JP2576570Y2 - 装炭車ホッパーの被覆装置 - Google Patents

装炭車ホッパーの被覆装置

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JP2576570Y2
JP2576570Y2 JP1993027817U JP2781793U JP2576570Y2 JP 2576570 Y2 JP2576570 Y2 JP 2576570Y2 JP 1993027817 U JP1993027817 U JP 1993027817U JP 2781793 U JP2781793 U JP 2781793U JP 2576570 Y2 JP2576570 Y2 JP 2576570Y2
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幹夫 渡辺
鉄雄 山根
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Nippon Steel Corp
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Sumitomo Metal Industries Ltd
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この考案は、コークス炉装炭車の
ホッパーに積載して搬送し、炭化室に装入する装入炭の
雨水等の流入による水分上昇を防止できる装炭車ホッパ
ーの被覆装置に関する。
【0002】
【従来の技術】コークス炉炭化室に装入する装入炭の含
有水分は、コークス炉の操業に多大の影響を及ぼすた
め、装入炭の水分変動を防止することは極めて重要であ
る。通常原料炭は、銘柄や粒度によって水分値が異な
り、しかもヤードに野積みされて貯蔵されるため、気象
条件やヤードでの散水状況等によっても水分が変動す
る。コークス炉の装入炭は、数銘柄多い場合は十数銘柄
の原料炭を配合するが、原料炭の水分変動にともなって
装入炭の水分も変動し、コークス炉の操業およびコーク
ス品質、生産性にまで影響を与える場合がある。また、
高水分レベルでの操業は、乾留所要熱量の増大を招くば
かりでなく、乾留時間が長くなり生産性を低下させる。
【0003】このため、コークス炉の装入炭の水分を低
レベルで安定化することは、前記諸問題を解決する重要
な要素であり、従来から種々の対策が実施されている。
例えば、装入炭を乾燥したり、機械的に脱水処理する等
の事前処理によって装入炭の水分を適正値に低減し、コ
ークス炉の石炭塔へ供給している。一方、コークス炉に
おいては、図3に示すとおり、石炭塔51から装炭車5
2のホッパー53に装入炭を積載し、所定の炭化室54
まで搬送して装入するが、装炭車52のホッパー53上
部は開放された状態にあるため、例えば雨天時に雨水が
ホッパー53内に流入し、積載された装入炭の水分値が
ホッパー53内で上昇し、コークス生産量の低下やコー
クス炉の安定操業に支障をきたすという問題がある。な
お、55は押出機、56はコークガイド車、57は消火
車である。
【0004】例えば、水分8〜10%の装入炭の場合
は、降雨によって装炭車ホッパー内で水分値が上昇する
と、乾留条件の変更等煩雑な操業アクションが必要とな
るばかりでなく、その分装炭量が減少してコークス生産
量の低下をきたすこととなる。一方、調湿炭装入の場合
は、装入炭水分値が一定であるから安定した操業となる
が、雨天時に装炭車ホッパー内に雨水が流入して水分値
が上昇すると、安定操業に支障をきたすこととなる。
【0005】上記装炭車ホッパー内への雨水流入防止対
策としては、装炭車ホッパーと石炭塔ゲートとの間に装
炭車移動方向と平行に装炭車に架設した相平行する一対
のガイドレール、このガイドレールに一定ストローク摺
動自在に横設したシートガイドに一端を接続され、ガイ
ドレール端部に設けたスプリング式巻取機に巻取られる
カバーシート、前記シートガイドの両端部に垂直に突設
した弾力性および復元性を有するガイド棒と相対向して
石炭塔側に設けた係合片、前記ガイドレールの他端に設
けたシートガイドクランプ治具を備え、装炭車の移動に
伴い前記ガイド棒と係合片を介してシートガイドがカバ
ーシート巻取機のスプリングに抗して摺動し、カバーシ
ートがホッパー上面を覆うごとく構成した被覆カバー
(実開平2−69947号公報)が提案されている。
【0006】
【考案が解決しようとする課題】上記実開平2−699
47号公報に開示の装炭車ホッパーの被覆カバーは、石
炭塔側の係合片にシートガイド両端部のガイド棒が同時
に当たることによってカバーシートのスライド力が得ら
れるが、実際には装炭車の蛇行等もあり、ガイド棒が同
時に当たらず装置損傷の恐れがある。また、通常コーク
ス炉の石炭塔は、炉団と炉団の中央に位置するが、実開
平2−69947号公報に開示の装炭車ホッパーの被覆
カバーでは片側の炉団の装炭車しか使用できない等実用
性に欠けるという欠点を有している。
【0007】この考案の目的は、ホッパー内への雨水の
流入を完全に防止できると共に、操作信頼性、ホッパー
内点検作業性に優れた装炭車ホッパーの被覆装置を提供
することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本考案者らは、上記目的
を達成すべく種々試験検討を重ねた。その結果、装炭車
ホッパーの桝金外周とホッパー上端間の開放部を完全密
閉すると共に、石炭塔から装入炭をホッパーへ積載時に
装入炭が通過する桝金部にシリンダーにより開閉する雨
水防止カバーを設けることによって、前記諸問題を解消
できるとの結論に至り、この考案に到達した。
【0009】すなわちこの考案は、コークス炉装炭車の
各ホッパーへの雨水流入を防止する装炭車ホッパーの被
覆装置において、装炭車の各ホッパーの桝金外周とホッ
パー上端間の開放部を密閉板により完全密閉すると共
に、各ホッパーの密閉板の上部に桝金を挟んで平行にガ
イドレールを設け、該ガイドレールにローラーを介して
シリンダーにより開閉する雨水防止カバーを設けたこと
を特徴とする装炭車ホッパーの被覆装置である。
【0010】
【作用】通常装炭車の各ホッパーは、ホッパーとホッパ
ー内への装入炭積載量を調整すると共に、ホッパーから
装入炭の溢れを防止する桝金から構成され、一般的にホ
ッパーが2〜3mの直径であるのに対し、桝金は半分の
直径であり、上部がすべて開放されている。この考案に
おいては、装炭車の各ホッパーの桝金外周とホッパー上
端間の開放部を密閉板により完全密閉すると共に、各ホ
ッパーの密閉板の上部に桝金を挟んで平行にガイドレー
ルを設け、該ガイドレールにローラーを介してシリンダ
ーにより開閉する雨水防止カバーを設けたから、上部が
開放されている桝金部は、降雨時等各ホッパーへの雨水
侵入の恐れがある場合、シリンダーにより開閉する雨水
防止カバーによって被覆することができ、各ホッパーへ
の雨水の侵入を完全に防止することができる。また、各
ホッパーの桝金外周とホッパー上端間の開放部を密閉板
により完全密閉したから、雨水防止カバーは上部が開放
されている桝金部のみを被覆できればよく、雨水防止カ
バーを軽量化できると共に、横からの雨水侵入を防止で
きる。
【0011】この考案においては、各ホッパーの桝金外
周とホッパー上端間の開放部を完全密閉したから、桝金
によりホッパー内への装入炭積載量を調整できないが、
通常装炭車の各ホッパーにはロードセルが設置されてお
り、ロードセルによって受炭量を秤量して所定設定量に
なれば石炭塔のカットゲートを自動的に閉鎖すれば、ホ
ッパーから装入炭が溢れる心配もない。
【0012】
【実施例】以下にこの考案の詳細を実施の一例を示す図
1ないし図2に基づいて説明する。図1はこの考案の装
炭車ホッパーの被覆装置の側断面図、図2は図1のA−
A断面図である。図1および図2において、1はコーク
ス炉装炭車のホッパー、2はホッパー1の上部に設けた
桝金、3は石炭塔下部のカットゲートで、装炭車のホッ
パー1をカットゲート3の直下に位置せしめ、図示しな
い駆動機構を操作してカットゲート3を開放すれば、桝
金2を経由して装入炭がホッパー1内へ流下積載され
る。
【0013】4は桝金2の外周とホッパー1上端との間
の開放部を完全密閉する密閉板、5は密閉板4の上部に
桝金2を挟んで平行に設けた内側ガイドレールで、ロー
ラー6を介して桝金2の半分を覆う上面がスロープを有
する逆凹状の雨水防止カバー7が移動可能に設けられて
いる。8はガイドレール5よりやや広い間隔で平行に設
けた外側ガイドレールで、ローラー9を介して桝金2の
半分を覆う上面がスロープを有する逆凹状の雨水防止カ
バー10が移動可能に設けられている。上記雨水防止カ
バー7および10の移動方向両端には、互いに当接する
当板11、12および13、14が設けられ、雨水防止
カバー7、10によって桝金2の上部を被覆する構造と
なっている。
【0014】15は雨水防止カバー10を外側ガイドレ
ール8に沿って進退させるシリンダーで、雨水防止カバ
ー7、10開閉確認用リードスイッチ16、17が設け
られている。前記当板11、12および13、14は、
シリンダー15を操作して桝金2を被覆する方向に雨水
防止カバー10を移動させると、雨水防止カバー10の
当板13が雨水防止カバー7の当板12に当接し、雨水
防止カバー7を伴って桝金2を被覆する方向に移動さ
せ、逆に桝金2を開放する方向に雨水防止カバー10を
移動させると、雨水防止カバー10の当板13が雨水防
止カバー7の当板11に、雨水防止カバー10の当板1
4が雨水防止カバー7の当板12に当接し、雨水防止カ
バー7を桝金2を開放する方向に移動させるよう構成さ
れている。
【0015】上記のとおり構成したことによって、降雨
時は、装炭車のホッパー1に石炭塔バンカー下部のカッ
トゲート3を開放して所定量の装入炭を積載したのち、
カットゲート3を閉止する。ついでシリンダー15を操
作してピストンロッドを前進させれば、雨水防止カバー
10が外側ガイドレール8に沿って前進し、当板13が
雨水防止カバー7の当板11に当接し、雨水防止カバー
7を伴って桝金2を被覆する方向に移動する。雨水防止
カバー10、7が桝金2の上部を完全に被覆すると、リ
ードスイッチ17が作動し、シリンダー15を停止さ
せ、桝金2の被覆が完了する。しかるのち、装炭車を石
炭塔から所定の炭化室まで走行移動させ、ホッパー1内
に積載した装入炭を炭化室に装炭する。この場合、装炭
車が石炭塔を離脱すると雨がホッパー1上部に落下する
が、桝金2の外周とホッパー1上端との間の開放部が密
閉板4によって完全密閉され、しかも、桝金2の上部
は、スロープを有する逆凹状の雨水防止カバー7、10
によって被覆されているから、ホッパー1内への雨水の
侵入を完全に防止することができる。
【0016】炭化室への装炭が完了し、装炭車が石炭塔
の給炭位置に停止すると、バンカー下部のカットゲート
3の開放に先立ち、シリンダー15を操作してピストン
ロッドを後進させれば、雨水防止カバー10が外側ガイ
ドレール8に沿って後進し、当板13が雨水防止カバー
7の当板11に、雨水防止カバー10の当板14が雨水
防止カバー7の当板12に当接し、雨水防止カバー7を
伴って桝金2を開放する方向に移動し、桝金2が完全に
開放されると、リードスイッチ16が作動し、シリンダ
ー15を停止させ、桝金2の開放が完了する。したがっ
て、降雨時においてもホッパー1内への雨水の侵入を完
全に防止することができ、ホッパー1内への雨水侵入に
よる装入炭の水分上昇による装炭時の炭詰り、炉壁煉瓦
の損傷ならびに乾留熱量の上昇を防止することができ
る。
【0017】なお、上記実施例においては、桝金2の上
部を被覆する雨水防止カバーをスペースの関係で雨水防
止カバー7、10の2枚組としたが、一体物で被覆して
も同様の効果が得られる。また、雨水防止カバーの開閉
は、降雨、降雪時以外は必要ないので、装炭車等に降雨
センサーを設け、自動操作することもできる。
【0018】
【考案の効果】以上述べたとおり、この考案によれば、
装炭車ホッパーでの雨水等による装入炭の水分上昇を防
止でき、装炭時の炭詰り、炉壁煉瓦の損傷ならびに乾留
熱量の上昇を防止できる。このうち、装炭時の炭詰り
は、操業トラブル要因の一つであり、炭詰りによる装炭
作業停止のみならず、給炭部の掃除が必要となり、装炭
車無人化の障害となっていたものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】この考案の装炭車ホッパーの被覆装置の要部拡
大側断面図である。
【図2】図1のA−A断面図である。
【図3】コークス炉の概略説明のための全体配置図であ
る。
【符号の説明】
1、53 ホッパー 2 桝金 3 カットゲート 4 密閉板 5 内側ガイドレール 6、9 ローラー 7、10 雨水防止カバー 8 外側ガイドレール 11、12、13、14 当板 15 シリンダー 16、17 リードスイッチ 51 石炭塔 52 装炭車 54 炭化室 55 押出機 56 コークガイド車 57 消火車
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C10B 31/04

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コークス炉装炭車の各ホッパーへの雨水
    流入を防止する装炭車ホッパーの被覆装置において、装
    炭車の各ホッパーの桝金外周とホッパー上端間の開放部
    を密閉板により完全密閉すると共に、各ホッパーの密閉
    板の上部に桝金を挟んで平行にガイドレールを設け、該
    ガイドレールにローラーを介してシリンダーにより開閉
    する雨水防止カバーを設けたことを特徴とする装炭車ホ
    ッパーの被覆装置。
JP1993027817U 1993-04-28 1993-04-28 装炭車ホッパーの被覆装置 Expired - Lifetime JP2576570Y2 (ja)

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JPH0683751U JPH0683751U (ja) 1994-11-29
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101987130B1 (ko) * 2017-12-18 2019-06-10 주식회사 포스코 코크스 오븐 와프 설비의 빗물유입 방지장치

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