JP2579204Y2 - 回転式草刈機における飛散防止装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、ロータリカバーの内部
に横架した回転軸に複数の草刈刃を放射状に枢着してな
る回転式草刈機において、地表面に散在する小石その他
の固形物に草刈刃の刃先が当たり、その衝撃によって小
石や固形物が回転式草刈機の前方へ猛烈な勢いで飛散し
て前方の人畜あるいは建造物または自動車等に当たるの
を未然に防止することができる回転式草刈機における飛
散防止装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、内部に複数の草刈刃４を収納軸架
したロータリカバー２の下部を開口して被切断物の進入
口５とした回転式草刈機３を作業機１の前部に上下擺動
自在に装着するとともに、ロータリカバー２の前部側に
飛散防止板６を前後方向に向け擺動可能に垂設して、堤
防法面や運動場に密生した草を回転式草刈機３により草
刈した場合に、地表面に散在する小石その他の固形物等
に草刈刃４の刃先が当たり、その衝撃で小石や固形物等
が前方へ猛烈な勢いで飛散して前方の人畜および建造物
等に当たるのを未然に防止することができる回転式草刈
機における飛散防止装置は、図３に示されたように本出
願前周知である。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】従前のこの種回転式草
刈機における飛散防止装置においては、小石や固形物等
の飛散防止を行わせる飛散防止板は進入口位置のロータ
リカバーへ単に擺動自在となるように枢着され、飛散防
止板の下端と地表面との間には相当長さの隙間が設けら
れていたものである。ところで、回転式草刈機において
は、草刈刃の刃先周速度は３０〜６０ｍ／Ｓという非常
に速い回転速度で回転するので、草刈作業中において高
速回転している草刈刃の刃先が小石や固形物に当たる
と、その衝撃により小石や固形物等は前記隙間より前方
へ向け猛烈な勢いで飛散するは勿論のこと、飛散する小
石や固形物等の飛散力で飛散防止板自体が二点鎖線位置
に跳ね上げられ、その結果、飛散防止板下端と地表面と
の間隙が大きくなって、より広い範囲に亘り飛散し、前
方の人畜や建造物または自動車等に当たる危険が生ず
る。その上、密生した見えない草中には、自転車等の粗
大ゴミや大きな石、あるいは鉄筋入りの廃材コンクリー
ト等が投棄されていることがあり、これを作業中運転者
が見抜けなかった場合には、回転式草刈機に粗大ゴミ等
を巻き込み、思わぬ大事故を起こすという問題点を有し
ていた。

【０００４】本考案は、従来の技術の有するこのような
問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とすると
ころは、たとえ高速回転する草刈刃により固形物等が前
方に向け飛散される事態が発生しても、該飛散物を草刈
刃の前方で確実に受け止めて地表面に落下させることが
できるは勿論のこと、密生した草中に粗大ゴミや大きな
障害物があった場合でも、いち早く運転者が気付くよう
にして、草刈作業の安全性をより高めることができる回
転式草刈機における飛散防止装置を提供しようとするも
のである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本考案における回転式草刈機における飛散防止装置
は、ロータリカバーの内部に横架した回転軸に複数の草
刈刃を放射状に枢着してなる回転式草刈機において、草
刈刃の上部および両側部を覆うロータリカバーの前端側
に、回転式草刈機の刈幅と略同長の幅長さの飛散防止板
を前後方向へ擺動自在に垂架するとともに、ロータリカ
バーの飛散防止板の垂架位置よりやや後方位置に、回転
式草刈機の刈幅と略同長の幅長さを有するローラ式定規
車を横架してなるものである。

【０００６】

【作用】作業車の前部に回転式草刈機を装着し、ローラ
式定規車を上下位置を調節して草刈高さを調整した後、
作業車を草が密生している堤防法面や運動場に向け走行
させながら、草刈刃を高速回転すれば、密生した草は高
速回転する草刈刃により切断され、後方に投擲される。

【０００７】ところで、上述の如き草刈作業中におい
て、高速回転している草刈刃の刃先が散在している小石
や固形物に当たると、その衝撃作動により前方に飛散す
る。ところが、回転式草刈機のロータリカバーの前方側
には刈幅と略同長の幅長さを有する飛散防止板が垂架さ
れている許りか、飛散防止板の垂架位置よりやや後方位
置には、刈幅と略同長の幅長さを有するローラ式定規車
が横架されているので、前方高位側方向に向け飛散する
小石や固形物等は前方に位置する飛散防止板で、また低
い位で前方に向け飛散する小石や固形物等はローラ式定
規車でそれぞれ受け止められ、ロータリカバーより前方
に飛散することなく地表面へ落下する。

【０００８】また、草刈作業中において草むら中に、例
えば自転車のような粗大ゴミや大きな石あるいは鉄筋入
り廃材コンクリート等の障害物が投棄されていて、その
存在を運転者が確認できなかった場合であっても、刈幅
と略同長の幅長さを有するローラ式定規車が刈取部の前
部側に回転自在に軸架されているので、草が刈取部に入
る前に、ローラ式定規車が障害物上を乗り上がる。この
ため運転者は草むらの中に障害物があることに気付いて
走行を停止し、事故の発生を未然に防止することができ
る。

【０００９】

【実施例】実施例について図面を参照して説明する。図
１および図２において、１０１は、自走型の作業車であ
って、該作業車１０１の前部には回転式草刈機１０２が
上部取付杆１０３および下部取付杆１０４を介して昇降
調節自在に装着されている。前記回転式草刈機１０２
は、上部および両側部を覆いかつ前部および下部を開放
したロータリカバー１０５の内部に横架した回転軸１０
６の周囲に遠心力で振り出される複数の草刈刃１０７・
・・・を放射状に枢着して構成されており、前記回転軸
１０６は作業車１０１側に設けた駆動軸１０８の回転動
力で強制回転されるように構成されている。なお、草刈
刃１０７は両側に刃が設けられている。１０９は、高速
回転する草刈刃１０７との衝突によりロータリカバー１
０５の下部開放部より前方に飛散される小石や固形物等
を確実に受け止めて地表面へ落下させるための飛散防止
板であって、該飛散防止板はロータリカバー１０５の前
端側に前後方向へ擺動自在に垂架されるとともに、飛散
防止板１０９は回転式草刈機１０２の刈幅と略同長の幅
長さに形成されている。１１０は、回転式草刈機１０２
の刈取り高さを調節するためのローラ式定規車であっ
て、前記ローラ式定規車１１０は回転式草刈機１０２の
刈幅と略同長の横長さを有し、かつ、飛散防止板１０９
の垂架位置よりやや後方に位置するようにその両側をロ
ータリカバー１０５の左右両側壁に装着した左右一対の
軸受板１１１，１１１の下部へ回転自在に軸架せしめる
とともに、左右一対の軸受板１１１，１１１には複数の
調節孔１１２・・・・を穿孔して、調節孔１１２・・・
・への差し替え操作でローラ式定規車１１０の上下調節
が自由にできるようにするものである。

【００１０】

【考案の効果】本考案は、上述のとおりに構成されてい
るので、次に記載する効果を奏する。草刈作業中におい
て、高速回転する草刈刃との衝撃作用で地表面上に散在
していた小石や固形物等が回転式草刈機の前方高位側方
向あるいは低位側方向へ向け猛烈な勢いで飛散しても、
該小石や固形物等を回転式草刈機の刈幅と略同長の幅長
さの飛散防止板および回転式草刈機の刈幅と略同長の幅
長さのローラ式定規車で確実に受け止めて地表面上へ落
下させ、前方の人畜、建造物あるいは自動車等に当たる
のを防止し、安全に草刈作業を行うことができる許り
か、たとえ密生した草むら中に投棄された粗大ゴミや大
きな障害物があった場合においても、回転式草刈機の刈
幅と略同長の幅長さのローラ式定規車の乗り上げにより
運転者に確実に知らしめて、草刈部への巻き込みを未然
に防止し、草刈作業の安全性をより高めることができる
は勿論のこと、ローラ式定規車の幅長さが刈幅と略同一
であるので、面圧を少なくし草の刈高さを希望する所定
高さとすることが容易にできる。

【図面の簡単な説明】

【図１】一部を切欠した回転式草刈機の側面図である。

【図２】一部を切欠し、かつ一部を破断した図１の平面
図である。

【図３】従来装置の一部切欠した側断面図である。

【符号の説明】

１０１ 作業車 １０２ 回転式草刈機１０５ ロータリカバー １０６ 回転軸 １０７ 草刈刃 １０９ 飛散防止板 １１０ ローラ式定規車 １１１ 軸受板

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 ロータリカバーの内部に横架した回転軸
   に複数の草刈刃を放射状に枢着してなる回転式草刈機に
   おいて、草刈刃の上部および両側部を覆うロータリカバ
   ーの前端側に、回転式草刈機の刈幅と略同長の幅長さの
   飛散防止板を前後方向へ擺動自在に垂架するとともに、
   ロータリカバーの飛散防止板の垂架位置よりやや後方位
   置に、回転式草刈機の刈幅と略同長の幅長さを有するロ
   ーラ式定規車を横架したことを特徴とする回転式草刈機
   における飛散防止装置。