JP2576002B2 - ラッシェル機の緯糸挿入機構 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、経編編成を行う装置
の、編幅全体に緯糸を折り返し挿入するラッシェル機の
緯糸挿入機構に関するものである。

【０００２】

【従来の技術と発明が解決しようとする課題】通常、ラ
ッシェル機では、多数のガイドを有するガイドハンガに
対してショギングおよびスイングを行うようにして経編
編成を行っている。このような装置において、形成され
る経編に対して、緯糸を挿入するためのガイドを緯糸挿
入機構として種々提案されている。

【０００３】一例として、緯糸挿入用のガイドを、ハン
ガに対して横振り往復動可能に設け、編幅全体に緯糸を
挿入するように試みたが、ガイドハンガを介して前後振
り（スイング）させせるための機構と、緯糸挿入用のガ
イドを横振りさせるための機構とは、装置の小型化のた
め同一基軸により駆動しており、ガイドは、両機構によ
り伝達される運動を複合した動きをするようになってい
る。

【０００４】その複合運動としては、鋭角的な動きは得
られず、図８に示すような、略８の字状の軌跡Ａを描い
ていた。ところで、上記の横振りストロークとして、例
えば１ｍを超えるような長いストロークを得たい場合が
ある。この場合、上記のエキセントリック機構から得ら
れるような上記８の字状の複合運動では、スイング時の
ガイドハンガのニードルとの干渉を回避するために、不
要に大きくガイドを前後に振らなければならない。この
ため、編成速度が遅くなってしまう。

【０００５】編成速度を早くするためには、上記の不要
に大きい前後振りを無くすことが好ましい。また、スイ
ング時のニードルとの干渉を回避するという観点から、
横振り速度が、折り返し点において減速されることが好
ましい。したがって、ガイドに略コの字状の複合運動を
させることが好ましいことになるが、従来の単なるエキ
セントリック機構では、実現不可能であった。

【０００６】この発明の目的は、上記の技術的課題を解
決し、編幅の長いものにも対応することができ且つガイ
ドに略コ字形状の複合運動をさせることができるラッシ
ェル機の緯糸挿入機構を提供することである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
のこの発明のラッシェル機の緯糸挿入機構としては、多
数のガイドを有するガイドハンガに対してショギングお
よびスイングを行うようにして経編編成を行う装置にお
いて、上記ガイドとは別に緯糸挿入用のガイドをガイド
ハンガに対して横振り往復動可能に設けてあり、編幅全
体に緯糸を折り返し挿入するラッシェル機の緯糸挿入機
構であって、基軸の回転運動を横振り往復運動に変換し
て上記緯糸挿入用のガイドに伝達する伝達機構を備え、
この伝達機構には、回転運動を反復線運動に変換するエ
キセントリック機構と、このエキセントリック機構から
の反復線運動によって、一端部を中心として基準線の左
右にそれぞれ９０°〜１１０°の揺動角度で揺動される
クランク揺動体、およびこのクランク揺動体の先端部に
連接され、基準線と略直交する方向に沿う連接棒を有す
るクランク機構と、このクランク機構から出力された反
復線運動のストロークを増幅するストローク増幅機構と
が備えられていることを特徴とするものである。

【０００８】また、上記エキセントリック機構のエキセ
ントリック軸の、伝達方向上流側に設けられ、エキセン
トリック軸への動力伝達を断続するクラッチ機構を備え
たものであれば好ましい。さらに、上記ストローク増幅
機構は、クランク機構から出力された揺動運動によっ
て、一端部を中心として揺動される長尺の増幅揺動体
と、所定部がこの増幅揺動体の他端部に連結された状態
で往復動され、出力側プーリに巻き掛けられたエンドレ
スベルトと、増幅揺動体の他端部の軌跡沿う半円弧状に
複数配置され、エンドレスベルトの内周面を転動する転
動体とを備えていれば好ましい。

【０００９】そして、上記ガイドへ供給される糸に張力
を負荷するテンション板ばねと、基軸の回転に連動して
テンション板ばねを揺動させることにより、糸の張力を
調整するテンション調整機構とを備えていれば好まし
い。

【００１０】

【作用】上記の構成のラッシェル機の緯糸挿入機構によ
れば、図５を参照して、クランク揺動体が基準線に沿う
状態での揺動体の回転位相θを９０°とすると、連接棒
の軸方向変位は、cos θの関数となり、速度はsin θの
関数となる。例えばクランク揺動体が、基準線を中心と
して左右の１００°の角度幅で揺動されるとすると、θ
は−１０°から２００°まで変動することになり、揺動
の折り返し点では、速度が０となるθ＝０，１８０°の
近傍となる一方、揺動ストロークの中間点では、θが９
０°となって、速度が最も早くなる。したがって、左右
の折り返し点近傍での速度を非常に遅くすることがで
き、且つ中間ストロークでの速度を早くすることができ
る。

【００１１】上記の原理でクランク機構によって得られ
た、折り返し点で減速される揺動運動のストロークを、
ストローク増幅機構によって増幅して、伝達し、緯糸案
内用ガイドを長大ストロークで横振り運動させる。この
とき、ガイドの左右の折り返し点での速度が減速されて
いるので、前後振り運動（スイング）との複合運動とし
て、略コ字形状の理想的な運動が得られる。実際には、
エキセントリック機構側からクランク機構に入力される
運動の速度は変化を有するものであるので、クランク機
構からの出力は完全なsin カーブとはならず、多少変形
したものとなる。

【００１２】また、上記クラッチ機構を備えている場合
には、緯糸挿入の停止時間を自由に設定することができ
る。さらに、上記ストローク増幅機構が、上記増幅揺動
体、エンドレスベルトおよび転動体を有する場合には、
長尺の増幅揺動体の先端部に連結されたエンドレスベル
トを、略半円弧状の転動体に沿って往復動させることに
より、長大ストロークを得ることができる。半円弧状に
配置した複数の転動体により、エンドレスベルトを支え
るので、エンドレスベルトを巻き掛けるための入力側プ
ーリを用いる場合と比較して、スペースを大幅に削減す
ることができる。

【００１３】そして、上記テンション調整機構を備えて
いる場合には、例えばオーバラップ編成に対して、ニー
ドルが上昇する際に除々にテンション板ばねを下げてゆ
き、古いループがべら下に落ちる寸前にテンションを最
大とするようなことも可能となる。したがって、糸に応
じたテンション設定が可能となり、テンションに弱い糸
にくせ等を生じさせることなく編成することが可能とな
る。

【００１４】

【実施例】以下実施例を示す添付図面によって詳細に説
明する。図１はこの発明の一実施例を示すラッシェル機
の緯糸挿入機構を示す概略正面図であり、図２はラッシ
ェル機の概略側面図である。図３はガイドの移動状態を
示す要部正面図である。

【００１５】図２を参照して、経糸Ｐは、ボビン１０ａ
からロール１０ｂおよびテンション板ばね１０ｃを介し
て経糸案内用のガイド１０ｄに案内されている。また、
緯糸Ｑは、ボビン１１ａからロール１１ｂおよびテンシ
ョン板ばね１１ｃを介して緯糸案内用のガイドＧに案内
されている。なお、１２はべら針（ラッチニードル）で
あり、１３はトリックプレートである。上記テンション
板ばね１１ｃは、糸に張力を与えるものであり、後述す
るテンション調整機構９によって所定タイミングで揺動
される。このラッシェル機では、図１および図３を参照
して、経糸Ｐ案内用のガイド１０ｄを有するガイドハン
ガＧＨに対してショギングおよびスイングを行うように
して経編編成を行う装置であり、上記ガイド１０ｄとは
別に緯糸Ｑ挿入用のガイドＧをガイドハンガＧＨに対し
て横振り往復動可能に設けてあり、編幅全体に緯糸Ｑを
折り返し挿入する。

【００１６】この緯糸挿入機構は、基軸１の回転運動を
横振り運動として緯糸案内用のガイドＧに伝達する伝達
機構Ａを備えており、この伝達機構Ａは、図示しないモ
ータにより回転駆動される基軸１と、この基軸１とクラ
ッチ機構を含む第１の伝達部２を介して連結され、基軸
１の回転運動を往復線運動に変換するエキセントリック
機構３と、このエキセントリック機構３からの運動を第
２の伝達部４を介して伝達され、所定の反復線運動を得
るクランク機構５と、このクランク機構５によって得ら
れた運動を第３の伝達部６を介して伝達され、運動のス
トロークを増幅するストローク増幅機構７と、ストロー
ク増幅機構７によって増幅されたストロークでガイドＧ
をガイドハンガＧＨに沿って移動させるガイド移動機構
８と、基軸１の回転運動を縦振り運動としてガイドハン
ガＧＨに伝達するスイング用伝達機構（図示せず）を備
えている。

【００１７】ガイドＧは、同一基軸１から伝達機構Ａを
介して得られる運動と、スイング用伝達機構を介して得
られる運動とが複合された動きをするようになってい
る。図４は、第１の伝達部２を示している。同図を参照
して、第１の伝達部２は、基軸１と一体回転するスプロ
ケット２１と（図１参照）、このスプロケット２１と図
示しないエンドレスのチェーンを介して連動回転し、エ
キセントリック機構３の後述するエキセン軸３１と一体
回転するスプロケット２２と、スプロケット２２とエキ
セン軸３１との間の回転伝達を断続する公知のクラッチ
機構２３とを備えている。第２の伝達部２は、基軸１の
回転をエキセン軸１に伝達する。

【００１８】図４を参照して、エキセントリック機構３
は、エキセン軸３１と、このエキセン軸３１と一体回転
するエキセントリック３２と、一端部３３ａがエキセン
トリック３２の回転中心から所定距離離れた位置に回転
自在に連結され、他端部３３ｂが第２の伝達部４の後述
する揺動レバー４１に回転自在に連結されたロッド３３
とをそなえている。このエキセントリック機構３は、基
軸１からの回転運動をロッド３３の往復線運動に変換す
る。

【００１９】図１を参照して、第２の伝達部４は、エキ
セントリック機構３のロッド３３により揺動される揺動
レバー４１と、この揺動レバー４１と揺動軸４２を介し
て一体回転可能に設けられたスプロケット４３と、クラ
ンク機構５の後述するクランク軸５１と一体回転可能に
連結され、上記スプロケット４３とチェーン４４を介し
て連動回転されるスプロケット４５とを備えている。こ
の第２の伝達部４は、エキセントリック機構３からの往
復線運動を往復回転運動としてクランク機構５に伝達す
る。

【００２０】図１および図５を参照して、クランク機構
５は、クランク軸５１と、このクランク軸５１と一体回
転可能に連結されたクランク揺動体５２と、一端部５３
ａがクランク揺動体５２の回動先端部に回転自在に連接
され、他端部５３ｂが第３の伝達部６の後述する揺動レ
バー６１の先端部に回転自在に連接された連接棒５３と
を備えている。図４を参照して、クランク揺動体５２
は、クランク軸５１を中心として基準線Ｂ（本実施例の
場合、鉛直線）の左右に、それぞれ９０°〜１１０°の
揺動角度で揺動される。また、連接棒５３は、基準線Ｂ
と略直交する方向に沿うように配置されている。この連
接棒５３は、前述した原理によって、揺動の折り返し点
Ｒ１，Ｒ２近傍での速度を非常に遅くすることができ、
且つ中間ストローク付近での速度を早くすることができ
る。なお、連接棒５３の一端部５３ａは、クランク揺動
体５２に形成された長穴５４にボルトにより取付けら
れ、この取付け位置の調整により、連接棒５３ひいては
ガイドＧの横振りストローク量を調整することができ
る。また、基軸１からこのクランク伝達機構５に至るま
での動力伝達経路の途中において、ギア比やレバー比を
調整することにより、クランク揺動体５２の揺動角度を
自由に調整することができる。

【００２１】図１を参照して、第３の伝達部６は、揺動
レバー６１と、この揺動レバー６１と一体に揺動される
揺動レバー６２と、この揺動レバー６２とストローク増
幅機構７の後述する揺動体７１とを連接する連接棒６３
とを備えている。第３の伝達部６は、クランク機構５の
運動をストローク増幅機構７に伝達する。図１を参照し
て、ストローク増幅機構７は、クランク機構から出力さ
れた揺動運動によって揺動される揺動体７１と、この揺
動体７１と一体揺動され、一端部７２ａを中心として揺
動される長尺の増幅揺動体７２と、所定部がこの増幅揺
動体７２の他端部７２ｂに連結された状態で往復動さ
れ、出力側プーリ７４に巻き掛けられたエンドレスベル
ト７３と、増幅揺動体７２の他端部７２ａの軌跡に沿う
略半円弧状に複数配置され、エンドレスベルト７３の内
周面を転動する転動体としてのころ７５とを備えてい
る。このストローク増幅機構７は、クランク機構５から
第３の伝達部６を介して得られる往復運動のストローク
を増幅して、出力側プーリ７４に伝達する。

【００２２】図３を参照して、ガイド移動機構８は、出
力側プーリ７４とプーリ８１、ベルト８２、プーリ８３
およびプーリ８４を介して連動され、往復移動されるエ
ンドレスベルト８５の所定部に、緯糸Ｑ案内用のガイド
Ｇを取り付けたものからなる。このガイド移動機構８
は、ストローク増幅機構７によって増幅されたストロー
クでガイドＧをガイドハンガＧＨに沿って移動させる。

【００２３】図６を参照して、テンション調整機構９
は、基軸１から所定のチェーン・スプロケット機構９１
を介して連動回転されるエキセン軸９２と、このエキセ
ン軸９２と一体回転されるエキセントリックを介して駆
動されるロッド９３と、このロッド９３によって所定の
角度範囲で揺動され、テンション板ばね１０ｃを反復上
下運動させるテンションパイプ９４とを備えている。テ
ンション板ばね１０ｃの動作タイミングは、ロッド９３
の、エキセントリックへの取付け位置やロッド長等の設
定により自在に調整することができる。

【００２４】この実施例によれば、上記ストローク増幅
機構７によって緯糸Ｑ案内用のガイドＧの長大な横振り
ストロークを得ることができ、またクランク機構５によ
って、横振りの左右の折り返し点近傍でのガイドＧの速
度を非常に遅くすることができるとともに中間ストロー
ク位置での速度を早くすることができる。したがって、
前後振り運動（スイング）との複合運動として、図６に
示すような、略コ字形状の理想的な運動の軌跡Ａが得ら
れる。従来のように不要なスイング幅を確保する必要が
なく、編成速度を大幅に向上させることができる。

【００２５】また、クラッチ機構３５を備えているの
で、緯糸挿入の停止時間を自由に設定することができ
る。さらに、ストローク増幅機構７によって、エンドレ
スベルト７３を往復動させることにより、長大ストロー
クを得ることができる。しかも、半円弧状に配置した複
数のころ７５により、エンドレスベルト７３を支えるよ
うにしたので、エンドレスベルト７３を巻き掛けるため
の大径の入力側プーリを用いる場合と比較して、スペー
スを大幅に削減することができる。

【００２６】加えて、テンション調整機構９を備えてお
り、例えばオーバラップ編成に対して、べら針１２が上
昇する際に除々にテンション板ばねを下げてゆき、古い
ループがべら下に落ちる寸前にテンションを最大とする
ようなことも可能となる。したがって、糸に応じたテン
ション設定が可能となり、テンションに弱い糸にくせ等
を生じさせることなく編成することが可能となる。

【００２７】なお、緯糸Ｑ案内用のガイドＧの横振りス
トローク量がそれほど大きくない場合には、上記エンド
レスベルト７３を有するストローク増幅機構７に代え
て、図８に示すように、通常のチェーン・スプロケット
機構による増幅機構を用いても良い。この場合、第２の
伝達部４自身がストローク増幅機構を兼ねている。ま
た、クランク機構５の連接棒５３を直接にガイドＧ側に
連結すれる。図において、図１の実施例と同様の構成の
ものには、同一符号を付した。

【００２８】また、上記の経糸挿入用のガイド１０ｄと
は別に、編幅の数針間にわたる挿入振り糸を挿入するた
めのガイドを設けることもできる。その他、この発明は
上記実施例に限定されるものではなく、この発明の要旨
を変更しない範囲で種々の設計変更を施すことができ
る。

【００２９】

【発明の効果】以上のように、この発明のラッシェル機
の緯糸挿入機構によれば、クランク機構によって、緯糸
案内用のガイドの横振りの折り返し点での速度を減速す
ることができるとともに、ストローク増幅機構によって
長大な横振りストロークを得ることができ、これによ
り、緯糸案内用のガイドの複合運動として、横振りスト
ロークが長くて略コ字形状の理想的な運動が得られる。

【００３０】また、上記クラッチ機構を備えている場合
には、緯糸挿入の停止時間を自由に設定することができ
る。さらに、上記ストローク増幅機構が、上記増幅揺動
体、エンドレスベルトおよび転動体を有する場合には、
ガイドの横振り運動として長大なストロークを得ること
ができる。しかも、半円弧状に配置した複数の転動体に
より、エンドレスベルトを支えるので、エンドレスベル
トを巻き掛けるための入力側プーリを用いる場合と比較
して、スペースを大幅に削減することができる。

【００３１】そして、上記テンション調整機構を備えて
いる場合には、糸に応じたテンション設定が可能とな
り、テンションに弱い糸にくせ等を生じさせることなく
編成することが可能となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の一実施例にかかる緯糸挿入機構の概
略正面図である。

【図２】その概略側面図である。

【図３】ガイドの移動状態を示す要部正面図である。

【図４】エキセントリック機構を含む要部概略図であ
る。

【図５】クランク機構の概略図である。

【図６】ガイドの移動軌跡を示す概略平面図である。

【図７】テンション調整機構の概略図である。

【図８】他の実施例に係る緯糸挿入機構の、エキセント
リック機構を含む要部概略図である。

【図９】従来のガイドの軌跡を示す概略平面図である。

【符号の説明】

１ 基軸 ３ エキセントリック機構 ５ クランク機構 ５２ クランク揺動体 ５３ 連接棒 Ｂ 基準線 ７ ストローク増幅機構 ７２ 増幅揺動体 ７３ エンドレスベルト ７４ 出力側プーリ ７５ ころ（転動体） Ｐ 経糸 Ｑ 緯糸 Ｇ 緯糸案内用のガイド ＧＨ ガイドハンガ ９ テンション調整機構 １０ｃ テンション板ばね １０ｄ 経糸案内用のガイド

Claims (4)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】多数のガイドを有するガイドハンガに対し
   てショギングおよびスイングを行うようにして経編編成
   を行う装置において、上記ガイドとは別に緯糸挿入用の
   ガイドをガイドハンガに対して横振り往復動可能に設け
   てあり、編幅全体に緯糸を折り返し挿入するラッシェル
   機の緯糸挿入機構であって、 基軸の回転運動を横振り往復運動に変換して上記緯糸挿
   入用のガイドに伝達する伝達機構を備え、 この伝達機構には、 回転運動を反復線運動に変換するエキセントリック機構
   と、 このエキセントリック機構からの反復線運動によって、
   一端部を中心として基準線の左右にそれぞれ９０°〜１
   １０°の揺動角度で揺動されるクランク揺動体、および
   このクランク揺動体の先端部に連接され、基準線と略直
   交する方向に沿う連接棒を有するクランク機構と、 このクランク機構から出力された反復線運動のストロー
   クを増幅するストローク増幅機構とが備えられているこ
   とを特徴とするラッシェル機の緯糸挿入機構。
2. 【請求項２】上記エキセントリック機構のエキセントリ
   ック軸の、伝達方向上流側に設けられ、エキセントリッ
   ク軸への動力伝達を断続するクラッチ機構を備えたこと
   を特徴とする請求項１記載のラッシェル機の緯糸挿入機
   構。
3. 【請求項３】上記ストローク増幅機構は、 クランク機構から出力された揺動運動によって、一端部
   を中心として揺動される長尺の増幅揺動体と、 所定部がこの増幅揺動体の他端部に連結された状態で往
   復動され、出力側プーリに巻き掛けられたエンドレスベ
   ルトと、 増幅揺動体の他端部の軌跡沿う半円弧状に複数配置さ
   れ、エンドレスベルトの内周面を転動する転動体とを備
   えていることを特徴とする請求項１記載のラッシェル機
   の緯糸挿入機構。
4. 【請求項４】上記ガイドへ供給される糸に張力を負荷す
   るテンション板ばねと、 基軸の回転に連動してテンション板ばねを揺動させるこ
   とにより、糸の張力を調整するテンション調整機構とを
   備えたことを特徴とする請求項１記載のラッシェル機の
   緯糸挿入機構。