JP2572020B2 - 熱硬化性樹脂用難燃剤 - Google Patents

熱硬化性樹脂用難燃剤

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JP2572020B2 JP15403687A JP15403687A JP2572020B2 JP 2572020 B2 JP2572020 B2 JP 2572020B2 JP 15403687 A JP15403687 A JP 15403687A JP 15403687 A JP15403687 A JP 15403687A JP 2572020 B2 JP2572020 B2 JP 2572020B2
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Description

【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> 本発明は熱硬化性樹脂用難燃剤に関する。
不飽和ポリエステル系樹脂、ビニルエステル系樹脂、
ウレタン系樹脂等の熱硬化性樹脂が、その優れた特性と
価格的な優位性から、例えば洗面ユニットやバスタブ等
の住設機器、カーテンウォールやデコレートパネル等の
建設資材、鉄道車輛の内装材、腐食性液体用の貯蔵タン
ク、エアーダクト、更にはパイピング材料等、各種用途
の材料として広く利用されている。そして近年では、こ
れらの熱硬化性樹脂を使用した各種の材料についても、
熱可塑性樹脂の場合と同様、その用途との関係で難燃化
の要請がとみに高まっている。
本発明は上記要請に応える新たな熱硬化性樹脂用難燃
剤に関するものである。
<従来の技術、その問題点> 従来、熱硬化性樹脂の難燃化には、次の1)〜3)の
三つに大別される手段がある。
1)所謂共重合型難燃剤を用いる場合であって、熱硬化
性樹脂にハロゲンやリン等を分子内に含有する単量体原
料を予め共重合することによって熱硬化性樹脂本体を難
燃化する場合 2)所謂添加混合型難燃剤を用いる場合であって、熱硬
化性樹脂にハロゲンやリン等を含む非反応性の有機系又
は無機系難燃剤を添加混合する場合 3)所謂添加反応型難燃剤を用いる場合であって、熱硬
化性樹脂が硬化成形される際に該樹脂と反応するような
難燃剤を使用する場合 前記1)の共重合型難燃剤を用いる熱硬化性樹脂に
は、その例として、脂肪族ジオールと二塩基酸とのエス
テル化合物である不飽和ポリエステル樹脂において、脂
肪族ジオールの全量又は一部をハロゲン含有ジオールで
置き換えた例、具体例にはジブロモネオペンチルグリコ
ールで置き換えた例(特開昭58−85591、特開昭59−191
703)、テトラブロモビスフェノールAのエチレンオキ
サイド又はプロピレンオキサイド付加物で置き換えた例
(特開昭59−207925、特開昭59−207926)、或は脂肪族
二塩基酸又は芳香族二塩基酸の一部をハロゲン含有芳香
族二塩基酸で置き換えた例等がある。これらはいずれ
も、熱硬化性樹脂本体に難燃剤成分を共重合させたもの
であって、高分子を構成する繰り返し単位として難燃剤
成分の単量体が少なくとも数個〜数十個存在するもので
ある。ところが、かかる共重合型難燃剤を用いる従来例
には、難燃性を得るために多量の難燃剤成分を必要と
し、その結果、熱硬化性樹脂本来の特性とその難燃性を
同時に両立させるうえでかなりの困難が伴ない、更にこ
のような目的で工業的に供給できる原料面においてもか
なりの制約が伴なうという問題点がある。
前記2)の添加混合型難燃剤の例には、リン系やリン
−ハロゲン系更にはハロゲン系の有機難燃剤、酸化アン
チモン系や水酸化アルミニウム系の無機難燃剤等、多く
のものが知られている。具体的には、リン系やリン−ハ
ロゲン系の難燃剤として、トリクレジルフォスフェー
ト、トリフェニルフォスフェート、トリス(2−クロロ
エチル)フォスフェート、トリス−2,3−ジブロモプロ
ピルフォスフェート等のリン酸トリエステル類があり、
またハロゲン系難燃剤として、トリブロモフェノール、
ヘキサブロモベンゼン、デカブロモナフタリン、テトラ
ブロモビスフェノールA等がある。ところが、リン酸ト
リエステル類を用いる従来例には、それらがいずれも液
状又は低融点の固体であって、加温下においては熱硬化
前の各種の熱硬化性樹脂との相溶性に優れ、その取扱い
や成形作業性も特別に困難を伴なわないという利点を有
する反面、加水分解に対して弱く、共存する微量の水分
や空気中の湿気により容易に加水分解を生じ、これがた
めに樹脂の劣化や難燃剤の樹脂表面への浸出更には脱落
等を引き起こすという問題点がある。またハロゲン系難
燃剤を用いる従来例には、それらの多くが高融点の粉末
品であるため、樹脂に対する相溶性に乏しく、その均一
分散が困難で、成形工程中で難燃剤が分離析出して金型
汚損を生じたり、更には成形物の表面に多量の難燃剤が
析出して白化現象を呈し、著しく表面物性が損なわれる
という問題点がある。
前記3)の添加反応型難燃剤を用いる例には、エポキ
シ樹脂やフェノール樹脂用として、分子内にエポキシ基
を有するビスグリシジルテトラブロモビスフェノールA
やジブロモフェニルグリシジルエーテル(特開昭58−14
0246)等があり、またウレタン樹脂用として、分子内に
水酸基を有するビスヒドロキシエチルテトラブロモビス
フェノールAなどがある。更にラジカル共重合性を有す
る不飽和ポリエステル樹脂又はビニルエステル樹脂用と
して、ビスヒドロキシエチルテトラブロモビスフェノー
ルAのジアクリレート又はメタクリレート、ジアリルテ
トラブロモフタレート(特公昭56−22452)、クロル化
スチレン(特開昭52−33988)、ビニル性臭素化合物
(特開昭52−18754)等がある。ところが、かかる添加
反応型難燃剤を用いる従来例には、それらのいずれもが
樹脂に対する相溶性に劣るため、熱硬化時に樹脂との反
応性が不充分であって、結局は前述した添加混合型難燃
剤の場合と同様の問題点がある。
<発明が解決しようとする問題点、その解決手段> 本発明は、叙上の如き従来の問題点を解決して、前述
した要請に応える、新たな熱硬化性樹脂用難燃剤を提供
するものである。
しかして本発明者らは、上記観点で鋭意研究した結
果、特定のポリオキシアルキレン・ハロゲン化ビスフェ
ノールに有機ジカルボン酸無水物と1,2−エポキシドと
を交互に反応させたポリエステル化合物であって、特定
の末端基を有するポリエステル化合物が正しく好適であ
ることを見出した。
すなわち本発明は、下記一般式で示されるポリオキシ
アルキレン・ハロゲン化ビスフェノールを出発物質とし
てその水酸基に触媒存在下で有機ジカルボン酸無水物と
下記の1,2−エポキシドとを交互に反応させて得られる
ポリエステル化合物であって、その末端基として水酸
基、カルボキシル基又はα,β−オレフィン性炭化水素
基を有するポリエステル化合物から成ることを特徴とす
る熱硬化性樹脂用難燃剤に係る。
一般式: [但し、A;メチレン基、エチレン基、プロピリデン基、
−S−、又は から選ばれる2価の有機基。X;ハロゲン原子。R;エチレ
ン基、プロピレン基、ブチレン基、又は炭素数2〜4の
ハロゲン置換アルキレン基(同時に同一でも、異なって
いてもよい)。m,n;1以上の整数であって、2≦m+n
≦6を満足するもの。] 1,2−エポキシド:エチレンオキサイド、1,2−プロピ
レンオキサイド、1,2−ブチレンオキサイド及びエピク
ロルヒドリンから選ばれる1種又は2種以上 本発明におけるポリエステル化合物は、前記一般式で
示されるポリオキシアルキレン・ハロゲン化ビスフェノ
ールに、触媒存在下で、その水酸基を介して有機ジカル
ボン酸無水物と1,2−エポキシドとを交互に付加反応さ
せることにより、工業上有利に安定して得ることができ
る。かかる反応においては、ポリオキシアルキレン・ハ
ロゲン化ビスフェノールの水酸基に有機ジカルボン酸無
水物がエステル化反応してカルボキシル基が形成され、
そしてこのカルボキシル基に1,2−エポキシドが開環付
加反応して水酸基が形成されるという、水酸基と有機ジ
カルボン酸無水物とのエステル化反応と、カルボキシル
基と1,2−エポキシドとの開環付加反応とが、順次交互
に起きる。
上記反応において、ポリオキシアルキレン・ハロゲン
化ビスフェノールは、ハロゲン化ビスフェノール類に公
知の方法でアルキレンオキサイドを付加反応させたもの
である(例えば、特公昭60−5577、同60−5578)。この
場合、ハロゲン化ビスフェノール類としては、テトラブ
ロモビスフェノールA、テトラクロロビスフェノール
S、テトラブロモビスフェノールF等があり、またアル
キレンオキサイドとしては、エチレンオキサイド、1,2
−プロピレンオキサイド、1,2−ブチレンオキサイドの
ような低級アルキレンオキサイド、及びエピクロルヒド
リンのような炭素数2〜4のハロゲン置換アルキレンオ
キサイド等がある。これらのアルキレンオキサイドはハ
ロゲン化ビスフェノール類の水酸基に公知の方法で付加
反応させるが、その合計付加モル数は該ハロゲン化ビス
フェノール類1モルに対し2〜6モルとする。具体的に
ポリオキシアルキレン・ハロゲン化ビスフェノールを例
示すると、ジヒドロキシエチルテトラブロモビスフェノ
ールA、ポリオキシエチレン(4モル)テトラブロモビ
スフェノールA、ジ(3−クロロ−2−ヒドロキシプロ
ピル)テトラブロモビスフェノールA、ポリオキシプロ
ピレン(4モル)テトラクロロビスフェノールS等が挙
げられるが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。
また前記反応において有機ジカルボン酸無水物として
は、コハク酸無水物、マレイン酸無水物、アルケニルコ
ハク酸無水物のような脂肪族ジカルボン酸無水物、フタ
ル酸無水物、ナフタレンジカルボン酸無水物のような芳
香族ジカルボン酸無水物、シクロヘキセンジカルボン酸
無水物、エンドメチレンシクロヘキセンジカルボン酸無
水物のような脂環族ジカルボン酸無水物、テトラブロモ
フタル酸無水物、クロロエンド酸無水物のようなハロゲ
ン置換ジカルボン酸無水物等が挙げられる。
更に前記反応において、有機ジカルボン酸無水物と共
に用いられる1,2−エポキシドとしては、エチレンオキ
サイド、1,2−プロピレンオキサイド、1,2−ブチレンオ
キサイド、エピクロルヒドリンが挙げられる。
そして前記反応において触媒としては、塩化リチウ
ム、臭化リチウムのようなハロゲン化リチウム、テトラ
メチルアンモニウムブロマイド、トリブチルアンモニウ
ムブロマイド、テトラプロピルアンモニウムクロライド
のようなテトラアルキル第4級アンモニウム塩等が挙げ
られる。
次に、本発明におけるポリエステル化合物の有利な製
造方法の例をより具体的に挙げる。
不活性溶媒の存在下又は非存在下、ポリオキシアルキ
レン・ハロゲン化ビスフェノール1モルと所定モル量の
有機ジカルボン酸無水物及び触媒を反応容器に仕込み、
更に常圧下又は加圧下に所定モル量の1,2−エポキシド
を導入し、50〜200℃、好ましくは120〜150℃の加熱下
で反応させて、ポリエステル化合物を得る。
かくして得られるポリエステル化合物は通常、その末
端基が水酸基、カルボキシル基又はそれらの混合基とな
るが、末端基としての水酸基とカルボキシル基との比率
は反応に関与する有機ジカルボン酸無水物と1,2−エポ
キシドとのモル比によって左右される。それ故、末端基
としての水酸基とカルボキシル基との比率は上記両者の
反応モル比を選択することによって変化させることがで
きる。
上記のような末端基としての水酸基及び/又はカルボ
キシル基を有するポリエステル化合物は、該末端基と反
応性のある化合物、具体的にはα,β−オレフィン性炭
化水素基を有する化合物と反応させて、末端変性を行な
うことができる。かくして末端変性を行なうと、その末
端基としてα,β−オレフィン性炭化水素基を有するポ
リエステル化合物を得ることができる。また末端基とし
て水酸基を有するポリエステル化合物に対しては、該末
端基にジカルボン酸、2価以上の多塩基酸又はそれらの
酸無水物を反応させて、末端基としてカルボキシル基を
有するポリエステル化合物とすることもできる。
以上説明したような末端基を有するポリエステル化合
物から成る本発明の難燃剤は、分子内に1個又は2個以
上のオキシアルキレン基及びエステル基を有するため、
硬化前の熱硬化性樹脂に対する相溶性乃至分散性が格段
に向上し、しかも該相溶性乃至分散性は、熱硬化性樹脂
の種類に応じて、オキシアルキレン基やエステル基の種
類並びに鎖長等を選択することにより、任意に変えるこ
とができる。いうまでもないが、難燃剤分子中に含まれ
るハロゲン原子の割合を多く維持するためには、オキシ
アルキレン基及びエステル基の割合を該難燃剤の相溶性
乃至分散性に問題を生じない範囲内で可及的に少なくし
た方がよい。
また本発明の難燃剤として用いるポリエステル化合物
の末端基は、前述したように、カルボキシル基、水酸
基、α,β−オレフィン性炭化水素基であるが、これら
は対象とする熱硬化性樹脂の種類に応じて適宜に選択す
ることができ、選択した該末端基と熱硬化性樹脂の分子
中に存在する反応性基や併用される他の反応性添加剤と
の反応によって硬化樹脂中で均等に化学的に結合するた
め、本発明の難燃剤は、従来問題となっていた難燃剤の
分離による金型汚れや分離した難燃剤の成形物表面への
浸出による白化現象等を有効に防止することができるの
である。
より具体的には、不飽和ポリエステル樹脂を用いるSM
C(板状成形材料)やBMC(塊状成形材料)の製造では、
増粘剤を使用するのが一般的であるが、増粘剤として酸
化マグネシウムや水酸化マグネシウムを使用する場合に
は、末端基としてカルボキシル基を有するポリエステル
化合物が好ましく、増粘剤としてジイソシアネート類を
使用する場合には、末端基として水酸基を有するポリエ
ステル化合物が好ましい。また増粘剤を使用しないその
他の不飽和ポリエステル樹脂の成形方法、例えばRTM
(樹脂注入成形)、RIM(反応射出成形)、引抜成形等
では、マトリックス樹脂を構成することとなる不飽和ポ
リエステル樹脂や併用するエチレン性単量体(例えばス
チレンやメチルメタクリレート)等と熱硬化工程でラジ
カル共重合を可能とさせるために、ポリエステル化合物
中に炭素−炭素2重結合を導入したり(例えば前記の有
機ジカルボン酸無水物としてマレイン酸を使用する)、
又はポリエステル化合物の末端にα,β−オレフィン性
炭化水素基を導入することが好ましい。そして、エポキ
シアクリレート系の構造を有するビニルエステル系の不
飽和ポリエステル樹脂に対しては末端基としてα,β−
オレフィン性炭化水素基を有するポリエステル化合物が
好ましく、ウレタン系樹脂に対してはイソシアネート類
との反応性の点で末端基として水酸基を有するポリエス
テル化合物が好ましい。
要するに、本発明に係る難燃剤は、熱硬化性樹脂に与
える難燃性はいうまでもなく、とりわけ、硬化前の熱硬
化性樹脂組成物との相溶性乃至分散性に優れ、また該樹
脂や他の反応性添加剤との化学的な反応に関与し得るた
め、熱硬化性樹脂組成物の硬化成形工程における各種の
障害、例えば難燃剤の分離や揮発等による金型汚損や成
形物の表面特性に大きく影響する白化等の品質低下を防
止するの極めて有効なのである。
以下、本発明をより明瞭にするため、本発明に係る難
燃剤の製造参考例及び実施例並びに評価等を挙げるが、
本発明が該実施例に限定されるというものではない。
<実施例等> ・B−1の合成(後記第2表中でB−1に相当するもの
の合成) 無水コハク酸200g(2モル)、触媒として塩化リチウ
ム1g、ビスヒドロキシエチルテトラブロモビスフェノー
ルA316g(0.5モル)、及びキシレン500mlをオートクレ
ーブに仕込み、反応系を窒素置換した後、攪拌しながら
130℃にまで加熱した。次いで、1,2−プロピレンオキサ
イド116g(2モル)を1時間かけて圧入し、130℃で2
時間熟成を行ない、反応を完結させた。そして減圧下に
キシレンを留去し、淡黄色粘稠液状の生成物(B−1)
630gを得た。得られた生成物(B−1)の水酸基価86.
7、酸価2.0、ブロム含有量25.0重量%であった。
・A−1の合成(後記第1表中でA−1に相当するもの
の合成) B−1の合成と同様にして得た生成物631.5g(0.5モ
ル)、無水コハク酸100g(1モル)、及びトルエン500m
lを温度計、攪拌機、冷却コンデンサーを付した反応容
器に仕込み、加熱してトルエン還流下に2時間反応させ
た。トルエンを減圧下に留去し、粘稠液状の生成物(A
−1)727gを得た。得られた生成物(A−1)は両末端
がカルボキシル変性されたポリエステル化合物で、その
水酸基価0.8、酸価75.2、ブロム含有量21.1重量%であ
った。
・C−1の合成(後記第3表中でC−1に相当するもの
の合成) 無水コハク酸100g(1モル)、無水フタル酸144g(1
モル)、触媒としてテトラエチルアンモニウムクロライ
ド1g、ビスヒドロキシエチルテトラブロモビスフェノー
ルA316g(0.5モル)、及びキシレン500mlをオートクレ
ーブに仕込み、反応系を窒素置換した後、攪拌しながら
130℃にまで加熱した。次いで、1,2−プロピレンオキサ
イド58g(1モル)を1時間かけて圧入し、130℃で2時
間熟成を行なった。続いてグリシジルメタクリレート14
3g(1モル)を圧入し、同温度で90分間反応を行なっ
た。そして減圧下にキシレンを留去し、黄色軟固状〜粘
稠液状の生成物(C−1)757gを得た。得られた(C−
1)生成物の水酸基価70.5、酸価1.7、ブロム含有量21.
4重量%であった。
・A−2〜A−4の合成(末端基としてカルボキシル基
を有するものの合成) A−1の合成と同様にしてA−2〜A−4を得た。こ
れらを第1表に示す。
・B−2〜B−5の合成(末端基として水酸基を有する
ものの合成) B−1の合成と同様にしてB−2〜B−5を得た。こ
れらを第2表に示す。
・C−2〜C−5の合成(末端基としてα,β−オレフ
ィン性炭化水素基を有するものの合成) C−1の合成と同様にしてC−2〜C−5を得た。こ
れらを第3表に示す。
・評価例1(不飽和ポリエステル樹脂に対する相溶性) 固形分60%を含有する不飽和ポリエステル樹脂のスチ
レン溶液60重量部、スチレン28重量部、及び難燃剤12重
量部をビーカーにとり、50℃でプロペラ撹拌機により5
分間均一に混合した後、その相溶乃至分散状態を観察し
た。結果を第4表に示す。
・評価例2(SMC圧縮成形) 不飽和ポリエステル樹脂としてポリセット9120(日立
化成社製)を50部、ポリ酢酸ビニル系低収縮化剤10部、
第5表に示す如くハロゲン含有量が12.5重量%となるよ
うにそれぞれ調整された難燃剤のスチレン溶液40部、ス
テアリン酸亜鉛3部、ターシャリーブチルパーベンゾエ
ート1.5部、炭酸カルシウム粉末150部、及びパラベンゾ
キノン0.3部を均一に混合し、次いで酸化マグネシウム
2部を加え、直ちに1インチ長のガラス繊維20%を含む
シートモールディング組成物(SMC)を作成した。SMC調
整後、48時間熟成してから金型温度145℃で圧縮成形
し、成形板を得、この際の成形状態等を観察した。結果
を第6表に示す。
注)評価基準: SMCの状態:○;均一で分離物が認められない、△;表
面に油状分離物が僅かに認められる、×;分離物が明ら
かに認められる 金型汚れ:○;汚れが全くない、△;僅かに褐色の汚れ
が認められる、×;汚れが著しい 成形板の状態:○;均質な平滑表面で汚れ模様や白化が
認められない、△;僅かに白化物の析出と褐色の流れ模
様の汚れが認められる、×;白化又は褐色の流れ模様の
汚れが著しい 尚、難燃性を酸素指数(ASTM D−2863−74)で測定
したところ、いずれも25以上であった。
・評価例3(不飽和ポリエステル樹脂注入成形板) 熱硬化性不飽和ポリエステル樹脂としてポリライトPC
−670(大日本インキ社製)を500部に対し、前記第3表
中のC−3の70%スチレン溶液500部を加え、更にナフ
テン酸コバルト60部を溶解し、樹脂液を調整した。得ら
れた樹脂液は室温においても相分離することのない安定
な状態であった。この樹脂液を、予めガラスマットをセ
ットしてある樹脂射出金型(R−RIM又はRTMと通称され
る)へ送入するに当たり、アセチルアセトンパーオキサ
イドを該送入液の1%となるように混合しつつ金型へポ
ンプ送入した。その際、金型の液受入れ口は直径20mmで
あり、送入時の金型温度は25℃であった。2時間後、金
型内の樹脂温度は重合熱によって上昇を始め、その後3
時間で最高温度75℃に達した。更に3時間経過後、金型
を開いて、成形物を取り出した。この成形物に含まれる
ガラス繊維の含有量は22重量%であった。得られた成形
物の外観は一様で、白化物の析出や光沢の斑はなく、そ
の難燃性指標である酸素指数は24.5であった。
<発明の効果> 各評価例からも明らかなように、以上説明した本発明
には、難燃性はいうまでもなく、良好な作業性の下に優
れた表面特性を有する成形物が得られるという効果があ
る。

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記一般式で示されるポリオキシアルキレ
    ン・ハロゲン化ビスフェノールを出発物質としてその水
    酸基に触媒存在下で有機ジカルボン酸無水物と下記の1,
    2−エポキシドとを交互に反応させて得られるポリエス
    テル化合物であって、その末端基として水酸基、カルボ
    キシル基又はα,β−オレフィン性炭化水素基を有する
    ポリエステル化合物から成ることを特徴とする熱硬化性
    樹脂用難燃剤。 一般式: [但し、A;メチレン基、エチレン基、プロピリデン基、
    −S−、又は から選ばれる2価の有機基。X;ハロゲン原子。R;エチレ
    ン基、プロピレン基、ブチレン基、又は炭素数2〜4の
    ハロゲン置換アルキレン基(同時に同一でも、異なって
    いてもよい)。m,n;1以上の整数であって、2≦m+n
    ≦6を満足するもの。] 1,2−エポキシド:エチレンオキサイド、1,2−プロピレ
    ンオキサイド、1,2−ブチレンオキサイド及びエピクロ
    ルヒドリンから選ばれる1種又は2種以上
  2. 【請求項2】有機ジカルボン酸無水物が、無水フタル
    酸、無水コハク酸、シクロヘキサンジカルボン酸無水
    物、シクロヘキセンジカルボン酸無水物及びエンドメチ
    レンシクロヘキセンジカルボン酸無水物から選ばれる1
    種又は2種以上である特許請求の範囲第1項記載の熱硬
    化性樹脂用難燃剤。
  3. 【請求項3】有機ジカルボン酸無水物が、ハロゲン置換
    芳香族ジカルボン酸無水物である特許請求の範囲第1項
    記載の熱硬化性樹脂用難燃剤。
  4. 【請求項4】有機ジカルボン酸無水物が、α,β−不飽
    和ジカルボン酸無水物を必須成分とするものである特許
    請求の範囲第1項記載の熱硬化性樹脂用難燃剤。
  5. 【請求項5】ポリオキシアルキレン・ハロゲン化ビスフ
    ェノールが、ハロゲン化ビスフェノールAにエチレンオ
    キサイド又は1,2−プロピレンオキサイドを平均4〜6
    モル付加させたものである特許請求の範囲第1項〜第4
    項のいずれか一つの項記載の熱硬化性樹脂用難燃剤。
  6. 【請求項6】熱硬化性樹脂がラジカル硬化性樹脂である
    特許請求の範囲第1項〜第5項のいずれか一つの項記載
    の熱硬化性樹脂用難燃剤。
JP15403687A 1987-06-19 1987-06-19 熱硬化性樹脂用難燃剤 Expired - Lifetime JP2572020B2 (ja)

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