JP2569966Y2 - たくし上げカーテン - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案はカーテンをアーチ状に開
くたくし上げカーテンに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】一般のたくし上げカーテンは、ヘッドレ
ールに軸受けしたシャフトとそのシャフトに取付けた複
数個のドラムと、そのドラムに巻き上げるコードと、コ
ードによって引き上げるカーテンとを備え、コードはカ
ーテンに設けたループを通ってカーテンの下縁近くに止
着し、シャフトを回転してコードを巻き上げてカーテン
を水平に開く方式である。カーテンをアーチ状に開く方
式のたくし上げカーテンとしては、中央のドラムを他の
ものよりも大径にしたものが実開昭６３−１１７３６７
号に、コードの下端をカーテン下縁に取付けたガイドを
介して折り返した後にカーテン地の下縁以外の部分に止
着したものが特開平４−７１５１０号に、それぞれ開示
されている。

【０００３】カーテンを水平に開く方式の既製たくし上
げカーテンをアーチ状に開く方式のものに変更する場
合、前者はドラムを取替える必要があり、後者はドラム
を取替える必要はないが、カーテン地の下縁以外の部分
にコードの下端を止着又はそのための部材を止着する必
要があるため、ユーザーは必ずしも簡単に方式の変更を
することはできなかった。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】本考案は上記問題点を
解決するためになされたものであり、その目的とすると
ころは、カーテンを水平に開く方式の既製たくし上げカ
ーテンをユーザーが容易にアーチ状に開く方式に変更す
ることができるようにすることにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本考案が採用する手段は、ヘッドレールにシャフト
を軸受けし、そのシャフトに３個以上の同一径のドラム
を取付け、そのドラムに巻いたコードの先端をカーテン
地に止着してカーテンを開くたくし上げカーテンにおい
て、少なくとも１個の、例えば中央のコードは先端をカ
ーテンの下縁近くの止着部材に止着し、他のコード、例
えばその両側のコードはカーテン下縁近くに取付けた折
返し部材を折り返してヘッドレールに取付けた止着部材
近くに先端を止着するか、又はそこで折返し部材を介し
て折り返して再びカーテン下縁近くの止着部材に先端を
止着するか、もしくはそこでさらに折返し部材を介して
折り返して再びヘッドレールに取付けた止着部材に先端
を止着するようにしたことにある。折返し部材は折り返
しを容易にするため、リング又は滑車に形成し、止着部
材は孔又はフック上のコード止着具にすることが望まし
い。

【０００６】

【作用】カーテンが閉じたとき、コードはドラムから全
部引き出され、カーテン下縁部は水平に並ぶ。シャフト
を回転してコードをドラムに巻き上げると、すべてのド
ラムに同じ長さのコードが巻き取られる。このとき、中
央のコードの先端を止したカーテン下縁部はコード巻き
取り長さだけ上昇するが、その両側の１回だけ折り返し
たコードは、コード巻き取り長さの半分だけ、２回折り
返したコードはコード巻き取り長さの３分の１だけ、３
回折り返したコードは４分の１だけしか上昇しないカ
ラ、カーテンの下縁は全体としてアーチ状に開く。コー
ドの折り返し部材をリング又は滑車とし、ヘッドレール
にコード先端を止着する金具又は滑車もしくはその双方
を設けたブラケットを取付けておけば、ユーザーはコー
ドの長さを２倍又は３倍もしくは４倍にするだけで、簡
単に水平開き方式のたくし上げカーテンをアーチ形に開
く方式のたくし上げカーテンに変更することが可能であ
り、又、その逆も容易である。

【０００７】

【実施例】本考案のたくし上げカーテンを図面に示す実
施例に基づいて説明する。図１に示すように、ヘッドレ
ール10にシャフト11を回転自在に軸受けし、そのシャフ
トの端部に滑車12を固定する。滑車12にボールチェーン
13を掛け、シャフト11を回転駆動する。シャフト11の中
央とその両側にドラム14を固定し、そのドラムにコード
15、16の一端を止着する。コード15、16はカーテン17に
取付けが上下方向に並ぶループ状のガイドループを通
る。最下段のループ18にはウェイト19が掛けられ、その
ウェイトに滑らかなリング20又は滑車を付設する。中央
のコード15の先端は、ウェイト19のリング20に止着する
が、その両側のコード16の先端はリング20に掛けて折り
返し、そのまま上へ延長し、ヘッドレール10に取付けた
コード止着具21に止着する。このため、両側のコード16
は中央のコード15に比べると全長が２倍になる。カーテ
ン17が下降して閉じたとき、カーテンの下縁は水平に並
ぶ。ボールチェーン13を引いてシャフト11を回転する
と、コード15、16はドラム14に巻き上げられる。すべて
のドラム14の直径は同一であるから、コード15、16の巻
き取り長さは同一である。コード15の先端を止着したカ
ーテン17の中央の下縁はコード15の巻取り長さだけ上昇
するが、カーテン17の両側のコード16が折り返す部分の
下縁は、巻取り長の半分の長さしか上昇しない。さら
に、カーテン17の両側端はコードを掛けないから、その
下縁は全く上昇しない。その結果、図２に示すように、
カーテン17はアーチ状に開く。

【０００８】図３に示すように、ウェイト19に滑車22と
コード止着具23を一体に設け、そのウェイトをカーテン
17の下縁部のループ18に掛け止めする。ドラム14に巻い
たコード16を滑車22に掛けて上方へ折り返す。ヘッドレ
ール10に滑車25とコード止着具26を備えたブラケット24
を固定する。コード16をヘッドレール10へ引き上げて滑
車25に掛けて再び下方へ折り返し、ウェイト19のコード
止着具23に止着する。シャフト11を回転してコード16を
ドラム14に巻き上げると、コード16は１往復半折り返す
ため、中央のコードの上昇距離の１／３だけ上昇する。

【０００９】シャフトに両端を除いて５個の同径のドラ
ムを等間隔に取付け、中央のドラムに巻いたコードの先
端はカーテンの下縁部に、その両側のドラムに巻いたコ
ードは図１に示すように、カーテン下縁部で折り返して
ヘッドレールのコード止着具に先端を止着し、さらにそ
の両側のコードは、図３に示すように、カーテン下縁部
とヘッドレールの間を１往復半折り返してカーテン下縁
部のガイドに先端を止着すると、図４に示すように、カ
ーテン17は６辺のアーチ状に開く。

【００１０】図示していないが、カーテン下縁部の滑車
を２重にしてカーテン下縁部とヘッドレールの間でコー
ドを２往復折り返すと、その部分のカーテンの上昇距離
を折返しのないコードによる上昇距離の１／４にするこ
とができる。

【００１１】

【考案の効果】上記のとおり、本考案のたくし上げカー
テンは、カーテンの下縁部又はヘッドレールにリング又
は滑車を取付けてコードを延長し、１本以上のコードを
ヘッドレールとカーテン下縁の間において１回以上折り
返して、そのコードによるカーテン下縁の上昇距離長さ
を折返しをしないコードによるカーテン下縁が上昇距離
の１／２、１／３、１／４にすることにより、カーテン
をアーチ状に開くものであるから、従来のコードを巻く
ドラムを取替えたり、下縁部以外のカーテン地にコード
の先端を止着したりする必要はないから、ユーザーが水
平に開く方式のものを簡単にアーチ状に開く方式に変更
することができるという優れた効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】は本考案の一実施例のたくし上げカーテンの要
部を示す背面図、

【図２】はアーチ状に開いた図１のカーテンの正面図、

【図３】は別の実施例の要部背面図、

【図４】はアーチ状に開いた図３のカーテンの斜視図、

【符号の説明】

10：ヘッドレール、11：シャフト、14：ドラム、15、1
6：コード、17：カーテン、18：ループ、20：リング
（折返し部材）、21、23、26：コード止着具（止着部
材）、22、25：滑車（折返し部材）、24：ブラケット

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】ヘッドレール（10）にシャフト（11）を軸
   受けし、前記シャフトに３個の以上の同径のドラム（1
   4）を固定し、前記ドラムに巻き付けたコードを介して
   カーテン（17）を開く方式のたくし上げカーテンにおい
   て、少なくとも１個のドラムに巻けつけたコード（15）
   はその先端をカーテン（17）の下縁近くに取付けた止着
   部材に止着し、他のドラムに巻き付けたコード（16）は
   前記カーテンの下縁近くに取付けた折返し部材（20、2
   2）と前記ヘッドレールに取付けた折返し部材（22、2
   5）の間を１往復以上折り返して、先端を前記ヘッドレ
   ールに設けたコード止着具（21、26）又は前記カーテン
   の下縁近くに取付けたコード止着具（23）に止着したこ
   とを特徴とするたくし上げカーテン。