JP2575385B2 - 多重伝送方法およびそのための送受信装置 - Google Patents

多重伝送方法およびそのための送受信装置

Info

Publication number
JP2575385B2
JP2575385B2 JP62110475A JP11047587A JP2575385B2 JP 2575385 B2 JP2575385 B2 JP 2575385B2 JP 62110475 A JP62110475 A JP 62110475A JP 11047587 A JP11047587 A JP 11047587A JP 2575385 B2 JP2575385 B2 JP 2575385B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
signal
circuit
ghost
output signal
carrier
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP62110475A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS63276391A (ja
Inventor
正文 員見
敏則 村田
勉 野田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Ltd filed Critical Hitachi Ltd
Priority to JP62110475A priority Critical patent/JP2575385B2/ja
Publication of JPS63276391A publication Critical patent/JPS63276391A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2575385B2 publication Critical patent/JP2575385B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Picture Signal Circuits (AREA)
  • Television Systems (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、映像信号にPCM音声信号を多重して伝送す
る多重伝送方式およびそのための送受信装置に関するも
のである。
〔従来の技術〕
テレビジョン信号の如き映像信号に、それに伴うアナ
ログの音声信号だけでなく、デイジタル符号化されたPC
M音声信号を多重することによりテレビジョン放送波の
多重利用を図りたいという要求があるが、かかるディジ
タル符号化されたPCM音声信号と映像信号を多重する方
法については、昭和58年6月発行、財団法人電波技術協
会編の衛星放送受信技術調査会報告書第1部「衛星放送
受信機」などで報告されている。しかし、この方法は、
現行NTSC方式による映像信号に5.7272MHzの副搬送波を
用いてPCM音声を多重する方法であるため、現行の地上
テレビジョン放送の所定帯域を満足せず、地上テレビジ
ョン放送に用いることは困難である。
一方、現行地上テレビジョン放送に対する多重伝送実
現の可能性が昭和58年1月に日本放送出版協会より発行
された日本放送協会編の放送技術双書2「放送方式」の
205頁から208頁に記載されているが、高品質音声2チャ
ネルを伝送するための約1Mビット/秒の伝送容量を確保
できる方法については記載されていなかった。
つまりそれまでは、現行地上テレビジョン放送に高品
質の音声信号を多重伝送する方法が無かったと云える。
その後、かかる方法を実現するものとして、搬送波を映
像信号で振幅変調して得られる信号と、前記搬送波とは
90度の位相差をもつ第2の搬送波をPCM音声信号で振幅
変調して得られる信号とを多重伝送する方法が提案され
ている。
この提案にかかる方法では、特に残留側波帯振幅変調
する映像信号の場合において、搬送波の両側波帯の伝送
される帯域内で、ディジタル符号化された音声信号によ
り搬送波の映像信号とは直交関係を持たせて変調して伝
送し、受信された信号から搬送波に同期した復調用信号
を取り出し、これで受信した信号を同期検波して音声信
号を再生する。
そしてこの方法によれば、残留側波帯振幅変調する映
像信号搬送波において両側波帯を有している一般的な振
幅変調されている帯域内に限定して、搬送波を映像信号
と音声信号とを直交関係を持たして変調するので再生し
た映像信号への音声信号の影響を少なくできる。音声信
号の変調度を映像信号より低くすることにより、さらに
包絡線検波で再生された映像信号へも音声信号の影響を
少なくできる。また音声信号は同期検波して再生される
ため直交して変調された映像信号を復調しないため影響
は低減される。現行地上テレビジョン放送では、残留側
波帯振幅変調の両側波帯を有する帯域は約1.5MHzあり約
1Mビット/秒のディジタル符号化された高品質音声2チ
ャネルを伝送可能にできるなどの利点をもっている。
〔発明が解決しようとする問題点〕
上述の既提案に係る多重伝送方法について、色々検討
を重ねたところ、テレビジョン放送においていつも問題
になるゴーストの影響が再生されたPCM音声信号にも現
れることが明らかになってきた。映像信号であるなら
ば、ゴーストが現れても或る程度、その画面は鑑賞に耐
えることができる。しかし音声信号の場合、ゴーストの
影響が現れると、その音声は非常に聞き苦しい音とな
り、鑑賞に耐えることができない。
本発明の目的は、第1の搬送波を映像信号で振幅変調
して得られる第1の信号と、前記第1の搬送波に対して
位相が90度ずれている第2の搬送波をPCM音声信号で振
幅変調して得られる第2の信号と、を少なくも多重して
伝送する多重伝送方法において、伝送後の再生PCM音声
に現れるゴーストの影響を除去して高品質な音声が得ら
れるようにすることにあり、換言すれば、かかることを
可能にする多重伝送方法およびそのための送受信装置を
提供することを目的とする。
〔問題点を解決するための手段〕
PCM音声信号に現れるゴーストとしては、映像信号の
ゴーストとPCM音声信号自体のゴーストとがあるので、
両ゴーストを分離可能にする手段を講じることと、分離
した両ゴーストをそれぞれ除去するゴースト除去回路を
設けることにより上記目的は達成される。
〔作用〕
第1の搬送波を映像信号で振幅変調して得られる第1
の信号と、前記第1の搬送波に対して位相が90度ずれて
いる第2の搬送波をPCM音声信号で振幅変調して得られ
る第2の信号と、を多重して伝送する多重伝送方法にお
いて、前記映像信号の垂直帰線期間を構成する複数の水
平期間の内、或る任意特定の水平走査期間には前記PCM
音声信号が多重されないように、そして該特定の水平走
査期間には、ゴースト検出のための基準信号を多重する
形で、前記第1の信号と第2の信号を多重する。
受信した映像信号においてゴースト成分の大きさを検
出するための基準信号として用いる信号は、絵柄のよう
に絶えず振幅の変化する部分の信号ではなく、同期信号
のように、振幅の一定な信号が用いられる。そこでゴー
スト成分検出のための基準信号として用いる同期信号に
ついては、予めPCM音声信号から分離して両者が混じら
ないようにしておく。そしてこのような同期信号を基準
信号としてゴーストを検出すると、それを用いて先ず映
像信号のゴースト除去を行い、次にPCM音声信号自体の
ゴーストを検出し、それを用いてPCM音声信号のゴース
ト除去を行う。
〔実施例〕
以下、本発明の一実施例として、現状の地上伝送テレ
ビジョンにディジタル符号化したPCM音声信号を多重伝
送した場合の受信機の例を第1図に示す。
同図において、1はアンテナ、2は高周波増幅回路、
3は周波数変換回路、4は中間周波増幅回路、5は映像
信号検波回路、6は映像信号増幅回路、7は色差信号復
調回路、8は原色信号復調回路、9はブラウン管、10は
音声中間周波増幅回路、11は音声FM検波回路、12は音声
信号出力端子、13は帯域通過フィルタ、14,202は同期検
波回路、15は搬送波再生回路、16は符号識別回路、17は
クロック再生回路、18はディジタル信号処理回路、19は
ディジタル・アナログ変換回路(以下DACと略す)、20
はPCM伝送された音声信号の出力端子、201はゴースト除
去回路、203は90度移相器である。
アンテナ1より入力したテレビジョン信号を高周波増
幅回路2で増幅し、周波数変換回路3で復調用の中間周
波に周波数変換し、中間周波増幅回路4で増幅する。選
局は周波数変換回路3の局部発振周波数を変えることで
行なわれる。中間周波増幅回路4で増幅された信号から
映像信号帯域については、映像信号検波回路5で検波
し、映像信号増幅回路6の出力の輝度信号と色差信号復
調回路7の出力の色差信号とから原色信号復調回路8で
R,G,Bの三原色信号を得、ブラウン管9に映し出す。
一方、音声信号帯域については、音声中間周波増幅回
路10で増幅し、音声FM検波回路11で検波復調して音声信
号出力端子12に音声信号を得る。以上は従来のテレビジ
ョン受信機と同一である。
以上に加えてディジタル符号化したPCM音声信号を復
調するために、周波数変換回路3の出力から帯域通過フ
ィルタ13により多重伝送されたPCM音声信号帯域を選択
して増幅し、同期検波回路14において、キャリア再生回
路15で再生された搬送波を、90度移相器203で90度移相
した搬送波に同期した信号を用いて搬送波の振幅変調成
分に直交した成分で変調された信号を検波復調し、ゴー
スト除去回路201でゴースト成分を除去する。
その結果得られた信号を符号識別回路16を用いて誤り
率の少ない点でディジタル符号にし、ディジタル信号処
理回路18で伝送途中で生じた誤りを誤り検出訂正符号を
用いて検出訂正する。クロック再生回路17はゴースト除
去回路201の出力の信号から伝送クロックを抽出する回
路で、ゴースト除去回路201の出力の信号の誤り率の少
ない点(いわゆるアイパターンの最大開口部)でディジ
タル符号化するために必要である。誤り検出訂正された
後のディジタル信号をDAC19でアナログ信号に変換して
音声信号に戻してPCM伝送された音声信号の出力端子20
に得る。
上記実施例で伝送した信号を生成する送信機の一実施
例を第2図に示す。21は音声信号入力端子、22はFM変調
器、23は音声信号搬送波発生器、24〜26は映像信号(R,
G,B)入力端子、27はマトリックス回路、28は輝度信号
処理回路、29は色差信号処理回路、30は加算回路、31は
映像変調器、32は映像信号搬送波発生器、33はPCM伝送
する音声信号の入力端子、34はアナログ・ディジタル変
換器(以下ADCと略す)、35はディジタル信号処理回
路、36は低域通過フィルタ、37は90度移相器、38はPCM
音声信号用の変調器、39は加算器、40は残留側波帯振幅
変調用のVSBフィルタ、41は加算器、42はアンテナであ
る。
音声信号入力端子21からの音声信号で音声信号搬送波
発生器23からの音声用搬送波をFM変調器22においてFM変
調する。映像入力端子24〜26に入力されたRGBの三原色
信号をマトリックス回路27で輝度信号と色差信号とに分
け、おのおの輝度信号処理回路28と色差信号処理回路29
で処理した後、加算器30で加算する。加算後の信号で映
像信号搬送波発生器32からの搬送波を映像変調器31を用
いて、変調しVSBフィルタ40でテレビジョン放送帯域に
帯域制限して加算器41で音声信号と加算してアンテナ42
より送信する。
以上については、従来の地上伝送のテレビジョン放送
と同一である。以上の信号に高品質な音声を伝送するた
めに以下を追加する。
多重する音声信号を入力端子33に加え、音声信号をAD
C34でディジタル信号に変換し、ディジタル信号処理回
路35で伝送中に生じる誤りを検出訂正するための符号を
追加したり、インタリーブ処理などをほどこし、ディジ
タル符号の伝送レートに適した低域通過フィルタ36を介
して不要な高域成分を削除する。このディジタル符号化
した音声で、90度移相器37を介して90度移相された映像
信号搬送波をPCM音声信号用の変調器38で変調し、加算
器39で映像信号で変調された搬送波と加算する。その結
果、映像用の搬送波は、映像信号とPCM音声信号とで直
交関係をもつように変調されることとなる。
変調されるスペクトラムを第3図と第4図に示し、映
像の搬送波の映像信号とPCM音声信号との変調状態のベ
クトル図を第5図に示す。第3図の43の映像信号のVSB
フィルタ後のスペクトラム、44はFM変調された音声信号
のスペクトラム、第4図の45にディジタル化されたPCM
音声信号のスペクトラムを示す。ここでPCM音声信号の
スペクトラムは伝送レート1Mビット/秒のロールオフ率
0.5の信号の搬送波を変調した場合のスペクトラムを示
している。
第3図において、映像搬送波に対して−0.75MHz以下
のスペクトラムについては残留側波帯振幅変調とするVS
Bフィルタによって減衰されている。4.2MHzまでは映像
信号が、4.5MHz近傍には音声搬送波がFM変調されたスペ
クトラムが存在している。映像搬送波に対して±0.75MH
zについては両側波帯が送信されるため、一般の振幅変
調(DSB)と考えて良い。その両側波帯を有している搬
送波に直交して(すなわち、90度の位相差をもって)第
4図のように±0.75MHz以内の信号をディジタル符号の
1と0に相当させて振幅Aと−Aとで変調すると、搬送
波のベクトルは映像信号を1とした場合、 cosωc・t±Asinωc・t (1) となる。ここでωcは搬送波の角周波数である。上記
(1)式を展開すると、 である。
ここで受信された映像信号へのPCM音声信号からの妨
害を考える。映像信号検波回路がcosωc・tで同期検
波しているものについてはAの値にかかわらずcosωc
・tの係数のみ(すなわち映像信号のみ)が再生され妨
害とはならない。また映像信号検波回路が包絡線検波を
しているものについてはAの値を1より下げることで妨
害を軽減できる。例えばAを0.1とすると、 となり1に比べて0.005の信号(約−46dB)が影響する
が、映像信号のSN比は40dB以上あれば実用上問題ないと
考える。
一方、映像信号からのPCM音声の検波回路への妨害
は、第1図に示すように同期検波回路14で搬送波に直交
した成分のみを復調することで排除できる。信号レベル
対雑音の比(以下SN比と呼ぶ)について考えると、映像
信号のSN比が40dBが実用レベルとすると、帯域幅がPCM
音声信号の伝送帯域幅1MHzに比べ約4倍であるため、PC
M音声信号のSN比は46dBとなるが、PCM音声信号の変調レ
ベルAを0.1とするとSN比は26dB程度となる。
一方ディジタル信号のSN比とビットエラーレートとの
関係を一般的な二値信号で考えてもSN比が17.4dBで10-4
である。映像信号のSN比が40dBの場合にはPCM音声信号
のSN比は26dBであり、ディジタル信号の伝送として実用
上充分な値である。
しかし、伝送路において信号が建物などにより反射し
てゴーストが付加された場合には、同期検波回路14の出
力には、多重したPCM音声信号のゴースト分のほかに、
映像信号のゴースト分も生じてしまい、正しくPCM音声
信号を復元することができなくなる。
すなわち、第6図(a)に示すパルス波形の映像信号
Pに、(b)で示す3クロックのPCM音声信号PCMを多重
する場合、伝送路で各信号に遅延時間τgのゴーストが
付加されるとすると、第1図における同期検波回路14の
出力信号は、第6図(c),(d)に示す3つの信号の
和となる。
ここでP(GQ)は映像信号Pのゴースト分P(G)の
検波出力であり、PCM′はPCM音声信号PCMの検波出力で
あり、PCM(GQ)はPCM信号のゴースト分PCM(G)の検
波出力である。
以下、このことを、第7図を用いて説明する。第7図
(a)は映像信号Pに関するベクトル図であり、第7図
(b)はPCM信号に関するベクトル図である。また第7
図において、I,Qは互いに直交する二つの検波軸であ
る。
伝送路において信号にそのゴーストが付加された場
合、希望信号(映像信号PとPCM音声信号PCM)の搬送波
と、そのゴースト信号(映像信号のゴーストP(G)と
PCM信号のゴーストPCM(G))の搬送波との間には位相
差(ゴーストの希望信号からの遅延時間による)が生
じる。同期検波回路14におけるPCM信号の検波軸は第7
図においてQで示すベクトル方向となるので、同期検波
回路14が検波軸Qを基準として検波した出力の中には第
7図(a),(b)に示すように、軸Qに投影した成
分、すなわち次式で示す3つの信号成分が含まれること
になる。
第8図に、第1図の同期検波回路14の出力に生じる2
つの不要信号(上述した映像信号のゴースト分のQ軸成
分P(GQ)とPCM信号のゴースト分のQ軸成分PCM(GQ)
を除去するゴースト除去回路201の一具体例を示す。
第8図において、第1図におけるのと同じ番号を付し
た部分は、同一機能の部分を示し、そのほか210,211は
それぞれトランスバーサルフィルタ、212,213はそれぞ
れゴースト検出回路、214,215はそれぞれ減算回路であ
る。
トランスバーサルフィルタ210,ゴースト検出回路212
及び減算回路214から成る1組のゴースト除去回路は、
不要信号P(GQ)を除去するに用いられ、トランスバー
サルフィルタ210,ゴースト検出回路213及び減算回路215
から成るもう1組のゴースト除去回路は、不要信号PCM
(GQ)を除去するに用いられる。
トランスバーサルフィルタを用いたゴースト除去装置
そのものの動作については、例えば文献「TVゴーストキ
ャンセラ」(東芝レビュー,Vol.36,No.7,P.625〜P.630,
昭56−6)等に詳しく説明されており、良く知られた事
柄なので詳しくは述べないが、要するに、ゴースト成分
を含んだ信号をトランスバーサルフィルタに入力し、他
方該トランスバーサルフィルタの出力からゴースト成分
を検出し、検出した該ゴースト成分を更にトランスバー
サルフィルタに入力して信号に含まれているゴースト成
分を打ち消すというのが動作原理である。
第8図においては、トランスバーサルフィルタを2個
用い、2段構成で不要信号(ゴースト分)の除去を図っ
ているが、以下、その理由について説明する。
上記(3)式及び第6図より明らかなように、トラン
スバーサルフィルタ1個で、つまり1組のゴースト除去
回路で、2つの不要信号P(GQ),PCM(GQ)を除去する
には、次のような問題がある。
(1)同期検波回路14の出力には、映像信号Pは含まれ
ていないため、映像信号Pを含まない同期検波回路14の
出力信号をトランスバーサルフィルタの入力信号とする
と、映像信号のゴースト分のQ軸成分P(GQ)を打ち消
すためのゴースト信号を検出することができない。
(2)映像信号PとPCM音声信号PCMは、位相が互いに直
交した二つの搬送波の各々において変調されているた
め、同期検波回路14の出力に生じる信号振幅は、上記
(3)式で示すように比例関係をもたない。
以下、上記(1)の理由について第9図,第10図を用
いて詳しく説明する。
第9図は、第8図におけるトランスバーサルフィルタ
211の一構成例を示すブロック図である。
第9図において、310は入力信号端子、311はタップ付
遅延線、312a〜312eはそれぞれタップ増幅器、313は加
算器、314a〜314eは、タップ増幅器312a〜312eの各係数
を制御する制御信号の入力端子、315は出力信号端子、
τは微少遅延時間である。
第9図に示すトランスバーサルフィルタ211を用い
て、第10図(イ)に示す振幅a、希望信号からの遅延時
間τgのゴーストを打ち消す信号を作るためには、入力
信号端子310に、第10図(イ)で示す希望信号を入力
し、タップ付遅延線311の出力信号のうち、遅延時間が
τgとなるタップ(τg=nτの場合には、入力端子側
からn番目のタップ)の出力信号が供給されるタップ増
幅器312の係数のみ、制御信号入力端子314より入力する
制御信号によって、ゴーストの希望信号に対する振幅比
(第10図(イ)の場合にはa)になるように設定する。
この結果、加算器313の出力315には、第10図(ロ)に示
すように、希望信号が振幅aに利得制御され、かつ希望
信号より遅延時間τgだけ遅れた信号を得ることがで
き、この信号を入力信号より減算することにより、ゴー
ストを除去した第10図(ハ)の信号を得ることができ
る。
したがって、トランスバーサルフィルタ211は、希望
信号を用いてゴーストを打ち消す信号を作るため、第6
図(c)で示すようなゴーストのみから成る信号をトラ
ンスバーサルフィルタ211に入力しても、ゴーストを打
ち消す信号は得られない。
そこで、第1図に示すゴースト除去回路201の構成に
は、以下の条件が課せられる。
(1)映像信号のゴースト分のQ軸成分P(GQ)を除去
することの可能なトランスバーサルフィルタに対する入
力信号としては、第7図の検波軸Iを基準軸として検波
した同期検波回路202の出力信号VIを入力する。但し VI=P+P(GI)+PCM(GI) …(4) (2)映像信号のゴースト分のQ軸成分P(GQ)とPCM
音声信号のゴースト分のQ軸成分PCM(GQ)を混り合っ
た形でなく、別々に独立に検出し、それぞれのトランス
バーサルフィルタの係数を設定する。
上記条件(1)より、第8図に示すゴースト除去回路
201では、トランスバーサルフィルタ210の入力信号を同
期検波回路202の出力信号であるVIとする。また、条件
(2)を満たすため、以下に示すゴースト検出用の波形
を送信側で作り出して送信する。
一般に、映像信号のゴースト分のQ軸成分P(GQ)を
検出するには、テレビ放送波の垂直帰線期間内の映像部
分において文字放送信号等が含まれていない部分(通常
10H〜15H)の水平同期信号をそのための基準信号として
用いる。
したがって、ゴースト検出回路212では、第11図
(a)に示すように上記垂直帰線期間内の文字放送信号
等が含まれていない部分の任意の水平同期信号をゴース
ト検出基準信号として用いる場合、同期検波回路14の出
力において、PCM音声信号(PCM)及びそのゴースト分の
Q軸成分PCM(GQ)が該基準信号としての水平同期信号
に混らないようにするため、第11図(b)に見られるよ
うに、ゴースト検出基準信号としての水平同期信号を中
に含むその前後、最低1水平期間(約63.5μs)に相当
する期間S内には、PCM音声信号を載せないように送信
側で処置する必要がある。
その結果、第8図における減算回路214の出力には、P
CM音声信号(PCM)とそのゴースト分のQ軸成分PCM(G
Q)しか生じないため、トランスバーサルフィルタ211を
用いて、PCM音声信号のゴースト分のQ軸成分PCM(GQ)
を除去することが出来、それにより、減算回路215の出
力にPCM音声信号(PCM)を正しく復元することができ
る。
尚、PCM音声信号のゴースト分のQ軸成分PCM(GQ)の
検出方法として、文献「文字放送用波形等化器」(1985
年テレビジョン学会全国大会講演予稿集P.397〜P.398)
に記載されている方法を用いることにより、ゴースト検
出の基準信号としては、任意の期間のPCM音声信号(PC
M)とすることができる。
第12図に、ゴースト検出回路201の他の構成例を示
す。同図において、第8図におけるのと同じ番号を付し
た部分は同一機能の部分を示し、そのため220はトラン
スバーサルフィルタ、221はゴースト検出回路、222は減
算回路である。
第8図で示したゴースト除去回路201では、トランス
バーサルフィルタ210の入力信号として、第1図の同期
検波回路202の出力信号を用いていたが、この信号に
は、第7図に見られるように映像信号のゴースト分のI
軸成分P(GI)が含まれているため、減算回路214の出
力信号に孫ゴーストが生じる。
そこで、第12図に示すゴースト除去回路201では、こ
の問題を解決するため、トランスバーサルフィルタ22
0、ゴースト検出回路221及び減算回路222を新たに設
け、これらで同期検波回路202の出力信号に含れている
映像信号のゴースト分のI軸成分P(GI)を除去し、そ
の後、トランスバーサルフィルタ210に入力する。ゴー
スト検出回路221におけるゴースト検出基準信号として
は、第11図に示した水平同期信号を用いればよい。
尚、以上の説明においては、映像信号のゴーストを検
出する基準信号として、垂直帰線期間の水平同期信号を
用いた場合について説明したが、この期間に任意の波形
のゴースト検出用基準信号を挿入し、この信号を用いて
ゴーストを検出しても同様の効果が得られる。
〔発明の効果〕 以上説明したように、本発明によれば、第1の搬送波
を映像信号で振幅変調して得られる第1の信号と、前記
第1の搬送波に対して位相が90度ずれている第2の搬送
波をPCM音声信号で振幅変調して得られる第2の信号
と、を多重して伝送する多重伝送方法において、伝送後
の再生PCM音声に現れるゴーストの影響を除去して高品
質な音声が得られるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例における受信側を示すブロッ
ク図、第2図は同じく送信側を示すブロック図、第3図
は映像信号とアナログ音声信号のスペクトラム図、第4
図はディジタル化されたPCM音声信号のスペクトラム
図、第5図は映像信号とPCM音声信号の変調状態を示す
ベクトル図、第6図は映像信号とPCM音声信号とそれら
のゴースト成分を示す波形図、第7図は映像信号とPCM
音声信号についての直交せる2軸による検波を説明する
ベクトル図、第8図は第1図におけるゴースト除去回路
の具体例を示すブロック図、第9図は第8図におけるト
ランスバーサルフイルタの詳細を示す回路図、第10図は
トランスバーサルフイルタの動作を説明するのに用いる
波形図、第11図は本発明において用いるゴースト検出用
基準信号を示す波形図、第12図は第1図におけるゴース
ト除去回路の他の具体例を示すブロック図、である。 符号の説明 13,36……帯域通過フィルタ、14,202……同期検波回
路、15……搬送波再生回路、16……符号識別回路、17…
…クロック再生回路、18,35……ディジタル信号処理回
路、19……ディジタル・アナログ変換回路、37,203……
90度移相器、34……アナログ・ディジタル変換回路、38
……変調器、39……加算器、210,211,220……トランス
バーサルフィルタ、212,213,221……ゴースト検出回
路、214,215,222……減算回路

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】第1の搬送波を映像信号で振幅変調して得
    られる第1の信号と、前記第1の搬送波に対して位相が
    90度ずれている第2の搬送波をPCM音声信号で振幅変調
    して得られる第2の信号と、を多重して伝送する多重伝
    送方法において、 前記映像信号の垂直帰線期間を構成する複数の水平走査
    期間の内、或る任意特定の水平走査期間には、前記PCM
    音声信号が多重されないように、そして該特定の水平走
    査期間には、ゴースト検出のための基準信号を多重する
    形で、前記第1の信号と第2の信号を多重することを特
    徴とする多重伝送方法。
  2. 【請求項2】第1の搬送波を映像信号で振幅変調して得
    られる第1の信号と、前記第1の搬送波に対して位相が
    90度ずれている第2の搬送波をPCM音声信号で振幅変調
    して得られる第2の信号と、を多重して伝送する送信装
    置において、 送信のため入力されるPCM音声信号を、前記映像信号の
    垂直帰線期間を構成する複数の水平走査期間の内、ゴー
    スト検出のための基準信号を多重する期間である任意特
    定の水平走査期間、を除く他の期間において多重すべ
    く、かかるタイミングで、入力される該PCM音声信号を
    デイジタル化するアナログ・デイジタル変換回路(34)
    と、該アナログ・デイジタル変換回路(34)からの出力
    信号に誤り訂正符号付加やデインターリーブ処理などを
    施すデイジタル信号処理回路(35)と、該デイジタル信
    号処理回路(35)からの出力信号に含まれる高域成分を
    除去する低域通過フイルタ(36)と、該低域通過フイオ
    ルタ(36)からの出力信号であるPCM音声信号により前
    記第2の搬送波を振幅変調して前記第2の信号を得る変
    調器(38)と、該変調器(38)からの出力信号としての
    前記第2の信号と前記第1の信号とを加算することによ
    り多重して出力する加算器(39)と、を具備したことを
    特徴とする送信装置。
  3. 【請求項3】第1の搬送波を映像信号で振幅変調して得
    られる第1の信号と、前記第1の搬送波に対して位相が
    90度ずれている第2の搬送波をPCM音声信号で振幅変調
    して得られる第2の信号と、を多重して伝送し、かつ前
    記映像信号の垂直帰線期間を構成する複数の水平走査期
    間の内、或る任意特定の水平走査期間を除く他の期間に
    おいて前記PCM音声信号を多重する形で、前記第1の信
    号と第2の信号を多重し、前記特定の水平走査期間に
    は、ゴースト検出のための基準信号を多重して伝送され
    てくる多重信号の受信装置において、 受信された該多重信号を復調して中間周波に変換する周
    波数変換回路(3)と、該周波数変換回路(3)からの
    出力信号における残留側波帯内の両側波帯を有する帯域
    の範囲内を通過させる帯域通過フイルタ(13)と、該帯
    域通過フイルタ(13)の出力信号から前記第1の搬送波
    に同期した再生用の搬送波成分を得る搬送波再生回路
    (15)と、 該搬送波再生回路(15)の出力信号を90度移相する90度
    移相器(203)と、前記90度移相器(203)の出力信号で
    前記帯域通過フイルタ(13)の出力信号を同期検波する
    第1の同期検波回路(14)と、前記搬送波再生回路(1
    5)の出力信号で前記帯域通過フイルタ(13)の出力信
    号を同期検波して映像信号を出力する第2の同期検波回
    路(202)と、 前記第1の同期検波回路(14)の出力信号及び前記第2
    の同期検波回路(202)で検波された映像信号が入力さ
    れて、前記第1の同期検波回路(14)の出力信号である
    デイジタルPCM音声信号に付加されているゴースト成分
    を除去するゴースト除去回路(201)と、該ゴースト除
    去回路(201)の出力信号から伝送クロックを抽出する
    クロック再生回路(17)と、 該クロック再生回路(17)の出力であるクロックを用い
    て前記ゴースト除去回路(201)からの出力信号の符号
    識別を行う符号識別回路(16)と、該符号識別回路(1
    6)の出力信号についてその誤り訂正等を行うデイジタ
    ル信号処理回路(18)と、該デイジタル信号処理回路
    (18)の出力信号をデイジタル・アナログ変換するデイ
    ジタル・アナログ変換回路(19)と、を具備したことを
    特徴とする受信装置。
  4. 【請求項4】特許請求の範囲第3項記載の受信装置にお
    いて、前記ゴースト除去回路(201)は、前記第2の同
    期検波回路(202)で検波された映像信号が供給される
    第1のトランスバーサルフイルタ(210)と、該第1の
    トランスバーサルフイルタ(210)の出力信号を前記第
    1の同期検波回路(14)の出力信号より減算する第1の
    減算回路(214)と、 該第1の減算回路(214)の出力信号に付加されている
    前記映像信号のゴーストを検出し、それによって前記第
    1のトランスバーサルフイルタ(210)の係数を制御し
    て前記第1の減算回路(214)の出力信号に付加されて
    いる前記映像信号のゴーストを除去する第1のゴースト
    検出回路(212)と、 前記第1の減算回路(214)の出力信号が供給される第
    2のトランスバーサルフイルタ(211)と、該第2のト
    ランスバーサルフイルタ(211)の出力信号を前記第1
    の減算回路(214)の出力信号より減算する第2の減算
    回路(215)と、 該第2の減算回路(215)の出力信号に付加されている
    前記PCM音声信号のゴーストを検出し、それによって前
    記第2のトランスバーサルフイルタ(211)の係数を制
    御して前記第2の減算回路(215)の出力信号に付加さ
    れている前記PCM音声信号のゴーストを除去する第2の
    ゴースト検出回路(213)と、を具備し、 前記第1のゴースト検出回路(212)では、前記映像信
    号の垂直帰線期間を構成する複数の水平走査期間の内、
    任意特定の前記水平走査期間に多重されている基準信号
    に基づいてゴーストを検出することを特徴とする受信装
    置。
  5. 【請求項5】特許請求の範囲第3項記載の受信装置にお
    いて、前記ゴースト除去回路(201)は、前記第2の同
    期検波回路(202)で検波された映像信号が供給される
    第3のトランスバーサルフイルタ(220)と、該第3の
    トランスバーサルフイルタ(220)の出力信号を前記第
    2の同期検波回路(202)の出力信号より減算する第3
    の減算回路(222)と、 該第3の減算回路(222)の出力信号に付加されている
    前記映像信号のゴーストを検出し、それによって前記第
    3のトランスバーサルフイルタ(220)の係数を制御し
    て前記第3の減算回路(222)の出力信号に付加されて
    いる前記映像信号のゴーストを除去する第3のゴースト
    検出回路(221)と、 前記第3の減算回路(222)の出力信号が供給される第
    1のトランスバーサルフイルタ(210)と、該第1のト
    ランスバーサルフイルタ(210)の出力信号を前記第1
    の同期検波回路(14)の出力信号より減算する第1の減
    算回路(214)と、 該第1の減算回路(214)の出力信号に付加されている
    前記映像信号のゴーストを検出し、それによって前記第
    1のトランスバーサルフイルタ(210)の係数を制御し
    て前記第1の減算回路(214)の出力信号に付加されて
    いる前記映像信号のゴーストを除去する第1のゴースト
    検出回路(212)と、 前記第1の減算回路(214)の出力信号が供給される第
    2のトランスバーサルフイルタ(211)と、該第2のト
    ランスバーサルフイルタ(211)の出力信号を前記第1
    の減算回路(214)の出力信号より減算する第2の減算
    回路(215)と、 該第2の減算回路(215)の出力信号に付加されている
    前記PCM音声信号のゴーストを検出し、それによって前
    記第2のトランスバーサルフイルタ(211)の係数を制
    御して前記第2の減算回路(215)の出力信号に付加さ
    れている前記PCM音声信号のゴーストを除去する第2の
    ゴースト検出回路(213)と、を具備し、 前記第3のゴースト検出回路(221)では、前記映像信
    号の垂直帰線期間を構成する複数の水平走査期間の内、
    任意特定の前記水平走査期間に多重されている基準信号
    に基づいてゴーストを検出することを特徴とする受信装
    置。
JP62110475A 1987-05-08 1987-05-08 多重伝送方法およびそのための送受信装置 Expired - Lifetime JP2575385B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP62110475A JP2575385B2 (ja) 1987-05-08 1987-05-08 多重伝送方法およびそのための送受信装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP62110475A JP2575385B2 (ja) 1987-05-08 1987-05-08 多重伝送方法およびそのための送受信装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS63276391A JPS63276391A (ja) 1988-11-14
JP2575385B2 true JP2575385B2 (ja) 1997-01-22

Family

ID=14536652

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP62110475A Expired - Lifetime JP2575385B2 (ja) 1987-05-08 1987-05-08 多重伝送方法およびそのための送受信装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2575385B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JPS63276391A (ja) 1988-11-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR970003479B1 (ko) 엔티에스씨(ntsc) 공통 채널 혼신이 감소된 브이에스비 에이치디티브이(vsb hdtv) 전송 시스템
US5121203A (en) HDTV transmission system with reduced NTSC CO-channel interference
US4882725A (en) Multiplex transmission method and apparatus
JPH01120189A (ja) 高精細度画像放送方式
US5258838A (en) HDTV transmission system with reduced NTSC co-channel interference
JP2575385B2 (ja) 多重伝送方法およびそのための送受信装置
EP0340460A2 (en) Transmitter and receiver for television signals
JPH0761147B2 (ja) 伝送信号再生装置
JPS6346084A (ja) テレビジヨン信号の伝送方式
JP2821116B2 (ja) 伝送信号送信方法および装置
JP2702912B2 (ja) 伝送信号送信方法および装置
JP2723889B2 (ja) 多重信号送信方法およびその多重信号発生装置
JPH07105941B2 (ja) 伝送信号伝送方法ならびに伝送信号伝送装置
JP2529948B2 (ja) 画像信号伝送システム
JP2976922B2 (ja) 伝送信号受信装置
JPH07105774B2 (ja) 伝送信号再生装置
JPS60149279A (ja) テレビジヨン信号処理方法及びテレビジヨン伝送システム
JPH0761146B2 (ja) 伝送信号再生装置
JP2976921B2 (ja) 伝送信号受信装置
JP3070506B2 (ja) 多重信号再生装置及び多重信号伝送方法並びに多重信号伝送装置
JPH06303629A (ja) 多重信号処理装置
JPH07105940B2 (ja) 伝送信号再生方法ならびに伝送信号再生装置
JPH0564169A (ja) 直交多重変調受信装置
JPH0226188A (ja) 多重伝送信号再生装置
JPH11308598A (ja) スクランブル装置