JP2574838B2 - Alのスパッタエッチング装置 - Google Patents

Alのスパッタエッチング装置

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JP2574838B2
JP2574838B2 JP63006863A JP686388A JP2574838B2 JP 2574838 B2 JP2574838 B2 JP 2574838B2 JP 63006863 A JP63006863 A JP 63006863A JP 686388 A JP686388 A JP 686388A JP 2574838 B2 JP2574838 B2 JP 2574838B2
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豊 掛樋
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武 小山田
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はスパッタエッチング装置に係り、特に低い圧
力下で処理するものに好適なスパッタエッチング装置に
関するものである。
〔従来の技術〕
従来の装置は、特開昭57−155384号に記載のように、
高周波電極と対向電極とを真空室内に互いに平行して配
置し、ガス導入孔より導入されたガスをイオン化して試
料表面をスパッタエッチングする平行平板型高周波スパ
ッタエッチング装置において、接地電位に対し正の電位
を有し、かつ、ガス導入孔を有する導入陽電極を設けた
ものがあった。
〔発明が解決しようとする課題〕
上記従来技術は、磁界の作用を利用して低い圧力下で
プラズマを発生させる場合については配慮されておら
ず、高周波電極と対向電極との間に生じる放電中の電子
が導入陽電極に素早く流れ、放電中の電子に磁界の作用
があまり寄与せず、強いプラズマを発生させることがで
きないという問題があった。
本発明の目的は、磁界の作用を充分利用してプラズマ
密度を高くし処理速度の高いAlのスパッタエッチング装
置を提供することにある。
〔課題を解決するための手段〕
上記目的は、電磁界の作用を利用して試料上部に発生
させたプラズマ中の電子に反撥力を付寄する手段を設け
ることにより、達成される。
〔作用〕
プラズマの空間中の電子が反試料側に流れるのを防止
し、プラズマの空間中に電子を反撥させて保有させるこ
とで、電子に磁界の作用を充分寄与させることができ、
プラズマ密度を高くすることができる。これにより、プ
ラズマ処理の処理速度を高くすることができる。
〔実 施 例〕
以下、本発明の一実施例を第1図から第4図により説
明する。
第1図はプラズマエッチング装置である磁界併用型ス
パッタエッチング装置を示したものである。処理容器1
はガス導入口7と排気口8を有し、この場合、アルゴン
ガスを導入すると同時に排気を行うことによって定常の
低圧雰囲気に保持される。
反応容器1は直流的にアースに接続されている。ウェ
ハ12を載置するカソード電極3はカップリングキャパシ
タ4、マッチングボックス5を介してプラズマ発生用の
高周波電源6に接続されている。カソード電極3は絶縁
材でできた支持材11によって反応容器1に取り付けられ
ている。カソード電極3の対向面には絶縁体2が設けて
あり、処理容器1の上部開口部を密封するように取り付
けてある。絶縁体2は直流的にはアースと絶縁されてい
る。絶縁体2の裏面(図の上側)には放電空間、すなわ
ち、ウェハ12の上部空間に磁場を導入するための磁石要
素9と、それを回転させるモータ10が設置されている。
このように構成された装置により、高周波電源6によ
ってカソード3に高周波電圧を印加するとカソード3と
処理容器1との間で放電が開始され、ウェハ12上部に放
電が広がり、ウェハ12の上部空間には磁石要素9の発生
する磁界の作用によって強いプラズマが形成される。発
生したプラズマは処理容器1がアースに接続されている
ため、ほぼアース電位に保持される。一方、カソード電
極3はカップリングシャパシター4によって直流的に負
の電位となり、プラズマとの間にイオンシースができて
大きな電位差(自己バイアス電圧)が発生する。絶縁体
2はプラズマからの高速電子、すなわち、カソード電極
3の面に対して直角方向に飛び出しイオンシースを通加
した電子によってチャージアップし、プラズマに対して
負電位となり、プラズマ中の電子を反撥して絶縁体2側
に流れ込むのを防ぎ、プラズマ中に多くの電子を浮遊さ
せ、磁界の作用を受けてプラズマは高密度に保たれる。
例えば、高周波電極400W、アルゴン圧力5mTorr(0.7P
a)でシリコン酸化膜をスパッタエッチングしたら、こ
の場合、エッチング速度は100nm/min、自己バイアス電
圧を−300Vであった。ところが、絶縁体2を従来のよう
にアノード電極にして導体としアースに接続した場合
は、アノード電極とプラズマの電位差は1/10程度に小さ
くなってしまいプラズマ中から電子がアノード電極に流
れ、プラズマ中の電子の密度が低下するので、この場
合、上記と同じ条件でスパッタエッチングを行なうとエ
ッチング速度は40nm/minとなって処理速度が低下する。
なお、このときの自己バイアス電圧は−600Vであった。
また、アルミニウム等の導体をスパッタエッチングし
た場合には、ウェハ12のアルミニウムがスパッタされ絶
縁体2の表面にウェハ12の形状と相似の円板状のアルミ
ニウム膜が形成され、絶縁体2が電気的にフローティン
グ状態に保たれていても円板状のアルミニウム膜の端部
に電子がチャージし、ウェハ12の上方中央部の空間での
プラズマ密度が低下するとともに、ウェハ12に対するエ
ッチング速度分布が周辺部で高くなるという現象が生じ
た。この場合は絶縁体2の表面に第2図および第3図に
示すようにオーバーハングをつけた溝23を形成したアル
ミニウムが付着しても不連続となるようにし、電子のチ
ャージを各部分に保持させることによって、高密度のプ
ラズマを保持させることができる。
この場合の絶縁板2はアルミナの平板21と同じくアル
ミナでなる複数の凸形リング22とにより構成されてお
り、凸形リング22は凸側を平板21側に向けて平板21の溝
内に押し込んで固定してある。このような凸形リング22
と平板21の溝加工はアルミナの素材の間に行なえば容易
に行なえ、凸形リング22を平板21に設けた溝に差し込ん
で後焼結することによって固定できる。また、接着強度
が必要な場合にはアルミナを主体とした接触剤を用いて
行なえば良い。プラズマに対する耐熱性は全く問題がな
く、500℃程度の加熱も可能である。
また、この場合は、平板21を溝付としたが、溝を付け
ずに凸形リング22を接着,固定しても良い。
なお、これによればシリコン酸化膜をスパッタエッチ
ングしたとき先の条件と同条件でアルミニウムをスパッ
タエッチングしたら、スパッタ速度および自己バイアス
電圧ともシリコン酸化膜のときと同等であった。
また、この場合は、絶縁板2をアルミナの平板21およ
び凸形リング22で形成したが、第4図に示すように構成
しても同様の効果がある。
第4図による絶縁板2は石英板24とレジスト(マスク
材)25から構成されており、マスク材25のパターン溝26
の裏側で石英板24がマスク材25の底部をえぐるように等
方的なウェットエッチされている。これにより、エッチ
溝27内にはスパッタされた金属粒子が付着しない陰の部
分が形成されている。
なお、本一実施例では絶縁板2全体が絶縁物で形成し
てあるものについて述べたが、内部にアースされた導体
が入っていても良い。なお、このときは、少なくとも放
電空間に接する面の導体は完全に絶縁物で被覆してある
ことが必要である。
また、本一実施例ではカソード電極3の回りに接地さ
れた処理容器1の側壁があるが、別に接地したアース電
極をカソード電極の回りに設けても良い。
次に、本発明の他の実施例を第5図および第6図によ
り説明する。
第5図において第1図と同符号は同一部材を示す。本
図が第1図と異なる点は、絶縁体2の代わりに絶縁物で
できた支持材13を介してアノード電極14を処理容器1に
取り付け、アノード電極14に負の電位を与える直流電源
15が接続してある点である。
このように構成された装置により、この場合、ウェハ
12にシリコン酸化膜上にアルミニウムを膜付けしたもの
を用い、高周波電源6によってカソード電極3に高周波
電圧を印加するカソード電極3と処理容器1との間で放
電が開始され、ウェハ12上部に放電が広がり、ウェハ12
と上部空間には磁石要素9の発生する磁界の作用によっ
て強いプラズマが形成される。発生したプラズマは処理
容器1がアースに接続されているためほぼアース電位が
保持される。一方、カソード電極3はカップリングキャ
パシタ4によって直流的に負電位となり、プラズマとの
間に大きな電位差(自己バイアス電圧)を発生し、イオ
ンシースを形成する。
一方、アノード電極14は直流電源15によって負電位に
保ち、プラズマからの高速電子、すなわち、カソード電
極3の面に対して直角方向に飛び出しイオンシースを通
過した電子を反撥してアノード電極14側に流れ込むのを
防いでいるので、アノード電極14をアースに接続した従
来の場合に比較してアノード電極14部に大きなイオンシ
ースが形成される。この二つのシースによって電子は放
電空間に保持されるとともに磁界の作用を受けて高密度
のプラズマが形成される。
第6図は高周波電力400W、アルゴン圧力5mTorr(0.7P
a)でアルミニウム膜をエッチングした場合の、エッチ
ング速度と自己バイアス電圧の、アノード電極に印加す
る直流電圧に対する依存性を示したものである。直流印
加電圧の絶対値を100V以下の範囲で増加させることによ
りエッチング速度は直流印加電圧を付与しない従来のも
のに比べ2〜3倍に増加する。このとき、カソード電極
3の自己バイアス電圧は大きく低下している。
なお、この場合はアノード電極14は導体で形成される
ので、アルミニウム膜をスパッタエッチングするときで
も前記一実施例のように溝を付ける必要はない。
以上、本実施例によれば、前記一実施例と同様の効果
がある。特に被エッチング材料が金属材料の場合に好適
である。
〔発明の効果〕
本発明によれば、磁界の作用を充分利用してプラズマ
密度を高くできるので、Alのスパッタエッチングを高速
処理できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例であるプラズマエッチング装
置を示す縦断面図、第2図は第1図をA−Aから見た絶
縁板の平面図、第3図は第2図をBから見た断面図、第
4図は第3図とは別の例を示す断面図、第5図は本発明
の他の実施例であるプラズマエッチング装置を示す縦断
面図、第6図は第5図の装置を用いて実験したときのエ
ッチング速度と電圧の関係を示す図である。 1……処理容器、2……絶縁体、3……カソード電極、
6……高周波電源、9……磁石要素、14……アノード電
極、15……直流電源
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小山田 武 群馬県高崎市西横手町111番地 株式会 社日立製作所高崎工場内 (72)発明者 西島 光 群馬県高崎市西横手町111番地 株式会 社日立製作所高崎工場内 (56)参考文献 特開 昭62−61331(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】Al試料を載置するカソード電極と、該カソ
    ード電極を囲み電気的に接地された電極と、前記Al試料
    が載置されたカソード電極に対向して設けられ前記Al試
    料の対向面に内部が広がった空間を有する溝を設けた絶
    縁体と、該絶縁体と前記カソード電極との間に磁界を付
    与する磁石要素とを具備し、該磁石要素の発生する電磁
    界の作用を利用して前記Al試料の上部にプラズマを発生
    させて試料の処理を行なうことを特徴とするAlのスパッ
    タエッチング装置。
JP63006863A 1988-01-18 1988-01-18 Alのスパッタエッチング装置 Expired - Lifetime JP2574838B2 (ja)

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