JP2572107B2 - 走査型トンネル顕微鏡の粗動機構 - Google Patents

走査型トンネル顕微鏡の粗動機構

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JP2572107B2 JP63081224A JP8122488A JP2572107B2 JP 2572107 B2 JP2572107 B2 JP 2572107B2 JP 63081224 A JP63081224 A JP 63081224A JP 8122488 A JP8122488 A JP 8122488A JP 2572107 B2 JP2572107 B2 JP 2572107B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、走査型トンネル顕微鏡(以下、STMと記
す)の粗動機構に係り、特に機械的な伝動機構を有する
粗動機構に関するものである。
〔従来の技術〕
一般に、STMは一対の粗動機構と微動機構とを備えて
おり、例えば観察すべき試料が粗動機構に保持される一
方、探針が微動機構に設けられている。そして、まず粗
動機構により試料面を探針の先端部近傍(例えば、0.1m
mの間隔)に接近させた後、試料と探針との間に電圧を
印加しつつこれらの間に所定の大きさのトンネル電流が
流れるまで、微動機構を用いて探針をさらに試料面に接
近させる。次に、微動機構により探針を試料面に沿って
走査し、このときのトンネル電流の変化を利用して試料
表面の凹凸形状が原子尺度で求められる。
このようにSTMでは、粗動機構といっても単に微動機
構に対応して呼ばれているものであり、実際には最小の
移動量が1μm程度以下の極めて細かい動きを司るもの
を指している。従来、このようなSTMの粗動機構として
は、 圧電粗動機構[G.Binnig and H.Rohror:Sarface Scie
nce.,Vol.126 pp236−244(1983)]、 磁気粗動機構[D.P.E.Smith and S.A.Elrod:Rev.Sci.
Instrum.,Vol.56 pp1970−1973(1985)、B.W.Corb,M.R
ingger and H.J.Guntherrodt:J.Appl.Phys.,Vol.58 pp3
947−3953(1985)]、及び 機械的粗動機構[J.E.Demuth,R.J.Hamers,R.M.Tromp
and M.E.Welland:J.Vac.Sci.Technol.,Vol.A4(3) pp
1320−1323(1986)] 等が知られている。
〔発明が解決しようとする課題〕
圧電粗動機構は、圧電素子の両端を交互に静電吸着に
よって固定しつつこの圧電素子を伸縮させるものであ
り、静電吸着に際して試料に原子尺度のドリフトが生じ
たり、滑らかな移動ができないという問題があった。
また、磁気粗動機構は、永久磁石と電磁コイルとを用
いて磁気力により移動及び固定を行うものであるが、永
久磁石を用いるので静磁場の影響を嫌う走査型電子顕微
鏡等との組み合わせには不向きであり、また磁気力で固
定するので機械的剛性が低いという問題があった。
一方、機械的粗動機構は、探針や試料が取り付けられ
た薄板の一端を固定し、他端をネジやバネにより押圧し
て薄板を湾曲させ、これにより探針あるいは試料等の対
象物を移動させるものである。ところが、この場合、ネ
ジやバネの移動量がそのまま対象物の移動量となるの
で、対象物に微細で滑らかな動きをさせることが困難で
あった。
この発明はこのような問題点を解消するためになされ
たもので、機械的剛性が高く且つ探針と試料との相対的
位置を滑らかに調節することのできるSTMの粗動機構を
得ることを目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
この発明に係るSTMの粗動機構は、中空部を有する直
方体あるいは立方体の本体と、 該本体の対向する2つの壁を貫通すると共に一端にお
いて前記一方の壁に螺合し、前記他方の壁で軸支され、
中心軸のまわりに回転させることにより前記本体に対し
て進退自在に設けられ、さらに前記中空部内に位置する
部分の外周部にテーパ面が形成さえている伝動手段と 前記本体に前記伝動手段の回転軸に対して垂直方向に
移動自在に設けられると共に一端は前記本体の中空部内
で前記伝動手段のテーパ面に当接し、他端は前記本体外
に延出されて試料または探針を支持する一つの粗動体と を備えたものである。
〔作用〕
この発明においては、伝動手段をその中心軸のまわり
に回転させると、伝動手段は本体に対して前進あるいは
後退し、これにより伝動手段のテーパ面に一端が当接し
ている粗動体は伝動手段の回転軸に対して垂直方向に移
動する。
〔実施例〕
以下、この発明の実施例を添付図面に基づいて説明す
る。
第1図はこの発明の粗動機構の第1実施例を示す斜視
図である。立方体あるいは直方体形状の本体(1)は中
空部(2)を有している。また、本体(1)は、一側壁
を貫通して中空部(2)に開口した円筒形状の第1の貫
通孔(3)と、中空部(2)を挟んでこの貫通孔(3)
と同一直線A−A上において対向側壁に設けられた雌ネ
ジ部(4)とを有すると共に直線A−Aと垂直な直線B
−B上において上壁を貫通して中空部(2)に開口する
第2の貫通孔(5)を有している。
本体(1)の第1の貫通孔(3)及び雌ネジ(4)に
は伝動手段となる伝動部材(6)が挿通されている。伝
動部材(6)は第2図に示すように両端側にそれぞれ形
成された円柱部(6a)及び雄ネジ部(6b)とこれら中間
部分に形成された円すい部(6c)とから構成されてい
る。円柱部(6a)は本体(1)の第1の貫通孔(3)に
嵌合しうる直径を有し、雄ネジ部(6b)は本体(1)の
雌ネジ(4)に螺合しうる外径d及びピッチpを有して
いる。円すい部(6c)はその外周部に円柱部(6a)から
雄ネジ部(6b)に向かって順次縮径されたテーパ面(6
d)を有している。
第1図に示すように、このような伝動部材(6)の円
柱部(6a)が本体(1)の貫通孔(3)に嵌合されると
共に雄ネジ部(6b)が本体(1)の雌ネジ部(4)に螺
合されており、円柱部(6a)の一部が貫通孔(3)から
本体(1)の外方へ延出している。すなわち、伝動部材
(6)を中心軸A−Aのまわりに回転させることによ
り、雄ネジ部(6b)が雌ネジ部(4)内を前進あるいは
後退し、これにより伝動部材(6)は中心軸A−A方向
に移動することになる。
一方、本体(1)の第2の貫通孔(5)には円柱形状
の粗動体(7)が移動自在に嵌合されている。粗動体
(7)は本体(1)の中空部(2)内に位置する端部
(7a)が球面状に滑らかに形成されている。また、粗動
体(7)は自重であるいはコイルバネ(図示せず)等に
より常時中空部(2)内に入り込む方向に付勢されてお
り、このため粗動体(7)の端部(7a)は中空部(2)
内において伝動部材(6)のテーパ面(6d)上に当接し
ている。粗動体(7)の他端は作動部(7b)として本体
(1)の外部に突出しており、ここに対象物となる試
料、探針あるいは微動機構等が取り付けられる。
このような構造の粗動機構において、本体(1)の外
方に延出している伝動部材(6)の円柱部(6a)を中心
軸A−Aのまわりに回転させると、雄ネジ部(6b)が本
体(1)の雌ネジ部(4)に螺合しているので、伝動部
材(6)は回転しつつ中心軸A−Aの方向に移動する。
この伝動部材(6)の円すい部(6c)の外周にはテーパ
面(6d)が形成され、このテーパ面(6d)に粗動体
(7)の端部(7a)が接触している。その結果、粗動体
(7)は中心軸A−Aと垂直な直線B−B方向に移動す
ることになる。
ここで、第2図に示すように、伝動部材(6)を本体
(1)の雌ネジ部(4)側に最も移動させたときの粗動
体(7)の端部(7a)と伝動部材(6)のテーパ面(6
d)との接触点(8)と、逆に伝動部材(6)を本体
(1)の貫通孔(3)側に最も移動させたときの接触点
(9)との間隔をLとする。また、接触点(9)および
(8)における伝動部材(6)の直径をそれぞれDaおよ
びDbとすると、テーパ面(6d)の勾配は(Db−Da)/2L
と表されるので、伝動部材(6)を角度θだけ回転させ
たときの粗動体(7)の直線B−B上での移動量εは、 ε=pθ(Db−Da)/4πL ・・・(1) となる。ただし、pは伝動部材(6)の雄ネジ部(6b)
のピッチである。
そこで、伝動部材(6)の雄ネジ部(6b)として外径
d=2mm、ピッチp=0.25mmのネジを用い、テーパ面(6
d)の寸法をL=10mm,Da=2.2m,Db=2.6mmとした場合、
通常のマイクロメータの回転1目盛りに相当する角度θ
=2π/50ラジアンの回転を伝動部材(6)に与えたと
きの粗動体(7)の移動量εを最小移動量(微調節可能
な最小の移動量)εminとすれば、εmin=0.1μmとな
る。また、粗動体(7)の端部(7a)が伝動部材(6)
の接触点(8)及び(9)にそれぞれ接触しているとき
の粗動体(7)の位置の差を最大移動量(ワーキングデ
ィスタンス)εmaxとすれば、εmax=(Db−Da)/2で示
されるので、εmax=0.2mmとなる。
このように最大移動量εmaxが0.2mmもあれば、粗動体
(7)の作動部(7b)に取り付けた試料あるいは探針を
予めルーペ、実体顕微鏡、テレビカメラ等の光学的拡大
手段または肉眼で対向する探針あるいは試料に位置合わ
せし、伝動部材(6)を回転することにより、試料と探
針との間隔を十分に縮めてこれらの間にトンネル電流を
発生させることができる。
また、この粗動機構の最小移動量εminが0.1μm(=
100nm)であるので、粗動体(7)の作動部(7b)に例
えば電圧感度5nm/voltの圧電微動機構を取り付ければ、
高々20voltの電圧で微動機構を作動させることができ
る。
尚、現在の機械加工技術では、伝動部材(6)のテー
パ面(6d)の表面粗さを例えば十点平均粗さで0.05μm
程度とすることが容易である。
次に、この第1実施例の粗動機構に微動機構を組み合
わせて構成したSTMの構造例を第3図に示す。
第1図と同様に本体(1)、伝動部材(6)及び粗動
体(7)から粗動機構が形成され、この粗動機構の上に
微動機構が設けられている。微動機構の本体(10)はネ
ジあるいはエポキシ樹脂等の強力な接着剤により粗動機
構の本体(1)に機械的に連結されている。この微動機
構の本体(10)は中空部(11)を有すると共に中空部
(11)に開口する貫通孔(12)を有している。この貫通
孔(12)は粗動機構の第2の貫通孔(5)と同軸上に形
成され、粗動体(7)の作動部(7b)は貫通孔(12)内
を通って微動機構の中空部(11)に突出している。
貫通孔(12)と対向する中空部(11)の内壁には円筒
型圧電素子を用いた微動走査部(13)が設けられてお
り、この微動走査部(13)の先端に探針(14)が取り付
けられている。微動走査部(13)は多数の電極を有し、
水平方向(第3図のX−Y方向)と鉛直方向(第3図の
Z方向)の微動が可能な三次元走査を行う。
一方、粗動体(7)の作動部(7b)には試料(15)が
取り付けられている。尚、探針(14)及び粗動体(7)
の作動部(7b)に一端が接続されている導線(16)は探
針(14)と試料(15)との間に電圧を印加すると共にこ
れらの間に流れるトンネル電流を取り出すためのもので
あり、各他端がトンネル電流測定装置(図示せず)に接
続されている。また、伝動部材(6)の円柱部(6a)に
取り付けられたツマ(17)は伝動部材(6)を手動によ
り回転させるためのものである。
この実施例の動作を以下に述べる。
まず、探針(14)及び試料(15)に取り付ける前に、
ツマミ(17)を反時計方向に回転して粗動体(7)を最
も下の位置まで降下させる。この状態で、粗動体(7)
の作動部(7b)の上面に試料(15)を導電性接着剤にて
固着する。次に、針先が試料(15)に接触しないように
ルーペで観察しながら探針(14)を微動走査部(13)に
取り付ける。この探針(14)の取り付けは、予め金属細
管を微動走査部(13)内に設置しておき、この細管内に
探針(14)を挿入する等の方法で行うことができ、探針
(14)の針先と試料(15)面との間隔を0.1〜0.2mmに設
定する。
その後、導線(16)を通じて探針(14)と試料(15)
の間に所定の電圧を印加し、トンネル電流測定装置でト
ンネル電流の監視を開始する。
そして、ツマミ(17)を手動で時計方向に回転し、粗
動体(7)を徐々に上昇させる。すなわち、探針(14)
の針先と試料(15)との間隔を縮めて行く。このように
して、探針(14)と試料(15)の間に予め設定された値
のトンネル電流が流れたところで、ツマミ(17)の回転
を停止する。
次に、微動機構により探針(14)の微動走査を行う。
ここでは例えば定電流法によるフィードバック法[G.F.
A.van de Walle,J.W.Gerritsen,H.van Kempen,and P.Wy
der:Rev.Sci.Instrum.,Vol.56,pp1573−1576(1985)]
を用いてトンネル電流の制御を行うことができる。この
方法では、予め設定されていたトンネル電流の値と実際
に測定されたトンネル電流との差(誤差電流)に比例し
た電圧が微動走査部(13)の鉛直方向(Z方向)の走査
を行うための電極に印加され、誤差電流が0となるよう
に探針(14)の鉛直方向の微調節が行なわれる。このよ
うにしてトンネル電流を常に設定値に保持することによ
り、探針(14)の針先と試料(15)表面との間隔は一定
に保たれる。
この状態で、微動走査部(13)の水平方向(X−Y方
向)の走査を行うための電極に所望の電圧を印加して探
針(14)をX−Y走査させる。すると、前述したように
探針(14)はその針先と試料(15)との間隔を一定とす
べくZ方向に調節されるので、三次元の微動走査が行な
われることになる。
このとき微動走査部(13)の各電極に印加する電圧で
もってCRT(図示せず)等への表示を行えば、試料(1
5)の原子尺度の表面観察が可能となる。
尚、ツマミ(17)を手動で回さずに、ステッピングモ
ータで伝動部材(6)を回転するように構成することも
できる。例えば、0.9deg/stepのステッピングモータを
用いて前述の寸法の伝動部材(6)を回転させると、
(1)式より最小移動量εminは εmin=0.25×(0.9/360) ×(2.6−2.2)/2×10[mm]=125[nm] となり、最小移動量の小さな粗動機構が構成される。ま
た、マイクロメータあるいは差動マイクロメータを介し
て伝動部材(6)を回転させることもできる。
また、上記実施例では、粗動体(7)の作動部(7b)
に試料(15)を、微動走査部(13)に探針(14)をそれ
ぞれ取り付けたが、これとは逆に粗動体(7)の作動部
(7b)に探針(14)を、微動走査部(13)に試料(15)
をそれぞれ取り付けることもできる。
また、テーパ面(6d)の勾配が異なる各種の伝動部材
を用いることにより、粗動体(7)に所望の動きを行わ
せることができる。例えば、第4図に示すようにテーパ
面(6e)の勾配が小さい伝動部材(61)を用いると、粗
動体(7)の最小移動量が小さくなり、探針(14)と試
料(15)の間の微調節が粗動機構でもできるようにな
る。逆に、第5図に示すようにテーパ面(6f)の勾配が
大きい伝動部材(62)を用いると、粗動体(7)の最大
移動量すなわちワーキングディスタンスが大きくなり、
探針(14)及び試料(15)の設置時の操作性が向上す
る。そこで、これらの伝動部材(61)及び(62)の各雄
ネジ部(6b)を同じ寸法として本体(1)に交換可能と
し、必要に応じて伝動部材(61)あるいは(62)を選択
して使用すれば、適用範囲の広い粗動機構が実現する。
さらに、第6図に示すように、勾配が異なり連続する
二つのテーパ面(6g)及び(6h)を備えた伝動部材(6
3)を用いれば、始めはテーパ面(6g)によりワーキン
グディスタンスを大きくとり、次いでテーパ面(6h)に
より粗動体(7)の微調節を行うことが可能となる。ま
た、第7図に示すように勾配が滑らかに変化するテーパ
面(6i)を備えた伝動部材(64)を用いれば、粗動体
(7)のワーキングディスタンスの大きな初期の移動か
ら微調節への移行が滑らかに行なわれる。
第8図は粗動機構の第2実施例を示している。この実
施例では、粗動体(7)の端部(7a)に小球(18)がそ
の一部を露出させて回転自在に埋設されており、この小
球(18)の露出部が伝動部材(6)のテーパ面(6d)に
当接している。そして、伝動部材(6)が中心軸A−A
の回りに回転すると、伝動部材(6)のテーパ面(6d)
に接触する小球(18)は摩擦力により端部(7a)内で自
転する。このような構造とすることにより、伝動部材
(6)と粗動体(7)との間に作用する摩擦は転がり摩
擦となり、摩擦力の軽減がなされる。その結果、超高真
空中で粗動機構を用いても、粗動体(7)の動きは滑ら
かなものとなる。
また、本発明の第3実施例を第9図に概略的に示す。
少なくとも伝動部材(6)のテーパ面(6d)上と粗動体
(7)の端部(7a)の外周面上にそれぞれ窒化チタニウ
ム(TiN)膜(19)及び(20)が形成されている。一般
に、窒化チタニウム膜は超高真空中で温度250℃程度に
まで加熱されても、小さな摩擦係数を有することが知ら
れている。従って、第3実施例のような構造とすれば、
伝動部材(6)の回転時に伝動部材(6)と粗動体
(7)との接触部に作用する滑り摩擦は小さいので、滑
らかに粗動体(7)を移動させることができる。さらに
この場合、粗動機構を超高真空中で温度約250℃に加熱
しても伝動部材(6)と粗動体(7)との間の摩擦力に
はほとんど影響が及ばないので、ベーキングによる試料
(15)のガス出しを行うことが容易となる。
尚、第2実施例の小球(18)の表面上及び伝動部材
(6)のテーパ面(6d)上に窒化チタニウム膜を形成す
れば、さらに摩擦力の軽減がなされる。
第10図に示す本発明の第4実施例では、粗動体(7)
の作動部(7b)の上端面に凹部(7c)が設けられ、この
凹部(7c)内に試料(15)が取り付けられている。また
凹部(7c)内には非電解質の水溶液等の電気伝導性を有
しない液体(22)が満ちており、試料(15)は液体(2
2)中に没している。このような状態で微動走査部(1
3)に取り付けられた探針(14)を試料(15)表面に沿
って走査させれば、液体(22)中での原子レベルの試料
(15)表面の観察がなされるので、試料(15)を液体
(22)によって大気から遮断しつつ観察したり、試料
(15)と液体(22)との化学反応を調べることが可能と
なる。
第11図に本発明の第5実施例を示す。この第5実施例
では本体(1)の上面(1a)に二つの凹部(1b)及び
(1c)が設けられると共に粗動体(7)の作動部(7b)
の上端面に一つの凹部(7d)が設けられ、これら凹部
(1b)、(1c)及び(7d)内にそれぞれ第1〜第3の球
(23)、(24)及び(25)が嵌入されている。尚、凹部
(1b)及び(1c)は互いに離れて位置すると共にそれぞ
れ粗動体(7)が貫通する本体(1)の貫通孔(5)か
らも離れて位置している。すなわち、三つの球(23)〜
(25)を結ぶことにより得られる三角形の面積ができる
だけ大きくなるように三つの凹部(1b)、(1c)及び
(7d)が配置されている。
このような構造とすれば、粗動体(7)を軸B−Bに
沿って上下動させることにより三つの球(23)〜(25)
で決定される平面の傾きを調節することができる。従っ
て、三つの球(23)〜(25)の上に枠体(26)を載置
し、この枠体(26)に試料(15)を取り付ければ、試料
(15)の傾きが調節できる。例えば、試料(15)を水平
に保つことが可能となる。ただし、三つの球に接する枠
体(26)の下面には、各球(23)〜(25)の位置に対応
して球に嵌合する凹部が形成されており、これにより枠
体(26)が本体(1)からずれないように構成されてい
る。
また、試料(15)を、粗動体(7)に設けられた第3
の球(25)よりも本体(1)の上面(1a)に設けられた
第1の球(23)あるいは第2の球(24)の近くに取り付
ければ、粗動体(7)が上下動したときに試料(15)は
粗動体(7)の移動量より小さな量だけ上下に移動する
ことになり、試料(15)の微動化を行うことができる。
尚、三つの球(23)〜(25)を第12図に示すように設
置すれば、枠体(26)の動きはさらに滑らかなものとな
る。すなわち、本体(1)の上面(1a)に円すい形の凹
部(1d)と直線状の一条のV溝(1e)とを設け、これら
凹部(1d)及びV溝(1e)内にそれぞれ第1及び第2の
球(23)及び(24)を嵌合させる。このとき各球の上半
分以上が本体(1)の上面(1a)の上に露出するよう
に、予め凹部(1d)及びV溝(1e)の大きさを決めてお
く。一方、枠体(26)の下面(26a)には、二つの球(2
3)及び(24)に対応してそれぞれ円すい形の凹部(26
d)及び(26e)が形成されている。これらの凹部(23
d)及び(26e)も本体(1)の凹部(1d)と同様に球の
半分以上が露出するような大きさとなっている。また、
粗動体(7)の凹部(7d)に嵌合された第3の球(25)
に対応する凹部は枠体(26)の下面(26a)に形成され
ておらず、球(25)は直接枠体(26)の下面(26a)に
接触する。
このような構造とすれば、第2の球(24)がV溝(1
e)に沿って移動できるので、第1の球(23)と第2の
球(24)の間隔が調節自在となる。従って、枠体(26)
を三つの球(23)〜(25)上に載置したときには、枠体
(26)の二つの凹部(26d)及び(26e)間の距離の精度
が多少低くても、第1及び第2の球(23)及び(24)は
常に枠体(26)の凹部(26d)及び(26e)にそれぞれ正
確に嵌合することとなる。このとき、枠体(26)には第
3の球(25)を受ける凹部が存在しないので、第3の球
(25)は自由に枠体(26)の下面(26a)に接触する。
その結果、粗動体(7)を上下動させることにより、
枠体(26)は二つの球(23)及び(24)を支点として極
めて滑らかに動くこととなる。また、本体(1)及び枠
体(26)にそれほど高い工作精度が要求されないので、
これらの機械加工がやり易くなる。
さらに、本体(1)、粗動体(7)及び枠体(26)が
磁性体から構成されている場合には、各球(23)〜(2
5)を永久磁石で形成することにより、枠体(26)を磁
力で本体(1)側に固着させることができる。
第13図は本発明の第6実施例を示す斜視図である。粗
動体(7)の側面上に軸B−Bに沿って一条の凸部(7
e)が形成されている。一方、本体(1)の貫通孔
(5)には軸B−Bと平行に一条の溝部(5e)が形成さ
れている。そして、粗動体(7)の凸部(7e)が貫通孔
(5)内の溝部(5e)に上下動自在に嵌合している。こ
れにより、粗動体(7)は軸B−Bに沿った上下移動の
際に、軸B−Bの回りに回転することが防止される。従
って、この実施例によれば、粗動体(7)の作動部(7
b)に試料を取り付けてこの試料を観察するときに、粗
動体(7)の上下移動に伴って試料が軸B−Bの回りに
回転することがなく、より操作性の優れた粗動機構が構
成される。
尚、第14図に示すように、第13図の実施例とは逆に粗
動体(7)に軸B−Bに沿った一条の溝部(7f)が形成
されると共に、本体(1)の貫通孔(5)内に、粗動体
(7)の溝部(7f)が嵌合する凸部(5f)が形成されて
いても、同様の効果を奏する。
上述した各実施例において、本体(1)、伝動部材
(6)、(61)〜(64)及び粗動体(7)を熱膨張係数
の小さい材質、例えば温度20℃での線熱膨張率が約1.5
×10-6以下のインバール(Ni:36%、Fe:64%)を用いて
形成すれば、周辺温度の変化による試料の位置の変動が
小さくなり、STMの動作の安定性が向上する。
尚、各実施例では伝動部材(6)の軸A−Aが水平方
向に、粗動体(7)の軸B−Bが鉛直方向にそれぞれ位
置し、粗動体(7)が上下動する場合について述べた
が、これに限るものではない。ただし、粗動体(7)が
自重で伝動部材(6)のテーパ面(6d)に当接できない
場合には、粗動体(7)をコイルバネ等によって中空部
(2)内に入り込む方向に付勢する必要がある。
〔発明の効果〕
以上説明したようにこの発明の粗動機構は、テーパ面
を有する伝動手段をその中心軸のまわりに回転させるこ
とにより、伝動手段が本体に対して前進あるいは後退
し、テーパ面に当接する粗動体が伝動手段の回転軸に対
して垂直方向に移動するような機械的な構造を有してい
るので、機械的剛性が高く且つ粗動体に取り付けた試料
または探針を滑らかに移動させて、試料と探針との相対
的位置を調節することができる。
また、機械的剛性が高いので、除震装置等の他の機器
と組み合わせて使用しても、安定した動作が行なわれ
る。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明の第1実施例に係る粗動機構を示す斜
視図、第2図は第1実施例で用いられた伝動部材の正面
図、第3図は第1実施例を用いて構成したSTMの斜視
図、第4図ないし第7図はそれぞれ伝動部材の変形例を
示す正面図、第8図は第2実施例を示す斜視図、第9図
は第3実施例を示す要部断面図、第10図は第4実施例を
示す斜視図、第11図は第5実施例を示す斜視図、第12図
は第5実施例の変形例を示す部分図、第13図は第6実施
例を示す斜視図、第14図は第6実施例の変形例を示す斜
視図である。 図において、(1)は本体、(2)は中空部、(3)及
び(5)は貫通孔、(4)は雌ネジ部、(6)は伝動部
材、(6b)は雄ネジ部、(6d)はテーパ面、(7)は粗
動体である。 なお、各図中同一符号は同一または相当部分を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小山 浩 兵庫県伊丹市瑞原4丁目1番地 三菱電 機株式会社エル・エス・アイ研究所内 (56)参考文献 実開 昭57−19412(JP,U)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】試料と探針との相対的位置を調節する機構
    であって、 中空部を有する直方体あるいは立方体の本体と、 該本体の対向する2つの壁を貫通すると共に一端におい
    て前記一方の壁に螺合し、前記他方の壁で軸支され、中
    心軸のまわりに回転させることにより前記本体に対して
    進退自在に設けられ、さらに前記中空部内に位置する部
    分の外周部にテーパ面が形成されている伝動手段と、 前記本体に前記伝動手段の回転軸に対して垂直方向に移
    動自在に設けられると共に一端は前記本体の中空部内で
    前記伝動手段のテーパ面に当接し、他端は前記本体外に
    延出されて前記試料または探針を支持する一つの粗動体
    と を備えたことを特徴とする走査型トンネル顕微鏡の粗動
    機構。
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