JP2578322B2 - 木材の圧密方法 - Google Patents
木材の圧密方法Info
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Description
る。
を供給したうえで熱プレス加工することで、この木材を
繊維と直角な方向に圧密させ、それによって表面性能を
改善する試みがなされている。しかし、このように普通
に水熱圧密処理を行っただけでは、その後に水分と熱が
作用すると木材の厚みが元の状態に回復してしまうこと
が知られている。
して、圧密した木材を圧縮変形状態に永久固定する手法
が開発されている。すなわち、180℃程度以上の温度
で熱プレス加工する際に木材の周囲を密閉し、木材に含
まれる水分をその木材中に閉じ込めたうえで高温高圧で
水熱処理すると、顕著な回復抑制効果が現れて、もはや
元の厚みには戻らないことが確認されている。
高温高圧で水熱処理された木材を、処理後に直ちに熱プ
レス機から取り出すと、木材中に含まれていた高温高圧
の水蒸気の作用によって、この木材の表面にパンクと呼
ばれる膨らみが発生しやすい。
を防止するために、水熱処理後にプレス状態を維持した
まま熱プレス機を水冷するなどして、この熱プレス機と
ともに圧密化木材をたとえば60℃程度まで冷却し、そ
の後に取り出しを行っている。
の木材の処理を行おうとすると、再び熱プレス機を高温
に加熱しなければならず、そのためにエネルギが必要に
なるとともに、その再加熱に時間を要するという問題点
がある。
し、エネルギや時間を多大に消費することなしに、圧密
化した木材の表面における膨らみの発生を防止できるよ
うにすることを目的とする。
本発明は、密閉構造の熱プレス手段によって木材を密閉
空間内で圧縮しながら加熱することで、この木材中の水
分を加圧水蒸気化させて、この木材を水熱処理により圧
縮変形状態に固定させ、その後、前記熱プレス手段によ
るプレス状態を維持したまま前記密閉空間内を減圧させ
るものである。
とで、木材中に含まれる水蒸気がこの密閉空間内に放出
されるため、水熱処理後にこの木材を加熱状態のまま熱
プレス手段から取り出す際にこの木材の表面に膨らみが
生じることが防止される。このため、従来のように熱プ
レス手段の大幅な冷却や再加熱を行うことが不要となっ
て、エネルギ消費の低減や処理時間の短縮が図られる。
開放することによって行うことができる。このとき、水
熱処理の直後の密閉空間内は高温かつ高圧の状態にある
ため、たとえば密閉空間内を大気に開放させる管路に絞
り弁を設けて、この絞り弁を徐々に開くなどするのが好
ましい。
ス手段によるプレス状態を一時的に緩めるのが好まし
い。このようにすると、熱プレス手段のプレス面が木材
からわずかに浮き上がり、その浮き上がり部における木
材の表面から水蒸気が放出されることになって、効率の
良い放出が可能になる。実験によると、熱プレス手段に
よるプレス状態を緩めることと、緩めたプレス状態を再
び強めることとを複数回繰り返すことで、きわめて効率
良く水蒸気を放出させることが可能であった。
満の負圧を導入することができる。そうすると、木材の
周囲がよりいっそう減圧されるとともに、木材内の水分
が気化されやすくなるため、さらに効率良く短時間のう
ちに水蒸気を放出させることができる。
手段の内部を水冷するなどしてその温度を低下させる
と、それにつれて木材の温度も低下し、その表面に膨ら
みが発生しなくなる状態に速やかに移行する。したがっ
て、この温度低下効果と前述の減圧効果との相乗効果に
よって、水熱処理後の木材を迅速に熱プレス手段から取
り出すことが可能となる。ただし、熱プレス手段の温度
をあまり大幅に低下させると、従来の場合と同様の再加
熱の問題が発生するため、その低下の程度には限度があ
る。すなわち、再加熱にエネルギや時間を多大に消費せ
ず、しかも迅速な作業が可能なような調和点での処理が
必要になり、この調和点は、生産性や経済性などの観点
にしたがって決定される。
密閉空間内に冷却空気を導入して木材の温度を低下させ
ることによっても、その木材の表面に膨らみが発生しな
くなる状態を早期に実現可能となる。この冷却空気の導
入は、上述のように大気圧未満の負圧を導入しながら行
うのが効果的である。
をセラミックなどの多孔質の材料で形成すれば、木材か
らの水蒸気は、この多孔質の材料からなるプレス面を通
過して良好に放出される。
置であり、金属製の下側の熱板12と、この下側の熱板12
の上方に昇降可能に設けられた金属製の上側の熱板13と
によって、熱プレス装置を構成している。下側の熱板12
の中央部には凹部14が形成されており、また上側の熱板
13には、凹部14に対応した凸部15が形成されている。凹
部14の中には板状の木材16を収容可能であり、この木材
16は、上側の熱板13が下降して下側の熱板12に接近した
ときに、凹部14と凸部15とで挟み込まれて熱プレスされ
るようになっている。
リング17が設けられており、上側の熱板13が下降してこ
のOリング17を圧縮することによって、このOリング17
に囲まれた内側の部分に、凹部14と凸部15とを含んだ密
閉空間18が形成されるように構成されている。
通孔19、20が形成されており、一方の連通孔19は、熱板
12の外部において圧力計21に接続されている。他方の連
通孔20は大気に開放された排気管22に連通されており、
この排気管22には絞り弁23が設けられている。
ば木材16が杉板である場合には、上下の熱板12、13をあ
らかじめ 180℃程度に加熱した状態で、凹部14の中にこ
の木材16を収容し、上側の熱板13を降下させて、凹部14
と凸部15との間でこの木材16を圧縮する。このとき、木
材16は水分を含有するものを使用し、30〜50kgf/cm2程
度の圧力で繊維と直角な方向に横圧縮させて、当初に比
べ50%程度以下の板厚となるように圧密する。
上下の熱板12、13によってOリング17が圧縮され、その
内側に密閉空間18が形成される。そこで、その状態で数
分〜十数分おくと、熱板12、13からの熱によって木材16
の内部の水分が蒸発し、密閉空間18内で10kgf/cm2 程度
の活性水蒸気となって木材16に作用する。その結果、木
材16は、水熱処理されてその圧縮変形の状態に固定され
る。このときの密閉空間18内における活性水蒸気の圧力
は、圧力計21によってモニタされる。
理に必要な時間、すなわち十数分程度が経過したなら、
上下の熱板12、13による木材16の加熱プレス状態を維持
したまま、絞り弁23を徐々に開放させて密閉空間18内を
減圧させる。そして、密閉空間18内を大気に開放した状
態で一定時間放置すると、その間に木材16内の水蒸気の
圧力も徐々に低下する。
させると、圧密処理が完了して、しかも内部の水蒸気が
放出されて表面における膨らみの発生が防止された木材
16が取り出されることになる。
13を大幅に冷却する必要はなくなり、またこのため、次
に圧密処理を施すための木材のために熱板12、13を時間
をかけて再加熱する必要もなくなる。その結果、エネル
ギ消費を低減させることができるとともに、その分の処
理時間を短縮させることもできる。
12、13による圧縮圧力を低下させることによって、木材
16のプレス状態を一時的に緩めるようにするのが好まし
い。このようにすると、熱板12、13のプレス面が木材16
からわずかに浮き上がり、その浮き上がり部における木
材16の表面から水蒸気が放出されることになって、効率
の良い放出が可能になる。
は排気管22からの多量の水蒸気の放出が確認されるが、
ある程度の時間が経過すると、その放出量が低下する。
そこで、上述のようにプレス状態を一時的に緩めると、
再び排気管22からの多量の水蒸気の放出が確認される。
合にも、時間の経過とともに水蒸気の放出量は低下する
が、その後に再び熱板12、13による圧縮圧力を上昇さ
せ、そのまま一定時間をおき、かつ再度プレス状態を一
時的に緩めることによって、同様に排気管22からの多量
の水蒸気の放出が確認される。結局、熱板12、13による
プレス状態を緩めることと、緩めたプレス状態を再び強
めることとを複数回にわたり繰り返すことで、きわめて
効率良く短時間で水蒸気を放出させることができる。
密閉空間18内を大気に開放させる場合について説明した
が、他の手法によって高圧の密閉空間18内を減圧させる
ことも、もちろん可能である。さらに、排気管22を利用
するなどして密閉空間18内に大気圧未満の負圧を導入す
ることも可能であり、そのようにすると、木材16の周囲
がいっそう減圧されるとともに、木材16の内部の水分が
気化されやすくなるため、いっそう効率良く水蒸気を放
出させることができる。
2、13の内部をわずかに水冷するなどしてその温度を若
干低下させると、それにつれて木材16の温度も低下し、
この木材16の表面に膨らみが発生しなくなる状態に速や
かに移行させることができる。したがって、温度低下効
果と減圧効果との相乗効果によって、水熱処理後の木材
16を迅速に圧密装置11から取り出すことが可能となる。
ただし、熱板12、13の温度をあまり大幅に低下させる
と、従来の場合と同様の再加熱の問題が発生するため、
上述のように 180℃程度で水熱処理した場合には、 150
℃程度までの冷却に止めておくことが必要である。そう
することで、再加熱時に実質的なエネルギや時間の消費
の問題が発生することが防止される。
の密閉空間18内に冷却空気を導入して木材の温度を低下
させることによっても、その木材の表面に膨らみが発生
しなくなる状態を迅速に実現可能である。この冷却空気
の導入は、たとえば排気管22と同様の構成の空気供給管
を凹部14に連通させることによって実現することができ
る。このような冷却空気の導入は、上述のように大気圧
未満の負圧を導入しながら行うのが効果的である。
は、セラミックなどの多孔質の材料で形成することがで
きる。このようにすれば、木材16におけるプレスを受け
る面からの水蒸気は、この多孔質の材料からなるプレス
面を通過して良好に放出される。このため、上述のプレ
ス状態を一時的に緩めることを導入しなくても効率良く
水蒸気を排出することができ、またこれを導入して両者
を併用すれば、よりいっそう効率良く水蒸気を放出させ
ることが可能である。
レス手段によって密閉空間内の木材を水熱処理により圧
縮変形状態に固定させた後に、その熱プレス手段による
プレス状態を維持したままその密閉空間内を減圧させる
ため、木材中に含まれる水蒸気をこの密閉空間内に放出
させることができて、水熱処理後にこの木材を熱プレス
手段から取り出す際にこの木材の表面に膨らみが生じる
ことを防止でき、このときに従来のように熱プレス手段
を大幅に冷却する必要がなく、かつそれに伴う熱プレス
手段の再加熱も不要であるため、エネルギ消費の低減や
処理時間の短縮を図ることができる。
の要部の斜視図である。
Claims (8)
- 【請求項1】 密閉構造の熱プレス手段によって木材を
密閉空間内で圧縮しながら加熱することで、この木材中
の水分を加圧水蒸気化させて、この木材を水熱処理によ
り圧縮変形状態に固定させ、その後、前記熱プレス手段
によるプレス状態を維持したまま前記密閉空間内を減圧
させることを特徴とする木材の圧密方法。 - 【請求項2】 密閉空間内を大気に開放させることによ
って減圧を行うことを特徴とする請求項1記載の木材の
圧密方法。 - 【請求項3】 密閉空間内を減圧させるときに、熱プレ
ス手段によるプレス状態を一時的に緩めることを特徴と
する請求項1または2記載の木材の圧密方法。 - 【請求項4】 熱プレス手段によるプレス状態を緩める
ことと、緩めたプレス状態を再び強めることとを繰り返
すことを特徴とする請求項3記載の木材の圧密方法。 - 【請求項5】 密閉空間内を減圧させるときに大気圧未
満の負圧を導入することを特徴とする請求項1から4ま
でのいずれか1項記載の木材の圧密方法。 - 【請求項6】 密閉空間内を減圧させるときに熱プレス
手段の温度を低下させることを特徴とする請求項1から
5までのいずれか1項記載の木材の圧密方法。 - 【請求項7】 密閉空間内を減圧させるときにこの密閉
空間内に冷却空気を導入して木材の温度を低下させるこ
とを特徴とする請求項1から6までのいずれか1項記載
の木材の圧密方法。 - 【請求項8】 請求項1から7までのいずれか1項記載
の木材の圧密方法を実施するための圧密装置であって、
熱プレス手段における木材をプレスする面を多孔質の材
料で形成したことを特徴とする木材の圧密装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP22714794A JP2578322B2 (ja) | 1994-09-22 | 1994-09-22 | 木材の圧密方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP22714794A JP2578322B2 (ja) | 1994-09-22 | 1994-09-22 | 木材の圧密方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0890516A JPH0890516A (ja) | 1996-04-09 |
JP2578322B2 true JP2578322B2 (ja) | 1997-02-05 |
Family
ID=16856234
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP22714794A Expired - Fee Related JP2578322B2 (ja) | 1994-09-22 | 1994-09-22 | 木材の圧密方法 |
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-
1994
- 1994-09-22 JP JP22714794A patent/JP2578322B2/ja not_active Expired - Fee Related
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