JP2570450B2 - スペーサ型光ファイバケーブル - Google Patents
スペーサ型光ファイバケーブルInfo
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- JP2570450B2 JP2570450B2 JP2002075A JP207590A JP2570450B2 JP 2570450 B2 JP2570450 B2 JP 2570450B2 JP 2002075 A JP2002075 A JP 2002075A JP 207590 A JP207590 A JP 207590A JP 2570450 B2 JP2570450 B2 JP 2570450B2
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Description
ーサに光ファイバを収納してなるスペーサ型光ファイバ
ケーブルに関し、特に低温における使用の際に伝送損失
を増大させることなく安定して使用することを可能にす
る改良されたスペーサ型光ファイバケーブルに関するも
のである。
から実用化されてきた光ファイバケーブルにスペーサ型
光ファイバケーブルがある。
なるテンションメンバー1の外周にらせん状の光ファイ
バ収納溝3,3を有するスペーサ2を押出一体化し、前記
光ファイバ収納溝3,3内に単心あるいは複数心の光ファ
イバ4,4を収納し、押え巻き5を施した後プラスチック
等の外被6を被覆してなるものである。
によって収納されている光ファイバ4に長手方向の余長
が得られるようにし、ケーブルに張力が負荷されたり熱
により膨張しケーブルの長さが伸びたりしても、前記余
長によってそれを吸収し、光ファイバ4に直接大きな張
力が負荷されたりしないように配慮した構成とするため
である。
スペーサの溝をらせん状に形成するか、その本来の目的
は、ケーブル自体の伸びが光ファイバにまで及び張力に
弱い光ファイバに断線や伝送損失の増大といった悪影響
が生ずるのを防止するためのものである。
御などの技術が著しく発達し、その応用環境も常温や高
温域における使用に止まらず、例えば−40℃程度の低温
になる冷凍倉庫内での制御や管理あるいは極寒地などに
おいての情報通信などにも光ファイバケーブルが使用さ
れるようになり、当初予期していなかったような新たな
課題に直面するようになった。
は、中心に亜鉛めっき鋼撚線のような高抗張力鋼線をユ
ニットテンションメンバーとして配置した構造のものも
なくはないが、もともと光ファイバケーブルは光ファイ
バが電磁的影響を受けないことに着目しケーブル構造を
設計しているのが大部分であり、ケーブルに全く金属を
使用せず所謂ノンメタリック構造に構成しているのが一
般的である。
も、鋼線ではなくガラス繊維強化プラスチック(以下FR
Pという)等の非金属材料が使用されているし、それ以
外の材料も大部分はプラスチック材料によって構成され
ている。
張係数が大きく、高温において伸びが大きくなると同
様、低温においては収縮量が非常に大きくなる。
場合、使用温度が−20℃以下の低温になると、スペーサ
を含めたケーブル全体の収縮量は非常に大きなものとな
り、その結果としてそれら構成材料よりも線膨張係数の
小さいガラスよりなる光ファイバ4がスペーサ溝3内で
余ってしまい、その余った分を吸収するために蛇行状態
となり、所謂マイクロベンディングが各所に生じ、光の
伝送損失が急激に増加するといった現象がみられるよう
になってくる。このような場合に、光ファイバのコーテ
ィング材を選択し対応しようとしても限界がある。
張係数の小さいFRPの断面積を増大させ、周囲の他のプ
ラスチック材料との複合線膨張係数をFRPのそれにでき
る限り近付けようとしたり、予め光ファイバを引き伸ば
し引張残留応力を持たせておこうといった方策もとられ
ている。
させれば、ケーブル自体がかなり高価なものとなってし
まうという問題がある上、断面積を増大させるにも構造
上から限界がある。
て静疲労を生じ易い光ファイバの破断寿命を低下させな
いように配慮する必要があり、光ファイバ製造時に全長
に印加する所謂プルーフ荷重を通常よりも大きく設定す
る必要があるが、そのスクリーニングの過程で破断して
使用できない光ファイバが増加し、光ファイバの原価ひ
いてはケーブル全体のコストが上昇するという問題があ
る。
解消し、たとえ相当に低い温度(例えば前記した冷凍倉
庫内での−40℃といった低温)において使用しても伝送
損失がほとんど変化せず、安定した光伝送を継続保持し
得る新規なスペーサ型光ファイバケーブルを提供しよう
とするものである。
スペーサの光ファイバ収納溝のらせんピッチをP、当該
らせん溝の底部の直径をD、溝の深さをh、光ファイバ
の外径をd、光ファイバケーブル全体の線膨張係数を
、ケーブル製造時の温度と実使用対象温度との差の絶
対値をΔtとした場合に、 の関係を満足するように溝のピッチPを構成したもので
ある。
例示した冷凍倉庫のような低温域での使用において、そ
の予定温度に達するまで光ファイバの蛇行現象を発生し
ないように設計することができ、ケーブルの外径を増大
させたり、材料を大巾に変更することなく、ピッチの設
定だけで低温域における光伝送損失を改善することが可
能となる。
する。
がDであるスペーサ2に溝3のピッチPが上述した関係
式を満足するようにして、当該溝3内に外径dなる光フ
ァイバ4,4を収納させ、第1図に示したような構成のス
ペーサ型光ファイバケーブルに常温で製造した直後のス
ペーサ部分を示した断面図である。
のようにきちんと収納されている。
中に布設し、光ファイバケーブルが冷却によって収縮
し、光ファイバ4,4がその収縮に追随し切れずに余長が
できて外周に向って変形し、第1図の押え巻き5に接触
した状態を示す説明断面図である。これが臨界状態であ
り、温度がこれよりさらに低温になれば、光ケーブルの
収縮は一層大きくなり、光ファイバ4,4の長さが余って
しまい、溝3内において蛇行変形によってケーブルの収
縮を吸収せねばならなくなり、マイクロベンディングの
発生による光信号の伝送損失の増加が開始されることに
なる。
イバの長さlは、被覆光ファイバの外径d、スペーサの
溝底部直径D、溝深さh、らせん溝ピッチPにより で表わされる。
想定低温においては光ファイバの撚込み長さl-は同様に で表わされ温度変化により光ファイバの余った分を吸収
できる量Δlは である。
とするとその温度差の絶対値はΔt=to+tである。こ
の時のケーブルの線膨張係数を、被覆光ファイバの線
膨張係数をαfとすると、低温時に余る光ファイバの量
ΔlTはΔlT=(−αf)Δtとなる。従って、Δl=
ΔlTが光ファイバの低温状態における伝送損失を生じさ
せないための臨界条件ということになる。
あるからαfを無視すると、上記臨界条件を維持するに
はピッチPが下記(1)式の関係を満足していればよい
ことになる。
加されその後当該光ファイバに残留している伸び残留応
力は考えていない。通常、スペーサ内に収納された光フ
ァイバには上記撚合せの際の伸び残留応力が存在してい
るから、上記(1)式はその残留応力が解放される温度
に相当する分だけの安全率を加味したものということが
でき、逆に考えれはそのような残留応力が零である最悪
条件にも対応可能な関係式であるということができる。
外径7.0mmのスペーサに、溝深さ1.2mmで、そのらせんピ
ッチが250mmと375mmの2種のピッチよりなるらせん溝を
形成し、当該溝内にモードフィールド径9.8μm、クラ
ッド径125μm、カットオフ波長1.20μmのシングルモ
ード光ファイバに紫外線硬化樹脂を被覆して外径0.4mm
とした光ファイバを挿入収納した。
スチックの押え巻を施し、約2mmのポリエチレンシース
を施してノンメタリックシングルモード光ファイバケー
ブルを試作した。光ファイバをスペーサ溝に挿入する工
程ではスペーサに加えたバックテンションによる伸びと
ほぼ同じ伸びを光ファイバに加えながら撚合せ、光ファ
イバの製造による残留歪がほぼ零となるよう配慮した。
1.3×10-5、他は上記の通りh=1.2mm、D=4.1mm、d
=0.4mmであり、製造時の温度18℃、実使用低温側温度
を−40℃とすると、上記した(1)式からP<333mmと
なる。
ピッチ250mmのケーブルA、ピッチ375mmのケーブルをB
とし、伝送信号の波長1.55μmにおける温度−伝送損失
特性を測定した。
た温度−伝送損失特性線図である。
mを満足するケーブルAでは、−40℃にまで温度低下さ
せても伝送損失の増加は殆どみられない。しかし、
(1)式の関係を満足していない大きなピッチを有する
ケーブルBでは、−10℃近傍より低温になるに従い急激
に伝送損失の増加が現れている。
の正当性は、正にこの結果によって実証されたというこ
とができる。
バケーブルによれば、使用する材料などを変更すること
なく、単にスペーサに形成するらせん溝のピッチを臨界
条件以下とするだけで、予定される低温環境において伝
送損失がほとんど増加することなく安定した光信号の伝
送を保持継続できるものであり、コストの増大を伴うこ
となく低温雰囲気における光ファイバケーブルの使用範
囲を拡大できることになる工業上の意義は大きなものが
ある。
示す断面図、第2図は本発明に係るケーブルの製造直後
におけるスペーサ部分の断面図、第3図はそれが低温度
で臨界的状態になった様子を示す断面図、第4図はらせ
ん溝のピッチの異なる2種の光ケーブルにおける温度−
伝送損失特性を測定した結果を示す線図である。 1:テンションメンバー、 2:スペーサ、 3:光ファイバ収納溝、 4:光ファイバ、 5:押え巻き、 6:外被。
Claims (1)
- 【請求項1】所定の低温域で使用効率を向上可能なスペ
ーサ型光ファイバケーブルであって、 スペーサの光ファイバ収納溝のらせんピッチをP、 当該らせん溝の底部の直径をD、 溝の深さをh、 光ファイバの外径をd、 光ファイバケーブル全体の線膨張係数を、 ケーブル製造時の温度と実使用対象温度との差の絶対値
をΔt とした場合に、 の関係を満足するように溝のピッチPを構成してなるス
ペーサ型光ファイバケーブル。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002075A JP2570450B2 (ja) | 1990-01-08 | 1990-01-08 | スペーサ型光ファイバケーブル |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002075A JP2570450B2 (ja) | 1990-01-08 | 1990-01-08 | スペーサ型光ファイバケーブル |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH03206407A JPH03206407A (ja) | 1991-09-09 |
JP2570450B2 true JP2570450B2 (ja) | 1997-01-08 |
Family
ID=11519228
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002075A Expired - Lifetime JP2570450B2 (ja) | 1990-01-08 | 1990-01-08 | スペーサ型光ファイバケーブル |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2570450B2 (ja) |
-
1990
- 1990-01-08 JP JP2002075A patent/JP2570450B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH03206407A (ja) | 1991-09-09 |
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