JP2572631B2 - 植物病害用防除菌及びそれによる植物病害の防除方法 - Google Patents
植物病害用防除菌及びそれによる植物病害の防除方法Info
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- JP2572631B2 JP2572631B2 JP63129130A JP12913088A JP2572631B2 JP 2572631 B2 JP2572631 B2 JP 2572631B2 JP 63129130 A JP63129130 A JP 63129130A JP 12913088 A JP12913088 A JP 12913088A JP 2572631 B2 JP2572631 B2 JP 2572631B2
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Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は，植物病害の防除に有効性を持つ防除菌
と，この防除菌を使用して植物病害を防除する方法，詳
しくは従来から植物に対する有害菌として知られている
バーティシリウム・ダーリエの防除に有効な非病原性の
防除菌及びそれによる防除方法に関するものである。
と，この防除菌を使用して植物病害を防除する方法，詳
しくは従来から植物に対する有害菌として知られている
バーティシリウム・ダーリエの防除に有効な非病原性の
防除菌及びそれによる防除方法に関するものである。
バーティシリウム・ダーリエ（Verticillium dahlia
e）は各種植物に病気を起こす糸状菌で，このバーティ
シリウム・ダーリエは世界的に分布している。
e）は各種植物に病気を起こす糸状菌で，このバーティ
シリウム・ダーリエは世界的に分布している。
日本でもエダマメ，トマト，ナス，ピーマン，ウド，
ハクサイ等の各種作物で，このバーティシリウム・ダー
リエ菌による病害が発生し，農業上の大きな生産阻害要
因になっている。
ハクサイ等の各種作物で，このバーティシリウム・ダー
リエ菌による病害が発生し，農業上の大きな生産阻害要
因になっている。
かゝるバーティシリウム病の病害の排除については，
従来はクロルピクリン剤等によって土壌を消毒すること
が一般的に行われているが，一方では非寄主作物との輪
作等の処理により，その被害を最小限度に食い止める努
力がなされている。
従来はクロルピクリン剤等によって土壌を消毒すること
が一般的に行われているが，一方では非寄主作物との輪
作等の処理により，その被害を最小限度に食い止める努
力がなされている。
〔発明が解決しようとする課題〕 前記クロルピクリン剤等の薬剤による土壌の消毒は，
この薬剤を大量に使用することによる処理費用の増大，
及び消毒作業に多大の労力を必要とすることに加えて，
人畜に対する毒性の点で大きな問題を抱えており，特に
住宅地周辺等ではかゝる殺菌剤の使用を制限することも
行われている。
この薬剤を大量に使用することによる処理費用の増大，
及び消毒作業に多大の労力を必要とすることに加えて，
人畜に対する毒性の点で大きな問題を抱えており，特に
住宅地周辺等ではかゝる殺菌剤の使用を制限することも
行われている。
一方，輪作による処置も農業経営上，代替作物選定の
困難性等の問題が多く，これらに代わるべき安全かつ実
施容易な防除方法の開発が待望されているものである。
困難性等の問題が多く，これらに代わるべき安全かつ実
施容易な防除方法の開発が待望されているものである。
この発明の発明者らは，かゝる現況において，前記薬
剤消毒に代わるべき手段として，ダイズの植物組織から
各種の微生物を分離し，この病害の防除に有効な微生物
を鋭意探索し，その結果，フザリウム属に属する特定の
菌株が著効を奏することを見出すと共に，これによる防
除方法を確立するに至った。
剤消毒に代わるべき手段として，ダイズの植物組織から
各種の微生物を分離し，この病害の防除に有効な微生物
を鋭意探索し，その結果，フザリウム属に属する特定の
菌株が著効を奏することを見出すと共に，これによる防
除方法を確立するに至った。
この発明における請求項１の発明は，バーティシリウ
ム・ダーリエ菌に起因する植物病害に対し有効な性質を
有する非病原性フザリウム菌であるＦ−４菌（微工研菌
寄第9976号）からなることを特徴とする植物病害用防除
菌である。
ム・ダーリエ菌に起因する植物病害に対し有効な性質を
有する非病原性フザリウム菌であるＦ−４菌（微工研菌
寄第9976号）からなることを特徴とする植物病害用防除
菌である。
また，請求項２の発明は，請求項１記載の非病原性フ
ザリウム菌であるＦ−４菌（微工研菌寄第9976号）の培
養菌液に、植物の根部を浸漬して土壌に植え付けること
を特徴とする植物病害の防除方法である。
ザリウム菌であるＦ−４菌（微工研菌寄第9976号）の培
養菌液に、植物の根部を浸漬して土壌に植え付けること
を特徴とする植物病害の防除方法である。
この発明の非病原性フザリウム菌からなる防除菌（以
下,F−４菌と略称する。）は，群馬県利根郡利根村のエ
ダマメ圃場より任意に採取したエダマメの茎の内部組織
から，無菌的に組織片を取出し，組織中に存在している
各種微生物を分離して得られたものである。
下,F−４菌と略称する。）は，群馬県利根郡利根村のエ
ダマメ圃場より任意に採取したエダマメの茎の内部組織
から，無菌的に組織片を取出し，組織中に存在している
各種微生物を分離して得られたものである。
このＦ−４菌は，下記〜に記載した性質を有する
菌学的性質を有するフザリウム属に属する糸状菌で，昭
和63年３月30日に工業技術院に受託（微工研菌寄第9976
号・FERM Ｐ−9976）された。
菌学的性質を有するフザリウム属に属する糸状菌で，昭
和63年３月30日に工業技術院に受託（微工研菌寄第9976
号・FERM Ｐ−9976）された。
形態的性質 楕円または卵形の小型分生胞子を擬頭状に短担子梗
（隔膜なし）の先端に形成する。
（隔膜なし）の先端に形成する。
小型分生胞子はＯ隔膜で，大きさは2.5〜3.0×5.0〜1
0.0μｍ（平均2.8×7.5μｍ）である。
0.0μｍ（平均2.8×7.5μｍ）である。
大型分生胞子の大きさは,1隔膜の胞子は3.0〜4.5×1
3.8〜22.5μｍ（平均3.5×17.3μｍ）,2隔膜の胞子は3.
0〜4.5×18.8〜35.0μｍ（平均4.0×25.3μｍ）,3隔膜
の胞子は3.0〜4.5×32.5〜47.5μｍ（平均4.3×40.0μ
ｍ）,4隔膜の胞子は4.0〜4.8×38.8〜50.0μｍ（平均4.
5×44.5μｍ）で,3隔膜の胞子が主体である。
3.8〜22.5μｍ（平均3.5×17.3μｍ）,2隔膜の胞子は3.
0〜4.5×18.8〜35.0μｍ（平均4.0×25.3μｍ）,3隔膜
の胞子は3.0〜4.5×32.5〜47.5μｍ（平均4.3×40.0μ
ｍ）,4隔膜の胞子は4.0〜4.8×38.8〜50.0μｍ（平均4.
5×44.5μｍ）で,3隔膜の胞子が主体である。
各種培地における性質 PSA培地（ジャガイモ200gの煎汁液，水1,000ml,ショ
糖10g,寒天15g）上での成育は良好で，菌糸の伸長は早
く，気中菌糸は綿毛状で，培養子座は軟質で，淡青紫色
の色素を産生する。
糖10g,寒天15g）上での成育は良好で，菌糸の伸長は早
く，気中菌糸は綿毛状で，培養子座は軟質で，淡青紫色
の色素を産生する。
ツァペック培地（NaNO3 2g,MgSO4・7H2O 0.5g,KCl 0.
5g,K2HPO4 1g,FeSO4・7H2O 10mg,ショ糖30g,PCNB 75mg,
水1,000ml,寒天15g）上での生育は良好で，菌糸の伸長
は早く，気中菌糸は綿毛状で，放射状に伸び，培養子座
は軟質で，色素は産生しない。
5g,K2HPO4 1g,FeSO4・7H2O 10mg,ショ糖30g,PCNB 75mg,
水1,000ml,寒天15g）上での生育は良好で，菌糸の伸長
は早く，気中菌糸は綿毛状で，放射状に伸び，培養子座
は軟質で，色素は産生しない。
生理学的性質 Ｆ−４菌は好気性であって，生育しうる条件は,pH5.0
〜8.0,より好ましくはpH6.5,温度５〜35℃で，最適温度
は28℃付近である。
〜8.0,より好ましくはpH6.5,温度５〜35℃で，最適温度
は28℃付近である。
防除可能な植物病害 バーティシリウム・ダーリエに起因するエダマメ萎ち
ょう病，ピーマン半身萎ちょう病，ナス半身萎ちょう病
の防除に特に有効に作用する。
ょう病，ピーマン半身萎ちょう病，ナス半身萎ちょう病
の防除に特に有効に作用する。
前記の菌学的性質から糸状菌の中のフザリウム属に属
する菌であることが明らかである。
する菌であることが明らかである。
このＦ−４菌は，通常の糸状菌が利用しうる栄養源を
含有した培地で培養することができ，かゝる培地として
は，ショ糖を加用したジャガイモ煎汁培地等で容易に培
養することができ，培養に好適な温度は25〜30℃であ
る。
含有した培地で培養することができ，かゝる培地として
は，ショ糖を加用したジャガイモ煎汁培地等で容易に培
養することができ，培養に好適な温度は25〜30℃であ
る。
また，培養法は，振とう培養，平板培養等でよく，振
とう培養では７日間程度で菌濃度が最高になる。
とう培養では７日間程度で菌濃度が最高になる。
このようにして培養したこの発明のＦ−４菌を利用し
てバーティシリウム・ダーリエに起因する各種植物の妨
害を防除することができる。
てバーティシリウム・ダーリエに起因する各種植物の妨
害を防除することができる。
すなわち，例えば培養したＦ−４菌を水に懸濁し，一
定期間育成した植物の苗の根部をこの懸濁液の中に一定
時間浸漬し，その後植物を土壌に植え付けることによっ
て，優れた防除効果を発揮するものである。
定期間育成した植物の苗の根部をこの懸濁液の中に一定
時間浸漬し，その後植物を土壌に植え付けることによっ
て，優れた防除効果を発揮するものである。
かゝるＦ−４菌の使用量は，対象となる植物の種類
や，土壌の殺菌の有無，植物苗の根部の浸漬時間,F−４
菌以外の添加剤の使用の有無等によって相違するので，
一概には規定し難いが，懸濁液中のＦ−４菌の胞子数
（個/ml）として概ね107〜108個/mlの範囲が適当であ
る。
や，土壌の殺菌の有無，植物苗の根部の浸漬時間,F−４
菌以外の添加剤の使用の有無等によって相違するので，
一概には規定し難いが，懸濁液中のＦ−４菌の胞子数
（個/ml）として概ね107〜108個/mlの範囲が適当であ
る。
このＦ−４菌の適用が可能な対象病害植物としては，
バーティシリウム・ダーリエによって侵される各種の病
害植物に幅広く適用することができるが，中でもエダマ
メ萎ちょう病，ピーマン半身萎ちょう病，ナス半身萎ち
ょう病等に対して著効を認めることができる。
バーティシリウム・ダーリエによって侵される各種の病
害植物に幅広く適用することができるが，中でもエダマ
メ萎ちょう病，ピーマン半身萎ちょう病，ナス半身萎ち
ょう病等に対して著効を認めることができる。
植物が病原菌に感染するに先立って，他の微生物の感
染を受けると，当該植物の病害に対する抵抗性が増加す
る現象は，交叉防御（cross−protection）あるいは誘
導抵抗性（induced immunity）などといわれ、これによ
る植物病害の防除の試みも検討されている。
染を受けると，当該植物の病害に対する抵抗性が増加す
る現象は，交叉防御（cross−protection）あるいは誘
導抵抗性（induced immunity）などといわれ、これによ
る植物病害の防除の試みも検討されている。
しかしながら、いずれも室内規模による実験の域を出
ず，圃場における応用例に乏しく，実用化に成功した例
は殆どない。
ず，圃場における応用例に乏しく，実用化に成功した例
は殆どない。
この発明の防除菌もかゝる交叉防御あるいは誘導抵抗
性を利用するものであるが，フザリウム菌の中から選択
した特定の菌種である前記Ｆ−４菌を使用することによ
って，バーティシリウム・ダーリエに起因する植物病害
の防除を有効に行うことができるものである。
性を利用するものであるが，フザリウム菌の中から選択
した特定の菌種である前記Ｆ−４菌を使用することによ
って，バーティシリウム・ダーリエに起因する植物病害
の防除を有効に行うことができるものである。
かゝるＦ−４菌の病害防除効果の発現の作用について
は，恐らくは，このＦ−４菌を植物の根に前接種するこ
とによって，植物体にバーティシリウム・ダーリエに対
する抵抗性が誘導され，その結果，病原菌の根からの侵
入を阻止するものと推測される。
は，恐らくは，このＦ−４菌を植物の根に前接種するこ
とによって，植物体にバーティシリウム・ダーリエに対
する抵抗性が誘導され，その結果，病原菌の根からの侵
入を阻止するものと推測される。
以下，実施例を掲げてこの発明をより具体的に説明す
る。
る。
実施例１ 群馬県利根郡利根村のエダマメ圃場において任意に採
取したエダマメの茎の内部組織から，無菌的に組織片を
取出し，組織中に存在している各種微生物を分離した。
取したエダマメの茎の内部組織から，無菌的に組織片を
取出し，組織中に存在している各種微生物を分離した。
微生物の分離には，変法エタノール・ツァペック培地
（NaNO3 2g,MgSO4・7H2O 0.5g,KCl 0.5g,K2HPO4 1g,FeS
O4・7H2O 10mg,ショ糖7.5g,PCNB 75mg,ストレプトマイ
シン100g,ポリオキシンAL 50mg,クロラムフェニコール2
50mg,エタノール5g,ブラストサイジンS 0.25ml,水1,000
ml,寒天15gからなる培地）を用い,10〜14日間，温度25
℃で培養後，培地上に出現したコロニーをPSA培地（ジ
ャガイモ200gの煎汁液，水1,000ml,ショ糖10g及び寒天1
5gからなる培地）の入った試験管に菌を移植した。
（NaNO3 2g,MgSO4・7H2O 0.5g,KCl 0.5g,K2HPO4 1g,FeS
O4・7H2O 10mg,ショ糖7.5g,PCNB 75mg,ストレプトマイ
シン100g,ポリオキシンAL 50mg,クロラムフェニコール2
50mg,エタノール5g,ブラストサイジンS 0.25ml,水1,000
ml,寒天15gからなる培地）を用い,10〜14日間，温度25
℃で培養後，培地上に出現したコロニーをPSA培地（ジ
ャガイモ200gの煎汁液，水1,000ml,ショ糖10g及び寒天1
5gからなる培地）の入った試験管に菌を移植した。
分離した各種の微生物は，それぞれPS培地（ジャガイ
モ200gの煎汁液，水1,000ml,ショ糖10gからなる培地）
で振とう培養した。
モ200gの煎汁液，水1,000ml,ショ糖10gからなる培地）
で振とう培養した。
かくて得た培養物について，形態的性質，各種培地に
おける生育状態，及び生理学的性質等を検討し，既述の
とおりの結果を得た。これにより，この培養物の主体と
なる菌は，フザリウム（Fusarium）属に属する非病原性
フザリウム菌（Fusarium oxysporum）と同定された。
おける生育状態，及び生理学的性質等を検討し，既述の
とおりの結果を得た。これにより，この培養物の主体と
なる菌は，フザリウム（Fusarium）属に属する非病原性
フザリウム菌（Fusarium oxysporum）と同定された。
実施例２ ショ糖を1.7％加用したジャガイモ煎汁液体培地を使
用し，この培地100mlを含む500ml容振とう培養用フラス
コを，温度120℃で30分間滅菌後,F−４菌の斜面培養の
１白金耳を接種し，温度25℃で４日間振とう培養した。
用し，この培地100mlを含む500ml容振とう培養用フラス
コを，温度120℃で30分間滅菌後,F−４菌の斜面培養の
１白金耳を接種し，温度25℃で４日間振とう培養した。
この培養液の胞子数108個/mlのものを原液とし，この
原液及びこれを水で10倍（胞子数107個/ml）,100倍（胞
子数106個/ml）,1,000倍（胞子数105個/ml）にそれぞれ
希釈して防除用の菌液を調整した。
原液及びこれを水で10倍（胞子数107個/ml）,100倍（胞
子数106個/ml）,1,000倍（胞子数105個/ml）にそれぞれ
希釈して防除用の菌液を調整した。
これらの防除用菌液に播種後10日間経過したエダマメ
（ユキムスメ）の苗の根部を１時間浸漬し，ついでこれ
をエダマメに特異的に強い病原性を有するバーティシリ
ウム・ダーリエ（エダマメ萎ちょう病菌）を含んだ土壌
に植え付けた。
（ユキムスメ）の苗の根部を１時間浸漬し，ついでこれ
をエダマメに特異的に強い病原性を有するバーティシリ
ウム・ダーリエ（エダマメ萎ちょう病菌）を含んだ土壌
に植え付けた。
この植え付け後，約２ヶ月経過した後に，エダマメの
発病状況を調査し,F−４菌の防除効果を判定した。
発病状況を調査し,F−４菌の防除効果を判定した。
その結果を第１表に示す。
この第１表によれば,F−４菌の振とう培養菌液の胞子
数108個/ml（原液）及び107個/ml（10倍希釈液）は，エ
ダマメ萎ちょう病に対して，特に高い防除効果が認めら
れ，その結果として,1株当りの莢数，莢重の顕著な増加
を認めることができた。
数108個/ml（原液）及び107個/ml（10倍希釈液）は，エ
ダマメ萎ちょう病に対して，特に高い防除効果が認めら
れ，その結果として,1株当りの莢数，莢重の顕著な増加
を認めることができた。
なお，試験には１処理当たり９個体の植物を用いた。
（註）第１表における発病度は下式によって算出したも
のである（以下同じ） 階級値は，下記の評価によるものである。
のである（以下同じ） 階級値は，下記の評価によるものである。
0:全く萎ちょうしていない健全な株 1:下葉のみ萎ちょうしている株 2:中葉まで萎ちょうしている株 3:上位葉まで萎ちょうしている株または枯死株 実施例３ 実施例１と同様にして培養したＦ−４菌の原液（胞子
数108個/ml）を防除用の菌液として使用した。
数108個/ml）を防除用の菌液として使用した。
この防除用の菌体に播種後35日間経過したナス及びピ
ーマンの苗の根部を１時間浸漬して，ナス及びピーマン
に特異的に強い病原性を有するバーティシリウム・ダー
リエ（ナス半身萎ちょう病菌及びピーマン半身萎ちょう
病菌）を含んだ土壌に植え付けた。
ーマンの苗の根部を１時間浸漬して，ナス及びピーマン
に特異的に強い病原性を有するバーティシリウム・ダー
リエ（ナス半身萎ちょう病菌及びピーマン半身萎ちょう
病菌）を含んだ土壌に植え付けた。
その後，約２ヵ月を経過した時点で，植え付けたナス
及びピーマンの発病状況を調査し,F−４菌の防除効果を
判定した。
及びピーマンの発病状況を調査し,F−４菌の防除効果を
判定した。
その結果を第２表に示す。
この第２表において,F−４菌による無処理区ではナス
半身萎ちょう病，ピーマン半身萎ちょう病が共に100％
の発病株率に達しているが,F−４菌で処理した区では，
ナスでほぼ1/2,ピーマンでほぼ1/7〜1/8の発病株率に抑
制され，発病度もナスで1/3,ピーマンでほぼ1/7〜1/8と
なった。
半身萎ちょう病，ピーマン半身萎ちょう病が共に100％
の発病株率に達しているが,F−４菌で処理した区では，
ナスでほぼ1/2,ピーマンでほぼ1/7〜1/8の発病株率に抑
制され，発病度もナスで1/3,ピーマンでほぼ1/7〜1/8と
なった。
なお，試験には,1処理につき15個体の植物を使用し
た。
た。
〔発明の効果〕 この発明における請求項１の発明は、バーティシリウ
ム・ダーリエに起因する植物病害のための特定の菌学的
性質を有する非病原性フザリウム菌からなる植物病害用
防除菌であって、かゝる防除菌はエダマメの茎の内部組
織から無菌的に容易に分離取得することができると共
に，通常の培養法によって短期間に安価かつ大量に生産
することができるものである。
ム・ダーリエに起因する植物病害のための特定の菌学的
性質を有する非病原性フザリウム菌からなる植物病害用
防除菌であって、かゝる防除菌はエダマメの茎の内部組
織から無菌的に容易に分離取得することができると共
に，通常の培養法によって短期間に安価かつ大量に生産
することができるものである。
請求項２の発明は，前記請求項１の発明で得られる植
物病害用防除菌の菌液に植物の根部を一定時間浸漬して
土壌に移植することによって，植物病害菌として知られ
ているバーティシリウム病に対して優れた発病抑制効果
を発揮し，これによりクロルピクリン等の従来の土壌殺
菌剤による処理に比べて，大幅な省力化を達成しつゝ，
確実かつ圧倒的安価に有害病菌の防除を行うことができ
るものである。
物病害用防除菌の菌液に植物の根部を一定時間浸漬して
土壌に移植することによって，植物病害菌として知られ
ているバーティシリウム病に対して優れた発病抑制効果
を発揮し，これによりクロルピクリン等の従来の土壌殺
菌剤による処理に比べて，大幅な省力化を達成しつゝ，
確実かつ圧倒的安価に有害病菌の防除を行うことができ
るものである。
また，この方法によれば，輪作による植物病害の回避
の必要性が解消され，効率のよい作付けが可能となるも
ので，農業経営上に及ぼす影響は，図り知れないもので
ある。
の必要性が解消され，効率のよい作付けが可能となるも
ので，農業経営上に及ぼす影響は，図り知れないもので
ある。
Claims (2)
- 【請求項１】バーティシリウム・ダーリエ菌に起因する
植物病害に対し有効な性質を有する非病原性フザリウム
菌であるＦ−４菌（微工研菌寄第9976号）からなること
を特徴とする植物病害用防除菌。 - 【請求項２】請求項１記載の非病原性フザリウム菌であ
るＦ−４菌（微工研菌寄第9976号）の培養菌液に、植物
の根部を浸漬して土壌に植え付けることを特徴とする植
物病害の防除方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP63129130A JP2572631B2 (ja) | 1988-05-26 | 1988-05-26 | 植物病害用防除菌及びそれによる植物病害の防除方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP63129130A JP2572631B2 (ja) | 1988-05-26 | 1988-05-26 | 植物病害用防除菌及びそれによる植物病害の防除方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH01299207A JPH01299207A (ja) | 1989-12-04 |
| JP2572631B2 true JP2572631B2 (ja) | 1997-01-16 |
Family
ID=15001841
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP63129130A Expired - Lifetime JP2572631B2 (ja) | 1988-05-26 | 1988-05-26 | 植物病害用防除菌及びそれによる植物病害の防除方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2572631B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| ZA904163B (en) * | 1989-05-30 | 1992-02-26 | Univ Western Australia | Biological control agent |
| CN104805022A (zh) * | 2015-05-20 | 2015-07-29 | 河北省农林科学院植物保护研究所 | 一种尖孢镰孢菌及其菌剂和应用 |
Family Cites Families (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPH0796485B2 (ja) * | 1987-09-29 | 1995-10-18 | 三井東圧化学株式会社 | ナス科作物の病害防除微生物および病害防除方法 |
| JPH07110802B2 (ja) * | 1987-12-23 | 1995-11-29 | 三井東圧化学株式会社 | ナス科作物の病害防除微生物及び病害防除法 |
-
1988
- 1988-05-26 JP JP63129130A patent/JP2572631B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH01299207A (ja) | 1989-12-04 |
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