JP2568818B2 - サンドイッチ構造体を形成するプロセス - Google Patents

サンドイッチ構造体を形成するプロセス

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Description

【発明の詳細な説明】 発明の背景 本発明は、航空機産業において用いるための層状シー
ト構造を形成するために、高エネルギレーザを用いてシ
ートを1つに溶接する改善された方法に関するものであ
る。
拡散接合と組合わされた超塑性加工(SPE/DB)は、航
空機産業におけるサンドイッチ構造において利用が増大
しつつある(参考としてここに合同されるHamilton達に
よる“金属サンドイッチ構造を形成する方法”という題
名の米国特許第3,927,817号を参照)。超塑性は、或る
限定された温度と歪速度の範囲内において、或る金属が
小さなネッキング傾向を示すことによって非常に大きな
伸びに発展する特性である。拡散接合は、高温高圧にお
いて互いにプレスされる類似の金属部品の金属学的接合
である。
超塑性加工において用いられるのと同じ合金の多く
は、拡散接合においても用いることができる。それらの
2つのプロセスが組合わされるとき、両方のプロセスに
ついての温度と圧力は類似しており、複雑な、膨張され
たサンドイッチ構造がほぼ1ステップの操作で形成され
得る。
しかしながら、SPF/DBは以下のようないくつかの制限
がある。
超塑性の材料のみが用いられ得る。
構造物は高い超塑性加工温度と圧力まで上げられな
ければならない。
かなりの伸びは不均一な強度特性を有する不均一な
製品を生じ得る。
或る材料は容易に拡散接合され得ない。
超塑性材料を用いずにサンドイッチ構造物を製造する
新規な方法が、どちらもLeonardo Israeliによる“膨張
されたサンドイッチ構造を作る方法”という題名の米国
特許第4,361,262号と“アコーディオン膨張プロセス”
という題名の米国特許出願連続番号第446,987号におい
て述べられており、それらは参照としてこの明細書に合
同される。そのプロセスは本質的に展開プロセスであっ
て、通常は膨張の間に材料の微小の引張伸びを必要と
し、すなわちその構造物の膨張は本質的に伸びよりもむ
しろ展開による。この代わりに、アコーディオン膨張プ
ロセスが超塑性加工のために用いられ得る。しかし、拡
散接合は高い温度と圧力を必要とするとともに、或る材
料に限定される。したがって、これに代わる接合プロセ
スは高い温度と圧力を必要としないことが要求され、広
い範囲の材料に適用可能であることが必要であり、さら
にサンドイッチ構造物を形成するためにアコーディオン
膨張とともに用いられ得ることが必要とされる。
レーザは製造装置として適当である。現在、材料処理
はレーザの最も重要な工業的応用の1つである。大気ま
たはほぼ大気の条件で達成され得るレーザ溶接は、すべ
ての溶接プロセスの中で最も高いエネルギ集中を生じ
る。レーザは、小さな領域に局所化されて制御され得る
高いパワー密度を生じ得る。また、レーザは、コスト効
率の高いエネルギの利用,周囲の層における最小の歪と
軟化,および簡略化された材料の取扱いを可能にする。
レーザは短い時間間隔におけるエネルギのかなりの量の
付与の結果となるので、高速製造,高精度,および繰返
し可能性はレーザ応用における本質である。
求められることは、超塑性加工と拡散接合によって製
造される一体物のサンドイッチ構造物と同じ種類のもの
を得るために、膨張に先立ってシート構造物を溶接する
ためにレーザ処理の多くの長所を利用するプロセスであ
る。
発明の概要 したがって、本発明の主要な目的は層状シート構造を
金属学的に接合する新しい方法を提供することである。
本発明のもう1つの目的は膨張されたサンドイッチ構
造を形成する新しい方法を提供し、拡散接合に関連する
高い圧力と温度を排除することである。
本発明のさらにもう1つの目的は、レーザ技術固有の
制御された深さの溶接を、膨張可能な層状シート構造の
製造に導入することである。
本発明のさらにもう1つの目的は層状シート構造にお
けるレーザ溶接の深さと幅を制御する新しい方法を提供
することである。
本発明は膨張に先立って層状シート構造における溶接
深さの制御を伴ない、予め選択されたパターンでこれら
のシートを1つに接合する。3つのシートが1つの重な
りに位置決めされた後に、中央のコアシートを各表面シ
ートへ溶接するためにレーザが用いられる。レーザ溶接
は、接合する表面が互いに溶け込むようにレーザエネル
ギを材料へ与えることによって、2つの類似の表面を接
合する。任意の継目において、その溶接された領域が遠
い方の表面シート内まで貫通しないように溶接の深さを
制御することは非常に重要である。なぜならば、その貫
通はサンドイッチ構造の適切な形成を妨げるからであ
る。
本発明は主に金属構造物について用いられるよう意図
されているが、本発明は非金属構造物へも応用し得る。
レーザエネルギはレーザ溶接領域において材料を溶融し
て材料のプールを形成し、それが再凝固して溶接を形成
する。再凝固した溶接の成分の制御における困難性のた
めに、非類似の材料は通常は用いられない。
レーザ溶接は膨張に先立って層状シート構造に与えら
れる。表面が互いに溶接された後に、仕上られた構造物
を形成するために、その重なりを膨張させるのに必要な
付加的な熱と圧力が加えられる。
層状シート構造をレーザ溶接するこの新しい方法に特
有であると考えられる新規な特徴とともにその方法の他
の目的や利点は、本発明の好ましい実施が例として図解
されている添付図面と関連した以下の記述によってより
よく理解されよう。しかし、それらの図面は図解と説明
の目的のためのみであって、本発明の範囲を規定するも
のではないことを明白に理解すべきである。
実施例の説明 すべての図面は図解の目的のために誇張されている。
なぜならば、シート厚さは通常は0.05〜0.15インチの範
囲だからである。
ここで図面を参照して、膨張に先立って3枚のシート
の重なりにおいて典型的にレーザ溶接された領域4が第
1図に示されている。3枚のシートの重なりは、2枚の
表面シート6と8およびコアシート7を含んでいる。レ
ーザエネルギは表面シート6を通してコアシート7内ま
で至り、熱影響領域5によって囲まれたレーザ溶接領域
4を形成する。
シートは好ましくは密接させられるが、拡散接合と異
なってこれは必須要件ではない。シート6,7,および8の
間隔はシート厚さの10%を越えないことが勧められる。
熱影響領域5はレーザ溶接された領域4を囲み、それ
はその接合近くの材料の塑性変形の領域である。レーザ
エネルギの高い集中とそのエネルギの強度の結果とし
て、レーザ溶接は熱影響領域5の厚さが他の溶接技術に
よって生じる同様な領域により3倍から5倍小さいとい
う事実によって特徴付けられる。領域5は溶融されない
が、レーザエネルギによって生じる変態を受けるかもし
れない。領域5の厚さは、残留歪や横断歪において従来
のアーク溶接より約5倍低いレーザ溶接の結果となる。
その薄い熱影響領域5は、レーザ溶接された領域の改善
された腐蝕と疲労強度にも貢献すると考えられる。
ここで第3図を参照して、膨張後の3枚のシートのサ
ンドイッチ構造が示されている。レーザ溶接は、たとえ
ば溶接領域21と23におけるように、表面シート13をコア
シート12へ継目溶接するために用いられる。過剰のエネ
ルギが溶接領域21と23へ表面シート11を溶接しないよう
に、溶接深さを制御するように注意が払われるべきであ
る。同様に、溶接領域22と24は表面シート11をコアシー
ト12に溶接するとによって形成される。
第4図と第5図は整列されていて、アコーディオン膨
張によって形成された4シートサンドイッチ構造の形成
を描いている。第4図は表面シート31と34およびコアシ
ート32と33を有する膨張前の重なりを描いており、それ
らのコアシートは膨張に先立って切抜き(たとえば71,7
2および73)において選択的に切られている。1つのコ
アシートはワークピースの各層として用いられ、各シー
トは切抜きを有することが好ましい。さらに、それらの
ワークピースを重なり内の正しい位置に保持するために
シートの細長い切片(図示せず)が用いられることが勧
められ、それらの細長い切片は形状プロセスの間に破断
される。もしレーザ溶接が採用されるならば、4シート
構造は階段的に形成されなければならない。なぜなら
ば、さもなくば表面シートを通して各溶接領域における
溶接をすることが必要となるからである。段階的なレー
ザ溶接によって、複雑な多重シート膨張構造物が本発明
のプロセスによって形成され得る。すなわち、コアシー
ト32と33は領域61,64,66,および68において溶接され
る。次に、表面シート31が加えられて、領域62,65,およ
び67において、深さ制御されたレーザ溶接がながされ
る。最後に、表面シート34が加えられ、領域63,60,およ
び69において、深さ制御されたレーザ溶接がながされ
る。
第5図は膨張された構造を描いている。コアシート32
と33はアコーディオン膨張によって展開されて引伸ばさ
れ、ほぼ垂直なコアを支持する表面シート31と34を形成
し、それらはコアのペア41と42,43,44,および45と46を
含む。組合わされたペアをほぼ垂直にしかつ重い横断方
向の荷重を支える能力を与えるために、わずか約5〜10
%の伸びが必要とされると推定される。
第6図と第7図は整列されていて、アコーディオン膨
張による5シートサンドイッチ構造の形成を描いてい
る。第6図は表面シート101と105さらにコアシート102,
103,および104を有する膨張前の構造を描いており、そ
れらのコアシートは膨張に先立ってスロット(たとえば
126,127,および128)において選択的に切られている。
コアシート102,103,および104は位置決めされ、継目溶
接領域(たとえば112,113,および114)において1つに
深さ制御レーザ溶接される。次に、表面シート101が加
えられて、3つのコアシート102,103,および104に対し
て、深さ制御レーザ溶接(たとえば111)がなされる。
表面シート105が加えられて、そのアンセンブリへ深さ
制御レーザ溶接される。
第7図は5シートの膨張された構造を描いている。コ
アシート102,103,および104はアコーディオン膨張によ
って展開されて引き伸ばされ、直線的ではあるが表面シ
ート101と105に対して本質的に傾斜してそれらを支える
コア(たとえば143と144,および142と153)を形成す
る。
ここで第2図を参照して、レーザエネルギがあまりに
深く貫通して望まざる溶接が生じないことを確実にする
必要があろう。これはシート7と8の間にシールド3を
挿入することによって可能であり、それによってシート
8が溶接されないようにカバーする。シールド材料3の
利用は或る条件下においてさらに必要とされよう。なぜ
ならば、シートは通常は正確なエネルギ制御を必要とす
る非常に薄い(0.05インチ〜0.15インチ)ものだからで
ある。概念的に、プラスチック,薄いフィルム,または
化学物質を含む広範な種々のシールド材料が利用し得
る。もし用いられるシールド材料が反射性であれば、そ
のシールド材料まで通る過剰のエネルギはその溶接を凝
固させるためにカバーシートまで反射し戻され得る。し
かし、シールド材料は入射レーザビームの波長に合わせ
て作られたエネルギ吸収化合物であることが好ましい。
もしCO2レーザが用いられるならば、6フッ化硫黄がそ
のレーザビームエネルギの非常に高い吸収性によって下
側の金属に対して顕著な保護を与えると考えられる。化
学物質の薄いコートは一時的な保護を与えるだけである
が、任意の位置におけるレーザ存続時間は短いので薄い
コーティングで十分である。
さらに、シールド材料はレーザ溶接の幅を制御するた
めに用いられ得る。シールド9と10はシート6の上に置
かれて、溶接幅を制御するために用いられる。シールド
9,10,および3は溶接が完了した後に除去し得る。
本発明において用いられるような制御された深さのレ
ーザ溶接において、レーザパワーの大きさは種々の材料
によってかなり変化する。表面吸収、または逆に表面反
射は、制御された深さの溶接に必要とされるレーザパワ
ーの大きさを決定する主要な特性であると考えられる。
熱伝導性も重要である。
各シートが約0.10インチの厚さを有する5000シリーズ
のアルミニウムシートを重ね溶接するためにヘリウムガ
スシールドとともに連続的なCO2レーザを用いる典型的
なパラメータの組は以下のようである。
レーザビーム波長:10,600nm ターゲット上でのレーザビームパワー:4000ワット 移動速度:50−60インチ/分 作用表面におけるビームスポット直径:0.25〜0.75mm 溶接深さ:0.14と0.16インチ 1060nmの波長を有するYAGレーザはCO2レーザより好ま
しかろうが、YAGレーザでアルミニウムシートを溶接す
るための適当なパラメータが現在知られていない。この
短い波長はシートにおけるパワーのより大きな吸収を可
能にするとともに、運転コストを減少しかつより正確に
制御し得るレーザパワー装置を可能にする。
レーザ出力と溶接の深さの間の関係は通常は各材料に
ついて実験的に決定されるべきであるが、シート間のギ
ャップはレーザ出力に小さな影響しか及ぼさないと考え
られる。すなわち、これらの関係は、固体材料の制御さ
れた深さの溶接に必要とされるレーザ出力と密接な相関
関係にある。
これで、本発明に従って、上述の目的を十分に満す膨
張可能なシート構造の制御された深さの溶接方法が提供
された。ここで用いられたすべての用語は限定のためで
はなくて説明のためであると理解される。本発明は特定
の実施例に関して述べられたが、ここにおける開示に照
らして、多くの変更や一部修正等が当業者に明らかであ
ることがわかるであろう。したがって、特許請求の範囲
に含まれるそのようなすべての変更や一部修正を含むこ
とを意図している。
【図面の簡単な説明】
第1図は膨張前の3シート構造のレーザ溶接された領域
の詳細な図である。 第2図はシールド材料を用いた3シート構造のレーザ溶
接された領域の膨張前における詳細な図である。 第3図は膨張後における3シートサンドイッチ構造の断
面図であり、コアシートは2つの表面シートによって覆
われている。 第4図は膨張前における4シートサンドイッチ構造の断
面図である。 第5図は第4図に示された4シートサンドイッチ構造の
膨張後における断面図であり、それは第4図と整列して
おり、垂直コアを形成するためにアコーディオン膨張が
用いられた。 第6図は5シートサンドイッチ構造の膨張前の断面図で
ある。 第7図は第6図に示された5シートサンドイッチ構造の
膨張後における断面図であり、傾斜コアを形成するため
にアコーディオン膨張が用いられた。 図において、3はシールド、4はレーザ溶接された領
域、5は熱影響領域、6と8は表面シート、7はコアシ
ート、9と10はシールド、11と13は表面シート、12はコ
アシート、21,22,23,および24は溶接された領域を示
す。

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】サンドイッチ構造を形成するプロセスであ
    って、 (a)互いに重ねられた少なくとも3つのシートを位置
    決めし、その重なりは2つの表面シートと少なくとも1
    つのコアシートを含み、 (b)前記重なりの選択された領域において所定の制御
    された深さまでレーザビームで貫通して前記選択された
    領域で溶接を行ない、そして全部より少ない選択された
    数の前記シートのみが前記選択された領域において1つ
    に溶接され、 (c)前記重なりの内部と外部に対して圧力差を付与す
    ることによってその溶接された重なりを膨張させるステ
    ップを含むことを特徴とするサンドイッチ構造を形成す
    るプロセス。
  2. 【請求項2】前記シートの2つのみが前記選択された領
    域において1つに溶接されることを特徴とする請求項1
    に記載のプロセス。
  3. 【請求項3】前記膨張させるステップの間に、少なくと
    も前記1つのコアシートが前記選択された領域を除いて
    少なくとも前記1つの表面シートから分離されることを
    特徴とする請求項1に記載のプロセス。
  4. 【請求項4】少なくとも前記コアシートの1つと前記表
    面シートの1つは超塑性特性を有し、前記膨張は超塑性
    特性を有する前記シートの超塑性加工を伴なうことを特
    徴とする請求項1に記載のプロセス。
  5. 【請求項5】前記膨張はアコーディオン膨張を伴なうこ
    とを特徴とする請求項1に記載のプロセス。
  6. 【請求項6】2つのコアシートが存在し、前記位置決め
    するステップに先立って選択された領域において前記コ
    アシートを1つに接合するステップを含むことを特徴す
    る請求項1に記載のプロセス。
  7. 【請求項7】前記ステップ(a)に先立って、互いに位
    置決めされた3つのコアシートの重なりを形成し、前記
    コアシートの重なりの予め選択された領域において所定
    の制御された深さまでレーザビームを貫通させるステッ
    プをさらに含み、前記選択された領域において前記3つ
    のコアシートのうちの互いに隣接する2つの間でのみ溶
    接が行なわれることを特徴とする請求項1に記載のプロ
    セス。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US4304821A (en) * 1978-04-18 1981-12-08 Mcdonnell Douglas Corporation Method of fabricating metallic sandwich structure
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