が正確に0.05mm
とはならない。本実施例では、試験片TPの表面形状に
応じて待ち時間を設定可能とし、ダイス15が試験片T
Pに接触した後に上記設定された待ち時間だけ待ってか
らダイス15の下降を停止するようにしたので、ダイス
下面がほぼ全体にわたって試験片TPに当接したときに
ダイス15を停止させることができる。したがって、う
ねりのある試験片TPに対してもダイス15と試験片T
Pとの間隔を正確に0.05mmとすることができる。
なお、上記待ち時間は試験片TPのうねりが大きいほど
長くする必要がある。勿論、試験片TPにうねりがない
場合には待ち時間を設定しなくてもよい。
【0015】以上の動作により試験準備が整ったところ
でエリクセン試験を行う。まず図1に示す制御弁35を
切換制御して負荷シリンダ1のボトム室1cに圧油を供
給し、ピストンロッド1dを伸長させる。これに伴って
ポンチ6が上昇して球座7が試験片TPの裏面に当接
し、図5に示すように試験片TPをダイス15の下面に
押しつける。球座7が更に上昇すると、試験片TPが図
6に示すように変形する。試験片TPの少なくとも1箇
所に裏面にまで達する亀裂が生じたら制御弁35を中立
位置に切換えてシリンダ1の伸長、すなわち球座7の上
昇を停止する。そして、球座7が試験片TPに当接した
状態(図1の状態)からの球座移動量(エリクセン値)
を試験結果として得る。
【0016】以上の実施例の構成において、モータ3
4,ウォームホイール11,ウォーム12および角ねじ
13が離接手段を、負荷シリンダ1,ポンチ6および球
座7が負荷手段をそれぞれ構成する。
【0017】なお以上では、ダイス15を下降させて試
験片TPに当接させるようにしたが、これとは逆にしわ
押え10を上昇させて試験片TPをダイス15に当接さ
せるようにしてもよい。また以上では、JISに規定さ
れたようにダイス15と試験片TPとの隙間を0.05
mmとしたが、0.05mm以外の場合でもよい。さら
に以上では、しわ押え10とダイス15とを金属製(導
電性)材料で構成したが、例えば非導電性材料に金属め
っきを施したものでもよい。
【0018】
【考案の効果】本考案によれば、しわ押えとダイスにバ
ッテリの両端をそれぞれ接続して成る検出回路を設け、
この検出回路を流れる電流を検出してダイスと試験片と
の当接の有無を検出するようにしたので、ロードセルを
用いた従来例と比べて正確に当接判定が行える。したが
って、JISで規定されたA方法による試験を行うにあ
たって、ダイスと試験片との隙間を正確に規定量に制御
するすることができ、常に正確な試験機結果を得ること
が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の一実施例に係るエリクセン試験機の当
接検出機構の構成を示す図。
【図2】エリクセン試験機の正面断面図。
【図3】実施例の動作を説明するフローチャート。
【図4】ダイスが試験片に当接した状態を示す図。
【図5】球座を上昇させて試験片をダイスに当接させた
状態を示す図。
【図6】試験片が変形した状態を示す図。
【図7】うねりのある試験片を用いた場合を示す図。
【符号の説明】
1 負荷シリンダ 6 ポンチ 7 球座 10 しわ押え 11 ウォームホイール 12 ウォーム 13 角ねじ 15 ダイス 20 検出回路 31 電流センサ 32 制御回路 33 条件設定部 34 ダイス昇降用モータ 35 油圧制御弁 TP 試験片

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 しわ押えに試験片を載置し、前記しわ押
    えと対向配置された円筒状ダイスと前記しわ押えとを離
    接手段により離接させて前記ダイスと試験片との間に規
    定量の隙間を設け、この状態で負荷手段により試験片を
    ダイスに押圧して負荷するエリクセン試験機において、
    前記しわ押えとダイスにバッテリの両端をそれぞれ接続
    して成る検出回路と、この検出回路を流れる電流を検出
    する電流センサと、前記ダイスとしわ押えとが互いに近
    接するよう前記離接手段を作動させた後、前記電流セン
    サが電流を検出するのに伴って前記離接手段を停止し、
    その後、前記試験片とダイスとの間に前記規定量の隙間
    を設けるべく離接手段を作動せしめる制御手段とを具備
    することを特徴とするエリクセン試験機。
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