JP2567732B2 - 表示制御装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は、ビデオRAMを介して文字表示を行うグラフ
ィックディスプレイにおいて、高速スクロール制御を実
現する表示制御装置に関する。

［従来の技術］ 一般に、グラフィックディスプレイは、表示すべきグ
ラフィックパターンを記憶し、且つ、スキャンに応じて
読み出しが行われるビデオRAMを有し、図形等の画像パ
ターンを直接書き込むことにより図形等を表示すると共
に、文字コードを文字パターンメモリを用いて文字パタ
ーンに変換し、この文字パターンを上記ビデオRAMに書
き込むことにより、文字の表示を行う。

このようなグラフィックディスプレイにおけるスクロ
ールは、従来ソフトウエアによりビデオRAMの内容を書
き替えて行うことが多い。具体的には、メインプログラ
ムがキーボード等からのスクロール指令を受けると、ま
ず、スクロールルーチンをコールし、ビデオRAMの最上
行を除く各行の内容を各々１行上又は下に書き替えてデ
ータの移動を行い、最下行又は最上行に空白データを書
き込むというスクロール処理を実行し、続いて、文字表
示ルーチンをコールして、上記空白行に書き込むべき文
字の文字コードを文字パターンに変換し、且つ、書込み
位置の計算を行ってビデオRAMのその位置に、変換して
文字パターンを書き込むという文字表示処理を実行して
いた。

［発明が解決しようとする課題］ 従来技術において、スクロール指令を受ける毎に、ス
クロールルーチンのコールによるスクロール処理と、文
字表示ルーチンのコールによる文字表示処理とを実行し
ていたので、スクロール指令が連続的に入力されると、
スクロール処理と文字表示処理とを各行毎に常に繰り返
さなければならず、このため、処理に時間がかかり、ス
クロールが遅くなってしまうという問題点があった。

本発明は、上記問題点を解決することを課題としてな
されたものであり、グラフィックディスプレイにおい
て、高速のスクロールが可能な表示制御装置を提供する
ことを目的とする。

［課題を解決するための手段］ 本発明に係る表示制御装置は、表示装置に表示するグ
ラフィックパターンデータを記憶するビデオRAMと、表
示装置に表示する文字の文字コードを画面表示に対応す
る位置に格納する仮想テキストバッファと、一定時間間
隔でタイムアップ信号を出力するインターバルタイマ
と、スクロール指令に応じて、前記仮想テキストバッフ
ァ及びビデオRAMにおけるスクロール処理を実行すると
共に、該スクロール処理により生ずる空白行に表示すべ
き文字コードを前記仮想テキストバッファに書き込むス
クロール制御手段と、インターバルタイマからのタイム
アップ信号に応答して、前記一定時間内に仮想テキスト
バッファに新たに書き込まれた文字コードを読出し、こ
れを文字パターンに変換してビデオRAMに書き込むパタ
ーン書き込み手段と、を有することを特徴とする。

［作用］ 本発明に係る表示制御装置は上述のような構成を有し
ており、スクロール指令が入力された場合、ビデオRAM
及び仮想テキストバッファの両方においてスクロール処
理を行い、スクロール処理による生ずる空白行に表示す
る文字については、仮想テキストバッファにその文字コ
ードを書き込むだけである。

そして、インターバルタイマからの一定時間毎のタイ
ムアップ信号に応答し、仮想テキストバッファにおける
新たに書き込まれた文字コードを文字パターンに変換し
て、ビデオRAMに書き込む。

従って、表示装置においては、スクロール指令時は、
スクロール処理のみが行われ、一定時間間隔の割り込み
処理の時に空白行における文字表示が行われる。

よって、一定時間内に複数のスクロール指令が入力さ
れた場合、各指令に対してはスクロールのみが行われ、
文字表示ルーチンをコールして実行される空白行におけ
る文字表示処理は省略されるので、スクロール処理の高
速化を図ることができる。

［実施例］ 以下、本発明に係る表示制御装置について、図面に基
づいて説明する。

第１図は実施例の構成を示すブロック図である。CPU1
は各種データの処理を行うものであり、データのやり取
りを行うBUS2が接続されている。また、インターバルタ
イマ３は所定のクロックをカウントしながら、カウント
値が所定値に至った場合にパルス信号（タイマアップ信
号）を発生する。このため、タイムアップ信号が一定時
間ごとに発生される。そして、インターバルタイマ３か
らのタイマアップ信号は割り込みコントローラ４に供給
され、この割り込みコントローラ４はタイマアップ信号
を受け取る度に、CPU1に対し割り込みを発生する。

また、BUS2には、メインプログラム及びその処理デー
タを記憶するメインメモリ８、割り込みルーチン部５、
文字格納／スクロールルーチン部６が接続されており、
通常時には、CPU1がメインプログラムに記憶されている
プログラムを実行する。一方、割り込みコントローラ４
より割り込みを受けた場合には、CPU1が割り込みルーチ
ン部５に記憶されているルーチンを実行する。

そして、本実施例においては、表示画面に対応した大
きさの表示済み仮想テキストバッファ7a及び表示データ
用仮想テキストバッファ7bからなる仮想テキストバッフ
ァ７を有しており、ここに表示を行う文字の文字コード
をその表示位置に対応した位置に記憶する。なお、文字
パターンメモリ９は文字コードに対応するドットパター
ンを記憶するものである。

更に、BUS2にはビデオプロセッサ10を介しビデオRAM1
1が接続されている。そこで、BUS2から供給されるドッ
トパターンはビデオプロセッサ10によりビデオRAM11の
対応箇所に記憶される。ここで、ビデオRAM11はカラー
表示のために赤（Ｒ）、緑（Ｇ）、青（Ｂ）の３つの記
憶部11R,11G,11Bからなっており、各ビデオRAM11R,11G,
11Bはそれぞれ１画面表示分の容量を持っている。そし
て、このビデオRAM11は、パラレルシリアル変換器12、
デコーダ13、パレット14を介しCRT等の表示装置15に接
続されており、ビデオRAM11に記憶されたデータが、ビ
デオプロセッサ10によってスキャンに応じて読み出され
ることにより、表示装置15においてビデオRAM11の内容
が表示される。

次に、スクロール制御処理について第２図に基づいて
説明する。キーボード等からスクロール指令を受ける
と、メインプログラムは、スクロール制御ルーチンをコ
ールし、スクロール処理を指示する。すると、CPU1はス
クロール制御ルーチンに従って、次のような処理を行
う。

まず、指示がスクロール処理であるか否かを判定する
（S201）。そして、上方へのスクロール処理であった場
合には、ビデオプロセッサ10によって、ビデオRAM11に
おけるデータを上方に移動して書き直し、最下行に空白
パターンを書き込むスクロール処理を行う（S202）。そ
して、このようにビデオRAM11におけるスクロール処理
が行われるため表示装置15における表示がスクロールさ
れる。ここで、このスクロール処理の場合には、新たな
文字データは何ら書き込まれないため、スクロール処理
によって空白部分が下方から生じることとなる。

次に、表示済み仮想的テキストバッファ7aにおけるデ
ータのスクロール処理を行う（S203）。そこで、この表
示済み仮想テキストバッファ7aにおける文字コードの書
き込まれている場所が上方に移動する。また、表示デー
タ用仮想テキストバッファのスクロール処理も行う（S2
04）。これによって表示データ用仮想テキストバッファ
7bにおける文字コードも表示済み仮想テキストバッファ
7aと同様に上方に移動される。このようにして、スクロ
ール指令に対しては、ビデオRAM11、表示済み仮想テキ
ストバッファ7a、表示データ用仮想テキストバッファ7b
におけるスクロール処理が行われる。

次に、空白行に表示すべき文字が存在する時は、その
文字コードをメインメモリ８から読み出し、文字格納／
スクロールルーチンをコールして、これに読み出した文
字コードを渡し、文字格納指示を与える。

すると、CPU1は文字格納／スクロールルーチンに従っ
て、S201において指示を判定し、空白行に表示すべき文
字コードを表示データ用仮想テキストバッファ7bの対応
する位置に順次書き込む（S205）。

ここで、この文字格納／スクロール処理においては、
文字コードの書込みは表示データ用仮想テキストバッフ
ァ7bに対してのみ行われ表示済み仮想テキストバッファ
7aやビデオRAM11に対しては行われない。従って、表示
装置15においては、空白行での新たな文字についての表
示は行われず、スクロールのみが行われる。

以上の処理は、インターバルタイム３により定まる一
定時間内において、複数のスクロール指令が入力された
場合、その指令毎に実行されるため、一定時間内では、
第４図（Ａ）の表示が複数行順次スクロールされ、第４
図（Ｂ）に示すように画面下部に複数の空白行が表示さ
れる。

次に、インターバルタイマ３により、タイムアップ信
号が割り込みコントローラ４に供給された場合には、CP
U1は割り込みコントローラ４からの指令によって、割り
込みプログラム部５の割り込みルーチンを実行する。そ
こで、この割り込み処理について、第３図に基づいて説
明する。

割り込み処理を行う場合には、まずCPU1は表示データ
用仮想テキストバッファ7bと表示済み仮想テキストバッ
ファ7aのデータをそれぞれの先頭から比較していき、異
なった文字コードが記憶されている場所（アドレス）を
見つけ出す（S301）。次に、表示データ用仮想テキスト
バッファ7bと表示済み仮想テキストバッファ7aの内容を
最後から比較していき、異なる文字コードが記憶されて
いる最終のアドレスを見つけ出す（S302）。

ここで、表示済み仮想テキストバッファ7aと表示デー
タ用仮想テキストバッファ7bは上述の第２図におけるS2
03,S204において同様のスクロール処理がなされている
ため、それぞれのデータの位置は対応しているはずであ
る。そこで、S301,S302の処理によって、上述のS205に
おいて新たに書き込まれた文字コード列を探し出すこと
ができる。

そして、このようにして新たに書き込まれた文字列を
検索して得た場合には、この文字列の先頭アドレス及び
最終アドレスから表示データ（新たに書き込まれたデー
タ）のスタート位置と長さを求める（S303）。

次に、スタート位置に基づいて、表示データ用仮想テ
キストバッファ7bにおける表示データの先頭より１文字
ずつ読み出す。そして、この読出したデータが表示済み
仮想テキストバッファ7aの対応位置の文字コードと一致
するか否かをチェックすることにより、その文字が既に
表示されているか否かを判定し（S306）、まだ表示され
ていなかった場合にはその文字の文字パターンを文字パ
ターンメモリ９より読み出し、これをBUS2、ビデオプロ
セッサ10を介しビデオRAM11に書き込み、表示装置15に
表示する（S306）。また、この新たな文字の文字コード
について、表示済み仮想テキストバッファ7aの所定位置
に書き込む。

このように表示及び書込みが終った場合には、次の１
文字分のデータを書き込む位置にアドレスをセットし
（S308）、次の文字の処理に戻る。そして、S304におい
て、表示データの終了と判定された場合にはこの処理を
終了する。従って、第４図（Ｂ）の複数の空白行には、
タイムアップ信号が到来した時に、第４図（Ｃ）に示す
ように文字が表示されることとなる。なお、S305におい
て既に同じ文字が表示されている場合には、その文字に
ついてのビデオRAM11への書込み、仮想テキストバッフ
ァ7aへの書込みは不要であるため、S306を飛ばし、S307
へ移る。

このように、本実施例によれば、文字格納／スクロー
ル処理においては、文字データはコードデータとして表
示データ用仮想テキストバッファ7bに書き込まれるだけ
であるため、高速の書込みが行え、高速のスクロール処
理を行うことができる。そして、文字パターンのビデオ
RAM11への書込みはインターバルタイマ３におけるタイ
ムアップ信号の発生時間間隔でのみ行われるため、スク
ロール処理の全体としての高速化を図ることができる。

更に、本実施例による文字パターンのビデオRAM11へ
の書込みは、表示データ用仮想テキストバッファ7bから
順次読み出される文字列に対して行われるため、上述の
第３図におけるS307において、ビデオRAM11における次
の書込み位置の計算が非常に楽になる。これは、通常の
文字については、その大きさが定められているため、前
回の文字書込み終了位置が分っていれば次の文字表示位
置が非常に簡単な計算で求められるからである。従っ
て、文字表示についての時間自体も従来の１文字ずつそ
の位置を計算していた場合に比べ高速化される。

なお、上述の実施例においては、インターバルタイマ
３からのタイムアップ信号により、CPU1が必ず割り込み
処理を行うこととしたが、CPU1が文字格納／スクロール
プログラムを実行中の場合（処理が競合した場合）に
は、割り込みを無視するか、又は割り込み処理を一時待
避し、処理終了後に割り込み処理を行うようにしてもよ
い。

［発明の効果］ 以上説明したように、本発明に係る表示制御装置によ
れば、グラフィック画面における文字表示において、ス
クロール指令が入力された時は、スクロール処理のみを
行い所定時間毎にスクロールによる生じた空白部分に文
字表示を行うようにしたため、スクロール処理の高速化
を図ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に係る表示制御装置の実施例の構成を示
すブロック図、 第２図は文字格納／スクロール処理の動作を説明するた
めのフローチャート、 第３図は割り込み処理の動作を説明するためのフローチ
ャート、 第４図はスクロール動作を説明するための説明図であ
る。 １……CPU ２……BUS ３……インターバルタイマ ４……割り込みコントローラ ５……割り込み処理ルーチン部 ６……文字格納／スクロールルーチン部 ７……仮想テキストバッファ 11……ビデオRAM 15……表示装置

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】表示装置に表示するグラフィックパターン
   データを記憶するビデオRAMと、 表示装置に表示する文字の文字コードを画面表示に対応
   する位置に格納する仮想テキストバッファと、 一定時間間隔でタイムアップ信号を出力するインターバ
   ルタイマと、 スクロール指令に応じて、前記仮想テキストバッファ及
   びビデオRAMにおけるスクロール処理を実行すると共
   に、該スクロール処理により生ずる空白行に表示すべき
   文字コードを前記仮想テキストバッファに書き込むスク
   ロール制御手段と、 インターバルタイマからのタイムアップ信号に応答し
   て、前記一定時間内に仮想テキストバッファに新たに書
   き込まれた文字コードを読出し、これを文字パターンに
   変換してビデオRAMに書き込むパターン書き込み手段
   と、 を有することを特徴とする表示制御装置。