JP2568760Y2 - 補機監視装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案はプラント等で用いられる
補機の運転状態を取込み、その運転時間や運転回数を監
視することにより補機の監視を行なう補機監視装置に関
する。

【０００２】

【従来の技術】一般に、プラント等では多数の補機を用
いており、これらの補機が故障すると生産性に大きな影
響を及ぼす。従って、補機の動作状態を常時監視する必
要があり、従来より補機監視装置が用いられている。以
下、プラントを水力発電設備とし、補機を冷却ストレー
ナとした場合について説明する。

【０００３】従来の補機監視装置では、冷却水ストレー
ナの１回当りの運転時間を測定し、この運転時間が長い
場合にはストレーナの排砂弁が引掛かった等の異常が発
生したことを検出することができる。また、一定の時間
を決め、この一定時間内にストレーナの動作回数を測定
しこの動作回数が多い場合には冷却水管への土砂の混入
等の異常が発生したことを検出することができる。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の補機監視装置においては、冷却水ストレーナ
の動作が異常になったことを検出することはできるが、
異常となる兆候を知ることはできない。つまり、プラン
ト設備では補機が異常であることとともに、異常になり
つつあることを検出することが望まれている。

【０００５】この考案はこのような従来の課題を解決す
るためになされたもので、その目的とするところは、異
常を検出するまでの過程でその兆候を検出することので
きる補機監視装置を提供することにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本考案は、プラント等で用いられる補機の動作を監
視する補機監視装置において、前記補機の１回当りの動
作時間を計測するタイマと、該タイマで計測された動作
時間が増加傾向にあるか否かを判定する手段と、増加傾
向にあると判定された際に警報を出力する手段と、を有
することが特徴である。

【０００７】また、プラント等で用いられる補機の動作
を監視する補機監視装置において、所定のインターバル
時間を設定するインターバルタイマと、このインターバ
ル時間内の補機の動作回数を計数するカウンタと、該カ
ウンタで計数された動作回数が増加傾向にあるか否かを
判定する手段と、増加傾向にあると判定された際に警報
を出力する手段と、を有することを特徴とする。

【０００８】

【作用】上述の如く構成された本考案では、補機の動作
時間、及び動作回数の過去のデータからこれらが増加傾
向にあるか否かが監視される。そして、動作時間、動作
回数が増加傾向にある場合には現在は異常でなくてもや
がて異常になるであろうと判断し警報を出力する。これ
によって補機の異常に対して迅速に対応することができ
るようになる。

【０００９】

【実施例】図１は本考案が適用された補機監視装置の一
実施例の構成を示すブロック図である。図示のように、
この補機監視装置は補機の動作状態を取込む入力部１
と、１回の動作時間を計測するタイマ２と、計測された
動作時間が所定の設定値よりも大きいか否かを判定する
比較部３と、動作時間が設定値よりも大きいときに警報
を出力する出力部４と、補機の動作ｎ回分の動作時間を
蓄えるレジスタ５と、補機の動作回数をカウントするカ
ウンタ７と、レジスタ５及びカウンタ７の出力からｎ回
分の動作時間の平均値を求める演算部６と、演算部６で
求められる平均値を３回分蓄えるレジスタ８と、該３回
分の平均値が連続して増加傾向にあるか否かを判定する
比較部９と、増加傾向にあると判定された場合に警報を
出力する出力部１０とを有している。

【００１０】また、この補機監視装置は所定のインター
バル時間を設定するインターバルタイマ１１と、このイ
ンターバル時間内の補機の動作回数を計数するカウンタ
１２と、この動作回数と所定の設定値とを比較する比較
部１３と、動作回数が大きいときに警報を出力する出力
部１４と、インターバル時間内の動作回数をｎ回のイン
ターバル時間分蓄えるレジスタ１５と、インターバル時
間の経過回数を計数するカウンタ１７と、レジスタ１５
及びレジスタ１７の出力を基にｎ回分の平均動作回数を
求める演算部１６と、演算部１６で求められた平均動作
回数を３回分記憶するレジスタ１８と、３回分の平均動
作回数が連続して増加傾向にあるか否かを判定する比較
部１９と、増加傾向にあると判定された場合に警報を出
力する出力部２０とを有している。

【００１１】次に、本実施例の動作について説明する。
いま、補機の動作に異常が発生し１回当りの動作時間が
設定値よりも大きくなると出力部４から警報が出力され
る。また、１回当りの動作時間が設定値よりも大きくな
らない場合にはこの動作時間はレジスタ５に記憶され
る。そして、レジスタ５ではｎ回分（例えば５回）の動
作時間が供給されるとその動作時間の平均値を計算し、
これをレジスタ８に出力する。その後、レジスタ８では
この平均値が３回供給された時点で、この３回分の平均
値を比較部９に出力する。

【００１２】そして、比較部９ではこの３回分の平均値
を監視し、増加傾向にあるか否かを判定する。その結
果、増加傾向にあると判定された場合には出力部１０か
ら警報を出力する。つまり、１回の動作時間が設定値よ
り大きくならなくても動作時間が増加する傾向にある場
合には異常となる兆候があると判定し警報を出力するの
である。

【００１３】一方、カウンタ１２ではインターバルタイ
マ１１にて設定されたインターバル時間内の補機の動作
回数を計数し、これを比較部１３に供給する。そして、
比較部１３ではこの動作回数と所定の設定値とを比較
し、動作回数が大きい場合には出力部１４から警報が出
力される。

【００１４】また、レジスタ１５ではインターバル時間
の動作回数をｎ回分（例えば５回分）記憶し、演算部１
６ではｎ回の平均動作回数が求められる。その後、レジ
スタ１８では演算部１６で求められた平均動作回数を３
回分記憶し、これを比較部１９に出力する。そして、比
較部１９ではこの３回の平均動作回数を監視し動作回数
が増加傾向にあるか否かを判定する。その結果、増加傾
向にあると判定された場合には出力部２０から警報が出
力される。つまり、１回のインターバル時間内の補機の
動作回数が設定値より大きくならなくても、動作回数が
増加する傾向にある場合には異常となる兆候があると判
定し警報を出力するのである。

【００１５】このようにして、本実施例では、補機の動
作時間、及び動作回数が異常を検出するための設定値よ
り大きくならなくても、その増加傾向を監視して異常と
なる前に警報を出力している。従って、補機の異常動作
を予防することができ、補機の異常監視の信頼性が飛躍
的に向上する。

【００１６】

【考案の効果】以上説明したように、本考案では、補機
の異常を検出し警報出力するとともに、異常状態への移
行期を監視し警報出力するので、予防保全に役立てるこ
とができ異常監視の信頼性が著しく向上するという効果
が得られる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案が適用された補機監視装置の一実施例の
構成を示すブロック図である。

【符号の説明】 １ 入力部 ２ タイマ ３ 比較部 ４ 出力部 ５ レジスタ ６ 演算部 ７ カウンタ ８ レジスタ ９ 比較部 １０ 出力部 １１ インターバルタイマ １２ カウンタ １３ 比較部 １４ 出力部 １５ レジスタ １６ 演算部 １７ カウンタ １８ レジスタ １９ 比較部 ２０ 出力部

Claims (2)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 プラント等で用いられる補機の動作を監
   視する補機監視装置において、 前記補機の１回当りの動作時間を計測するタイマと、該
   タイマで計測された動作時間が増加傾向にあるか否かを
   判定する手段と、増加傾向にあると判定された際に警報
   を出力する手段と、を有することを特徴とする補機監視
   装置。
2. 【請求項２】 プラント等で用いられる補機の動作を監
   視する補機監視装置において、 所定のインターバル時間を設定するインターバルタイマ
   と、このインターバル時間内の補機の動作回数を計数す
   るカウンタと、該カウンタで計数された動作回数が増加
   傾向にあるか否かを判定する手段と、増加傾向にあると
   判定された際に警報を出力する手段と、を有することを
   特徴とする補機監視装置。