JP2578769Y2 - パチンコ球の補給分配装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、ホールに配設される複
数のパチンコ機に賞球を分配補給する補給分配装置に関
する。

【０００２】

【従来の技術】通常パチンコ機に賞球を分配し補給する
補給分配装置は、補給主樋とこれに接続する補給分配樋
から構成される。補給主樋はホール内に横並びに列設さ
れる多数のパチンコ機の上方に勾配を付けて横設され、
この主樋に所要間隔をおいて開設する分配口に上記補給
分配樋の一端を接続し、分配口から落下するパチンコ球
（賞球用のパチンコ球）を受け取り、自らの勾配を利用
してこのパチンコ球を他端側に流す間に整列させて各パ
チンコ機の賞球貯留タンクに誘導するようにしている。
この分配装置において主樋は予め一定の傾斜角で固定的
に付設されるが、補給分配樋は分配口から不規則に落下
するパチンコ球を流下誘導する途中で流路を徐々に狭
め、また勾配によって押し流しを調整しながら整列させ
るものになっており、更に分配樋においては勾配をそれ
ぞれのものにおいて個別に定めるようにしてある。ま
た、この分配樋は傾斜角によって供給量が変化するため
球流れが悪くなった場合、或いはパチンコ機の賞球放出
間隔が短くなり高速補給を要する場合には傾斜角を強め
てやる等の処置が講じられるものとなっている。従来こ
の様な補給分配装置として例えば実公昭５８−２６７０
７号公報乃至実開昭５９−１８２３８２号公報に記載の
考案が提案されている。前者考案は補給樋１０の揺動端
に設ける懸吊板１３に歯型係止部１４を設け、他方主樋
１には支持板６を設けてこれに上記歯型係止部１４と係
合する歯型係止部８を設け、相互に噛み合わせ、常には
ビス１５の締付けで固定するようにしてある。そして、
補給樋１０の勾配を調整する場合には上記ビス１５を緩
め、スライド孔１６を案内に補給樋１０を上下に移動さ
せたところで再び係止部８，１４の噛み合わせ位置を選
んで締め付け固定するものにしてある。しかし、この調
整法はビスの締め付けと歯型係止部の噛み合わせの選択
を通して調整するため厄介であり、またその調整幅も係
止部の歯型の大きさを限度として行われるため微調整が
出来ない不便がある。一方、後者考案は調整に関して具
体的な記述がなく調整の出来ることについて説明がない
が、補給主樋１に対して樋本体１１の下端部がネジ杆１
５によって吊設状に支持されていることから、このネジ
杆によって樋本体１１の傾斜角が変えられるかにみえる
が、しかしネジ杆には調整のための操作手段がないので
使用中に調整することは不可能になっている。

【０００３】

【考案が解決しようとする問題点】本考案は、この様な
実情に鑑み簡単な操作によって補給分配樋の傾斜角度を
任意調整できるよう改善したもので、特に本考案は使用
状態にある補給分配樋をそのまゝの状態でダイヤルの回
転操作によって傾斜角度を調整し、球の流れを緩急変化
させられるようにすると同時に、この傾斜角を任意の角
度に微調整できるようにしたことを特徴とするパチンコ
球の補給分配装置を提案せんとするものである。

【０００４】

【問題点を解決するための手段】本考案は、上述目的に
基づきなされたもので、その特徴とするところは所要勾
配を以て横設される補給主樋の底部に設ける分配口の近
傍に補給分配樋の一端を揺動自由に取付け、分配口から
落下するパチンコ球を勾配に従って揺動自由端側に流下
させ、該自由端に接続するパチンコ機に補給するように
構成してなる補給分配装置において、前記補給分配樋の
前記自由端部に支持枠を設け、該支持枠に周面に回転操
作用のダイヤルを有する雌ネジ杆を回転自由に遊装し、
他方前記補給主樋には上記雌ネジ杆の直上の位置に雄ネ
ジ杆を垂設し、該雄ネジ杆を前記雌ネジ杆の雌ネジ孔に
螺合して連結すると共に、前記ダイヤルの回転操作で雄
ネジ杆に対して雌ネジ杆を上下動操作し、前記補給分配
樋の勾配を任意調整可能にしてなるパチンコ球の補給装
置を提供することにある。次にこの考案を図示する実施
例について詳述し、併せてその他の特徴を明らかにす
る。

【０００５】

【実施例】図１は本考案に係る補給分配装置の使用状態
を示す一部欠截した正面図であり、図２は要部の拡大分
解斜視図、図３は一部断面にして示した要部の組立状態
における拡大正面図である。図面の符号１は補給主樋、
２はこの主樋１に接続される補給分配樋であり、３は補
給分配樋２の傾斜角を調整する角度調整手段である。

【０００６】補給主樋１はホールにおいて横に並べて多
数配置されるパチンコ機の上方に所要の勾配を付けて固
定的に吊設支持され、また補給分配樋２は上記配置され
る個々のパチンコ機に対応させて補給主樋の長さ方向に
沿って一定の間隔で接続される。この補給分配樋２は図
示しないが一端部２ａを幅広にして長さの途中を他端部
２ｂに向けて徐々に狭少に形成し、最終的に他端部に達
したとき幅一杯に受けたパチンコ球を一列に整列できる
よう形成してある。そして上記一端部２ａから突き出す
ように設ける差し込み片４を主樋１の底部１ａの下面に
設ける門形の係止部５に突き入れて、この係止部５を支
点に他端部２ｂが上下に揺動自由となるよう連結し、広
幅に形成した該一端部２ａを主樋１の底部に開設する分
配口６の下方に臨ませ、主樋１を流下する賞球用パチン
コ球をこの分配口６を通して受け取り他端部２ｂに接続
する接続樋に誘導するようにしてある。

【０００７】角度調整手段３は上記係止部５に係止した
補給分配樋２の他端部２ｂを吊設状に支持すると共に、
吊設位置を上下に変えて分配樋の傾斜角を調整するため
のもので、主樋１の底部１ａから垂設する雄ネジ杆７
と、該雄ネジ杆７に螺合する雌ネジ杆８と、分配樋２の
自由端２ａに取付けられる支持枠９と、から構成され
る。雄ネジ杆７は上端部にビス１０を介してＬ字形に曲
成した鉤形をなす連結部材１１を有し、主樋１の底部１
ａの下面に設ける門形の係止部１２に差し通して吊下げ
られる一方、下端から雌ネジ杆８を螺合するようにして
ある。

【０００８】雌ネジ杆８は軸心に沿って貫通する雌ネジ
孔８ａを有し、上端外周面には鍔形の抜止め１３を設け
ると共に、周面には長さ方向に沿って切削部１４を設け
て断面Ｄ字形に形成し、下端部周面には抜止めリング１
５を嵌合する環状の溝１６を設けている。そしてこの雌
ネジ杆８は別体に形成するダイヤル１７を備え、該ダイ
ヤルの軸心部に設ける断面Ｄ字形の貫通孔１８を雌ネジ
杆８の下端から嵌め付けることによって一体に組付け周
面に鍔形をなす回転操作用ダイヤルを形成するようにし
てある。尚、この実施例では上記操作用ダイヤルを別体
に形成して雌ネジ杆８の周面に嵌め付け一体化するよう
にしたが、雌ネジ杆８の周面に鍔形のダイヤルを予め一
体的に設けるようにしてもよいこと勿論である。

【０００９】一方、支持枠９は上記雌ネジ杆８を回転自
由に遊装するもので、ここでは帯板状の金属板をコ字形
に曲成して相対向する支持片１９ａ，１９ｂに貫通孔２
０，２１を穿つ一方、下方の支持片１９ｂの縁部から一
対の連結片２２，２２を垂設して、分配樋２の自由端２
ａから立設する接続片２３に連結するようにしてある。
上記貫通孔２０，２１は雌ネジ杆８を嵌め付けるもの
で、上方の孔２０は抜止め部１３の下面に設ける段部１
３ａを嵌合できる大径な孔に形成して上方から差し通し
たときこの段部１３ａ受け入れられるようにしてある。

【００１０】ところで上記雌ネジ杆８は支持枠９の貫通
孔２０，２１に差し通すとき、上下の支持片１９ａ，１
９ｂの間にダイヤル１７を収めその貫通孔１８に雌ネジ
杆８を貫き通して組付けると共に、下方の支持片１９ｂ
を貫いた下端部の溝１６にリング１５を嵌合させて抜け
止めし、支持枠９に対し回転自由に組付ける。そして、
支持枠９は雌ネジ杆を組付けたのち、分配樋の自由端２
ａから立設する接続片２３に連結片２２を添わせ、それ
ぞれに設ける透孔２４，２５に連結軸２６を差し通して
その端部にリング２７を嵌め付けて回動自由に連結す
る。そして支持枠の上部に突き出す雌ネジ杆８を主樋底
部から垂下する雄ネジ杆７にネジ付けてこれに連結し、
分配樋２の自由端を主樋１の下方に吊り下げた姿で支持
させる。尚、図中２８は連結部材１１の抜けを止める楔
部材である。

【００１１】本考案装置は上述の様に構成されるもの
で、所定の勾配を以て付設される補給主樋１に対して分
配樋２は同様に分配口６から落下したパチンコ球を他端
自由端側に誘導するため予め所定の傾斜角で取付けられ
ることになる。その一方上記分配樋２はその自由端を角
度調整手段３を介して吊設されることから、そのダイヤ
ル１７を操作して雌ネジ杆８を回転操作すると、雌ネジ
孔８ａに螺合する雄ネジ杆７が出入して長さが伸縮変化
することになる。この結果、一端部２ａの係止点たる係
止部５を基点に分配樋は自由端２ｂを上下動させること
になりその傾斜角が自由に変えられることになる。そし
て、本考案装置においては上記調整手段３において雄ネ
ジ杆７と雌ネジ杆８とは雌ネジ孔８ａで螺合することか
らダイヤル１７の回転を止めればその位置で伸縮を停止
することができ傾斜角を定位置に固定することになる。

【００１２】以上実施例につき詳述した様に本考案装置
によれば、補給主樋１に対して補給分配樋２を吊設支持
した状態のまゝダイヤル１７の回転操作によって雄ネジ
杆７の長さを伸縮操作し分配樋の自由端２ｂの高さ位置
を変えられることからその傾斜勾配を任意調整すること
ができる。しかも、本考案においては雄ネジ杆７と雌ネ
ジ杆８のネジ合わせによって長さを調整する構造とした
ことから調節度合が無段階であり、ダイヤルの回転操作
による容易さに併せて分配樋の角度を微調整できる利点
がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係る補給分配装置の使用状態を示す一
部欠截した正面図。

【図２】要部の拡大分解斜視図。

【図３】一部断面とした要部の組立状態の拡大正面図で
ある。

【符号の説明】

１ 補給主樋 １ａ 補給主樋の底部 ２ 補給分配樋 ２ａ，２ｂ 補給分配樋の端部 ３ 角度調整手段 ４ 差し込み片 ５，１２ 係止部 ６ 分配口 ７ 雄ネジ杆 ８ 雌ネジ杆 ８ａ 雌ネジ孔 ９ 支持枠 １０ 連結部材 １７ ダイヤル １９ａ，１９ｂ 支持片 ２２ 連結片 ２３ 接続片 ２６ 連結軸

Claims (3)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 所要勾配を以て横設される補給主樋の底
   部に設ける分配口の近傍に補給分配樋の一端を揺動自由
   に取付け、分配口から落下するパチンコ球を勾配に従っ
   て揺動自由端側に流下させ、該自由端に接続するパチン
   コ機に補給するように構成してなる補給分配装置におい
   て、前記補給分配樋の前記自由端部には支持枠を設け、
   該支持枠に周面に回転操作用のダイヤルを有する雌ネジ
   杆を回転自由に遊装し、他方前記補給主樋には上記雌ネ
   ジ杆の直上の位置に雄ネジ杆を垂設し、該雄ネジ杆を前
   記雌ネジ杆の雌ネジ孔に螺合して連結すると共に、前記
   ダイヤルの回転操作により雄ネジ杆に対して雌ネジ杆を
   上下動操作し、前記補給分配樋の勾配を任意調整可能に
   してなることを特徴としたパチンコ球の補給分配装置。
2. 【請求項２】 請求項１の記載において、補給分配樋の
   一端には差込み片を突設し、補給主樋の分配口近傍に設
   ける係止部に差込み係合させる一方、雄ネジ杆の上端に
   は鉤形の連結部材を設けて補給主樋の底部に設ける係止
   部に差し入れ保持するようにしてなるパチンコ球の補給
   分配装置。
3. 【請求項３】 請求項１の記載において、支持枠は金属
   板を断面コ字形に曲成し、その相対向する支持片に貫通
   状の透孔を開設して雌ネジ杆の両端を各回転自由に軸装
   し、該雌ネジ杆の周面に備えるダイヤルを上記支持片の
   間から外方に突出せしめる一方、上記支持片の下方の片
   から垂設する連結片を補給分配樋の自由端部から立設す
   る接続片に連結軸を介して揺動自由に連結し支持するよ
   うにしてなることを特徴としたパチンコ球の補給分配装
   置。