JP2569409Y2 - 薬液散布車 - Google Patents

薬液散布車

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JP2569409Y2
JP2569409Y2 JP1993012057U JP1205793U JP2569409Y2 JP 2569409 Y2 JP2569409 Y2 JP 2569409Y2 JP 1993012057 U JP1993012057 U JP 1993012057U JP 1205793 U JP1205793 U JP 1205793U JP 2569409 Y2 JP2569409 Y2 JP 2569409Y2
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健治 藤江
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Maruyama Manufacturing Co Inc
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この考案は、ノズルからの散布液
微粒子を送風機からの風に乗せて散布するスピードスプ
レーヤ等の薬液散布車に係り、詳しくは散布方向を適切
に選択できる薬液散布車に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の一般的なスピードスプレーヤ
(例:実開昭3−102267号公報)では、上方及び
左右側方に開口する噴頭部に、複数個のノズルが外方へ
向けて配列され、各ノズルから噴出する散布液微粒子
を、送風機からの風に乗せて、周囲へ散布している。
【0003】スピードスプレーヤによる散布では、散布
状況によっては左右片側のみの散布や上方のみの散布が
必要とされる場合があり、軸流送風機搭載の従来のスピ
ードスプレーヤでは、ノズルコックの操作により、散布
を行なわない方向範囲のノズルからの薬液の噴出を止め
るとともに、散布を行なわない方向範囲を遮蔽板により
覆って、風の吹出しを阻止したり、あるいは制風板を操
作して、噴頭からの風の方向を制御したりする。また、
軸流送風機に代えて遠心送風機を採用し、吹出し口の向
きを変えることもある。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】作業者がその都度、遮
蔽板を着脱することは煩雑であり、また、制風板による
風の制御では、乱流が生じ易く、散布液微粒子の到達距
離が低下する。遠心送風機を採用して、吹出し口の向き
を変更することは、遠心送風機では、吹出し口が小さ
く、散布幅が小さいので、通常の片側散布や上方散布で
は、散布幅が小さ過ぎて、作業能率が低下する。
【0005】また、従来のスピードスプレーヤでは、上
方散布の場合の散布幅を簡単に調整したり、斜め散布
や、段差のある場所で、斜め上方と斜め下方とを同時散
布することは困難となっている。
【0006】請求項1の考案の目的は、十分な散布幅及
び散布液微粒子の適切な到達性を確保しつつ散布方向を
適切に選択することができる薬液散布車を提供すること
である。請求項2の考案の目的は、散布幅の変更や左右
同時斜め散布等の各種散布パターンの切替を容易に実現
できる薬液散布車を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】この考案を、実施例に対
応する図面の符号を使用して説明する。請求項1の薬液
散布車(10)は次の(a)〜(d)の構成要素を有し
ている。 (a)薬液散布車(10)の直径方向へ長い帯状吹出し
口(34) (b)帯状吹出し口(34)から外方へ向かって風が吹
出るように帯状吹出し口(34)へ風を送る送風機(4
4) (c)帯状吹出し口(34)に配設された複数個のノズ
ル(42)を備えるノズル列(40) (d)帯状吹出し口(34)を薬液散布車(10)の周
方向へ移動させて帯状吹出し口(34)の周方向位置を
調整する調整手段(38)
【0008】請求項2の薬液散布車(10)では、ノズル列
(40)を備える帯状吹出し口(34)は、複数個あり、調整手
段(38)により個々に周方向位置を調整自在となってい
る。
【0009】
【作用】請求項1の薬液散布車(10)において、送風機(4
4)からの風は、帯状吹出し口(34)へ送られて、薬液散布
車(10)の周方向へ長い帯状吹出し口(34)の形状を流路断
面としてかつ帯状吹出し口(34)の向きへ吹出される。薬
液は、ノズル列(40)のノズル(42)から噴出して、散布液
微粒子(76)となり、帯状吹出し口(34)から吹出される風
に搬送されて、散布される。散布液微粒子(76)の散布方
向を調整する場合には、調整手段(38)により、帯状吹出
し口(34)が、薬液散布車(10)の周方向へ移動されて、散
布液微粒子(76)の散布方向に対応する周方向位置とされ
る。この結果、帯状吹出し口(34)からの風の吹出し方向
が散布方向に合わせられ、散布液微粒子(76)はその散布
方向へ散布される。
【0010】請求項2の薬液散布車(10)では、各帯状吹
出し口(34)は調整手段(38)により個々に周方向位置を制
御される。散布幅を調整自在とする場合は、散布方向中
心線に対する各帯状吹出し口(34)の傾斜角が変更され
る。これにより複数個の帯状吹出し口(34)全体からの散
布液微粒子(76)の広がり角が変化し、これに伴って、散
布幅も変化する。蜜柑畑等の段差地で、斜め上方散布と
斜め下方散布とを同時に行なう場合は、調整手段(38)に
より、1つの帯状吹出し口(34)は斜め上方へ、別の1つ
の帯状吹出し口(34)は斜め下方へ向けられる。これによ
り、1つの帯状吹出し口(34)からの風は、斜め上方へ吹
出して、散布液微粒子(76)を斜め上方へ搬送し、別の1
つの帯状吹出し口(34)からの風は、斜め下方へ吹出し
て、散布液微粒子(76)を斜め下方へ搬送する。
【0011】
【実施例】以下、この考案を図面の実施例について説明
する。図7及び図8はスピードスプレーヤ10の概略側面
図及び後方から見た概略図である。フレーム12は前後左
右のタイヤ14により自走可能になっており、フレーム12
の上には、前側から順番に、運転手が運転操作のために
乗り込む運転席15、薬液や肥料液等の散布液を貯留する
薬液タンク16、エンジン56(図6)やポンプ(図示せ
ず)等を収容する動力部18、及び薬液を放出する噴頭部
20が装備される。
【0012】図1は噴頭部20を斜め上方から見た分解
斜視図、図2は噴頭部20の側面図、図3は正面図であ
る。門型フレーム22は、スピードスプレーヤ10の前
後方向へ向けられてフレーム12に下端を固定され、上
辺中心部に前後1対のステー24を有している。1対の
噴頭装置26は門型フレーム22の前後に配設されてい
る。各噴頭装置26において、噴頭ケース28は、異物
除去用の金網30を取付けられた吸入口32と、吸入口
32に対して直角方向へ開口する吐出口34とを有して
いる。吸入口32及び帯状吹出し口すなわち吐出口34
は、高さ方向へ十分に長い、したがって、スピードスプ
レーヤ10の直径方向へ十分に長い長方形状となってお
り、前側の噴頭ケース28ではそれぞれ前方及び左方に
向けられ、後ろ側の噴頭ケース28ではそれぞれ後方及
び右方へ向いている。支軸36は、スピードスプレーヤ
10の前後方向へ延び、基端側を噴頭ケース28に固定
され、先端側をステー24の透孔25へ挿通されて、ス
テー24に回転自在に軸支され、ナット35を螺着され
て、透孔25からの抜けを阻止されている。電動シリン
ダ38は、門型フレーム22の上辺部にほぼ沿って延
び、両端部において、噴頭ケース28の耳部37及び門
型フレーム22の上側角部の軸39に回動自在に結合し
ている。電動シリンダ38は運転席15からの遠隔操作
により個々に独立に伸縮自在であり、各噴頭装置26
は、電動シリンダ38の伸縮に伴って支軸36の中心線
の周りに回動し、噴頭部20の周方向位置、すなわち吐
出口34の向きを変更する。各ノズル列40は、各吐出
口34内に配設されており、外方へ向けられて吐出口3
4の長手方向へ一列に配列された複数個のノズル42を
備えている。ホース43は、噴頭ケース28から引き出
され、動力部18内のポンプにより薬液タンク16から
圧送されて来る薬液をノズル42へ導く。シロッコファ
ン44は、噴頭ケース28内に配設されて、回転により
空気を吸入口32から吸入して、吐出口34から吐出す
る。油圧モータ46は、噴頭ケース28の下端外側に固
定され、油圧ホース48を介して油圧を供給されて、シ
ロッコファン44を駆動する。
【0013】図4は噴頭ケース28の水平断面図、図5は
シロッコファン44の斜視図である。シロッコファン44
は、軸52の延び方向を噴頭ケース28の長手方向へ一致さ
せて、噴頭ケース28内に配設されている。複数個の翼部
54は、周方向へ等角度間隔で軸52に固定され、軸52の回
転に伴って、吸入口32からの空気を吐出口34へ圧送す
る。
【0014】図6は油圧系統及びその駆動系を示す図で
ある。油圧モータ46の駆動機構の構成図である。エンジ
ン56は、タイヤ14の駆動源も兼ね、出力軸には一体回転
するようにプーリ58を嵌装されている。Vベルト60は、
プーリ58と、油圧ポンプ62の入力軸に一体回転するよう
嵌装されているプーリ64とに掛けられ、プーリ58の回転
をプーリ64へ伝達する。油圧ポンプ62は、レバー66を備
え、レバー66の揺動位置を、運転席15からレバー66を介
して遠隔操作されて、生成油圧を調整される。油圧ポン
プ62は、各油圧モータ46に対応して設けられ、油圧ホー
ス48を介して油圧モータ46へ油圧を供給する。油圧モー
タ46の回転速度、したがってシロッコファン44の回転速
度、すなわち吐出口34からの送風量はレバー66の遠隔操
作を介して制御される。
【0015】スピードスプレーヤ10の作用について説明
する。散布作業では、スピードスプレーヤ10は圃場内を
走行する。散布状況に合わせて、各電動シリンダ38が独
立に伸縮され、これにより、各噴頭装置26が支軸36の中
心線の周りを独立に回動し、噴頭部20における噴頭装置
26の周方向位置、したがって吐出口34の向きが調整され
る。噴頭装置26内のシロッコファン44は、油圧モータ46
の駆動により回転して、空気を吸入口32から吸入し、こ
の空気を吐出口34の形状を流路断面として吐出口34の向
きへ吹出す。一方、噴頭装置26のノズル列40へは薬液タ
ンク16内の薬液がポンプを介して供給され、薬液微粒子
76(図9〜図12)がノズル42から噴出される。この結
果、薬液微粒子76は、吐出口34から吹出される風に乗っ
て、吐出口34の長辺の長さを散布幅として吐出口34の向
きで散布される。
【0016】図9は左右両側散布を示す図であり、矮化
栽培作物70が左右に存在している。左右の噴頭装置26
は、吐出口34をそれぞれ真左及び真右へ向けた直立位置
とされる。また、両噴頭装置26では、シロッコファン44
が作動状態にされるとともに、ホース43を介してノズル
42へ薬液を供給される。これにより、薬液微粒子76が両
噴頭装置26より左右の矮化栽培作物70へ向けて散布され
る。
【0017】左右一方の片側散布では、散布側の噴頭装
置26は、直立位置に保持されるとともに、作動状態にさ
れて、ノズル42へ薬液を供給され、かつシロッコファン
44を駆動される。これにより、スピードスプレーヤ10の
片側のみへ薬液微粒子76がほぼ吐出口34の長辺の長さの
散布幅で散布される。
【0018】図10は散布幅を適当に広げられて上方散
布を行なっている状態図、図11は両噴頭装置26が共に
真上へ薬液微粒子76を散布している図である。スピード
スプレーヤ10は棚作り作物72の下側を走行する。上方散
布では、両噴頭装置26は、支軸36を通る鉛直線に対して
等しい傾斜角を保持しつつ、支軸36の中心線の周りに回
動され、上方へ向かって薬液微粒子76を散布する。両噴
頭装置26が上方へ向けられる程、両噴頭装置26全体とし
ての薬液微粒子76の上方への広がり角が減少し、散布幅
を減少し、両噴頭装置26がともに真上へ向けられている
ときは、散布幅が最小となる。
【0019】図12は段差のある場所での散布状況を示
す図である。傾斜地栽培作物74は例えば蜜柑の木々であ
り、左右の噴頭装置26はそれぞれ左下方及び右上方の傾
斜地栽培作物74へ向けられ、それらに向かって薬液微粒
子76を散布する。
【0020】実施例では送風機としてシロッコファン44
が採用されているが、吐出口34の長辺の長さ全体にわた
って風を吹出すことができる送風機であれば、他の送風
機を採用することも可能である。実施例では、スピード
スプレーヤ10には噴頭装置26が2個装備されるが、3個
以上であってもよい。実施例では、ノズル列40は吐出口
34内に配設されているが、吐出口34の外側近傍であって
もよい。
【0021】
【考案の効果】請求項1の薬液散布車では、薬液散布車
の直径方向へ長い帯状吹出し口の形状を流路断面とする
風が帯状吹出し口から吹出されるとともに、帯状吹出し
口が調整手段により周方向位置を調整自在に設けられて
いるので、適切な長い散布幅を確保しつつ、散布液微粒
子の散布方向を円滑に調整自在になっている。また、乱
流が生じず、散布液微粒子を十分へ遠方へ散布すること
ができる。
【0022】請求項2の薬液散布車では、ノズル列を備
える帯状吹出し口が、複数個存在して、調整手段により
個々に周方向位置を調整自在となっているので、散布方
向中心線に対する各帯状吹出し口の向きを調整して、散
布幅を調整できるとともに、段差地で斜め上方と斜め下
方への散布を同時に行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】噴頭部を斜め上方から見た分解斜視図である。
【図2】噴頭部の側面図である。
【図3】噴頭部の正面図である。
【図4】噴頭ケースの水平断面図である。
【図5】シロッコファンの斜視図である。
【図6】油圧系統及びその駆動系を示す図である。
【図7】スピードスプレーヤの概略側面図である。
【図8】スピードスプレーヤを後方から見た概略図であ
る。
【図9】左右両側散布を示す図である。
【図10】散布幅を適当に広げられて上方散布を行なっ
ている状態図である。
【図11】両噴頭装置が共に真上へ薬液微粒子を散布し
ている図である。
【図12】段差のある場所での散布状況を示す図であ
る。
【符号の説明】
10 スピードスプレーヤ(薬液散布車) 34 吐出口(帯状吹出し口) 38 電動シリンダ(調整手段) 40 ノズル列 42 ノズル 44 シロッコファン(送風機) 76 薬液微粒子(散布液微粒子)

Claims (2)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 薬液散布車(10)の直径方向へ長い帯
    状吹出し口(34)と、この帯状吹出し口(34)から
    外方へ向かって風が吹出るように前記帯状吹出し口(3
    4)へ風を送る送風機(44)と、前記帯状吹出し口
    (34)に配設された複数個のノズル(42)を備える
    ノズル列(40)と、前記帯状吹出し口(34)を前記
    薬液散布車(10)の周方向へ移動させて前記帯状吹出
    し口(34)の周方向位置を調整する調整手段(38)
    とを有していることを特徴とする薬液散布車。
  2. 【請求項2】 前記ノズル列(40)を備える前記帯状
    吹出し口(34)が、複数個あり、前記調整手段(3
    8)により個々に周方向位置を調整自在となっているこ
    とを特徴とする請求項1記載の薬液散布車。
JP1993012057U 1993-02-24 1993-02-24 薬液散布車 Expired - Fee Related JP2569409Y2 (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPS5845806Y2 (ja) * 1979-12-19 1983-10-18 株式会社 丸山製作所 多目的自在噴頭

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