JP2572054B2 - 面状ヒ−タ - Google Patents

面状ヒ−タ

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JP2572054B2
JP2572054B2 JP62013862A JP1386287A JP2572054B2 JP 2572054 B2 JP2572054 B2 JP 2572054B2 JP 62013862 A JP62013862 A JP 62013862A JP 1386287 A JP1386287 A JP 1386287A JP 2572054 B2 JP2572054 B2 JP 2572054B2
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輝男 岡野
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、はんだ付け用の面状ヒータに関するもので
ある。
(従来の技術) 一般に、自動はんだ付けには、プリント配線基板等の
被はんだ付け板を加熱するためのプリヒート工程があ
り、このプリヒート工程では対流、伝導、輻射等の加熱
方法がとられているが、そのプリヒート工程で使用され
るプリヒータとしては、第8図に示される対流および輻
射による加熱を目的とする面状ヒータや、第9図に示さ
れるシーズヒータが広く用いられている。
第8図に示される面状ヒータは、セラミックによって
成形された加熱板11の内部に発熱線12を埋設したもので
あり、前記加熱板11の表面は平坦に形成されている。第
9図に示されるシーズヒータ14は、セラミックコーティ
ングされ、下側に反射笠15が配設されている。
従来は、第8図に示されるように、面状ヒータの表面
温度が全体にわたって均一の温度に保たれるように加熱
板11の表面が平坦になっており、そして、欲する表面温
度を得るためには、ヒータ全体のワット密度(W/cm2
を実験的に選択し、決められたワット密度を固定で用い
るか、または熱電対等の測温体を用いて電気的制御を行
っている。
この面状ヒータの表面温度は、対流に対しては高温で
あればあるほど加熱能力があるわけであるが、表面で放
射される赤外線の波長は、高温であればそれだけ近赤外
線側になり、被加熱物に対し加熱むらが大きくなりやす
い傾向を持っている。これは、被加熱物が赤外線を吸収
する場合、材質によって吸収しやすい波長が異なってい
ることが原因となっている。
被加熱物としてのプリント配線基板や、この基板に搭
載される部品等には種々の材質が用いられ、またはんだ
付け工程ではフラックス付けで樹脂や有機溶剤等も用い
られ、そのフラックスの乾燥も面状ヒータの大きな役割
となっているので、理想的には、それぞれの材質の最も
吸収しやすい種々の波長の赤外線が多量に輻射されるこ
とが望ましい。
一般に、被加熱物としてのプリント配線基板は、有機
物や、高分子材料等で構成され、大気中の水分等も含
み、遠赤外線を吸収しやすいが、面状ヒータでその遠赤
外線を発生させるには、面状ヒータの表面温度をあまり
高くすることはできない。表面温度が高すぎると近赤外
線が多量に放射され、ICパッケージ等が他の基材に比べ
過剰に加熱され、ICの破壊につながってしまうおそれが
あるからである。そのような場合は、ICパッケージの表
面に反射板等を付けて、赤外線の吸収を防止する必要が
ある。
逆に、面状ヒータの表面温度が低すぎると、放射エネ
ルギーが小さくなり、加熱スピードが下がり、被加熱物
を所望する温度まで昇温するのに時間がかかるという弊
害が起こる。
(発明が解決しようとする問題点) このように、従来は、面状ヒータの表面温度を全面に
わたって単一温度に保つようにしているから、その単一
表面温度が被加熱材質によって低温となる場合と、高温
となる場合とがあり、低表面温度となる場合は加熱に時
間がかかるし、高表面温度となる場合は過剰加熱の問題
がある。
本発明の目的は、面状ヒータの表面から放射される赤
外線エネルギーが面状ヒータの表面積に比例する点に着
目して、面状ヒータの表面積を増加させることで、加熱
能力を増大させ、低表面温度の問題を解決するととも
に、面状ヒータの表面温度が場所によって異なれば、場
所によって放射される赤外線のピーク波長が異なるの
で、面状ヒータ全体としてはピーク幅の広いヒータとな
る点に着目して、種々の材質の被加熱物にそれぞれ多量
の赤外線を吸収させ、結果として被加熱物の材質の種
類、色等の相違に基く吸収率の差を小さくし、均一な加
熱が可能となるようにするものである。
(問題点を解決するための手段) 本発明は、長尺の発熱体と接触させた加熱板を用いて
輻射および対流による加熱を行う面状ヒータにおいて、
前記加熱板の表面に、加熱板の輻射および放熱表面積を
広くするとともに加熱板の表面に高温部と低温部とを形
成することにより移動中の被加熱物に対する表面温度を
規則的に変化させる凹凸を、長尺の発熱体と平行にかつ
全体にわたって交互に設けた構成の面状ヒータである。
(作用) 本発明は、前記凹凸によって、加熱板の輻射および放
熱表面積が拡大され、加熱能力が増大されるとともに、
加熱板の表面に高温部と低温部とが形成され、その表面
温度の異なる部分からピーク波長の異なる赤外線が放射
され、種々の材質の被加熱物にそれぞれの材質に適合す
る赤外線が吸収される。
(実施例) 以下、本発明を第1図乃至第7図に示される種々の実
施例を参照して詳細に説明する。
第1図および第2図は本発明の基本的な実施例を示
す。第1図に示されるように、枠板21の下部に底板22が
固着され、この底板22に取付板23が設けられ、また底板
22と内部の反射板24との間に断熱材25が充填されてい
る。
前記反射板24の上側に加熱板31が配設され、この加熱
板31の下側に長尺の発熱体としてのシーズヒータ32が接
触され、固定金具33を介して、ねじ34およびナット35に
よって固定され、さらにこれらの下側に前記反射板24が
ねじ34およびナット36によって固定されている。そして
前記反射板24が前記底板22の周枠部から内側に折曲され
た受け部37に載せられ、また前記加熱板31が前記枠板21
の内周面から突設された押え部38によって係止されてい
る。
前記加熱板31は、表面処理(セラミックコーティン
グ)されたステンレス板であり、前記シーズヒータ32に
よって加熱される。このシーズヒータ32は、平面的には
第2図に示されるようにU形に形成され、断面的には第
3図および第4図に示されるように3角形状の伝熱体39
の内部に発熱線40が挿入されたものである。
前記加熱板31の表面には、裏面のシーズヒータ32と交
互に配置されたL形断面のフィン41が一定間隔毎に固定
され、これによって加熱板31の表面の全体にわたって長
尺のシーズヒータ32と平行の凹凸が交互に形成されてい
る。
そして、この凹凸によって、加熱板31の輻射および放
熱表面積が拡大されるとともに、加熱板31の表面に、45
0℃程度の表面温度に制御される高温部42と、350℃程度
の表面温度に制御される低温部43とが、全体的に均一に
配置、形成されることになる。
前記高温部42は、加熱板31の裏面に固定された測温体
としての熱電対46によって温度管理され、また前記低温
部43は、フィン41の上端に固定された測温体としての熱
電対47によって温度管理される。これらの熱電対46,47
としては、保護管内密封型のクロメル対アルメル熱電対
(CA熱電対)が適し、第2図に示されるように面状ヒー
タの中央部に配置される。
そうして、前記フィン41によって形成された凹凸によ
って、加熱板31の輻射および放熱表面積が拡大される
と、その拡大分に比例して増加した遠赤外線によって加
熱能力も増大されるから、近赤外線の多量の放射を防止
するために表面温度が450℃以下の比較的近い値に制御
されていても、被加熱物に多量な遠赤外線エネルギーが
与えられて、被加熱物が所定のプリヒート温度まで昇温
されるのに、時間がかからない。
また、前記凹凸によって加熱板31の表面に高温部42と
低温部43とが交互に形成され、移動中の被加熱物からす
ると面状ヒータの表面温度は350℃〜450℃の範囲で規則
的に変化するから、その表面温度の変化に応じてピーク
波長の異なる赤外線が放射され、種々の材質の被加熱
物、すなわちプリント配線基板Pおよび各種の基板搭載
部品(IC等)に、その各材質に適合するピーク波長の赤
外線がそれぞれ多量に吸収され、各材質が均一に加熱さ
れることになる。
次に、第3図乃至第7図はそれぞれ本発明の変形例を
示す。
第3図に示された変形例は、シーズヒータ32の真上に
フィン41aが配置され、このフィン41aの基部上に高温部
用の熱電対46aが配置されたものである。第4図に示さ
れた変形例は、加熱板31上にほぼコ字形断面に形成され
たフィン41bが固着され、このフィン41bの下板部上に高
温部用の熱電対46bが配置されるとともに上板部上に低
温部用の熱電対47bが配置されたものである。前記シー
ズヒータ32は、プレス成形に適するとともに加熱板31へ
の伝熱に適する断面形状ということで3角形断面に成形
したが、同様の趣旨から半円形断面または四角形断面等
に成形してもよい。
第5図に示された変形例は、反射板24上に波形の加熱
板31cが一体に設けられ、この波形加熱板31cの頂上部の
裏面に丸形断面のシーズヒータ32cが固着され、加熱板3
1cの頂上部上に高温部用の熱電対46cが配置され、加熱
板31cの谷部上に低温部用の熱電対47cが配置されたもの
である。第6図に示された変形例は、波形の加熱板31d
の谷部上に丸形断面のシーズヒータ32dが固着され、こ
のシーズヒータ32d上に高温部用の熱電対46dが配置さ
れ、加熱板31dの頂上部上に低温部用の熱電対47dが配置
されたものである。
第7図に示された変形例は、加熱板31eとフィン41eと
が鋳造等によって一体に型成形され、加熱板31eの内部
丸穴にシーズヒータ32eが嵌着され、さらに加熱板31eの
小孔に高温部用の熱電対46eが挿入されるとともに、前
記フィン41eの上部の小孔に低温部用の熱電対47eが挿入
されたものである。
(発明の効果) 本発明によれば、発熱体と接触した加熱板の表面に、
全体にわたって高温部と低温部とを形成する凹凸を形成
することで、加熱板の輻射および放熱表面積を拡大した
から、その表面積の拡大に比例してこの加熱板の表面か
ら放射される遠赤外線により加熱能力を増加させること
ができる。さらに、近赤外線の多量の放射を防止するた
め表面温度が比較的低温に制御される場合においても、
多量に放射される遠赤外線によって比較的短時間で効果
的な加熱を行うことができるとともに、近赤外線による
加熱むらの大きな偏った加熱を防止して安全な加熱特性
を確保できる。
また、前記加熱板の表面に高温部と低温部とを形成す
ることにより移動中の被加熱物に対する表面温度を規則
的に変化させる凹凸を、長尺の発熱体と平行にかつ全体
にわたって交互に設けることで、長尺の発熱体と交差す
る方向に搬送されるプリント配線基板の基板搭載部品に
対し高温部と低温部とが交互に作用し、基板搭載部品が
移動するにしたがって対応するヒータ表面温度が変化す
るので、場所によって放射される赤外線のピーク波長が
異なり、面状ヒータ全体としてはピーク幅の広いヒータ
となり、種々の材質の基板搭載部品がそれぞれの材質に
適合する赤外線を多量に吸収でき、結果的には基板搭載
部品の材質の種類、色等の相違に基く吸収率の差を小さ
くすることができ、広い波長分布の赤外線加熱により各
種材質の基板搭載部品を均一に加熱できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の面状ヒータの一実施例を示す断面図、
第2図はその平面図、第3図はフィン部分の第1変形例
を示す断面図、第4図はフィン部分の第2変形例を示す
断面図、第5図は加熱板の第1変形例を示す断面図、第
6図は加熱板の第2変形例を示す断面図、第7図は加熱
板の第3変形例を示す断面図、第8図は従来の面状ヒー
タを示す斜視図、第9図は従来のシーズヒータを示す斜
視図である。 31……加熱板。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】長尺の発熱体と接触させた加熱板を用いて
    輻射および対流による加熱を行う面状ヒータにおいて、 前記加熱板の表面に、加熱板の輻射および放熱表面積を
    広くするとともに加熱板の表面に高温部と低温部とを形
    成することにより移動中の被加熱物に対する表面温度を
    規則的に変化させる凹凸を、長尺の発熱体と平行にかつ
    全体にわたって交互に設けたことを特徴とする面状ヒー
    タ。
  2. 【請求項2】加熱板の高温部および低温部に温度を管理
    するための測温体をそれぞれ設けたことを特徴とする特
    許請求の範囲第1項記載の面状ヒータ。
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