JP2578616Y2 - 化粧品容器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、ヘヤースチック等の主
として男性用整髪料を収納する化粧品容器に関する。

【０００２】

【従来の技術】この種容器は店頭で見られるように、蓋
付きの直筒状の胴体下部の底蓋をスライド可能に設けた
もので、使用時には蓋を外し底蓋を指先で押上げて収納
した丸棒状の固形の整髪料を上方外部に押出し、頭髪へ
の塗りつけが終ったら押出されている部分を介し取付け
る蓋で整髪料を押下げて戻すようにしたものでよく知ら
れており、例示するまでもない。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】この種容器は、使用時
円滑に整髪料を外部に押出しできるように、底蓋は胴体
に狹い隙間を介して内嵌装着して容易にスライドできる
取付けとしてある。

【０００４】一方、この種整髪料は一つの容器を使い切
るには長期間を要するので、前記隙間を介し水分が蒸発
して整髪料が乾燥し、かなりの量を残しながら使用にた
えない状態に変質しているのが実情である。

【０００５】本考案は、使用時以外の常時の状態におい
て、内部が略密封でき、整髪料等の収納物の乾燥、変質
が防止できる化粧品容器を得るにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本考案の化粧品容器は、
底板１周縁から上部に向うにつれ外面が段形に拡開する
周壁２を立設した皿状であって、周壁２の中間段部外面
を斜め内下方向の斜面のテーパー面３とし、かつ底板１
の周縁近く裏面から下部外面にストッパー４を突設した
筒脚５を垂設した底蓋６を、周壁２の最大拡径の上部７
を狹い隙間８を介しスライド可能に蓋９付きの直筒状の
胴体10に内装し、その底蓋６の周壁２下半外面と胴体10
間の間隙部に、上部を弾性変形可能なシール体11とした
短筒状のシール部材12を、シール体11をテーパー面３に
位置させ、かつ前記底板１とストッパー４間に配した下
部の内向きフランジ13によりテーパー面３の範囲内上下
動可能に配設し、常時はシール体11が拡開されてテーパ
ー面３上部と胴体10間に楔状に入り込ませて内部を密封
し、使用時底蓋６を押上げたときのみテーパー面３上部
をシール体11から抜け出させ、シール体11を内方に復帰
させて内部密封を緩めるようにした構成としている。

【０００７】

【作用】上記において、蓋９を閉蓋している常時は、図
２ａのように底蓋６は収納されている整髪料14により押
下げられ、この押下げでシール体11は底蓋６のシール面
３上部と胴体10間に楔状に入り込み、シール体11はテー
パー面３上部で強制的に拡開され胴体10内面に圧接し、
内部を密封している。

【０００８】ここで、整髪料使用のため蓋９を外し、つ
いで図２ｂのように底板１を介し底蓋６を押上げて整髪
料14上部を口部から外方に押出すと、底蓋６のテーパー
面３上部がシール体11から抜け出し、これによりシール
体11は内方に復帰し密封状態を緩めるので容易に押上げ
できる。

【０００９】整髪料の塗りつけが終り、蓋９を閉じよう
とするとこの蓋９が押出されている部分を介し整髪料14
を胴体10内に押込むので、底蓋６が下方に押下げられ、
これによりシール体11は図２ｃのようにテーパー面３上
部と胴体10間に楔のように入り込み、再び内部を密封す
ることになる。即ち、常時は内部がシール部材12で密封
される。

【００１０】

【実施例】以下図面を参照して一実施例を説明するに、
本考案の化粧品容器は直筒状の胴体10、この胴体10上端
開口に取付けられた蓋９、また胴体10にスライド可能に
内装された底蓋６及びこの底蓋６に外装されたシール部
材12とで構成している。

【００１１】胴体10は円筒状のもので、上端を肉薄部と
し、この肉薄部直下の肉厚部外面に係合周溝15を凹設
し、また下端を内側にＵ形に折り返し、底蓋６の下限位
置を定めている。

【００１２】蓋９は伏せ皿形の形状で、垂下周壁下面中
央帯に下向き周溝を形成しており、この下向き周溝に前
記胴体10上端の肉薄部を挾着し、この状態をこの下向き
周溝の外側縁を垂下させて形成した係合周条16を係合周
溝15に係合させて保持し、密封状態に冠着してある。

【００１３】底蓋６は、底板１周縁から上方に３段に拡
開する外面を持つ周壁２を立設した丸皿状のものであ
り、周壁２の中間段部外面を斜め内下方向の斜面のテー
パー面３とし、そして底板１の周縁近くの裏面から、下
端外面にストッパー４を突出した筒脚５を垂設してい
る。

【００１４】この底蓋６は、周壁２の最も径の大きい上
部７部分により狹い隙間８を介し胴体10に内装し、スラ
イド可能な取付けとしている。この場合、底蓋６は単に
隙間８を設けて胴体10内に遊装してもよく、また上部７
外周面の３乃至４個所に縦条を設け、これら縦条により
所要の隙間８を保持させて内装してもよい。

【００１５】シール部材12は短筒状のものであるが、上
部を肉薄として弾性変形可能なシール体11とし、また下
部を肉厚とし、この下部外面に胴体10に内接する係合突
条17を突設し、また下端から前記底蓋６の底板１とスト
ッパー４間に介在する内向きフランジ13を設けている。

【００１６】このシール部材12は、内向きフランジ13に
より底板１とストッパー４の範囲間上下動できるよう前
記底蓋６下部外面と胴体10内面間の隙間部に配設されて
おり、この上下動によりテーパ面３に位置しているシー
ル体11はこのテーパー面３の上下部に移動する。

【００１７】この実施例において、図１、図２ａは未使
用の状態を示し、この状態では底蓋６は胴体10の下限位
置にあり、そしてシール部材12のシール体11はテーパー
面３上部と胴体10間に拡開されて楔状に入り込み、両者
間に圧接されて内部を密封している。

【００１８】整髪料14を使用するときは、蓋９を外した
のち図２ｂのように底蓋６を指先で押上げて整髪料14上
部を胴体10外上方に押出せばよい。このとき、テーパー
面３上部がシール体11から抜け出すので、シール体11は
内方に復帰して密封が緩み、底蓋６押上げは容易とな
る。

【００１９】整髪料14の塗りつけが終り、蓋９を閉蓋し
ようとすると、この蓋９が押出されている部分を介し整
髪料14を胴体10内に押込むので、底蓋６が下方に押下げ
られ、これによりシール体11はテーパー面３上部と胴体
10間に拡開され楔状に入り込み、両者間に圧接するので
再び内部を密封することになる。

【００２０】即ち、整髪料14使用時以外の常時は容器内
は略密封状態となるので、乾燥が防止され変質すること
なく長期間使用できる。

【００２１】

【考案の効果】上記したように、本考案では、スライド
可能な皿状の底蓋６を押上げて整髪料14等の収納物の一
部を容器外に押出し、蓋９を閉蓋することで収納物を容
器内に戻す化粧品容器において、前記底蓋６の周壁２外
面にテーパー面３を形成し、このテーパ面３に位置させ
て弾性変形可能な短筒状のシール部材12を周壁２と胴体
10間の隙間に上下スライド可能に配設し、底蓋６を押上
げる使用時テーパー面３をシール部材12から抜け出させ
密封を緩めて操作を軽くし、使用終了で蓋９を閉蓋する
とき底蓋６を押下げ、テーパー面３によりシー部材12を
胴体10面に圧接させ内部を密封するようにしたので、常
時において容器内が密封でき、収納物の乾燥を防ぎ、長
期間変質することなく使用できる効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

【図１】一実施例の半部縦断面図である。

【図２】同実施例の作用を示すための一部断面図で、ａ
は未使用時、ｂは底蓋押上げの使用時、ｃは蓋を閉蓋し
た常時の図である。

【符号の説明】

３ テーパー面 ６ 底蓋 ９ 蓋 10 胴体 11 シール体 12 シール部材

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 底板１周縁から上部に向うにつれ外面が
   段形に拡開する周壁２を立設した皿状であって、周壁２
   の中間段部外面を斜め内下方向の斜面のテーパー面３と
   し、かつ底板１の周縁近く裏面から下部外面にストッパ
   ー４を突設した筒脚５を垂設した底蓋６を、周壁２の最
   大拡径の上部７を狹い隙間８を介しスライド可能に蓋９
   付きの直筒状の胴体10に内装し、その底蓋６の周壁２下
   半外面と胴体10間の間隙部に、上部を弾性変形可能なシ
   ール体11とした短筒状のシール部材12を、シール体11を
   テーパー面３に位置させ、かつ前記底板１とストッパー
   ４間に配した下部の内向きフランジ13によりテーパー面
   ３の範囲内上下動可能に配設し、常時はシール体11が拡
   開されてテーパー面３上部と胴体10間に楔状に入り込ま
   せて内部を密封し、使用時底蓋６を押上げたときのみテ
   ーパー面３上部をシール体11から抜け出させ、シール体
   11を内方に復帰させて内部密封を緩めるようにした化粧
   品容器。