JP2575711B2 - 熱間成形用高強度ばね鋼 - Google Patents
熱間成形用高強度ばね鋼Info
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- JP2575711B2 JP2575711B2 JP62147155A JP14715587A JP2575711B2 JP 2575711 B2 JP2575711 B2 JP 2575711B2 JP 62147155 A JP62147155 A JP 62147155A JP 14715587 A JP14715587 A JP 14715587A JP 2575711 B2 JP2575711 B2 JP 2575711B2
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- Japan
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- spring
- spring steel
- steel
- hot forming
- test
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- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F16—ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
- F16F—SPRINGS; SHOCK-ABSORBERS; MEANS FOR DAMPING VIBRATION
- F16F1/00—Springs
- F16F1/02—Springs made of steel or other material having low internal friction; Wound, torsion, leaf, cup, ring or the like springs, the material of the spring not being relevant
- F16F1/021—Springs made of steel or other material having low internal friction; Wound, torsion, leaf, cup, ring or the like springs, the material of the spring not being relevant characterised by their composition, e.g. comprising materials providing for particular spring properties
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- General Engineering & Computer Science (AREA)
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- Springs (AREA)
- Heat Treatment Of Articles (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、熱間成形用高強度ばね鋼に係り、特に耐へ
たり性に優れたばね鋼に関するものである。
たり性に優れたばね鋼に関するものである。
[従来の技術] 従来、自動車用等の懸架装置に用いられるばね用鋼と
してはSUP 6,SUP 9が主なものであった。しかるに近年
自動車の軽量化が要請され、懸架装置自体の軽量化も強
く求められるようになってきた。これに対して、懸架装
置全般にわたって各種の手段が試みられているが、その
中でもばねの設計応力を高く設定することが効果的とさ
れている。
してはSUP 6,SUP 9が主なものであった。しかるに近年
自動車の軽量化が要請され、懸架装置自体の軽量化も強
く求められるようになってきた。これに対して、懸架装
置全般にわたって各種の手段が試みられているが、その
中でもばねの設計応力を高く設定することが効果的とさ
れている。
この様なばねの高応力設計にともない、従来の上記ば
ね用鋼を素材としてばねを製作した場合、へたりが増大
するという問題が発生した。特に乗用車に用いた場合、
へたりの増大はバンパの高さの低下につながり、安全上
大きな問題となった。
ね用鋼を素材としてばねを製作した場合、へたりが増大
するという問題が発生した。特に乗用車に用いた場合、
へたりの増大はバンパの高さの低下につながり、安全上
大きな問題となった。
そこで各種の研究が成された結果、ばね用鋼中のSi含
有量を増加させると耐へたり性が向上するということが
見いだされ、近時SUP 6よりもSi含有量が多く、JIS G 4
801に規定されるばね用鋼中では最もSiの高いSUP 7が乗
用車懸架用ばね鋼として広く使用されるに至っている。
しかるに、懸架ばねの軽量化に対する要求はさらに厳し
いものがあり、SUP 7よりもさらに耐へたり性の優れた
ばね用鋼の開発が強く望まれている。
有量を増加させると耐へたり性が向上するということが
見いだされ、近時SUP 6よりもSi含有量が多く、JIS G 4
801に規定されるばね用鋼中では最もSiの高いSUP 7が乗
用車懸架用ばね鋼として広く使用されるに至っている。
しかるに、懸架ばねの軽量化に対する要求はさらに厳し
いものがあり、SUP 7よりもさらに耐へたり性の優れた
ばね用鋼の開発が強く望まれている。
従来、ばね鋼に対する耐へたり性に有効な成分として、
Siの効果を認めながらも、その上限をSi:2.5%としてい
る。その理由として、「Si量を1.50〜2.50%としたの
は、2.5%を超えて含有させても耐へたり性向上の効果
が飽和し、かつ、熱処理により遊離炭素を生じる恐れが
あるためである。(特開昭58−27960)」、や「Siは焼
入れ焼戻およびオイルテンパー処理により製造したコイ
ルばねの耐へたり性を向上させるのに有効な元素である
が、2.5%を超えて含有されると焼入れ焼戻およびオイ
ルテンパー処理後の機械的性質が脆化し、耐へたり性は
あまり改善されないのである。(特開昭57−171648)」
等と説明されているが、2.5%超での耐へたり性につい
ては実施例においても確認されていない。
Siの効果を認めながらも、その上限をSi:2.5%としてい
る。その理由として、「Si量を1.50〜2.50%としたの
は、2.5%を超えて含有させても耐へたり性向上の効果
が飽和し、かつ、熱処理により遊離炭素を生じる恐れが
あるためである。(特開昭58−27960)」、や「Siは焼
入れ焼戻およびオイルテンパー処理により製造したコイ
ルばねの耐へたり性を向上させるのに有効な元素である
が、2.5%を超えて含有されると焼入れ焼戻およびオイ
ルテンパー処理後の機械的性質が脆化し、耐へたり性は
あまり改善されないのである。(特開昭57−171648)」
等と説明されているが、2.5%超での耐へたり性につい
ては実施例においても確認されていない。
一方、ばね製造工程に関しては、ばね特性に対する要求
の多様化に伴う形状の多様化、製造工程の合理化、省エ
ネルギー化等の要求により冷間成形によるコイルばねの
製造が増加している。しかし、大型コイルばね及び高強
度ばねに対しては熱間成形が量産効果の得られる経済的
な成形であるため熱間成形によるばね製造工程に対し、
特にその品質特性向上が期待されている。
の多様化に伴う形状の多様化、製造工程の合理化、省エ
ネルギー化等の要求により冷間成形によるコイルばねの
製造が増加している。しかし、大型コイルばね及び高強
度ばねに対しては熱間成形が量産効果の得られる経済的
な成形であるため熱間成形によるばね製造工程に対し、
特にその品質特性向上が期待されている。
[発明が解決しようとする問題点] 本発明は、以上の如き経済性に優れた熱間成形ばねの
特に耐へたり性の極めて優れた高強度ばね鋼の提供を目
的とする。
特に耐へたり性の極めて優れた高強度ばね鋼の提供を目
的とする。
[問題点を解決するための手段] 本発明者等は、従来、鋼中のSiは耐へたり性に効果が
あるものの2.5%を超えて含有させても耐へたり性向上
の効果は期待出来ないと考えられていたものを、今回、
更にSi量を2.5超〜4%とすることにより、従来知られ
ていなかった、熱間成形用ばねの耐へたり性の向上と共
に、靱性の向上も達成できるという全く新たな知見を持
って本発明を成したものである。即ち、本発明の主旨
は、 重量%でC :0.5〜0.8%, Si:2.5超〜4%, Mn:0.2〜1.5%, Cr:0.1〜1.5%を含有しかつ Mo:0.05〜1%, Ni:0.05〜1%, B :0.0002〜0.01%の1種又は2種以上を含有
し残部はFe及び不可避的不純物からなることを特徴とす
る熱間成形用高強度ばね鋼。及び、 重量%でC :0.5〜0.8%, Si:2.5超〜4%, Mn:0.2〜1.5%, Cr:0.1〜1.5%を含有しかつ Mo:0.05〜1%, Ni:0.05〜1%, B :0.0002〜0.01%の1種又は2種以上を含有
しかつ Nb:0.01〜0.5%, V :0.01〜0.5%, Ti:0.01〜0.1%, Al:0.01〜0.1%の1種又は2種以上を含有し残
部はFe及び不可避的不純物からなることを特徴とする熱
間成形用高強度ばね鋼。である。
あるものの2.5%を超えて含有させても耐へたり性向上
の効果は期待出来ないと考えられていたものを、今回、
更にSi量を2.5超〜4%とすることにより、従来知られ
ていなかった、熱間成形用ばねの耐へたり性の向上と共
に、靱性の向上も達成できるという全く新たな知見を持
って本発明を成したものである。即ち、本発明の主旨
は、 重量%でC :0.5〜0.8%, Si:2.5超〜4%, Mn:0.2〜1.5%, Cr:0.1〜1.5%を含有しかつ Mo:0.05〜1%, Ni:0.05〜1%, B :0.0002〜0.01%の1種又は2種以上を含有
し残部はFe及び不可避的不純物からなることを特徴とす
る熱間成形用高強度ばね鋼。及び、 重量%でC :0.5〜0.8%, Si:2.5超〜4%, Mn:0.2〜1.5%, Cr:0.1〜1.5%を含有しかつ Mo:0.05〜1%, Ni:0.05〜1%, B :0.0002〜0.01%の1種又は2種以上を含有
しかつ Nb:0.01〜0.5%, V :0.01〜0.5%, Ti:0.01〜0.1%, Al:0.01〜0.1%の1種又は2種以上を含有し残
部はFe及び不可避的不純物からなることを特徴とする熱
間成形用高強度ばね鋼。である。
[作用] 最初に本発明の成分限定理由について述べる。
まず、Cは熱処理により高応力ばね鋼として十分な強度
を得るため元素であり、耐へたり性を確保するために0.
5%以上必要であるが、0.8%を超えると黒鉛化の傾向が
増し、靱性の低下が著しくなるためその範囲を0.5〜0.8
%とした。
を得るため元素であり、耐へたり性を確保するために0.
5%以上必要であるが、0.8%を超えると黒鉛化の傾向が
増し、靱性の低下が著しくなるためその範囲を0.5〜0.8
%とした。
つぎにSiはフェライト中に固溶することにより素地の強
度を上げると共に析出炭化物の微細化を促進し、更に結
晶粒の微細化にも有効である。特に熱間成形における高
強度ばね鋼に適用の場合にはその靱性範囲を拡大し、ば
ねへたり性に特に有効である。この様な効果は次の実験
により見いだされた。
度を上げると共に析出炭化物の微細化を促進し、更に結
晶粒の微細化にも有効である。特に熱間成形における高
強度ばね鋼に適用の場合にはその靱性範囲を拡大し、ば
ねへたり性に特に有効である。この様な効果は次の実験
により見いだされた。
まず試験材としては、C:0.56%,Mn:0.78%,P:0.015
%,S:0.009%,Cr:0.76%を基本成分とし、Siを1〜4.5
%の範囲で添加した鋼を用い、鋳造後鍛造比50以上で熱
間鍛造を行い、更にねじりへたり試験片を作成し、実際
の熱間ばね成形工程をシュミレートした焼入・焼戻しを
行った。焼戻し温度を変えることにより、硬さをHRC52.
5となる様に調整した。更に、ショットピーニング、セ
ッチングを行なった後、ねじりへたり試験を実施した。
この試験条件を第1表に示す。更にこの結果を第1図に
示す。同図に見られようにSi%が4%以下であればねじ
りへたり量はSi%の増加と共に向上していることが明ら
かである。これは、Siによるマトリックスの固溶化と結
晶粒の微細化によるものである。しかし、4%を超える
とねじりへたり量は顕著に増加している。これは、Ac3
点の上昇によりオーステナイト化が不完全なため焼入れ
でフェライト組織が残留したためである。
%,S:0.009%,Cr:0.76%を基本成分とし、Siを1〜4.5
%の範囲で添加した鋼を用い、鋳造後鍛造比50以上で熱
間鍛造を行い、更にねじりへたり試験片を作成し、実際
の熱間ばね成形工程をシュミレートした焼入・焼戻しを
行った。焼戻し温度を変えることにより、硬さをHRC52.
5となる様に調整した。更に、ショットピーニング、セ
ッチングを行なった後、ねじりへたり試験を実施した。
この試験条件を第1表に示す。更にこの結果を第1図に
示す。同図に見られようにSi%が4%以下であればねじ
りへたり量はSi%の増加と共に向上していることが明ら
かである。これは、Siによるマトリックスの固溶化と結
晶粒の微細化によるものである。しかし、4%を超える
とねじりへたり量は顕著に増加している。これは、Ac3
点の上昇によりオーステナイト化が不完全なため焼入れ
でフェライト組織が残留したためである。
更に、試験材として、C:0.60%,Mn:0.82%,P:0.011
%,S:0.006%,Cr:0.28%を基本成分とし、Siを0.26%〜
2.66%の範囲で添加した鋼を用い、鋳造後鍛造比50以上
で熱間鍛造を行い、更にUノッチ・シャルピー試験片を
作成した。このシャルピー試験結果を第2図に示す。同
図に見られるように、硬さが高くなるとシャルピー値が
急減しているが、Siの高いばね鋼は硬さの高い範囲で良
い値を示している。高強度ばね鋼としてHRC50〜54で
の、靱性を確保するにはSiが2.5%超であれば良いこと
が判る。
%,S:0.006%,Cr:0.28%を基本成分とし、Siを0.26%〜
2.66%の範囲で添加した鋼を用い、鋳造後鍛造比50以上
で熱間鍛造を行い、更にUノッチ・シャルピー試験片を
作成した。このシャルピー試験結果を第2図に示す。同
図に見られるように、硬さが高くなるとシャルピー値が
急減しているが、Siの高いばね鋼は硬さの高い範囲で良
い値を示している。高強度ばね鋼としてHRC50〜54で
の、靱性を確保するにはSiが2.5%超であれば良いこと
が判る。
このような理由により、Si範囲を2.5超〜4%と定め
た。
た。
次に、Mnは焼入れ性を高め、ばね用鋼としての強度を
得るための元素であり、0.2%以上必要であるが1.5%を
超えて含有させると靱性を阻害するため、その範囲を0.
2〜1.5%とした。
得るための元素であり、0.2%以上必要であるが1.5%を
超えて含有させると靱性を阻害するため、その範囲を0.
2〜1.5%とした。
更に、Crは0.1%未満ではCの黒鉛化が著しく、1.5%
超ではCrの大きな炭化物が発生し、ばね疲労性及びばね
へたり性に悪影響を与えるので、Crの範囲を0.1〜1.5%
とした。
超ではCrの大きな炭化物が発生し、ばね疲労性及びばね
へたり性に悪影響を与えるので、Crの範囲を0.1〜1.5%
とした。
本発明においては、更に良好な耐へたり性の向上を目的
としてMo,Ni,Bを含有する。これら、Mo,Ni,Bは焼入れ性
を確保し完全なマルテンサイト組織を確保してばねへた
り性の向上を得るための元素でありMo,Niは各々0.05%
以上で効果を示し、Bは0.0002%以上で効果を示すが、
Mo,Niは各々1%を超えると残留オーステナイトが残存
しばねへたり量を増加させる。Bは0.01%を超えるとそ
の効果が飽和し靱性を阻害するためこれら元素の添加量
を、Mo:0.05〜1%,Ni:0.05〜1%,B:0.0002〜0.01%と
し1種又は2種以上を含有することとした。
としてMo,Ni,Bを含有する。これら、Mo,Ni,Bは焼入れ性
を確保し完全なマルテンサイト組織を確保してばねへた
り性の向上を得るための元素でありMo,Niは各々0.05%
以上で効果を示し、Bは0.0002%以上で効果を示すが、
Mo,Niは各々1%を超えると残留オーステナイトが残存
しばねへたり量を増加させる。Bは0.01%を超えるとそ
の効果が飽和し靱性を阻害するためこれら元素の添加量
を、Mo:0.05〜1%,Ni:0.05〜1%,B:0.0002〜0.01%と
し1種又は2種以上を含有することとした。
更に良好な耐へたり性の向上を目的としてNb,V,Ti,Al
を含有することが出来る。これら、Nb,V,Ti,Alは結晶粒
の微細化及び微細炭化物の析出によりばね鋼のへたり性
向上を得るための元素であり、Nb,V,Ti,Alは各々0.01%
以上で効果を示すが、Nb,Vは各々0.5%,Ti,Alは各々0.1
%を超えるとその効果が飽和し、かつオーステナイト中
に溶解されない合金炭化物が増加し、これがばね鋼の疲
労を低下させるためその範囲を、Nb:0.01〜0.5%,V:0.0
1%〜0.5%,Ti:0.01〜0.1%,Al:0.01〜0.1%とし1種又
は2種以上含有することとした。
を含有することが出来る。これら、Nb,V,Ti,Alは結晶粒
の微細化及び微細炭化物の析出によりばね鋼のへたり性
向上を得るための元素であり、Nb,V,Ti,Alは各々0.01%
以上で効果を示すが、Nb,Vは各々0.5%,Ti,Alは各々0.1
%を超えるとその効果が飽和し、かつオーステナイト中
に溶解されない合金炭化物が増加し、これがばね鋼の疲
労を低下させるためその範囲を、Nb:0.01〜0.5%,V:0.0
1%〜0.5%,Ti:0.01〜0.1%,Al:0.01〜0.1%とし1種又
は2種以上含有することとした。
へたり特性は硬さの高い方が良い。本発明の鋼はSiが
高いので焼入れ硬さが高く、又軟化抵抗の高い鋼でもあ
る。従って焼戻し温度を高く採る事が出来るので、高い
靱性を得ることが出来る。即ち、へたり性がよく、靱性
の高いばねを得ることが出来る。
高いので焼入れ硬さが高く、又軟化抵抗の高い鋼でもあ
る。従って焼戻し温度を高く採る事が出来るので、高い
靱性を得ることが出来る。即ち、へたり性がよく、靱性
の高いばねを得ることが出来る。
本発明の鋼は以上のような成分を有するものである
が、この製造に際しては、通常の製鋼、造塊あるいは連
続鋳造、分解圧延、更に棒鋼圧延又は線材圧延の工程を
経てばね鋼を得ることが出来る。その後、必要に応じて
きず取り、酸洗、伸線、矯直、切断、テーパー加工等の
前処理を行い、しかる後、加熱、熱間コイル ばね成形、焼入れ焼戻しの熱処理により高強度コイルば
ねが得られる。
が、この製造に際しては、通常の製鋼、造塊あるいは連
続鋳造、分解圧延、更に棒鋼圧延又は線材圧延の工程を
経てばね鋼を得ることが出来る。その後、必要に応じて
きず取り、酸洗、伸線、矯直、切断、テーパー加工等の
前処理を行い、しかる後、加熱、熱間コイル ばね成形、焼入れ焼戻しの熱処理により高強度コイルば
ねが得られる。
次に、本発明の効果を実施例により更に具体的に述べ
る。
る。
[実施例] 第2表は供試鋼の化学成分を示したものである。第2
表においてA1〜A7鋼は本発明例であり、B1〜B12鋼は比
較材である。供試用コイルばねは、鋳造後圧延比50以上
で熱間圧延し、矯直、定尺切断、ピーリング、熱間ばね
成形、焼入れ焼戻しを行なった。なお、焼戻し温度を変
えて試験ばねの硬さをHRC 52.5になるように調整した。
表においてA1〜A7鋼は本発明例であり、B1〜B12鋼は比
較材である。供試用コイルばねは、鋳造後圧延比50以上
で熱間圧延し、矯直、定尺切断、ピーリング、熱間ばね
成形、焼入れ焼戻しを行なった。なお、焼戻し温度を変
えて試験ばねの硬さをHRC 52.5になるように調整した。
第3表は供試ばねの諸元である。供試ばねは、アークハ
イト0.5mmのショットピーニングを施した後、素線の剪
断応力τ=126.5kgf/mm2となるようにセッチングを施し
た後、ばね締め付け試験を行なった。
イト0.5mmのショットピーニングを施した後、素線の剪
断応力τ=126.5kgf/mm2となるようにセッチングを施し
た後、ばね締め付け試験を行なった。
第4表はばね締め付けへたり試験の結果である。本発
明例の残留剪断歪は総て1.0×10-4未満で良好な結果で
あったが、比較ばねは1.0×10-4以上で残留剪断歪が大
きく、耐へたり性の劣っていることが明らかである。
明例の残留剪断歪は総て1.0×10-4未満で良好な結果で
あったが、比較ばねは1.0×10-4以上で残留剪断歪が大
きく、耐へたり性の劣っていることが明らかである。
なお、比較試験ばねは次のようであった。
B1は、Cが低く、B2はSiが高く、共にフェライトが残留
した組織である。
した組織である。
B3,B4,B9,B10,B11,B12はMn,Cr,Ni,Mo,Bが多く残留オー
ステナイトが多い組織である。B5,B6,B7,B8,は、Nb,V,T
i,Alが多く結晶粒は細かいが、炭化物が多く焼入れが不
十分な組織である。
ステナイトが多い組織である。B5,B6,B7,B8,は、Nb,V,T
i,Alが多く結晶粒は細かいが、炭化物が多く焼入れが不
十分な組織である。
B13は、Siが低くマトリックスのフェライト強化が不十
分な組織である。
分な組織である。
[発明の効果] 本発明により、経済性に優れた熱間成形ばねにおい
て、耐へたり性の極めて優れた高強度ばね鋼の製造が可
能となる。
て、耐へたり性の極めて優れた高強度ばね鋼の製造が可
能となる。
第1図は、ねじりへたり試験における鋼中Si含有量と残
留剪断ひずみの関係の例を示す図、 第2図は、鋼中Si含有量と硬さとUノッチ・シャルピー
試験値の関係の例を示す図、 である。
留剪断ひずみの関係の例を示す図、 第2図は、鋼中Si含有量と硬さとUノッチ・シャルピー
試験値の関係の例を示す図、 である。
Claims (2)
- 【請求項1】重量%でC :0.5〜0.8%, Si:2.5超〜4% Mn:0.2〜1.5% Cr:0.1〜1.5%を含有しかつ Mo:0.05〜1% Ni:0.05〜1% B :0.0002〜0.01%の1種又は2種以上を含有し、残部F
e及び不可避的な不純物からなることを特徴とする熱間
成形用高強度ばね鋼。 - 【請求項2】重量%でC :0.5〜0.8%, Si:2.5超〜4%, Mn:0.2〜1.5%, Cr:0.1〜1.5%を含有しかつ Mo:0.05〜1%, Ni:0.05〜1%, B :0.0002〜0.01%の1種又は2種以上を含有しかつ Nb:0.01〜0.5%, V :0.01〜0.5%, Ti:0.01〜0.1%, Al:0.01〜0.1%の1種又は2種以上を含有し残部はFe及
び不可避的不純物からなることを特徴とする熱間成形用
高強度ばね鋼。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62147155A JP2575711B2 (ja) | 1987-06-15 | 1987-06-15 | 熱間成形用高強度ばね鋼 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62147155A JP2575711B2 (ja) | 1987-06-15 | 1987-06-15 | 熱間成形用高強度ばね鋼 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS63310941A JPS63310941A (ja) | 1988-12-19 |
JP2575711B2 true JP2575711B2 (ja) | 1997-01-29 |
Family
ID=15423830
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP62147155A Expired - Lifetime JP2575711B2 (ja) | 1987-06-15 | 1987-06-15 | 熱間成形用高強度ばね鋼 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2575711B2 (ja) |
Family Cites Families (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5827959A (ja) * | 1981-08-11 | 1983-02-18 | Aichi Steel Works Ltd | 耐へたり性の優れたばね用鋼 |
JPS61136612A (ja) * | 1984-12-04 | 1986-06-24 | Kobe Steel Ltd | 高Siばね用清浄鋼の製造法 |
US4731044A (en) * | 1985-12-18 | 1988-03-15 | Borg-Warner Automotive, Inc. | Tension sensor and control arrangement for a continuously variable transmission |
-
1987
- 1987-06-15 JP JP62147155A patent/JP2575711B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS63310941A (ja) | 1988-12-19 |
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