JP2577394B2 - 電力系統の事故設備判定装置 - Google Patents

電力系統の事故設備判定装置

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JP2577394B2
JP2577394B2 JP62197544A JP19754487A JP2577394B2 JP 2577394 B2 JP2577394 B2 JP 2577394B2 JP 62197544 A JP62197544 A JP 62197544A JP 19754487 A JP19754487 A JP 19754487A JP 2577394 B2 JP2577394 B2 JP 2577394B2
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武 永田
祐直 奥寺
静香 中村
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Hitachi Ltd
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Tokyo Electric Power Co Holdings Inc
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Description

【発明の詳細な説明】 [発明の目的] (産業上の利用分野) 本発明は電力系統事故設備の自動判定装置に係り、特
に管轄系統内で発生する開閉器、保護リレーの状態変化
(以下、状変と称する)を一定時間蓄積し、事故により
停電した電力系統のうち電気的に接続関係のある単位設
備の集合を電力系統の電圧階級により振り分けした部分
集合ごとに、電力系統事故の原因となった設備(以下、
事故設備と称する)および電力系統事故の原因となった
設備として疑わしき設備(以下、推定事故設備と称す
る)を判定する電力系統の事故設備判定装置に関する。
(従来の技術と発明が解決しようとする問題点) 従来、電力系統における事故設備の判定は、管轄系統
における動作した保護リレーの保護範囲データおよびし
ゃ断器のトリップ情報を用いて行なっている。しかし、
動作した保護リレーの保護範囲は、動作した保護リレー
の保護範囲内の開閉器(しゃ断器、断路器)の開閉状態
により異なってくるので、事故設備の判定に長時間を要
している。また、同時期に事故による停電が管轄系統の
複数箇所で発生した場合には、事故設備の判定が複雑と
なり、その判定に長時間を要すると共に誤った判定を行
なってしまうことがある。さらに最近では、電力系統設
備の巨大化、複雑化に伴う電力の一層の安定供給を図る
ために、事故時の復旧操作についても高速化、高信頼化
が強く望まれてきている。
本発明は上記のような事情に鑑みて成されたもので、
その目的は事故時の復旧操作の判断根拠となる管轄系統
内の事故設備の判定を高速度、高信頼度にて行なうこと
が可能な電力系統の事故設備判定装置を提供することに
ある。
[発明の構成] (問題点を解決するための手段および作用) 上記目的を達成するために本発明では、事故時に発生
する管轄系統からの一定時間の状変を蓄積し、事故によ
る停電設備の集合をグループとして振り分けし、この停
電設備グループを電圧階級により振り分けした停電同一
電圧設備グループを作成し、この停電同一電圧設備グル
ープの境界および内部の主保護リレー動作情報、後備保
護リレー動作情報を編集し、この停電同一電圧設備グル
ープ単位に事故設備を判定することを特徴とする。
(実施例) 以下、本発明の一実施例について示す図面を参照して
説明する。第1図は、本発明による電力系統の事故設備
判定装置のシステム構成をブロック図にて示したもので
ある。図において、1は対象となる管轄系統、2はオン
ライン情報入力装置、3は本発明の事故設備判定装置で
あり、現在系統状態保存手段31と、事故直後系統状態保
存手段32と、状変蓄積処理手段33と、停電設備グループ
作成処理手段34と、停電同一電圧設備グループ作成処理
手段35と、保護リレー動作情報編集処理手段36と、事故
設備判定処理手段37とから構成される。4は表示手段で
ある。
つまり、オンライン情報入力装置2により現在系統保
存手段31に管轄系統1の現在の開閉器の状態情報、保護
リレーの動作情報を保存し、管轄系統1において事故が
発生して保護リレーが動作状変した場合には、一定時間
内における現在系統状態保存手段31、事故直後系統状態
保存手段32に保存されている電力系統に対して所定の処
理を行なって事故設備を判定し、その結果を表示手段4
により運用者に通知するようにしている。
また、状変蓄積処理手段33は、この現在系統状態保存
手段31の保存内容を基に上記管轄系統1の事故発生によ
る情報の状態変化時、一定時間内の状態変化を蓄積する
手段、停電設備グループ作成処理手段34は、この状態変
化蓄積処理手段33の蓄積した状態変化の中のトリップし
ゃ断器の動作情報および電力設備の電圧の有無を検出す
る無電圧検出リレーの動作情報を用いて停電設備グルー
プを作成する手段、停電同一電圧設備グループ作成処理
手段35はこの停電設備グループ作成処理手段により作成
した停電設備グループを上記管轄系統1の電圧階級によ
り振り分けした停電同一電圧設備グループを作成する手
段、保護リレー動作情報編集処理手段36はこの停電同一
電圧設備グループ作成処理手段35により作成した停電同
一電圧設備グループ単位に上記蓄積した状態変化の中の
保護リレーの動作情報を編集する手段、事故設備判定処
理手段37はこの保護リレー動作情報編集処理手段36によ
り編集された保護リレーの動作情報を用いて停電同一電
圧設備グループ単位に事故設備、推定事故設備の判定を
行なう手段であり、これら状変蓄積処理手段33、停電設
備グループ作成処理手段34、停電同一電圧設備グループ
作成処理手段35および保護リレー動作情報編集処理手段
36の各処理結果を、事故直後系統状態保存手段32に保存
する。
次に、本発明の事故設備判定装置の作用について第2
図に示すフロチャートを用いて説明する。図において、
オンライン情報入力装置2により事故設備判定装置3の
現在系統状態保存手段31に、管轄系統1の現在の開閉器
の状態情報、保護リレーの動作情報が保存されている。
いま、管轄系統1において事故が発生して保護リレーが
動作(状変)した場合には、以下の手順により管轄系統
1に対して事故設備の判定を行なう。
つまり、まず状変蓄積処理手段33において、第2図の
ステップS1により事故時に発生する管轄系統1からの一
定時間内(例えば10秒)の状変、すなわち保護リレー、
トリップしゃ断器および電力設備の電圧の有無を検出す
る無電圧検出リレーの状変を事故直後停電系統状態保存
手段32に蓄積保存する。
次に、停電設備グループ作成処理手段34においては、
ステップS2で以下のような手順により停電設備グループ
を作成する。まず、上記蓄積状変の中からトリップしゃ
断器の動作情報を用いて、“閉”状態の開閉器(しゃ断
器、断路器)を介して電気的に接続している電力系統を
構成する単位設備(母線、送電線、変圧器)の集合であ
る設備グループを作成する。つぎに、上記蓄積状変の中
の無電圧検出リレーの動作情報を用いて、上記で作成し
た設備グループの中に動作した無電圧検出リレーが設置
されている電力設備(一般には母線)があるか否かを判
定し、動作した無電圧検出リレーが設置されている場合
には当該設備グループを停電設備グループとし、その結
果を上記事故直後系統状態保存手段32に保存する。
次に、停電同一電圧設備グループ作成処理手段35にお
いては、ステップS3により上記で作成した停電設備グル
ープを、電力系統の電圧階級により振り分けしたサブグ
ループである停電同一電圧設備グループを作成する。す
なわち、単位設備が変圧器の場合には、変圧器の1次側
の開閉器を仮想的に“開”状態と考えることによって、
同一電圧階級の停電設備グループである停電同一電圧設
備グループを作成し、その結果を上記事故直後系統状態
保存手段32に保存する。
第3図は、停電設備グループと停電同一電圧設備グル
ープとの関係を示したものである。図において、(1)
〜(10)は送電線および変圧器の単位設備ごとに与えら
れたブランチ番号、〜は母線の単位設備ごとに与え
られたノード番号であり、G1,G2は外部電源である。図
示のように、ブランチ(1),(2)の事故(送電線ル
ート事故に相当する)によりブランチの両端の開閉器が
トリップしたと想定すると、図中の設備はノード,
を除いて停電となる。本例では、停電設備グループは第
1表(a)に示すように3つのグループとなり、停電同
一電圧設備グループは第1表(b)に示すように5つの
グループとなる。このように、電圧階級により停電設備
グループを振り分けすることにより、以下に説明する事
故設備判定処理が容易になると共に処理時間の短縮が図
られる。
第1表 次に、保護リレー動作情報編集処理手段36において
は、ステップS4により上記蓄積状変の中から保護リレー
の動作情報を抽出し、これを停電同一電圧設備グループ
単位に編集する。すなわち、まず保護リレーの動作情報
を主保護リレーと後備保護リレーの動作情報に分類し、
つぎに当該保護リレーの電力系統上で動作箇所と停電同
一電圧設備グループとを対比させることにより、当該保
護リレーの動作情報を停電同一電圧設備グループ単位に
編集し、その結果を上記事故直後系統状態保存手段32に
保存する。
この場合、停電同一電圧設備グループの境界上での保
護リレーの動作情報のうち、主保護リレーの動作情報は
当該保護リレーの保護設備が属する停電同一電圧設備グ
ループ側に編集し、後備保護リレーの動作情報は当該後
備保護リレー動作によりトリップした開閉器を介して隣
接する両方の停電同一電圧設備グループに編集する。ま
た、後備保護リレーについてはそのリレーの特性によ
り、保護方向特性を有するものと保護方向特性のないも
のとに分類する。すなわち、第2段以降の距離リレー
(DZ2,DZ3)等は、その保護区間が単位設備のみでなく
当該単位設備に接続する複数設備を含んでおり、保護方
向特性有りと称する。一方、過電流リレー(C)等の
ように複数の単位設備の論理和として動作する保護リレ
ーは、保護方向特性なしと称する。第2表は、この主保
護リレーと後備保護リレーとの分類の一例を示したもの
である。
最後に、停電設備判定処理手段37においては、ステッ
プ5により上記で停電同一電圧設備グループ単位に編集
された保護リレーの動作情報を用いて、事故設備および
推定事故設備の判定を行ない、その結果を表示手段4に
表示する。以下に、この事故設備判定処理について具体
的に詳述する。
まず、電力系統に各種事故が発生した場合の判定を停
電同一電圧設備グループの境界上および内部の保護リレ
ーの動作形態を抽出した結果、保護リレーの動作情報と
事故設備判定処理との関係を第3表に示す。
第3表において、 は停電同一電圧設備グループ、 は事故設備、 は推定事故設備を夫々表わす。また、●は主保護リレー
動作かつしゃ断器トリップ情報、▼は後備保護リレー
(方向特性あり)動作かつしゃ断器トリップ情報、 は後備保護リレー(方向特性なし)動作かつしゃ断器ト
リップ情報を夫々示している。
第3表において、(1)は主保護リレー(以下、M・
Ryと称する)が動作する場合のリレー動作情報と判定方
式および概念を示し、また(2)は後備保護リレー(以
下、B・Ryと称する)のみが動作する場合のリレー動作
情報と判定方式および概念を示している。
つぎに、第3表に示した事故設備判定について述べ
る。
(a) M・Ryの動作がある場合、 停電同一電圧設備グループ内にM・Ry動作がある場合
は、当該M・Ryの保護範囲の設備を事故設備と判定す
る。また、M・Ry動作の他にB・Ry動作がある場合も、
B・Ry動作を無視して当該M・Ryの保護範囲の設備を事
故設備と判定する。
(b) B・Ryの動作のみの場合 停電同一電圧設備グループ内の動作リレーがB・Ryの
みの場合は、保護方向特性ありのB・Ry動作、保護方向
特性なしのB・Ry動作および保護方向特性あり、なしが
混在したB・Ry動作の場合に分類される。
まず保護方向特性ありのB・Ry動作の場合は、動作し
たB・Ryの全てが停電同一電圧設備グループの内側を向
いていか否かにより次のように判定する。すなわち、動
作したB・Ryの全てがグループの内側を向いていれば、
グループ内の全ての設備を推定事故設備と判定する。一
方、動作したB・Ryのうち1つでもグループの外側を向
いていれば、当該グループ内には事故設備も推定事故設
備も存在しないと判定する。つぎに、保護方向特性なし
のB・Ry動作の場合は、グループ内の全ての設備を推定
事故設備とする。また、保護方向特性ありとなしのB・
Ry動作が混在する場合は、保護方向特性ありのB・Ryの
全てが停電同一電圧設備グループの内側を向いているか
否かにより、上記の保護方向特性ありのB・Ry動作の場
合と同様の判定を行なうことになる。
尚、本発明は上記実施例に限定されるものではない。
第4図は、同時刻に管轄系統1の複数箇所で事故によ
り停電が発生した場合の1例を示すものである。図にお
いて、(1)〜(15)は送電線および変圧器の単位設備
ごとに与えられたブランチ番号、〜は母線の単位設
備ごとに与えられたノード番号であり、G1,G2,G3は外部
電源である。
図示のように、ブランチ(5)と(13)の両方で事故
が同時に発生したと想定すると、図示斜線部分が停電と
なり、停電設備グループは{R1,R2,R3,R4}と{R5,R6,R
7}の2つとなる。ここで、R1〜R7は停電同一電圧設備
グループであり、{}は停電同一電圧設備グループの集
合を表わす。事故を想定したブランチの主保護リレーが
正常に動作したとすれば、停電同一電圧設備グループR1
とR5の両方の境界上に主保護リレーが編集され、停電同
一電圧設備グループ単位(Ri;i=1〜7)に編集された
保護リレーの動作情報を用いて事故設備判定が行なわれ
る。
なお、停電同一電圧設備グループR1,R5以外は、保護
リレーの動作情報が編集されていないために、事故設備
判定処理の対象とする必要はない。停電同一電圧設備グ
ループR1に対しては、ブランチ(5)を保護設備とする
主保護リレー情報M11,M12を用いて、事故設備がブラン
チ(5)であると判定する。停電同一電圧設備グループ
R5に対しては、ブランチ(13)を保護設備する主保護リ
レー情報M51,M52を用いて事故設備がブランチ(13)で
あると判定する。
また、上記実施例では主保護リレー動作のみの場合し
か述べていないが、後備保護リレー動作がある場合も停
電同一電圧設備グループ単位に、第3表の判定に従って
判定されることは明らかである。
[発明の効果] 以上説明したように本発明によれば、事故時に発生す
る管轄系統からの一定時間の状変を蓄積し、事故による
停電設備の集合をグループとして振りわけし、この停電
設備グループを電圧階級により振り分けした停電同一電
圧設備グループを作成し、停電同一電圧設備グループの
境界および内部の主保護リレー動作情報、後備保護リレ
ー動作情報を編集し、この停電同一電圧設備グループ単
位に事故設備を判定するようにしたので、判定の信頼性
が向上すると共に広域的な系統における事故設備の判定
を高速度にて行なうことができ、しかも同時刻に複数箇
所で発生した事故による停電設備に対しても容易にかつ
確実に事故設備の判定を行なうことが可能な電力系統の
事故設備判定装置が提供できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例を示すシステム構成図、第2
図および第3図は本発明の作用を説明するためのフロー
チャート図および系統図、第4図は本発明の他の適用例
を示す系統図である。 1……管轄系統、2……オンライン情報入力装置、3…
…事故設備判定装置、31……現在系統状態保存手段、32
……事故直後系統状態保存手段、33……状変蓄積処理手
段、34……停電設備グループ作成処理手段、35……停電
同一電圧設備グループ作成処理手段、36……保護リレー
動作情報編集処理手段、37……事故設備判定処理手段、
4……表示手段。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 武田 次男 東京都千代田区内幸町1丁目1番3号 東京電力株式会社内 (72)発明者 永田 武 東京都府中市東芝町1番地 株式会社東 芝府中工場内 (72)発明者 奥寺 祐直 茨城県日立市大みか町5丁目2番1号 株式会社日立製作所大みか工場内 (72)発明者 中村 静香 兵庫県神戸市兵庫区和田崎町1丁目1番 2号 三菱電機株式会社制御製作所内

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】制御対象としての電力系統における現在の
    開閉器の状態情報、保護リレーの動作情報を保存する現
    在系統状態保存手段と、この現在系統状態保存手段の保
    存内容を基に前記電力系統の事故発生による情報の状態
    変化時、一定時間内の状態変化を蓄積する状態変化蓄積
    処理手段と、この状態変化蓄積処理手段の蓄積した状態
    変化の中のトリップしゃ断器の動作情報および電力設備
    の電圧の有無を検出する無電力検出リレーの動作情報を
    用いて停電設備グループを作成する停電設備グループ作
    成処理手段と、この停電設備グループ作成処理手段によ
    り作成した停電設備グループを前記電力系統の電圧階級
    により振り分けした停電同一電圧設備グループを作成す
    る停電同一電圧設備グループ作成処理手段と、この停電
    同一電圧設備グループ作成処理手段により作成した停電
    同一電圧設備グループ単位に前記蓄積した状態変化の中
    の保護リレーの動作情報を編集する保護リレー動作情報
    編集処理手段と、この保護リレー動作情報編集処理手段
    により編集された保護リレーの動作情報を用いて停電同
    一電圧設備グループ単位に事故設備、推定事故設備の判
    定を行なう事故設備判定処理手段と、前記状変蓄積処理
    手段、停電設備グループ作成処理手段、停電同一電圧設
    備グループ作成処理手段および保護リレー動作情報編集
    処理手段の各処理結果を保存する事故直後停電系統状態
    保存手段とを具備して成ることを特徴とする電力系統の
    事故設備判定装置。
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