JP2577848Y2 - ピルファープルーフ機能を備えたプラスチックキャップ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、２ピース製のピルファ
ープルーフ機能を備えたプラスチックキャップに関す
る。

【０００２】

【従来技術】従来、イタズラ防止等のためにピルファー
プルーフ機能を備えたプラスチックキャップが広く使用
されている。このキャップは、天面と、該天面の周縁部
から垂下している円筒状の側壁と、該側壁の下端に弱化
部を介して設けられた周状バンド（ピルファープルーフ
バンド）とから成っている。即ち、該キャップが容器に
装着された状態において、該バンドが容器首部の顎部に
係合しており、キャップの旋回（開封）により前記弱化
部での破断が生じ、この結果、周状バンドがキャップ本
体から離れ、これにより開封履歴が明示されるものであ
る。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】然しながら、上記の様
な構造のプラスチックキャップにおいては、キャップの
開封に際して、周状バンドの切り離し（弱化部の破断）
がキャップの旋回開始後直ちに行われるものでないため
に、容器の密封（容器首部上端とキャップの天面との密
着係合）が解除された後に周状バンドの切り離しが行わ
れる場合があり、厳密な意味での開封履歴の点では、十
分に満足し得るものではなかった。

【０００４】従って、本考案の目的は、容器の密封が解
除される前に周状バンドの切り離しが行われ、開封履歴
の明示を確実且つ厳密に行うことができるピルファープ
ルーフ機能を備えたプラスチックキャップを提供するこ
とにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本考案によれば、天面
と、該天面の周縁部から垂下しており且つ内面に容器首
部と螺合する螺子状突起を備えている円筒状の側壁と、
該側壁の下端に形成されている裾広がり状になり得るス
カート部とから成るキャップ本体を備えており、該キャ
ップ本体とは別個に周状バンドが設けられているプラス
チック製のキャップであって、前記スカート部の外面に
は、周方向に伸びている溝部が形成されており、前記ス
カート部の内面には、前記溝部に対応する位置もしくは
それよりも上方となる位置に、容器首部の顎部と係合す
るための突起が設けられており、前記周状バンドには、
軸方向に延びているスコアが少なくとも１個形成されて
いると共に、 前記周状バンドは、前記キャップ本体が容
器に装着された状態において、前記スカート部の溝部に
装着され、キャップ本体の開栓方向への回転により前記
スカート部が上昇して容器首部の顎部に乗り上げると、
該スカート部が裾広がり状となることにより前記周状バ
ンドのスコアが破断し、該溝部に装着された周状バンド
は、キャップ本体から切り離されることを特徴とするピ
ルファープルーフ機能を備えたプラスチックキャップが
提供される。

【０００６】

【実施例】本考案を、以下、添付図面に示す具体例に基
づいて詳細に説明する。本考案のプラスチックキャップ
におけるキャップ本体の構造を図１の一部断面図に示
す。この図１において、このキャップ本体（全体として
１で示す）は、容器に装着していない状態で示されてい
る。また、このキャップ本体１が容器口部に装着されて
いる状態を、周状バンドとともに図２に示す。

【０００７】このキャップ本体１は、天面２と、その周
縁部から垂下している円筒状の側壁３と、該側壁の下端
に形成されている裾広がり状になり得るスカート部４と
から成る。天面２の内面には、必要によりライナー２ａ
が設けられており、キャップ本体１が容器口部に装着さ
れている状態において、天面２と容器口部５の上端部と
の間にこのライナー２ａが介在することによって（図２
参照）、良好なシールが形成されるものである。また側
壁３の内面には、容器口部５の外壁と螺子係合するため
の螺子状突起６が形成されている。

【０００８】本考案において、裾広がり状になり得る前
記スカート部４は、スリットで区画された多数のスカー
ト片４ａから形成されている。各スカート片４ａの外面
には、全体として周方向に延びている溝７が形成され、
またその内面には、溝７に対して上側となる位置に、容
器口部５の下方部分に形成されている顎部５ａと係合す
るための突起８が設けられている。即ち、キャップ本体
１が容器口部５に装着された状態において、この突起８
が上記顎部５ａの下側に入り込んで係合することによ
り、キャップ本体１の容器口部５への固定が行われるも
のである。

【０００９】本考案によれば、前記キャップ本体１が容
器口部５に装着されている状態において、周状バンド１
０が使用される。この周状バンドの平断面を図３に示
す。この図３及び図２において、周状バンド１０には、
その軸方向に延びているスコア１１が形成されており、
この周状バンド１０は、前記スカート部４に形成されて
いる溝７内に嵌合装着され、各スカート片４ａは閉じた
状態に保持される。即ち、上記の様にして周状バンド１
０が設けられている状態で装着されているキャップ本体
１の開旋を行うと、前記突起８が容器の顎部５ａに乗り
あげた状態でスカート部４が裾広がりとなり、周状バン
ド１０が広がってスコア１１の破断を生じ、この周状バ
ンド１０は容器本体１から切り離される。

【００１０】即ち、本考案によれば、周状バンド１０に
おけるスコア１１の破断（周状バンド１０の切り離し）
が、突起８が容器の顎部５ａに乗りあげた状態で直ちに
行われるので、周状バンド１０の切り離しが行われた後
の段階でキャップ本体１によるシールが解除されること
になり、厳密な意味での開封履歴の明示が行われるので
ある。しかも、本考案においては、一度使用されたキャ
ップ本体（容器口部から脱着されたもの）は、図１に示
す様に、スカート部４が広がった状態にあり、しかも周
状バンドが切り離されていることから、開封履歴の明示
が一層確実に行われることとなる。

【００１１】本考案において、図３に示した周状バンド
１０には、等間隔で４個のスコアが設けられているが、
このスコアの数は任意であり、突起８が容器の顎部５ａ
に乗りあげた状態でのスコアの破断が確実に行われる限
り、例えば１個でもよい。

【００１２】また本考案において、容器口部に装着され
ているキャップ本体１の前記溝７内への周状バンド１０
の嵌合装着は、例えばポリプロピレン、ポリエチレン等
の熱膨張性の熱可塑性樹脂で周状バンド１０を成形し、
これを熱膨張状態で適当な型を用いて前記溝７内に配置
し、冷却して収縮させることによって行うことができ
る。また熱収縮性ポリ塩化ビニル等を用いて周状バンド
１０を成形し、これを加熱によって収縮させることによ
っても行うことができる。

【００１３】

【考案の効果】本考案によれば、周状バンドが破断した
後にキャップのシールが解除するため、周状バンドが破
断していないものは、キャップのシールが継続して保持
されていることが確実に示される。従って、本考案のキ
ャップでは、開封履歴の明示が厳密に行われることにな
り、これは本考案の顕著な利点である。また、キャップ
本体と別個に周状バンドが設けられているため、該バン
ドの着色等により、これを内容物の表示等に利用するこ
ともできる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本考案のキャップ本体を示す一部断面図。

【図２】 図１のキャップ本体が容器に装着されている
状態を、周状バンドとともに示す図。

【図３】 本考案において使用される周状バンドの一例
を示す平断面図。

Claims (2)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 天面と、該天面の周縁部から垂下してお
   り且つ内面に容器首部と螺合する螺子状突起を備えてい
   る円筒状の側壁と、該側壁の下端に形成されている裾広
   がり状になり得るスカート部とから成るキャップ本体を
   備えており、該キャップ本体とは別個に周状バンドが設
   けられているプラスチック製のキャップであって、 前記スカート部の外面には、周方向に伸びている溝部が
   形成されており、 前記スカート部の内面には、前記溝部に対応する位置も
   しくはそれよりも上方となる位置に、容器首部の顎部と
   係合するための突起が設けられており、前記周状バンドには、軸方向に延びているスコアが少な
   くとも１個形成されていると共に、 前記周状バンドは、前記キャップ本体が容器に装着され
   た状態において、前記スカート部の溝部に装着され、キ
   ャップ本体の開栓方向への回転により前記スカート部が
   上昇して容器首部の顎部に乗り上げると、該スカート部
   が裾広がり状となることにより前記周状バンドのスコア
   が破断し、該溝部に装着された周状バンドは、キャップ
   本体から切り離される ことを特徴とするピルファープル
   ーフ機能を備えたプラスチックキャップ。
2. 【請求項２】 前記スカート部には、軸方向に延びてい
   るスリットが複数形成されている請求項１に記載のプラ
   スチックキャップ。