JP2575777B2 - 不織布製造用エアーノズル - Google Patents

不織布製造用エアーノズル

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、紡糸ノズルからのフィラメントを分散板上
に分散、重畳させて不織布を作製するためのエアーノズ
ルに関し、更に詳しくは、フィラメントとの高速接触に
よる摩耗防止を図った不織布製造用エアーノズルに関す
る。
〔従来の技術〕
従来、この種のエアーノズルとしては、例えば、第3
図に示す特公昭48−25386号公報に記載の連続糸による
不織布ウエブとその製造方法がある。この製造用エアー
ノズルの構造は、紡糸ノズル(図示せず)から紡糸され
たフィラメントをノズル部材1で受け、このノズル部材
1の外側のハウジング2に設けた送り案内管2aからフィ
ラメントを空気噴流に乗せて、図の下方の分散板上に送
り出すようになっている。
即ち、ノズル部材1には、フィラメントを受け取り易
くするために、下方に向かって次第に縮径する円錐ホッ
パー状の縮径孔部1aが設けられ、この縮径孔部1aの下方
頂部先端からは連通して吐出管部1bが突出している。ま
た、ハウジング2の内部には先の吐出管部1bを取り巻く
ようにして、圧搾エアー室2bおよびエアー絞り部2cが形
成しており、この圧搾エアー室2b内に導入された圧搾空
気Aをエアー絞り部2cで整流すると共に、高流速の空気
噴流A1にして吐出管部1bの外周に沿い先端出口側に向か
って吹き付ける。この空気噴流A1の作用によって負圧化
する吐出管部1bの先端出口側から、吸引作用によりフィ
ラメントの吐出を促し且つ流れを安定させて送り出し、
送り案内管2aで案内して分散板上にてフィラメントを分
散および重畳して不織布を製造する構造である。
〔発明が解決しようとする問題点〕
ところで、紡糸ノズルで紡糸されるフィラメントに
は、普通チタンホワイト(TiO2)などの顔料が混入され
ており、このような顔料を含有したフィラメントを第3
図で示したステンレス製(例えば、SUS304)等のエアー
ノズルに高速で送り込むと、フィラメントとの接触によ
り顔料が研摩剤として作用し、エアーノズルの内壁面が
摩耗などする不具合がある。
この摩耗などの現象は、ノズル部材1の円錐状縮径孔
部1aの頂部先端から直管状の吐出管部1bに移行する境界
部1cを経て、吐出管部1bの先端までの全長区間で特に激
しく、ここに摩耗などが生じると、フィラメントの流れ
の抵抗になるなどしてその後の一様な分散に影響を及ぼ
す。その結果、分散板上に分散捕集される不織布の一部
に糸重なり、糸固まり、あるいはウェブの流れ方向に帯
状の肉薄むら等の不良が生じる。
また、こうした摩耗などは比較的短時間の稼動でも発
生し、新旧のノズル部材1の取り替えが度重なると、交
換に伴う稼動停止時間の増大で生産性を低下せしめると
いう問題点がある。
本発明の目的は、このような従来の問題点に鑑みてな
されたものであり、チタンホワイトなどの顔料を含有し
た不織布の製造に際して、この顔料などに対する耐磨耗
性に優れた不織布製造用エアーノズルを提供することに
ある。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明は、かかる技術的課題を解決するために次なる
構成となっている。
即ち、この不織布製造用エアーノズルは、紡糸ノズル
により紡糸されたフィラメントを受け取り、このフィラ
メントを空気噴流で分散板上に送り出して不織布を作製
する。
このエアーノズル本来のハウジング10の内部にノズル
部材20が結合され、このノズル部材20にはフィラメント
が導入される円錐状の縮径孔部21を設けられている。
また、ノズル部材20の縮径孔部21の頂部周辺には口金
22が結合され、この口金22には、前記縮径孔部21に同一
勾配で連なる縮径孔部23aを有する基部22Aと、そして縮
径孔部23aに連通して基部22Aから軸線方向へ直管状に延
びる吐出管部22Bと、がそれぞれ設けられている。
また、前記ハウジング10の内部には、圧搾空気Aが導
入される圧搾エアー室11が設けてある。この圧搾エアー
室11に連なって、圧搾エアー室11内の圧搾空気Aを整流
し且つ高流速の空気噴流A1にして前記吐出管部22Bの外
側に沿い先端方向へ流すエアー絞り管41が結合されてい
る。
即ち、このエアー絞り管41から軸線方向に延びる吐出
案内管40を介して、フィラメントを前記空気噴流A1に乗
せて分散板上に送り出すよう構成されている。
こうした構成にあって、前記口金22の少なくとも吐出
管部22Bの先端内周部はセラミックで形成されている。
〔作用〕
溶融状態の樹脂を複数の紡糸ノズルから押し出し、多
数のフィラメントを紡糸する。用いられる樹脂として
は、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、および
ポリプロピレン、ポリ1−プテン、ポリ4−メチル−1
−ペンテンあるいはエチレン、プロピレン、1−プテ
ン、4−メチル−1−ペンテン等のα−オレフィン同士
のランダムあるいはブロック共重合体等のポリオレフィ
ン、エチレン・アクリル酸共重合体等の、エチレン・酢
酸ビニル共重合体、エチレン・ビニルアルコール共重合
体、エチレン・塩化ビニル共重合体等のエチレン・ビニ
ル化合物共重合体、ポリスチレン、アクリロニトリル・
スチレン共重合体、ABS、メタクリル酸メチル・スチレ
ン共重合体、α−メチルスチレン・スチレン共重合体等
のスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデ
ン、塩化ビニル・塩化ビニリデン共重合体、ポリアクリ
ル酸メチル、ポリメタクリル酸メチル等のポリビニル化
合物、ナイロン6、ナイロン6−6、ナイロン6−10、
ナイロン11、ナイロン12等のポリアミド、ポリエチレン
テレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等の熱可
塑性ポリエステル、ポリカーボネート、ポリフェニレン
オキサイド等、あるいはそれらの混合物のいずれの樹脂
でもよい。
溶融樹脂には、チタンホワイト、亜鉛華、リトボン、
鉛白、カドミエロー、黄鉛、チタンエロー、ジンククロ
メート、黄土、クロムバーミリオン、赤口顔料、アンバ
ー、黄色酸化鉄、赤色酸化鉄、カドミウムレッド、鉛
丹、紺青、群青、コバルトブルー、酸化クロームグリー
ン、ミネラルバイオレット、カーボンブラック、鉄黒等
の無機顔料や、ベンジシンエロー、ハンザエロー、リソ
ールレッド、アリザリンレーキ、ピグメントスカーレッ
ト3B、ブリリアントカーミン6B、パーマネントレッドF
−5R、パーマネントレッド4R、ローダミンレーキB、ロ
ーダミンレーキY、レーキレッドC、パラレッド、ピー
コックブルーレーキ、フタロシニアンブルー、アニリン
ブラック、パーマネントエローHR、PVバイオレットBL、
キナクリドン、ペリノン、アンスラキノン、クロモフタ
ールエロー6G、クロモフタールエロー3G、クロモフター
ルエローGR等の有機顔料が適量ブレンドされる。
紡糸されたフィラメントの束の受け取り、分散板に送
り出すエアーノズルとしては、製造される不織布の幅寸
法に対応して複数のものが設置される。これら各エアー
ノズルからフィラメントを空気噴流に乗せて吐出し、延
伸および分散などしながら分散板上にて交錯堆積せしめ
ることにより、所要サイズの不織布が製造される。
また、フィラメントに接触するノズル部材20におい
て、フィラメントとの高速接触が特に顕著な縮径孔部21
の頂部先端に口金22を結合し、この口金22から延びる吐
出管部22Bの先端内周部をセラミックで形成することに
より、この先端内周部の耐摩耗性が高められる。セラミ
ックによる形成形態は、吐出管部22Bの先端部をセラミ
ックにより筒状成形してもよいし、吐出管部22Bの母体
として他の金属材料等により筒状加工し、この先端部の
内周表面層のみにセラミックをコーティングしてもよ
い。このセラミックによるコーティングは吐出管部22B
の先端内周部のみに止どまらず、口金22の内周部全域に
わたって施してあればなお好ましい。
ここで、用いられるセラミックの材質としては、例え
ば、アルミナ(Al2O3)、酸化ホウ素(B2O)、二酸化ケ
イ素(SiO2)、二酸化スズ(SnO2)、酸化亜鉛(Zn
O)、二酸化ジルコニウム(ZrO2)などの酸化物、窒化
ホウ素(BN)、窒化アルミニウム(AlN)、窒化ケイ素
(Si3N4)、サイアロン〔(Si,Al)(O,N)〕など
の窒化物、炭化ホウ素単結晶(B4C)、炭化ケイ素(Si
C)、炭化チタン(TiC)などの炭化物、等を主成分と
し、あるいはこれらを混合したものがある。
これらのうち、アルミナを主成分としたものは、耐磨
耗性、耐熱性、および耐薬品性などに優れている点で本
発明への採用には好適である。アルミ成分のものとして
は、例えばアルミナ(Al2O3)に酸化チタン(Ti2O3)を
100:0.15の割合で混合し、それに酸化クロム(Cr
2O3)、酸化鉄(Fe2O3)を少量加えて、ラバープレス法
等により口金22の必要な部位を成形して焼結したものが
ある。
また、酸化ホウ素(B2O)の場合は、ダイアモンド類
似型の結晶構造のために超硬性に優れ、傷や痕跡が生じ
にくいという利点がある。
二酸化ジルコニウム(ZrO2)もまた耐食性および耐磨
耗性に優れているために、本発明への採用に好適であ
る。また、二酸化ジルコニウムは、金属表面への被膜形
成にも用いることができ、セラミック成形に替わってこ
の成形部位を二酸化ジルコニウムの被覆層でコーティン
グ加工してもよい。
窒化ホウ素(BN)のうち、とりわけ立方晶窒化ホウ素
(cBN)はダイアモンドに匹敵する硬度を有し、耐磨耗
性に優れているので、これも本発明には好適である。
また、窒化ケイ素(Si3N4)も同様に耐磨耗性に優れ
ているため好適であり、窒化ケイ素に3〜10%のMgO、Y
2O3、希土類金属酸化物などを焼結助剤とし、加圧窒素
下で焼結したものを使用することができる。
その他、サイアロン〔(Si,Al)(O,N)〕や炭化
ケイ素(SiC)も硬度が大きく、本発明への採用に好適
といえる。
〔実施例〕
以下、本発明による不織布製造用エアーノズルの一実
施例について図面に基づいて説明する。
第1図において、紡糸ノズル(図示せず)から紡糸さ
れたフィラメントを受け取るエアーノズルは、本体のハ
ウジング10の上方にノズル部材20が螺着され、このノズ
ル部材20にフィラメントを導入するようになっている。
ノズル部材20には逆円錐形の縮径孔部21が設けられ、フ
ィラメントを受け入れ易くしてある。
また、ノズル部材20には、縮径孔部21の頂部周辺に口
金22が螺着してあり、この口金22は基部22Aとこれから
軸線方向へ直管状に延びる吐出管部22Bとからなってい
る。基部22Aにはノズル部材20側の縮径孔部21に同一勾
配で頂部から連なる縮径孔部23aが形成され、この縮径
孔部23aに連通する形で吐出管部22Bが軸線方向に突出し
ている。
また、ハウジング10の内部にはノズル部材10側の吐出
管部22Bを取り囲む圧搾エアー室11が設けられ、この圧
搾エアー室11にエアー導入管30を通して供給源から圧搾
空気Aが導入されるようになっている。また、圧搾エア
ー室11を隔成する部材でもある送り案内管40がハウジン
グ10の下端に螺着連結され、この送り案内管40を介して
フィラメントを図の下方の分散板上に送り出すようにな
っている。
また、送り案内管40には圧搾エアー室11内に突出する
恰好のエアー絞り管41が嵌着され、このエアー絞り管41
に吐出管部22Bが上方から挿通している。エアー絞り管4
1には内周径の拡径部41aおよび縮径部41bが連なって形
成され、挿通する吐出管部22Bの外周面との間に圧搾空
気Aが通過できる隙間を設けてある。即ち、圧搾エアー
室11内の圧搾空気Aは、エアー絞り管41内への通過時に
整流され、流速も増した空気噴流A1として、吐出管度23
の外側に沿い軸線方向の先端へ、つまり送り案内管40内
へ吹き込まれる。空気噴流A1による作用で吐出管部22B
の先端外部付近は負圧化し、吐出されたフィラメントを
吸引により流れを安定させる作用がある。
即ち、口金22の吐出管部22Bから噴出されたフィラメ
ントは、空気噴流A1に乗って吐出案内管40内を通り、下
方の分散板上に送り出される構造である。
ここで、第2図に示すように、この実施例では、口金
22の吐出管部22Bの先端部内周面にセラミックによるコ
ーティング層25が形成してある。このコーティング層25
を形成するセラミックとしては、アルミナを主成分にし
てその組成が、例えばアルミナ100重量部とマグネシア
0.1重量部とからなるものである。
次に、この実施例のエアーノズルを用いて不織布を製
造した。不織布の製造原料はポリプロピレンであり、こ
の原料にチタンホワイト(TiO2)を0.85wt%ブレンドし
て紡糸し、得られたフィラメントをエアーノズルで分散
板上に分散堆積して不織布を得た。フィラメントは縦副
110mm、横幅500〜520mmの楕円状に分散される。そし
て、実施例のエアーノズルを7つ並べて設置し、その並
び方向に分散板を移動させることにより、所定の厚さの
不織布を得た。
また、吐出管部22Bを含む口金22全体を鋼材で同一形
状に加工したエアーノズルを用い、同一原料および同一
製造方法により不織布を製造した。
以下、これら実施例および比較例のそれぞれの不織布
の品質結果を次の第1表に示す。
この結果から明らかなように、セラミック加工による
実施例のエアーノズルは鋼材製のものよりも、得られた
不織布に不良の生じる度合が少なく、高品質なものが得
られる。
また、この実施例のエアーノズルにより前述した同様
な製造条件の下で、1箇月間にわたって不織布の製造を
行ったところ、口金22におけるセラミック加工部分に傷
痕跡が生じた兆候は認められず、不良率の極めて低い不
織布が継続的に製造されることが明らかとなった。
〔発明の効果〕
本発明によれば、ノズル部材20に結合した口金22の吐
出管部22Bにおいて、この少なくとも先端内周部をセラ
ミックで形成したことにより、フィラメントとの高速接
触によって内壁面の傷痕跡が全く認められず、耐摩耗性
に優れたものが得られる。したがって、従来のように、
傷などにフィラメントの流れが阻害されることで、フィ
ラメントの分散が偏位することなく、均一に分散され、
むらの無い高品質の不織布を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図および第2図は、本発明の不織布製造用エアーノ
ズルの一実施例を示し、第1図はこの全体の縦断面図、
第2図は要部である口金の縦断面図である。また、第3
図は従来のエアーノズルを示す縦断面図である。 10……ハウジング、11……圧搾エアー室、20……ノズル
部材、22……口金、22B……吐出管部、25……セラミッ
クコーティング層、40……送り案内管、41……エアー絞
り管。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】紡糸ノズルにより紡糸されたフィラメント
    を受け取り、このフィラメントを空気噴流で分散板上に
    送り出して不織布を作製する製造用エアーノズルであ
    り、この本体のハウジング10の内部にノズル部材20を設
    け、このノズル部材20にフィラメントが導入される円錐
    状の縮径孔部21を設けると共に、この縮径孔部21の頂部
    周りに口金22を結合し、この口金22は前記縮径孔部21に
    同一勾配で連なる縮径孔部23aを有する基部22Aと、縮径
    孔部23aに連通して基部22Aから軸線方向へ直管状に延び
    る吐出管部22Bとからなり、また、前記ハウジング10の
    内部には圧搾空気Aが導入される圧搾エアー室11を設け
    ると共に、この圧搾エアー室11内の圧搾空気Aを整流し
    且つ高流速の空気噴流A1にして前記吐出管部22Bの外側
    に沿い先端方向へ流すエアー絞り管41を結合し、このエ
    アー絞り管41から軸線方向に延びる吐出案内管40を介し
    て、フィラメントを前記空気噴流A1に乗せて分散板上に
    送り出すよう構成してなると共に、前記口金22にあって
    少なくとも吐出管部22Bの先端内周部をセラミックで形
    成したことを特徴とする不織布製造用エアーノズル。
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