JP2566852B2 - 化学反応自動管理システム - Google Patents

化学反応自動管理システム

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JP2566852B2
JP2566852B2 JP3061355A JP6135591A JP2566852B2 JP 2566852 B2 JP2566852 B2 JP 2566852B2 JP 3061355 A JP3061355 A JP 3061355A JP 6135591 A JP6135591 A JP 6135591A JP 2566852 B2 JP2566852 B2 JP 2566852B2
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Japan
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tank
reaction
temperature
chemical
controller
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JP3061355A
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Inventor
孝夫 小林
静雄 高橋
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轟産業株式会社
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Publication date
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01JCHEMICAL OR PHYSICAL PROCESSES, e.g. CATALYSIS OR COLLOID CHEMISTRY; THEIR RELEVANT APPARATUS
    • B01J19/00Chemical, physical or physico-chemical processes in general; Their relevant apparatus
    • B01J19/0006Controlling or regulating processes
    • B01J19/004Multifunctional apparatus for automatic manufacturing of various chemical products

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  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Devices For Use In Laboratory Experiments (AREA)
  • Physical Or Chemical Processes And Apparatus (AREA)
  • Polymerisation Methods In General (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、たった一台のコンピュ
ータで、複数の化学反応槽の反応条件を一度に管理でき
る化学反応自動管理システムに関するもので、特に反応
試験を行うときに役立つ。
【0002】
【従来の技術】多くの原子、あるいはその集合体は、外
側を飛び回る電子のわずかな軌道の変化で、化学的性質
が大きく変化する。このため、同じ化学物質を混ぜて反
応を行っても、温度、圧力、モル濃度比、触媒の有無な
どの条件が変化すると、反応速度、反応過程、反応後の
生成物などが異なってくるのである。
【0003】従って、化学反応によって物質を製造する
ときの生産性は、当該反応の反応条件に大きく左右され
ざるを得ない。とすれば、より好ましい反応条件で反応
を行うことが強く望まれるが、そのためには、数多くの
実験を行ってデータを集めることが必要である。
【0004】また、新化学物質の開発も、今までとは別
の条件で反応実験を行ってみることから始まる。
【0005】しかし、これらの化学反応の実験は、しば
しば数時間以上にも及び、技術者不足の今日において
は、実際に実験を行う人材が不足しがちであった。これ
に対して、コンピュータを用いて化学反応実験を自動的
に遂行しようという試みもあったが、コンピュータの価
格のためにシステム全体が高価になり、数多くの化学反
応実験を行なうと、コストが掛かりすぎるという欠点が
あったのである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来の実験
実行に人手不足の問題があったことに鑑みてなされたも
ので、自動的に反応実験を行い、更には自動でデータ収
可能で、かつ、比較的安価に多数の実験を遂行できる
システムを提供することを技術的課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明においては、それ
ぞれ温度センサーと冷却機構と加熱機構と薬液滴下機構
とを備えた複数の化学反応槽と、各化学反応槽内の反応
条件を管理するための制御器とを設け、各薬液滴下機構
には、制御器により動作制御される薬液滴下用の定量ポ
ンプと下部に電子天秤を配備した薬液貯蔵槽とを含ませ
る一方、制御器は、化学反応槽を順番に交代しながら該
当する温度センサーから槽内温度を順次受信可能とし、
化学反応槽を順番に交代しながら該当する薬液貯蔵槽下
の前記電子天秤から薬液貯蔵槽の現在重量を順次受信可
能とし、各化学反応槽内で化学反応を実行するための基
本温度と異常温度とを設定可能とすると共に、制御器
に、薬液貯蔵槽の現在重量の変化から各反応槽に滴下さ
れた薬液量を判断させて、定量ポンプを動作制御させ薬
液滴下機構の滴下流量を加減調節させ、受信槽内温度が
前記基本温度に対し下方に乖離したときには、当該槽内
温度を送信した反応槽に配設される加熱機構の作動を制
御させて、当該反応槽の槽内温度を上げ、受信槽内温度
が前記基本温度に対し上方に乖離したときには、当該槽
内温度を送信した反応槽に配設される冷却機構の作動を
制御させて、当該反応槽の槽内温度を下げ、受信槽内温
度が設定異常温度を超えたときには、当該反応槽の加熱
機構を停止し冷却機構を作動させると共に、薬液滴下機
構の薬液滴下を中止させるという手段を採用した。この
手段によれば、たった1台の制御器で、複数の化学反応
槽における化学反応を自動管理できるようになる。制御
器は比較的高価であり、1台で複数の反応を管理できる
ようになれば、経済上のメリットが大きい。
【0008】
【実施例】以下、本発明を、第1〜第4実施例に基づい
て説明する。
【0009】図1、図2に示す第1実施例は、複数の反
応槽で同種の実験を行う際の、反応温度と薬液滴下条件
を管理することを目的とする。
【0010】まず、8槽のジャケット型の反応槽A・B
・…が設置され、8槽の反応槽それぞれに、冷却機構と
加熱機構、それに加えて3系統の薬液滴下機構が設けら
れる。この各反応槽と各機構の組み合わせを実験装置
A’・B’・…とする。すると、これら8機の実験装置
A’・B’・…は、1台の制御器CPU1によって、同
時に統括制御される。
【0011】以下、これらジャケット型反応槽を中心と
する実験装置の内、1機(実験装置A’)を代表例とし
てシステム構成を説明する。
【0012】当然、この反応槽Aにも、冷却機構、加熱
機構、3系統の薬液滴下機構が設けられ、制御器CPU
1と通信ケーブルで連繋されている。
【0013】このうち、冷却機構は、槽内の温度をリア
ルタイムで計測する温度センサA0、及び冷却器A11
とその冷却器A11によって供給される冷却水を反応槽
A周囲のジャケット内に導く冷却路A12、及び循環ポ
ンプA13、それに反応槽A周囲に冷気を送風する冷却
ファンA14によって構成される水冷空冷併用式であ
り、これら冷却器A11、及び冷却ファンA14の作動
は、制御器CPU1によって制御される。
【0014】また、加熱機構としては、前記温度センサ
A0と、制御器CPU1によって制御される電気加熱器
A21、及び加熱器A21で加熱された熱媒体を蓄えて
反応槽Aを温める加熱槽A22が採用され、全体として
オイルバス方式となっている。
【0015】更に、3系統の薬液滴下機構は、それぞ
れ、添加薬液α、β、γを蓄えた貯蔵容器A31と容器
内の薬液を反応槽A内に送り込む薬液路A32、それに
貯蔵容器の重量を測定する電子天秤A33と薬液ポンプ
A34によって構成されている。このうち、薬液ポンプ
A34には、轟産業社製の定量滴下ポンプ(型式番号;
CP1−1)が使用されている。この定量滴下ポンプ
は、制御器CPU1の指令に従って滴下スピードを変化
させることができると共に、電子天秤から容器の重量変
化を送知されて所定時間当たりの薬液滴下量を積算し、
この積算値を制御器CPU1へ報知することもできる。
【0016】制御器CPU1は、 日本電気社製 32ビット小型コンピュータ 型式番号;PC−9801DX2 日本電気社製 モニタ装置 型式番号;PC−KD882 日本電気社製 プリンタ装置 型式番号;PC−PR101G2 I・Oデータ社製 メモリ装置 型式番号;PIO−9234G−4ML CONTEC社製 IF回路付アナログ−デジタル
変換器 型式番号;AD12−16TA(98) CONTEC社製 IF回路付デジタル−アナログ
変換器 型式番号;DA12−16(98) 日本電気社製 IF回路付通信ケーブルRS232
C 型式番号;PC−9861K によって構成される。
【0017】このうち小型コンピュータには、予じめ、
実験開始温度、実験温度と許容温度差、及び、異常判定
温度、更に、薬液滴下量と滴下種を入力設定して、実験
準備をすることとなる。実験開始温度は実験を開始する
ときの温度であり、実験前、槽内はこの温度に保たれ
る。また、薬液滴下量は、各滴下種ごとに、モニタに表
示される、縦軸に滴下量を横軸に経過時間を取ったグラ
フに入力できるもので、実験開始からの時間経過にした
がって、滴下量が変化するように設定することもでき
る。
【0018】実際に実験開始を制御器CPU1に指令す
ると、制御器CPU1は、8槽の反応槽の内、1槽の反
応槽から、実験開始操作を行う。まず、制御器CPU1
が、最初に開始操作を行う反応槽Aに配設される冷却機
構、加熱機構、薬液滴下機構などへの通信回線を開き、
各機構へ制御命令を通信する。つまり、実験装置A’へ
実験開始操作を行う。この制御器CPU1からの制御命
令によって、反応槽Aでは、0時間における設定薬液滴
下が開始されると共に、加熱機構または冷却機構が作動
して槽内温度が実験温度に近づき、反応槽Aでの実験が
開始される。実験装置A’での実験開始操作は、最初の
0.15秒間に行われ、0.15秒経過すると、他の7
槽の反応槽B・C・…に対し、0.15秒ごとに順繰り
に各実験装置B’・C’・…へ通信回線を切り換えなが
ら、それぞれに対し、実験開始操作を行う。
【0019】こうして、全反応槽で実験が開始される
と、制御器CPU1は、再び、最初の反応槽Aの各機構
への通信回路を開き、各機構から、測定槽内温度、薬液
滴下量を通信され、このデータを、反応槽Aにおける実
験開始からの経過時間と組にして記憶する。このデータ
収集も0.15秒間で行われ、データ収集開始から0.
15秒経過すると、他の7槽の反応槽に対し、0.15
秒ごとに順繰りに各反応槽に対応する各機構への通信回
線を切り換えながら、それぞれに対し、データ収集(以
下、モニタリングと称する)を行うのである。こうし
て、7槽すべての反応槽に対してモニタリングが終了す
ると、反応槽Aに戻って、0.15秒ごとに、順番に8
槽の反応槽に対し、実験終了までモニタリングを繰り返
す。また、所定時間が経過すると薬液滴下量を変化させ
るように予じめ設定されているときは、各反応槽での実
験開始操作から一定時間経過して後、当該反応槽への最
初の通信再開のときに、当該反応槽に対応する薬液滴下
機構へ新しい制御指令を送って滴下量を変化させる。
【0020】さて、実験の進行に伴いある反応槽で槽内
温度が変化すると、制御器CPU1は、当該反応槽のモ
ニタリングのときに、槽内温度の測定値を通信され、測
定温度が設定された実験温度よりも許容温度差以上高け
れば、このモニタリング時間の間に、冷却機構を作動さ
せる指令を発する。また、逆に、測定温度が設定実験温
度よりも許容温度差以上低ければ、加熱機構を作動させ
る指令を発する。この後、0.15秒のモニタリング時
間が終われば、他の7槽のモニタリングを行い、1.0
5秒後に再びこの反応槽のモニタリングを行う。この
1.05秒の空白の間は、加熱機構及び冷却機構は先の
指令に従って作動している。次いで、当該反応槽に再び
モニタリングが行われたときにも、制御器CPU1は槽
内温度の測定値を通信され、この測定値に基づいて、新
しい適当な制御指令を発する。しかして、この冷却機
構、加熱機構の作動制御の繰り返しにより、槽内温度が
調節されるのである。
【0021】ただし、添加薬液を短時間に大量に滴下し
たときには、測定可能な槽内温度が一時的に不安定な状
態になっているので、薬液滴下機構からの情報に応じ
て、冷却機構、加熱機構の作動制御を一時見合わせるよ
うに設定してある。
【0022】更に、もし、実験途中にある反応槽の槽内
温度が異常判定値よりも高くなったときは、当該反応槽
のモニタリングのときにこれを発見し、すぐさま、薬液
滴下を中止し、冷却機構を作動させ、反応を停止させる
べく指令を発する。ただし、これは、温度が上がる程、
反応が進行する実験を行っている場合のみである。
【0023】また、各反応槽における温度センサから通
信される槽内温度、薬液ポンプから送信される薬液滴下
量は、小型コンピュータで計測する、各反応槽における
実験開始からの経過時間と組にして、各反応槽ごとに記
憶される(ただし、本実施例においては、最大48時間
まで)。このデータは、モニタリング実行中も、モニタ
装置に出力表示することができるし、プリンタ装置から
出力することもできる。また、実験終了後も、データは
保存され、所望のときに出力できる。
【0024】なお、本第1実施例においては、制御器C
PU1が一度に1つの実験装置に対してしか通信・制御
できないので、各実験装置を順繰りに制御する方法を採
用している。
【0025】こうして、8槽の反応槽で反応が終了した
なら、各反応槽内の生成物を収集検査すると共に、制御
器CPU1に記憶されるデータを整理した後、器具を洗
浄するなどの後片付けを行えば、実験が終了する。この
実験を行った際の反応条件の設定値は制御器CPU1に
記憶保存しておくことができ(ただし、最大99パター
ンまで)、所望のときに呼び出して、同じ条件で実験を
行うことができる。
【0026】また、図3、図4に示す第2実施例は、複
数の反応槽で同種の実験を行う際の、反応温度と薬液滴
下条件と反応槽内の液体の粘度を管理することを目的と
する。
【0027】第1実施例同様、8槽のジャケット型の反
応槽I・J・…が同時に設置され、8槽の反応槽それぞ
れに、冷却機構と加熱機構、3系統の薬液滴下機構、更
には、攪拌機構が設けられる。そこで、各反応槽と各機
構との組み合わせを実験装置I’・H’・…とする。更
に、これら8槽の反応槽の各機構を同時に統括制御す
る、1台の制御器CPU2も設置される。
【0028】以下、これら実験装置の内、1機(実験装
置I’)を代表例としてシステム構成を説明する。
【0029】当然、この反応槽Iにも、冷却機構、加熱
機構、3系統の薬液滴下機構が設けられ、更に、攪拌機
構も設けられる。これら各機構は、制御器CPU2と通
信ケーブルで連繋されている。
【0030】このうち、冷却機構は、第1実施例同様、
槽内の温度をリアルタイムで計測する温度センサI0、
冷却器I11と、その冷却器I11によって供給される
冷却水を反応槽I周囲のジャケット内に導く冷却路I1
2、及び循環ポンプI13、それに反応槽I周囲に冷気
を送風する冷却ファンI14によって構成される水−空
冷方式を採用している。また、これら冷却器I11、及
び冷却ファンI14の作動が、制御器CPU2によって
制御される点も第1実施例と同様である。
【0031】また、加熱機構としては、前記温度センサ
I0と、制御器CPU2によって制御される電気加熱器
I21、及び加熱器I21で加熱された熱媒体を蓄えて
反応槽Iを温める加熱槽I22が採用されており、この
点でも第1実施例と同じであると云える。
【0032】一方、3系統の薬液滴下機構は、やはり、
それぞれ、添加薬液δ、ε、ζを蓄えた貯蔵容器I31
と容器内の薬液を反応槽I内に送り込む薬液路I32、
それに貯蔵容器の重量を測定する電子天秤I33と薬液
ポンプI34によって構成されている。このうち、薬液
ポンプI34には、轟産業社製の定量滴下ポンプ(型式
番号;CP2−1)を使用している。この定量滴下ポン
プは、制御器CPU2の指令に従って滴下スピードを変
化させることができると共に、電子天秤から容器の重量
変化を送知されて所定時間当たりの薬液滴下量を積算
し、この積算値を制御器CPU2へ報知する。
【0033】これに対し、攪拌機構は、反応槽Iの槽内
に収められる攪拌シャフトI41と、攪拌シャフトI4
1を駆動する電動回路I42によって構成される。電動
回路I42は、制御器CPU2に連繋されて制御される
と共に、電動回路I42の回転トルクを、回路内の電流
値と実効回転数から推定し、当該推定値を制御器CPU
2に送るようになっている。
【0034】この回転トルク推定の方法を更に具体的に
説明すると、攪拌シャフトI41を回転させるモータ
は、所定回転数域内では、電圧、電流値と回転トルク、
回転数の間に一定の関係式が成立する。今、電圧が一定
であるので、回路I42は、電流と回転数を計測すれ
ば、所定の関係式から回転トルクが算定できるのであ
る。
【0035】また、制御器CPU2は、 日本電気社製 32ビット小型コンピュータ 型式番号;PC−9801DX2 日本電気社製のモニタ装置 型式番号;PC−KD882 日本電気社製のプリンタ装置 型式番号;PC−PR101GS 日本電気社製 IF回路付通信ケーブルRS232
C 型式番号;PC−9861K などによって構成される。
【0036】このうち、小型コンピュータには、予じ
め、実験開始温度、実験温度と許容温度差、及び異常判
定温度、更に薬液滴下量と滴下種、異常回転トルク値が
入力設定される。なお、実験開始温度は実験を開始する
ときの温度であり、実験前、槽内はこの温度に保たれ
る。また、薬液滴下量は、各滴下種ごとに、モニタに表
示される、縦軸に滴下量を横軸に経過時間を取ったグラ
フに入力できるもので、実験開始からの時間経過にした
がって、滴下量が変化するように設定することもでき
る。
【0037】実際に実験開始を制御器CPU2に指令す
ると、制御器CPU2は、第1実施例と同様の実験管理
を行う。つまり、制御器CPU2は、8槽の反応槽の
内、1槽の反応槽から、実験開始操作を行い始め、最初
に開始操作を行う反応槽Iに配設される冷却機構、加熱
機構、薬液滴下機構、攪拌機構などへの通信回線を開
き、0.15秒間に各機構へ制御命令を通信した後、他
の7槽の反応槽に対し、0.15秒ごとに順繰りに各反
応槽に対応する各機構への通信回線を切り換えながら、
それぞれに対し、実験開始操作を行うのである。また、
制御器CPU2からの制御命令によって、各反応槽で、
0時間における設定薬液滴下が開始されると共に、加熱
機構または冷却機構が作動して槽内温度が実験温度に近
づく点でも、第1実施例と同じである。
【0038】こうして、全反応槽で実験が開始される
と、制御器CPU2は、再び、最初の反応槽Iの各機構
への通信回路を開き、各機構から、測定槽内温度、薬液
滴下量、槽内液体の推定粘度を通信され、このデータ
を、反応槽Iにおける実験開始からの経過時間と組にし
て記憶する。つまり、第1実施例と同様にモニタリング
を行うのである。このモニタリングもやはり0.15秒
間で行われ、モニタリング開始から0.15秒経過する
と、他の7槽の反応槽に対し、0.15秒ごとに順繰り
に各反応槽に対応する各機構への通信回線を切り換えな
がら、それぞれの反応槽に対し、モニタリングを行うの
である。こうして、7槽すべての反応槽に対してモニタ
リングが終了すると、反応槽Iに戻って、0.15秒ご
とに、順番に8槽の反応槽に対し、実験終了までモニタ
リングを繰り返す。また、所定時間が経過すると薬液滴
下量を変化させるように予じめ設定されているときは、
各反応槽での実験開始操作から一定時間経過して後、当
該反応槽への最初の通信再開のときに、薬液滴下機構へ
新しい制御指令を送って滴下量を変化させる。
【0039】さて、実験の進行に伴い、ある反応槽で槽
内温度が変化すると、制御器CPU2は、当該反応槽の
モニタリングのときに、槽内温度の測定値を通信され、
測定温度が設定された実験温度よりも許容温度差以上高
ければ、このモニタリング時間の間に、冷却機構を作動
させる指令を発する。また、逆に、測定温度が設定実験
温度よりも許容温度差以上低ければ、加熱機構を作動さ
せる指令を発する。この後、0.15秒のモニタリング
時間が終われば、残りの7槽のモニタリングを行い、
1.05秒後に再びこの反応槽のモニタリングを行う。
このときも、槽内温度の測定値を通信され、この測定値
に基づいて、適当な制御指令を発する。しかして、この
冷却機構、加熱機構の制御の繰り返しにより、槽内温度
が調節されるのである。
【0040】また、制御器CPU2が、ある反応槽の槽
内温度が異常判定温度を超えたことを発見した場合に
は、第1実施例と同様の対処を行う。つまり、薬液滴下
を中止し、槽内温度を下げるのである。
【0041】また、モニタリング時には各反応槽の攪拌
機構から、攪拌のための回転トルクが通知されるが、実
験の進行に伴いある反応槽で粘度が大きく変化し、この
回転トルクが異常回転トルク値を超えると、制御器CP
U2はこの反応槽への薬液の滴下を中止する。
【0042】各反応槽における槽内温度、薬液滴下量、
回転トルク値は、小型コンピュータで計測する、各反応
槽における実験開始からの経過時間と組にして、各反応
槽ごとに記憶される(ただし、本実施例においては、最
大48時間まで)。このデータは、モニタリング実行中
も、モニタ装置に出力表示することができるし、プリン
タ装置から出力することもできる。また、実験終了後
も、データは保存され、所望のときに出力できる。
【0043】こうして、8槽の反応槽で反応が終了した
なら、各反応槽内の生成物を収集検査すると共に、制御
器CPU2に記憶されるデータを整理した後、器具を洗
浄するなどの後片付けを行えば、実験が終了する。この
実験を行った際の反応条件の設定値は制御器CPU2に
記憶保存しておくことができ(ただし、最大99パター
ンまで)、所望のときに呼び出して、同じ条件で実験を
行うことができる。
【0044】図5及び図6に示す第3実施例は、複数の
反応槽で同種の実験を行う際の、反応温度と薬液滴下条
件、反応槽内の圧力、反応槽内の窒素分圧を管理するこ
とを目的とする。
【0045】1台の制御器CPU3に連繋して、5機の
重合試験装置Q’・R’・…が設置される。この重合試
験装置は、轟産業社製の重合試験システム(型式番号;
DS−1)に、3系統の薬液滴下機構と窒素流量制御機
構を追加したものを採用している。なお、この重合試験
システムは、反応槽と冷却機構、加熱機構、真空圧制御
機構によって構成されるものである。
【0046】以下、重合試験装置Q’を例にとって、こ
の重合試験装置を説明する。
【0047】重合試験システムに組み込まれる冷却機構
は、槽内の温度をリアルタイムで計測する温度センサQ
0、及び冷却ファンQ14によって構成される空冷式で
ある。また、加熱機構は、前記温度センサQ0と、熱媒
体を蓄えて反応槽を温める、昇降自在の加熱槽Q22に
よって構成されるオイルバス方式である。重合試験シス
テムに組み込まれる反応槽Qは、冷却ファンQ14の直
前に位置し、必要なときに冷風を送風されることができ
るが、一方ではまた、反応槽Qが加熱槽の上方に位置し
ており、制御器CPU3の指令によって下方の加熱槽Q
22が上昇してきて、加熱槽Q22内の熱媒体に漬か
り、槽内の温度を上昇させることもできる。
【0048】また、重合試験システムに組み込まれる真
空圧制御機構は、真空圧センサQ51と真空器Q52、
真空電磁弁Q53、気密管路Q54によって構成され
る。真空圧センサQ51は測定した真空圧を制御器CP
U3に通信し、制御器CPU3はこの測定真空圧に基づ
いて、真空電磁弁Q53を操作するのである。
【0049】この真空圧制御機構に対して、追加設備さ
れる窒素流量制御機構が、真空圧の調節に共働的に動作
する。窒素流量制御機構は、質量流量計Q71、流量制
御バルブQ72、真空電磁弁Q73、気送パイプQ7
4、定圧弁Q75によって、構成される。しかして、前
記真空圧制御機構の気密管路Q54と窒素流量制御機構
の気送パイプQ74が合流し、反応槽Q内へと繋がる。
真空センサQ51は、気密管路Q54に設けられた真空
電磁弁Q53と気送パイプQ74に設けられた真空電磁
弁Q73とによって、同一真空圧状態に区切られた、反
応槽Qを含む領域内に設けられており、ここで真空圧を
測定して、制御器CPU3に通信する。制御器CPU3
は、この測定真空圧に従って真空電磁弁Q53を操作し
て真空圧を一定に保つと共に、質量流量計Q71から気
送パイプQ74内の単位時間当り窒素流量の現在値を通
信されて、流量制御バルブQ72、真空電磁弁Q73を
操作して窒素流量を制御し、反応によって発生した酸素
が反応槽Q内に危険な程残留しないようにする。また、
定圧弁Q75は窒素の気送パイプQ74への給気圧を一
定に保つ。
【0050】更に、追加設備される薬液滴下機構は、第
1実施例同様、3種の添加薬液を蓄えた3つの貯蔵容器
Q31と、各容器内の薬液を反応槽内に送り込む薬液路
Q32、貯蔵容器の重量を測定する電子天秤Q33、薬
液ポンプQ34によって構成されている。このうち、薬
液ポンプには、第1実施例と同様に、轟産業社製の定量
滴下ポンプ(型式番号;CP1−1)を採用しており、
制御器CPU3の指令に従って滴下スピードを変化さ
せ、あるいは、電子天秤Q33から容器の重量変化を送
知されて所定時間当たりの薬液滴下量を積算し、この積
算値を制御器CPU3へ報知させることができる。
【0051】一方、制御器CPU3は、 日本電気社製 32ビット小型コンピュータ 型式番号;PC−9801DX2 日本電気社製 モニタ装置 型式番号;PC−KD882 日本電気社製 プリンタ装置 型式番号;PC−PR101GS I・Oデータ社製のメモリ装置 型式番号PIO−9234G−4ML CONTEC社製 IF回路付アナログ−デジタル
変換器 型式番号;AD12−16TA(98) 日本電気社製 IF回路付通信ケーブルRS232
C 型式番号PC−9861K によって構成されている。
【0052】このうち、小型コンピュータには、予じ
め、実験開始温度及び実験温度と許容温度差、異常判定
温度、更に、薬液滴下量と滴下種、実験真空圧を入力設
定できる。実験開始温度は実験を開始するときの温度で
あり、予じめ、槽内はこの温度に保たれる。また、実験
真空圧は、反応槽内において、実験を開始するときから
実験中ずっと保たれるべき値であって、実際には、制御
器CPU3が真空器を操作することによって、槽内真空
圧が、実験真空圧値を中心とする所定真空圧域内に保た
れる。更に、薬液滴下量は、各滴下種ごとに、モニタに
表示される、縦軸に滴下量を横軸に経過時間を取ったグ
ラフに入力できるもので、実験開始からの時間経過にし
たがって、滴下量が変化するように設定することもでき
る。
【0053】実際に実験開始を制御器CPU3に指令す
ると、制御器CPU3は、5機の重合試験装置の内、1
機から、実験開始操作を行う。まず、制御器CPU3
が、最初に開始操作を行う重合試験装置への通信回線を
開き、当該装置へ制御命令を通信する。この制御器CP
U3からの制御命令によって、重合試験装置では、0時
間における設定薬液滴下が開始されると共に、加熱機構
または冷却機構が作動して槽内温度が実験温度に近づ
き、反応槽での実験が開始される。本第3実施例におい
ても、重合試験装置への実験開始操作は、最初の0.1
5秒間に行われ、0.15秒経過すると、他の4機の重
合試験装置に対し、0.15秒ごとに順繰りに各重合試
験装置へ通信回線を切り換えながら、それぞれに対し、
実験開始操作を行う。
【0054】こうして、全重合試験装置で実験が開始さ
れると、制御器CPU3は、再び、最初に実験開始した
重合試験装置への通信回路を開き、当該装置から、測定
槽内温度、薬液滴下量、真空圧値を通信され、このデー
タを、当該重合試験装置における実験開始からの経過時
間と組にして記憶する。このモニタリングも0.15秒
間で行われ、モニタリング開始から0.15秒経過する
と、他の4機の重合試験装置に対し、0.15秒ごとに
順繰りに各装置へ通信回線を切り換えながら、モニタリ
ングを行うのである。また、本第3実施例においても、
4機すべての重合試験装置に対するモニタリングが終了
すると、初めに戻って、5機の重合試験装置に対し、
0.15秒ごとに順番に実験終了までモニタリングを繰
り返す。また、所定時間が経過すると薬液滴下量を変化
させるように予じめ設定されているときは、各重合試験
装置での実験開始操作から一定時間経過して後、当該装
置への最初の通信再開のときに、重合試験装置に新しい
制御指令を送って滴下量を変化させる。
【0055】さて、実験の進行に伴い、ある重合試験装
置で反応槽の槽内温度が変化すると、制御器CPU3
は、当該重合試験装置のモニタリングのときに、槽内温
度の測定値を通信され、測定温度が設定された実験温度
よりも許容温度差以上高ければ、このモニタリング時間
の間に冷却機構を作動させる指令を発する。また、逆
に、測定温度が設定実験温度よりも許容温度差以上低け
れば加熱機構を作動させる指令を発する。この後、0.
15秒のモニタリング時間が終われば、他の4機のモニ
タリングを行い、0.60秒後に再びこの重合試験装置
のモニタリングを行う。今回のモニタリングの際にも、
槽内温度の測定値を通信され、この測定値に基づいて、
適当な制御指令を発する。しかして、この冷却機構、加
熱機構の制御の繰り返しにより、槽内温度が調節される
のである。
【0056】また、もし、実験途中に、ある重合試験装
置の反応槽の槽内温度が異常判定値よりも高くなったと
きは、当該重合試験装置モニタリングのときにこれを発
見し、すぐさま、薬液滴下を中止し、冷却機構を作動さ
せ、反応を停止させるべく指令を発する。
【0057】更に、実験途中に、ある重合試験装置の反
応槽の槽内真空圧が、設定された実験真空圧を中心とす
る所定の真空圧域内から外れたときには、当該重合試験
装置のモニタリング時に、制御器CPU3はこれを発見
し、同モニタリング時間中に真空電磁弁Q53を操作す
る。勿論、槽内真空圧が設定真空圧より高いときは減圧
するように、槽内真空圧が設定真空圧より低いときは増
圧するように、真空電磁弁Q53を操作するのである。
この操作は、当該重合試験装置の次回のモニタリングの
ときまで有効であり、新しいモニタリングの際には、制
御器CPU3がもう一度槽内真空圧を通知されて、必要
なら新らたな操作を行う。
【0058】制御器CPU3は、同時に、反応槽内の窒
素分圧をも制御する。槽内温度と真空圧変化、流入窒素
量から発生気体量を推定し、発生した気体が実験の支承
になる量にまで蓄積されないように、真空圧制御機構で
反応槽から抜き出す気体量と窒素流量制御機構で反応槽
内に流入させる窒素流量を決定して、流量制御バルブ、
真空電磁弁などを操作するのである。
【0059】また、各重合試験装置からの反応槽の槽内
温度、薬液滴下量、槽内真空圧などのデータは、小型コ
ンピュータで処理され、各重合試験装置における実験開
始からの経過時間と組にして、各重合試験装置ごとに記
憶される(ただし、本実施例においては、最大48時間
分のデータまで)。このデータは、モニタリング実行中
も、モニタ装置に出力表示することができるし、プリン
タ装置から出力することもできる。また、実験終了後
も、データは保存され、所望のときに出力できる。
【0060】こうして、5機の重合試験装置で反応が終
了したなら、各重合試験装置の反応槽内の生成物を収集
検査すると共に、制御器CPU3に記憶されるデータを
整理した後、器具を洗浄するなどの後片付けを行えば、
実験が終了する。この実験を行った際の反応条件の設定
値は制御器CPU3に記憶保存しておくことができ(た
だし、最大99パターンまで)、所望のときに呼び出し
て、同じ条件で実験を行うことができる。
【0061】図7、図8に示す第4実施例は、複数の反
応槽で複数種の実験を行う際の、反応温度、薬液滴下条
件、反応槽内の液体の粘度、槽内真空圧、槽内窒素分圧
を管理することを目的とする。
【0062】1台の制御器CPU4には、5台の自動反
応装置V’・W’・…が接続されている。この自動反応
装置は、轟産業社製であって(型式番号TDML−
1)、ジャケット型反応槽、冷却機構、加熱機構、3系
統の薬液滴下機構、攪拌機構、真空圧制御機構、PH管
理機構、窒素流量制御機構から構成される。
【0063】以下、自動反応装置V’を例にとって、こ
れら自動反応装置について説明する。
【0064】自動反応装置に備えられる冷却機構は、槽
内の温度をリアルタイムで計測する温度センサV0、及
び電子冷熱装置V1と、電子冷熱装置V1によって供給
される水を反応槽周囲のジャケット内に導く水路V2、
更に水路V2に設けられる循環ポンプV3、それに反応
槽周囲に冷気を送風する冷却ファンV14によって構成
される。
【0065】また、加熱機構は、前記温度センサV0と
電子冷熱装置V1、水路V2、循環ポンプV3、それに
電気加熱機V21と加熱機V21で作られた熱媒体を蓄
えて反応槽を温める加熱槽V22によって構成される。
【0066】しかして、自動反応装置においては、第3
実施例同様、加熱槽V22が昇降して加熱を受けたり、
冷却ファンV14に風を当てられたりして、槽内の温度
を制御される。また、これに加えて、電子冷熱装置V1
により作られた冷水あるいは温水をジャケット内に導か
れて、温度調節されることもある。
【0067】一方、3系統の薬液滴下機構は、3つの貯
蔵容器V31と容器内の薬液を反応槽V内に送り込む薬
液路V32、それに貯蔵容器V31の重量を測定する電
子天秤V33と薬液ポンプV34によって構成されてい
る。この薬液ポンプV34は、制御器CPU4の指令に
従って滴下スピードを変化させることができると共に、
電子天秤V33から容器の重量変化を送知されて所定時
間当たりの薬液滴下量を積算し、この積算値を制御器C
PU4へ報知することもできる。
【0068】また、攪拌機構は、反応槽内に収められる
攪拌シャフトV41と、攪拌シャフトV41を駆動する
電動回路V42によって構成される。電動回路V42
は、第2実施例同様、制御器CPU4に連繋されて制御
されると共に、攪拌シャフトV42が受ける攪拌抵抗
を、回路内の電流値と実効回転数から推定して、この推
定値を、制御器CPU4に送るようになっている。
【0069】真空圧制御機構は、第3実施例同様、真空
圧センサV51と真空器V52、真空電磁弁V53、気
密管路V54によって構成される。真空圧センサV51
は測定した真空圧を制御器CPU4に通信し、制御器C
PU4はこの測定真空圧に基づいて、真空電磁弁V53
を操作するのである。
【0070】また、第3実施例と同様に、この真空圧制
御機構に対して、窒素流量制御機構が、真空圧の調節に
共働的に動作する。窒素流量制御機構は、質量流量計V
71、流量制御バルブV72、真空電磁弁V73、気送
パイプV74、定圧弁V75によって、構成される。し
かして、前記真空圧制御機構の気密管路V54と窒素流
量制御機構の気送パイプV74が合流し、反応槽V内へ
と繋がる。真空センサV51は、気密管路V54に設け
られた真空電磁弁V53と気送パイプV74に設けられ
た真空電磁弁V73とによって、同一真空圧状態に区切
られた、反応槽Vを含む領域内に設けられており、ここ
で真空圧を測定して、制御器CPU4に通信する。制御
器CPU4は、この測定真空圧に従って真空電磁弁V5
3を操作して真空圧を一定に保つと共に、質量流量計V
71から単位時間当り窒素流量の現在値を通信され、流
量制御バルブV72、真空電磁弁V73を操作して、反
応によって発生した酸素が反応槽V内に危険な程残留し
ないようにする。また、定圧弁V75は窒素の気送パイ
プV74への給気圧を一定に保つ。
【0071】PH管理機構は、酸性添加液を反応槽に滴
下する装置と塩基性添加液を反応槽に滴下する装置、そ
れにpHセンサーV61とによって構成される。酸性添
加液滴下装置と塩基性添加液滴下装置は、どちらも薬液
滴下機構同様、貯蔵容器V61a・V61bと薬液路V
62a・V62b、電子天秤V63a・V63b、薬液
ポンプV64a・V64bによって構成される。しかし
て、pHセンサーV61は、反応槽内の現在pH値を制
御器CPU4へ通知し、酸性添加液滴下装置と塩基性添
加液滴下装置は、制御器CPU4に制御されて、適宜添
加液を槽内に滴下する。
【0072】また、制御器CPU4としては、 日本電気社製 32ビット小型コンピュータ 型式番号;PC−9801DX2 日本電気社製 モニタ装置 型式番号;PC−KD882 日本電気社製 プリンタ装置 型式番号;PC−PR101GS I・Oデータ社 メモリ装置 型式番号;PIO−9234G−4ML 日本電気社製 IF回路付通信ケーブルRS232
C 型式番号;PC−9861K などが採用される。
【0073】当然、この小型コンピュータには、事前
に、実験開始温度、実験温度と許容温度差及び異常判定
温度、薬液滴下量と滴下種、異常回転トルク値、異常回
転トルク発生時対処方法、最適pH値、窒素理想流量が
入力設定されなければならない。この実験の条件設定
は、各自動反応装置ごとに行われる。つまり、各自動反
応装置ごとに異なった条件設定ができるのである。
【0074】実際に制御器CPU4へ実験開始を指令す
ると、第1〜第3実施例同様、まず1つの反応槽で実験
開始操作を行う。つまり、ある1つの自動反応装置へ、
薬液滴下、温度管理などの指令を発するのである。この
実験開始操作は、第1〜第3実施例同様、0.15秒の
間に行われるが、次の反応槽での実験開始に関しては、
第1〜第3実施例と少し異なる。即ち、第1〜第3実施
例においては、同じ反応条件で実験を行っていたので、
同じ実験開始操作が行えたのに対し、第4実施例におい
ては、各反応槽ごとに反応条件を変えて実験を行うの
で、初めの自動反応装置とは違った条件指令の下に開始
操作を行わなければならないのである。したがって、制
御器CPU4は、1番目の自動反応装置で実験開始操作
した後、2番目の自動反応装置で実験開始操作するため
に、1番目の反応条件設定値に替えて2番目の反応条件
設定値を呼び起こし、その後、この反応条件設定値に基
づいて2番目の自動反応装置に対し、0.15秒間で実
験開始の操作を行うのである。この後、残る3つの自動
反応装置に対しても、同様に実験開始操作を行う。
【0075】こうして、全自動反応装置で実験が開始さ
れると、制御器CPU4は、再び、最初の自動反応装置
用の反応条件設定値を呼び起こすと共に、当該自動反応
装置から、測定槽内温度、薬液滴下量、槽内液体の推定
粘度、槽内真空圧、槽内液体のpH値、窒素流量現在値
などを通信され、このデータを、当該自動反応装置にお
ける実験開始からの経過時間と組にして記憶する。この
モニタリングもやはり0.15秒間で行われ、モニタリ
ング開始から0.15秒経過すると、他の4機の自動反
応装置に対し、それぞれの反応条件設定値を呼び起こし
てから、0.15秒間でモニタリングを行うのである。
こうして、5機すべての自動反応装置に対してモニタリ
ングが終了すれ、また元に戻って順番にモニタリングす
ることはいうまでもない。
【0076】しかるに、実験の進行に伴いある自動反応
装置の反応槽で槽内温度が変化すると、制御器CPU4
は、当該自動反応槽のモニタリングのときに、槽内温度
の測定値を通信され、測定温度が当該自動反応槽用に設
定された実験温度よりも許容温度差以上高ければ、この
モニタリング時間の間に、冷却機構を作動させる指令を
発する。また、逆に、測定温度が設定実験温度よりも許
容温度差以上低ければ、加熱機構を作動させる指令を発
する。また、当該自動反応槽の次回のモニタリングのと
きにも、適宜制御を行い、結果として、第1〜第3実施
例同様に温度制御が実行されるのである。
【0077】また、特定の自動反応装置において、薬液
滴下量が時間と共に変化するように設定されているとき
は、当該自動反応装置における実験開始からの時間経過
と共に、当該自動反応装置のモニタリング時に薬液滴下
量を変化させるべく、薬液滴下機構を制御することがで
きる。
【0078】更に、実験の進行に伴い、特定の自動反応
装置において、反応槽ないの液体の粘度が大きく変化
し、攪拌のための攪拌トルクが異常回転トルク値を超え
ると、モニタリング時にこの異常粘度が通知され、制御
器CPU4は、設定条件に基づいて、当該自動反応装置
へ薬剤滴下量を減少させる制御を行う。
【0079】また、反応槽内の真空圧制御は、第3実施
例とほぼ同じである。つまり、実験途中にある自動反応
装置の反応槽の槽内真空圧が、当該自動反応装置に設定
された実験真空圧を中心とする所定の真空圧域内から外
れたときには、当該自動反応装置のモニタリング時に、
制御器CPU4がこれを発見し、同モニタリング時間中
に真空器を操作する。勿論、槽内真空圧が設定真空圧よ
り高いときは減圧するように、槽内真空圧が設定真空圧
より低いときは増圧するように、真空器を操作する。
【0080】更に、制御器CPU4は、第3実施例同
様、反応槽内の窒素分圧をも制御する。槽内温度と真空
圧変化、流入窒素量から発生気体量を推定し、発生した
気体が実験の支承になる量にまで蓄積されないように、
真空圧制御機構で反応槽から抜き出す気体量と窒素流量
制御機構で反応槽内に流入させる窒素流量を決定して、
流量制御バルブ、真空電磁弁などを操作するのである。
【0081】また、制御器CPU4は、各自動反応装置
のモニタリング時に、各反応槽の槽内液体のpH値を通
知される。しかして、このpH値が、当該自動反応装置
に対して設定されたpH値よりも一定値以上大きけれ
ば、同モニタリング中に、PH管理機構の酸性添加液滴
下装置を作動させて、酸性添加液を槽内に滴下し、槽内
のpH値を下げる。また、逆に、測定pH値が、設定p
H値よりも一定値以上小さければ、塩基性添加液滴下装
置を作動させて、槽内に塩基性添加液を滴下し、槽内の
pH値を上げる。この操作により、反応槽内のpH値
は、設定pH値を中心とするある域内に収まるように制
御されるのである。
【0082】また、制御器CPU4に通知される測定槽
内温度、薬液滴下量、槽内液体の推定粘度、槽内真空
圧、槽内液体のpH値、窒素流量現在値などは、各自動
反応装置ごとに、実験開始からの時間、各反応槽におけ
る設定反応条件と共に、制御器CPU4に記憶され、必
要なときにモニタ装置あるいはプリンタ装置から出力で
きる。
【0083】
【発明の効果】以上、実施例を以て説明したとおり、本
発明の化学反応自動管理システムによれば、複数の反応
槽における化学反応を無人で一度に管理できるので、特
に、多数の実験を同時に行うときには、非常な省力化が
行える。また、当該化学反応管理は、1台の制御器によ
って行なうことが可能であって、多数の実験を同時に遂
行してもコストが低くできる。更に、その反応管理は、
各種反応条件、各種データ記録保存、安全管理など多岐
にわたり、真に実用的である。
【0084】このように、本発明の化学反応自動管理シ
ステムは、産業上の利用価値が頗る高い。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例における、全体の概略的なブロック
線図である。
【図2】第1実施例における反応槽の周辺システムを説
明する、部分的なブロック線図である。
【図3】第2実施例における、全体の概略的なブロック
線図である。
【図4】第2実施例における反応槽の周辺システムを説
明する、部分的なブロック線図である。
【図5】第3実施例における、全体の概略的なブロック
線図である。
【図6】第3実施例における重合試験装置を説明する、
部分的なブロック線図である。
【図7】第4実施例における、全体の概略的なブロック
線図である。
【図8】第4実施例における自動反応装置を説明する、
部分的なブロック線図である。
【符号の説明】
CPU1 制御器 A’・B’・… 実験装置 CPU2 制御器 I’・J’・… 実験装置 CPU3 制御器 Q’・R’・… 重合試験装置 CPU4 制御器 V’・W’・… 自動反応装置

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 それぞれ温度センサー(A0)と冷却機
    構と加熱機構と薬液滴下機構とを備えた複数の化学反応
    (A)と、各化学反応槽(A)内の反応条件を管理す
    るための制御器(CPU1)とを備え、 各薬液滴下機構は、制御器(CPU1)により動作制御
    される薬液滴下用の定量ポンプ(A34)と下部に電子天
    (A33)を配備した薬液貯蔵槽(A31)とを含む一
    方、 制御器(CPU1)は、化学反応槽(A)を順番に交代
    しながら該当する温度センサー(A0)から槽内温度を
    順次受信可能であり、化学反応槽(A)を順番に交代し
    ながら該当する薬液貯蔵槽(A31)下の前記電子天秤
    (A33)から薬液貯蔵槽(A31)の現在重量を順次受信
    可能であり、各化学反応槽(A)内で化学反応を実行す
    るための基本温度と異常温度とを設定可能であると共
    に、当該制御器(CPU1)が、薬液貯蔵槽(A31)
    現在重量の変化から各反応槽(A)に滴下された薬液量
    を判断して、定量ポンプ(A34)を動作制御し薬液滴下
    機構の滴下流量を加減調節し、 受信槽内温度が前記基本温度に対し下方に乖離したとき
    には、当該槽内温度を送信した反応槽(A)に配設され
    る加熱機構の作動を制御して、当該反応槽(A)の槽内
    温度を上げ、 受信槽内温度が前記基本温度に対し上方に乖離したとき
    には、当該槽内温度を送信した反応槽(A)に配設され
    る冷却機構の作動を制御して、当該反応槽(A)の槽内
    温度を下げ、 受信槽内温度が設定異常温度を超えたときには、当該反
    応槽(A)の加熱機構を停止し冷却機構を作動させると
    共に、薬液滴下機構の薬液滴下を中止させるようになっ
    ていることを特徴とする化学反応自動管理システム。
  2. 【請求項2】 冷却開始、あるいは加熱開始のための、
    基本温度と槽内温度の差の条件を、制御器(CPU1)
    によって設定できるようになっている請求項1に記載の
    化学反応自動管理システム。
  3. 【請求項3】 複数の化学反応槽(A)に配設される温
    度センサー(A0)から送られてくる槽内温度を一定時
    間置きに各々の反応槽(A)ごとに記憶すると共に、槽
    (A)ごとの記憶温度を所定時間刻みに平均してその平
    均値を記憶、出力することを特徴とする請求項1または
    請求項2に記載の化学反応自動管理システム。
  4. 【請求項4】 制御器(CPU1)には反応経過時間と
    薬液投入量との組を複数設定可能であると共に、反応開
    始時間から所定の時間が経過したときに、制御器(CP
    U1)が化学反応槽(A)を順番に交代しながら該当す
    る薬液滴下機構を操作することによって、所定量の薬液
    を各槽内に滴下するようになっていることを特徴とする
    請求項1〜3の何れかに記載の化学反応自動管理システ
    ム。
  5. 【請求項5】 制御器(CPU1)には反応経過時間と
    薬液種、薬液投入量の組複数設定可能であると共に
    反応開始時間から所定の時間が経過したときに、制御器
    (CPU1)が化学反応槽(A)を順番に交代しながら
    該当する薬液滴下機構を操作することによって、所定
    種、所定量の薬液を各槽内に滴下せしめるようになって
    いることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の
    学反応自動管理システム。
  6. 【請求項6】 各化学反応槽(I)に、槽内液体を攪拌
    する攪拌機構が装備される一方、当該攪拌機構は、電流
    値と回転数から回転トルクを算定する機能を持つと共
    に、制御器(CPU2)は、化学反応槽(I)を順番に
    交代しながら該当する攪拌機構から当該回転トルク算定
    値を受信し、予じめ与えられた設定パターンに従って、
    該当する各化学反応槽(I)の薬液の滴下種、滴下量を
    調節することを特徴とする請求項1から請求項5の何れ
    かに記載の化学反応自動管理システム。
  7. 【請求項7】 複数の化学反応槽(Q)のそれぞれに真
    空圧制御機構が設けられ、当該真空圧制御機構は、真空
    圧センサ(Q51)と真空器(Q52)と真空電磁弁(Q5
    3)とを含む一方、 制御器(CPU3)は、槽内で化学反応を実行するため
    の基本真空圧を設定可能であり、 化学反応槽(Q)を順番に交代しながら該当する真空圧
    制御機構の真空圧センサ(Q51)から反応槽(Q)内の
    現在圧情報を送られ、この圧力情報値が設定基本真空圧
    から一定値以上高いときは、当該真空圧制御機構の真空
    電磁弁(Q53)を操作して減圧し、 圧力情報値が設定基本真空圧から一定値以上低いとき
    は、当該真空圧制御機構の真空電磁弁(Q53)を操作し
    て増圧することを特徴とする化学反応自動管理システ
    ム。
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KR101768767B1 (ko) 2015-06-25 2017-08-17 하진욱 전자 비커

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