JP2570497B2 - 非線形光学レーザ素子 - Google Patents

非線形光学レーザ素子

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明はバリウムボレイト単結
晶を用いた非線形光学レーザ素子に関する。
【0002】
【従来の技術】レーザ材料と非線形光学材料を使用した
LD励起短波長固体レーザは光ディスクの書き込み等に
利用されている。
【0003】従来レーザ発振材料は母結晶にイットリウ
ムアルミニウムガーネット(YAG)やイットリウムバ
ナデイト(YVO4 )等の材料が用いられ、レーザ活性
元素をドープして使用されていた。これらのレーザ材料
から発振されたレーザ光の波長変換を行なう場合、通常
はレーザ発振材料の他に非線形光学材料を用いるため、
別々の2個の素子が必要であった。
【0004】非線形光学材料であるベータバリウムボレ
イト(以下β−BaB2 4 と略記する)はレーザ光の
波長変換を効率良く行なうことのできる非線形光学材料
であり、特にレーザ光に対する破壊しきい値が大きいた
め高出力レーザの波長変換に使用されているが、同様に
レーザ発振素子と、β−BaB2 4 よりなる波長変換
素子の2個の素子が用いられた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】レーザ光の波長変換を
行なう場合、従来用いられていたNd:YVO4 とベー
タバリウムボレイトの素子を用いた共振器長は素子間に
約3mmの隙間があったため13mmであった。また素
子どうしのアラインメントを取るのに約5時間の行程を
必要としていた。従って、レーザ発振材料と非線形光学
材料の2個の素子が一体化された非線形光学レーザ素子
が実現されれば装置の小型化が可能となり、また素子ど
うしのアラインメントの必要も無くなることより、β−
BaB2 4 とレーザ材料とを一体化させることの出来
るレーザ材料が望まれていた。しかし、YAGやYVO
4 レーザ材料とβ−BaB2 4 を一体化させようとし
ても、結晶構造や融点、格子定数等が大きく異なるため
一体化は困難であった。
【0006】本発明の目的は、レーザ発振可能であり、
β−BaB2 4 と一体化可能な、レーザ活性元素を添
加したアルファバリウムボレイト(以下α−BaB2
4 と略す)と、波長変換素子のβ−BaB2 4 をひと
つの素子にすることで装置の小型化をはかり、またアラ
インメントの工数を削減してコストダウンを図ることで
ある。
【0007】BaB2 O4 単結晶は結晶構造にα相(高
温相)のα−BaB2 O4 とβ相(低温相)のβ−Ba
B2 O4 の2種類を持っている。これらの結晶は共に6
方晶系に属し、結晶構造も類似している。しかし、各々
の性質は異なっており、β−BaB2 O4 は波長変換素
子として応用できる優れた材料である一方で、α−Ba
B2 O4 は、β−BaB2 O4 と組成、結晶系が同じで
結晶の対称性が違うために非線形光学活性でないもの
の、レーザ発振材料としては、Nd等のレーザ活性元素
が高濃度で添加できるために優れた材料である。これら
結晶の結晶構造が類似していることから、レーザ活性元
素をドープしたα−BaB2 O4 とβ−BaB2 O4 と
を一体化させ、非線形光学レーザ素子を作成することが
可能であることが明らかになった。
【0008】α−BaB2 4 の結晶構造とβ−BaB
2 4 の結晶構造を図1(a)、(b)に示した。単位
格子の大きさには差があるが、両相とも構成単位はリン
グ状のB3 6 リングとBaから成り立っている。図1
(a)のα−BaB2 4 の方がBaサイトが僅かに大
きいためNd、Er、Tm等の希土類元素やTi、Cr
等の遷位金属をレーザ活性元素としてドープすることが
可能である。BaB24 組成粉末とレーザ活性元素、
レーザ活性元素の電荷を補償するための元素(CsやR
b等の一価のアルカリ金属等)を混合し焼結させること
で、予めレーザ活性元素等とBaB2 4 との間に化学
結合を持つことが出来、原料を融解してからもこの結合
が融液中に保存され、結晶中にNd等の活性元素が入っ
たα−BaB2 4 の高品質な結晶育成が可能となる。
図2にNdを0.3%ドープしたα−BaB2 4 の吸
収スペクトルを示す。これより、キセノンランプ等のフ
ラッシュランプでα−BaB2 4 にドープされたNd
元素を励起し、Ndの蛍光スペクトルである1.3、
1.06、0,94μm等のレーザ発振が可能となるこ
とがわかる。従ってこの材料は、β−BaB2 4 と一
体化して素子を作成して用いることはもちろん、単独で
レーザ発振材料としても用いることが可能である。
【0009】複合素子の作成法としては、α−BaB2
4 を種結晶としてβ−BaB2 4 、もしくはその逆
で結晶を育成することにより、α−BaB2 4 とβ−
BaB2 4 を一体化させた素子を作成することが出来
る。種結晶の方位をα−BaB2 4 が発振する波長に
対してβ−BaB2 4 が波長変換出来る方位となるよ
うに種結晶の方位を設定して育成し、研磨加工すること
により、ひとつの素子でレーザ発振と波長変換を行なう
ことの出来る非線形光学レーザ素子が実現される。この
素子を利用すれば素子間の間隙が必要となくなるため装
置の小型化が可能であり、また素子間のアラインメント
を取る行程が必要い。
【0010】
【実施例】(実施例1)BaB2 4 組成粉末にNd2
3 粉末を約1mol%混合した。この粉末を1090
℃で10時間加熱し、粉末の粒子同士を焼結させ、結晶
性の良い原料とした。この焼結させた粉末約180gを
直径40mmの白金坩堝に充填し、高周波引上炉を使用
し、α−BaB2 4 の種結晶を用いて引上法で育成を
行なった。Ndの偏析係数が約0.3なため、育成され
たα−BaB2 4 の結晶中には約0.3%molのN
dが混入していた。この単結晶を厚さ3mmに加工・研
磨し、吸収スペクトルを測定したところ、図2のように
Ndの吸収ピークが確認され、結晶の色もNdの呈する
紫色をしていた。この結晶をφ3mm、長さ3mmのロ
ッド状に加工し、単面に1.06μmの無反射コート膜
を蒸着した。レーザ発振実験のためのキャビティー内に
結晶を配置し、キセノンランプで励起して発振実験を行
なったことろ、1.06μmの発振光が確認された。 (実施例2)BaB2 4 粉末にNd2 3 と約1mo
l%電荷補償及び体積補償のためのCs2 Oを1mol
%を混入させた粉末を実施例1と同様に焼結させ、育成
を試みたところ、Nd濃度0.5%のα−BaB2 4
単結晶が育成された。Csで電荷補償したことにより、
Ndの偏析係数が0.3から0.5に上昇することが解
った。この結晶を用い、レーザ発振実験を行なったとこ
ろ、1.06μmのNdの発振光が確認された。 (比較例1)BaB2 4 粉末にNd2 3 を1mol
%混合し、焼結させないでそのまま粉末を坩堝に充填
し、融解して引上法で育成したところ、Nd元素がBa
2 4 とうまく混入されていないため、またBaB2
4 組成の元素と結合を予め持っていないためにNdが
結晶中にうまく取り込まれることが出来ず、Ndの偏析
係数は0.05以下であった。またNd2 3 のインク
ルージョンが結晶中に混入する場合が多かった。実施例
1と同様にレーザ発振の実験を試みたがNd濃度が薄い
ためにレーザ発振を確認出来なかった。 (実施例3)BaB2 4 組成融液から直径15mm、
長さ30mmのベータバリウムボレイト単結晶を引上法
で育成した。この単結晶から1.06μmのレーザ光の
第2高調波が得られるc軸から23°の方位になるよう
に直径5mm、長さ20mmの単結晶を切りだした。こ
れを種結晶に用い、BaB2 4 組成融液にNdを1%
添加した融液からNdが0.3%添加されたアルファバ
リウムボレイトを引上法で育成した。育成された結晶を
図3のようになるように加工し、3mm角の素子を作製
した。この素子の画面に1.06、0.53μmに対す
る無反射コーティングを施した後、1.06μmが共振
して0.53μmの光が出力するように設定された図4
の共振器中にこの素子を置、レーザダイオードの809
nmの光を素子の端面から入射したとろこ、α相中のN
d元素がこの809nmの光を吸収して1.06μmの
光を発振し、この光の第2高調波がβ相中で発生して共
振器からは0.53μmの光が出力され、非線形光学レ
ーザ素子が実現された。共振器長は約10mmとなっ
た。また素子どうしのアラインメントを取る行程は必要
ない。 (実施例4)BaB2 4 組成にNdを3mol%添加
した融液からNdが1%添加されたα相の単結晶を引上
法で育成した。この結晶上にβ相の結晶がc軸から約2
3°で育成するように、Ndを添加したα相の単結晶を
c軸から23°の方位を一辺に持つ3mm角に種結晶を
作製した。BaB2 4 組成原料にフラックスとしてN
2 O粉末を25%混入して900°で融解し、種結晶
を融液中に入れて融液温度右を1℃/日で降下させ、α
相の種結晶上にβ相を約5mm程度成長させた。この結
晶から図3の構成になるように3mm角の素子を切り出
し、実施例3と同様に図4の共振器中で発振実験を行っ
たところ、実施例1と同様の共振器長で0.53μmの
光が出力された。
【0011】なお、本実施例においてはレーザ活性元素
としてNdを、電荷補償元素としてCsを用いたときの
み示したが、他の元素を用いても同様な結果が得られ
た。
【0012】
【発明の効果】本発明によれば、ベータバリウムボレイ
ト単結晶を用いてレーザ光の波長変換を行なう際に、通
常2個必要な結晶が1個ですむために装置の小型化に貢
献する。また素子のアラインメント工数の削減ができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】α−BaB2 4 単結晶とβ−BaB2 4
結晶の結晶構造を示す図である。
【図2】Ndを0.3mol%混入させたα−BaB2
4 単結晶の吸収スペクトルを示す図である。
【図3】本発明の非線形光学レーザ素子を用いたLD励
起レーザ装置を示す図である。
【符号の説明】
1 レーザダイオード 2 共振器 3 非線形光学レーザ材料(Nd:α−BaB2 4
β−BaB2 4 ) 4 励起光(820nm) 5 発振光(532nm) 6 ミラー

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】レーザ発振と波長変換を一つの結晶で行う
    ことのできる複合素子であって、レーザ発振材料として
    レーザ活性元素をドープした単一の単結晶からなるア
    ルファバリウムボレイトと、波長変換材料としての単一
    の単結晶からなるベータバリウムボレイトとを化学結合
    により一体化して一つの素子を構成したことを特徴とす
    る非線形光学レーザ素子。
  2. 【請求項2】レーザ発振材料として、レーザ活性元素に
    加えて、レーザ活性元素の電荷補償、体積補償をするた
    めの元素をドープしたアルファバリウムボレイトを用い
    ることを特徴とする請求項1記載の非線形光学レーザ素
    子。
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