JP2566325B2 - 免疫複合体の選択的除去 - Google Patents

免疫複合体の選択的除去

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JP2566325B2 JP1500500A JP50050089A JP2566325B2 JP 2566325 B2 JP2566325 B2 JP 2566325B2 JP 1500500 A JP1500500 A JP 1500500A JP 50050089 A JP50050089 A JP 50050089A JP 2566325 B2 JP2566325 B2 JP 2566325B2
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Description

【発明の詳細な説明】 発明の背景 本発明は血清からの免疫複合体の選択的除去に有用な
新しい組成物に関するものである。更に詳しくは、本発
明は遊離の循環免疫グロブリンよりも大きい親和性で免
疫複合体に結合するように設計された、複数のポリペプ
チド領域からなる免疫吸着物質に関するものである。
免疫複合体は、多くのヒドの疾病状態の病理学に関係
している。実際、自己免疫疾患、腫瘍性疾患、後天性免
疫不全症候群、及びいくつかの感染性疾病の多くの個体
の血清には、高レベルの循環免疫複合体を含むことを示
すことができる。このような複合体は、多種の免疫エフ
エクター機能を媒介すると推測されている。循環血から
の複合体の除去は治療上利点があることが期待される。
アメリカ合衆国特許第4,614,513号は少なくとも“プ
ロテインAの構成物”を含む、血中からの“免疫反応性
物質”の除去の方法及び装置を記載している。プロテイ
ンAは多くの免疫グロブリン種のFc領域と特異的結合能
を持つ、多くのスタフイロコツカス・オーレウス(Stap
hylococcus aureus)株の細胞壁構成物である。この天
然蛋白質は約150アミノ酸残基からなる、疎水性N−末
端領域を介して部分的に細胞壁に埋め込まれている。こ
の分子の残りの部分はE,D,A,BそしてCと命名された、
5つの相同性の高い領域からなり、それらは各々約7000
ダルトンの分子量を持つて、ポリペプチド鎖に沿つて連
続的に配置されている。それぞれの領域は、見かけ上等
しいアフイニテイーで、免疫グロブリンの1つのFc領域
に独立に結合する能力を持つている。この結合相互作用
は、約5×107M-1の会合、または結合定数(Ka)を持
ち、その値は、緩衝液のpH,免疫グロブリンの種,クラ
ス,サブクラスによつて若干変化する。しかしながら、
プロテインAは恐らく立体的な制約のため、一度に2つ
の免疫グロブリン分子にしか結合できない。
プロテインAは免疫グロブリンのFc領域へ結合して
も、免疫グロブリンの(対応する)抗原に対する親和性
に対して有意な影響は与えない。天然或は組換え体由来
のプロテインAは、それゆえ、多くの診断及び基礎研究
の適用のための免疫吸着剤として有用である。ヨーロツ
パ特許第83306500.6号,国際特許出願PCT/SE/83/00297
号およびPCT/SE83/00298号参照のこと。これらの出願は
実質上同等の“プロテインA様の結合”または増加した
“IgG−結合活性”を持つプロテインA様の”分子を開
示している。
アメリカ合衆国特許第4,614,513号の開示で認識され
ていないのはプロテインAが遊離、及び結合免疫グロブ
リンの双方に結合する、というその開示中の手法におけ
る制約である。故に、プロテインAは、非複合状態の、
可溶性の免疫グロブリンの存在下で、選択的に免疫複合
体を除去するための実際的な治療薬としては使用され得
ない。
本発明の目的は、血液あるいは血清からの選択的な免
疫複合体の除去に有用な、新しい免疫吸着物質を提供す
ることである。他の目的はこの免疫吸着性のポリペプチ
ドをコードするDNA配列を提供し、遊離の、循環免疫グ
ロブリン存在下での免疫複合体除去法を提供することで
ある。
本発明の上記及びその他の目的、及び態様は、以下の
記載、図面、請求の範囲によつて明確になるであろう。
発明の概要 免疫複合体即ち、免疫グロブリン分子の凝集体の血清
からの選択的除去のための手法が、本発明により開発さ
れた。好ましい観点として、この手法はスタフイロコツ
カスのプロテインA及びその個々の結合領域の免疫グロ
ブリンの(対応する)抗原に対する親和性を変えること
なく、そのFc部分に結合するといつた天然の能力を利用
する。また、この手法は天然プロテインA結合領域の構
造を変え、それが、遊離の可溶性免疫グロブリン(以下
sol−Abと略す)よりも、架橋された、複合された、或
は凝集した免疫グロブリン(複合体)と大きい親和性で
結合する能力を持つようにするために、既知の組換えDN
A操作技術を用いる。
本発明によれば、プロテインAと比較してsol−Abに
対して低下した親和性、即ちKaが107M-1以下、そして好
ましくは105M-1以下;であるプロテインA結合部位アナ
ログの複数コピーからなる物質は、免疫複合体に対する
選択性を示すことが発見された。この物質は、その複数
の結合領域と免疫複合体中の異なる免疫グロブリンの複
数のFcとの間で複数の相互作用を奏することによつて特
徴づけられる。一つの分子に充分な間隔、すなわち複数
箇所の結合が可能となるように、少くとも約52オングス
トロームの間隔で複数コピーの結合領域を持たせた場
合、免疫複合体の複数点での結合が生成する。別の方法
として、結合領域と(免疫)複合体との複数点での結合
を可能にするように、個々の結合領域を閾値濃度で固体
支持体の表面に間隔を置いて固定する。一つの結合領域
と一つのFc間の結合に特徴的なKaは非常に低いが、本発
明の物質を特徴づける、複合相互作用の存在は、有効結
合定数を個々の結合領域の個々の(結合)定数の総和に
近づけるので、分子会合に有意な安定性を付与する。
本発明の基礎になる仮定に対する裏付けは、文献中に
見られる。例えば、J.J.Langone及び他の研究者(Lango
ne,Adv.Immunol.,32:157−252,1982及びDobreら,J.Immu
nol.Meth.,66:171−178,1984)は、弱くプロテインAと
結合する種(例;ネズミ及びヤギ)由来の可溶性のIgG
は、免疫グロブリンが複合体を作るように凝集した場
合、より強い親和性でプロテインAと相互作用すること
を示している。同様に補体カスケードの第一成分である
Clqは、IgGのFc部分に対する低い親和性を持ち、可溶性
のIgG分子には有意に結合しないことが知られている。C
lq分子は、それぞれFcに対する同等の親和性を持つ6つ
の結合領域から成るため、1分子のClqと3つ或いはそ
れ以上のFc(免疫複合体中に会合したもの)との結合が
非常に安定な構造を作る原因となつていると考えられる
(Hughes−Jones,Immunol.,32:191−198,1977:Hughes−
JonesおよびGardner,Mol.Immunol.,16:697−701,197
9)。
sol−Abよりも複合体との結合を増すような濃度で、
多数の結合力低下アナログが支持基盤に共有結合され
る。この結合は、基盤上に共有結合された、異種二機能
性でそれ自身は免疫グロブリン結合能のない架橋試薬と
反応可能な適当なアミノ酸を用いることによつて実施可
能である。
本発明によれば、血液を血漿と細胞成分に分離し、血
漿を免疫吸着物質に晒し、処理後の血漿を細胞成分と再
び混合することにより、遊離の免疫グロブリン存在下
で、複合免疫グロブリンを血漿から選択的に除去するこ
とが可能である。
本発明の上記、及び他の特色は以下の記載、図面、請
求の範囲の内容によつて明確にされる。
図面の簡単な説明 第1A図は、天然プロテインAのFB結合領域のDNA配列
及びアミノ酸配列(一文字及び三文字記号で表記)であ
る。下線を施した残基はアルフアらせんの領域を示し、
星印の残基は結合時にヒトIgGのFc領域の残基に最も近
くなる残基を示す。
第1B図は天然FB(FB58)、及び可溶性IgGに対する低
下した結合活性を持つ、本発明のFBアナログのアミノ酸
配列(一文字記号で表記)を開示しており、後者には短
縮アナログのFBTF,FB36,FB29,FB40,及びFB47が含まれ
る。
第2図は、本発明において有用な、典型的なプロテイ
ンA結合領域(FB29)の低結合アナログをコードする、
本発明の組換えDNA(配列)、及びN−末端のメチオニ
ン残基(開始)ならびに結合領域を固定支持体に結合す
るために用いられた、Pro,Pro,Cys,Ala,Alaスペーサー
配列を含む、(上記組換えDNAの)アミノ酸配列を示
す。
そして第3図は複合体及びsol−Abに対する、天然FB
及び2つの代表的なFBアナログの相対的な結合親和性を
示すグラフである。
記載 プロテインAの結合領域と、IgGのFc領域との相互作
用における分子間力は、X−線結晶解析のデータ及びコ
ンピユータで計算された結合エネルギーによつて研究さ
れた。プロテインA結合領域(FB)と、ヒトIgGのFc領
域から成る複合体は結晶化され、その三次元構造が決定
された(Deisenhoferら,1978,Hoppe−Seyler′s Z.Phys
iol.Chem.359:975−985;Deisenhofer,1981,Biochemistr
y,20:2361−2378)。更に、FBとFcの相互作用における
結合エネルギーのコンピユータ予測が成された。
これらのデータ及び情報の結果、FB及びFcのそれぞれ
の残基について、相補する分子内の原子が4オングスト
ローム以内の距離にあることを示す作業モデル(或いは
結合点の大まかな地図)の構築が可能になつた。コンピ
ユータグラフイツクスによる、結合界面上の極性、及び
荷電残基の位置の考察の結果、二分子の境界(即ち、小
さい誘電率の環境)に、多くの陽電荷及び陰電荷が埋め
こまれることが明らかになり、それらの静電相互作用が
結合エネルギーに有意に寄与するであろうと仮定され
た。更なる解析によつて分子間の相補面に明らかな逆の
荷電の組は存在しないことが示され、結合のメカニズム
は単に逆電荷の相互の中和によるものではないことが示
唆された。
天然プロテインAのFB領域のアミノ酸配列が第1A図に
示されている。この分子は下線部に2つのアルフアらせ
ん領域を持つ。結晶解析の研究から、これらのらせん構
造は結合する時にIgGのFc領域と緊密に会合することが
明らかになつた。第1A図中に示されている星印のアミノ
酸は結合に最も直接関与する、即ち、Fc−FB複合体中で
Fcの残基から約オングストローム以内にあると決定され
た残基である。
前述の情報から、プロテインA分子のFB領域のアミノ
酸配列でのどのような変化がIgGに対する親和性を低下
させるかが予想され、この予想を検証するためにFB領域
のアナログが設計された。いくつかのアナログのアミノ
酸配列が、第1B図に示されている。これらのアナログ
は、Kaで1×103M-1から5×106M-1間の、可溶性IgGに
対する親和性を持つことが示された。
上記のようなアナログを設計するために使われた手法
は第1B図を再度参照することにより、良く理解される。
FB58と書かれた蛋白質は、天然の、或いは野生型のFB配
列である、FBTFはLys7−Glu8結合を切断するトリプシン
によつて、天然型の蛋白質を切断することによつて生成
する。FB58のFcに対するKaは約5×107M-1;FBTFのFcに
対するKaは約5×106M-1である。残りのアナログは適切
なDNAの発現によつて作られる。全てが天然断片の短縮
アナログよりなる。これらのアナログのFcに対する概算
の親和性は、リツトル/モルで表すと、それぞれFB36,K
a=2×103;FB29,4×102<Ka<2×103;FB40,6×103<K
a<2×104;FB47,Ka=2×103である。本発明の種々の
アナログとしてのオリゴマーは、複合体に対して高い親
和性、例えば107M-1以上、そして好ましくは108M-1
上;を持ち、Fcに対して低い親和性、例えば107M-1
下、そして好ましくは105M-1以下;を持つ部分を有す
る。多点結合にはオリゴマーの結合領域間で少くとも52
オングストローム(中心から中心まで)の間隔が必要で
ある。複合体との多点相互作用は、また、複合体中の2
個或いはそれ以上のFcが同時に反応できるような濃度
で、上記のようなアナログが(支持体の)表面に固定さ
れた時にも起こる。
この分野の技術に熟練した人たちには理解されるだろ
うが、FcのFB断片に対する親和性は、第1図に示された
ものと厳密に同じアミノ酸配列およびそれをコードする
DNA配列のみには依存しない。同じアミノ酸配列をコー
ドする他のDNAが使用され得る。完全なアミノ酸配列よ
り短かい第1図のFB断片にもある程度の結合活性が残存
している。また、有意な結合活性を保持しながら配列中
のアミノ酸のいくつかが置換され得ることも考慮され
る。プロテインAのA,C,D,又はE結合領域のアナログ及
びストレプトコツカス種由来のプロテインGの断片のよ
うな機能的に類似のバクテリア蛋白質のアナログを含め
て、他の修飾アミノ酸配列も本発明の範囲内である。少
くとも5×102M-1の結合親和性を持つものが利用可能で
ある。
Fc領域を構成するIgGの重鎖には、それぞれ1つだけ
プロテインAに認識される結合領域が存在する。一方、
複合体は近接してたくさんの結合領域を提示する。この
構造上の相違を利用して、複合体結合部分の選択性を上
昇させるには、個々ではFcに対して比較的低い親和性を
持つ、プロテインAの結合領域のアナログの繰り返し或
いはオリゴマーを設計したり、同じく個々では低親和性
の近接した結合領域を含む構造を設計する。このような
オリゴマーは、遊離のIgGのように一つの結合領域しか
持たない種に対しては低い親和性を持つが、複合体のよ
うに複数の結合領域を持つ種には高い親和性を持つ。こ
のようなオリゴマーの親和性定数は、もし結合がそれぞ
れの部位で独立に起こるとすれば、繰り返し単位の個々
の親和性Koの積になる;ここでKoとは反応物質のモル濃
度を用いて定義される固有の結合定数である。故に、例
えばFcに対する親和性が1×103M-1のアナログを使用し
て、遊離の免疫グロブリン分子に対しては同じ1×103M
-1の親和性を持つが、複合体に対する親和性が1×109M
-1の三量体を作ることができる。もし、一つのアナログ
−Fc結合の組が、他の結合の生成を阻害するとすれば、
観察されるKaは(Ka)より小さくなるが、しかしKaよ
りは依然高い。
プロテインA自身も複数結合領域を線状に配置してい
ると見なされ得るということにも注意すべきである。し
かしながら、恐らくは立体障害のために、最適の条件下
で同時に1つのプロテインA分子上の2つの部位しか結
合できず、そしてプロテインAは有意に選択的に複合体
に結合できない。
プロテインA結合領域アナログをコードする遺伝子
は、第1B図に示されたアナログのアミノ酸配列、或いは
プロテインA,プロテインGの他の知られた配列、或いは
他の結合領域に基づいて設計され、合成オリゴヌクレオ
チドの結合、又は本質的に知られた他の手法による従来
の組換えDNA技術を用いて調製され得る。典型的なFBア
ナログのDNA及びアミノ酸配列が第2図に示されてい
る。これは第1B図に示されたFB29の構造と対応してお
り、開始部位(Met);Pro,Pro,Cys,Ala,Ala配列(固定
支持体との結合にこのCys残基が使われた);そして次
に2つのらせん領域にまたがり、結合に最も重要と考え
られている9つの残基のうち7つの残基を含む、天然FB
の29残基;からなる。
一般に、第1B図に示されるようなアナログは、E. coli
中での発現増加のためのリーダーペプチド、続いて第2
図で例示されるような、リーダーペプチドの遊離のため
のブロムシアン切断部位となるメチオニン残基、そして
アナログのアミノ末端もしくはその近くに位置し、固体
支持体への低親和性化アナログの意図した結合を可能に
するためのシステイン残基を含む、融合蛋白質として発
現される。もちろん、熟練した分子生物学者には、他の
多くの産生技術も明白であろう。このような構築物は、
セフアロースビーズ(架橋したデキストラン)のよう
な、不活性で比較的表面積の大きい粒子、又は他の生物
学的に同等の物質からなる(支持)基盤を含む、免疫吸
着物質の生産の目的で設計される。
アナログが、少なくとも最低閾値濃度で基盤(マトリ
ツクス)に結合するかぎり、結合領域の表面密度は免疫
複合体の多点結合を可能にする。別の言い方をすれば、
アナログの間隔が、複合体の結合領域間の距離を上回る
ような低密度で基盤上に配置されない限りは、この種の
物質は遊離の免疫グロブリンより選択的に複合体と結合
する。これは、最も良い条件でも経験的に〔(IgG)
(プロテインA)〕の構造式を持つ巨大分子凝集体し
か生成しない天然の完全なプロテインAとは対照的であ
る。最適に作用するアナログの濃度は経験的に決められ
る必要があり、それは支持体物質の表面積、架橋の様
式、使用されるアナログの具体的性質、そして免疫複合
体の大きさ等の因子に依存する。
別の方法として、結合力低下アナログは、多数の結合
ペアを作る目的で挿入されたアミノ酸スペーサー配列に
よつて、充分間隔を置かれた多数の結合力低下領域を含
む、プロテインA様分子(オリゴマー)として発現させ
ることも可能である。この点については、2つの活性な
結合領域の中心間の最少距離は約52オングストロームで
ある必要がある。そしてこれらは望ましい選択性を持つ
た、免疫吸着物質を生成するために固定化することがで
きる。
機能的に“免疫複合体”とは複数のIgGのFcを含む分
子凝集体と表現される;この凝集体または複合体は、抗
原−抗体結合、熱凝縮、又は化学的架橋が原因である。
抗原−抗体凝集体及び熱凝集体の潜在的な不安定性のた
め、共有結合的に架橋されたヒトIgGの凝集体が、本発
明の効果の検討のため天然複合体のモデルとして用いら
れた。ヒトIgGはカルボジイミドで架橋され、異なる大
きさの凝集体がゲル過クロマトグラフイーによつて回
収された。ここで報告されている実験において使用され
た凝集体は、約600,000ダルトンの分子量を持ち、これ
はIgGの4量体と同等である。使用前にこの凝集体は低
レベルの内因性循環免疫複合体しか含まないヒト血清に
よつて希釈された。
この発明は、説明のためのものであつて発明の範囲を
限定することを意図しない、以下の非限定的実施例から
更に理解される。
形質転換体の調製 プロテインAのFB29アナログをコードする遺伝子の構
築に関与する分子生物学及び微生物学は、遺伝子構築に
関する分子生物学及び微生物学の例として提供されてい
る。
FB29アナログをコードする遺伝子は、FB58親遺伝子の
N−末端及びC−末端双方において短縮及び/或いは置
換をすることによつて構築された。FB58遺伝子は以前に
オリゴヌクレオチドの結合によつて合成された。FB
58(第1図)をコードするDNA配列を含むプラスミド
を、そのN−末端で遺伝子を改変する準備のため、EcoR
I及びMlu I制限酵素によつて消化した。二重切断プラ
スミド調製物は単切断及び非切断分子からポリアクリル
アミドゲル電気泳動によつて分離された。電気泳動的溶
出、エタノール沈殿及び再懸濁に引き続いて、EcoR I/M
lu I消化プラスミドは、目的の蛋白質配列をコードする
ように設計された、目的DNA配列を持つ合成されたいく
つかのオリゴヌクレオチドと結合された。配列のそれぞ
れの末端は、上記制限酵素によつてプラスミド中に作ら
れたEcoR I及びMlu Iサイトと相補的であるように設計
された。ライゲーシヨンの混合物は、標準的な微生物学
的手法によつてコンピテントE. coli細胞に導入された。
これによつて得られるコロニーは、制限酵素分析によつ
て変化したN−末端の存在を指標にスクリーニングされ
た。目的配列の確認はDNA配列決定(サンガーのダイデ
オキシ法)によつてなされた。
同様にして、プラスミドをHind III及びPst Iで消化
することにより、この改変遺伝子のC−末端を短縮し
た。目的の配列(Hind III及びPst Iサイトへの結合の
ため、相補性のある末端に設計してある)を持つオリゴ
ヌクレオチドを、二重切断プラスミドに結合した。結
合、形質転換、スクリーニング、配列決定の後、N−末
端にプロモーター及び適切なリーダーペプチドが挿入さ
れた最終的な遺伝子配列(第2図)が発現のために用意
された。
バクテリア培養のための接種材料の調製 目的のプラスミドを含むE. coliの凍結保存物を1リツ
トルのバツフル付振とうフラスコ中、10g/トリプト
ン、10g/酵母抽出物、5g/ NaCl、及び1ml/テトラ
サイクリンストツク(95%エタノール中10mg/ml)を含
む、59mlのルリアブロス(Luriabroth)に接種した。こ
の培養液は回転台で200rpm,17時間,37℃で培養された。
培養装置は、全体が200mlで接種された。
E.coliの培養 上記対数増殖期培養物は、11g/Na2HPO4、15g/D
−グルコース、5g/酸加水分解物、3g/KH2PO4、1g/
NH4Cl、0.5g/NaCl、5ml/微量鉱物混合液(13.3ml
濃 HCl、5.4g/FeCl3・6H2O、1.44g/ZnSO4・7H2O、
1.0g/MnCl2・4H2O、0.25g/CuSO4・5H2O、及び0.062
g/H3BO3)、0.5ml/1M MgSO4・7H2O、1.4脱イオン水
から成る培地10リツトルに接種され、細胞は11,300×g
で10分間の遠心分離により沈澱させられる。上清を傾瀉
したのち、細胞塊は適当な容器に移され、−70℃で保存
される。
封入体の調製 凍結細胞塊100gを1リツトルの脱イオン水に再懸濁す
る。細胞は5000psiで稼働しているホモゲナイザーで溶
菌される。部分的に溶解された細胞は15分間氷上で放置
され、同じ条件下で再度ホモゲナイザーにかけられる。
封入体及び細胞の破片は3500×gで30分間、4℃で遠心
分離することによつて沈殿される。
アナログの精製 融合蛋白質は、40mM Tris−HCl、1mM EDTA及び8M尿
素、pH8.0からなる緩衝液中で封入体から可溶化され
る。1グラムの封入体につき、25mlの体積の緩衝液が加
えられ;可溶化は撹拌及びホモゲナイザー処理によつて
促進される。融合蛋白質が溶液中に移つたならば、d H2
O中、1mM EDTA、pH8.0に対し、一晩、4℃で透析するこ
とによつて尿素を除去する。透析された物質は濃酸の添
加により、0.1M HClに調整され、プロテインAアナログ
をリーダーペプチドから切断するためにブロムシアン
(0.25g/g細胞塊)が加えられる。反応は撹拌下、4〜
6時間、遮光して室温で行われる。未反応のブロムシア
ン及び揮発性の副産物は凍結乾燥によつて除去される。
残留物は脱イオン水に再懸濁され、溶液のpHは1N NaOH
の添加により、8.0に調整される。このpHを保持しなが
ら、室温で2時間撹拌した後、消化物は20mM Tris−HC
l、1mM EDTA、pH8.0に対して、一晩透析される。消化物
は、イオン交換クロマトグラフイーに先立ち、1mMジチ
オスレイトール(DTT)の添加により、還元される。
消化物は20mM Tris−NaCl、1mM EDTA、及び1mM DTT、
pH8.0(カラム緩衝液)によつて平衡化されたワツトマ
ン(Whatman)DE−52セルロースの陰イオン交換カラム
上でクロマトグラフイーにかけられる。標品はカラム緩
衝液中に溶かしてからカラムに添加される。カラムから
溶出する蛋白質は280nmで検知され、20mlづつの分画に
回収される。結合した蛋白質はカラム緩衝液中のNaClの
0−500mM濃度勾配を用いて溶出される。個々の分画は
分析用C−18逆相高性能液体クロマトグラフイー(HPL
C)、ドデシル硫酸ナトリウム−ポリアクリルアミド電
気泳動(SDS−PAGE)及び/又はニワトリ抗−プロテイ
ンA抗体(後述)を用いた放射線免疫検定法(RIA)を
用いて、目的のアナログの存在について検査される。適
切な分画が集められ、濃縮され、脱イオン水中の1mM ED
TAに対して透析される。得られた標品は再び1mM DTTに
よつて還元され、トリフルオロ酢酸によつてpH2.0に調
整されたd H2O中25%アセトニトリルで平衡化された分
取用C18カラムにのせられる。結合した物質はアセトニ
トリルの25−45%濃度勾配を用いて溶出される。アナロ
グの同定は、以前に分析された組換えアナログとの分析
用C18カラムからの同時溶出、及び/又はアミノ酸分析
及び配列決定によつて確認される。アナログの純度は分
析用逆相クロマトラフイーで確認される。目的の純度を
持つ分画が集められ、凍結乾燥させられる。
プロテインAアナログのRIA ニワトリ抗−FBを用いた“サンドイツチ”放射線免疫
検定法(RIA)が、精製中に得られた標品中の結合力低
下アナログの同定及び定量に用いられた。簡潔に述べる
と、pH8.0のホウ酸塩緩衝液(BSB)中、2.5μg/mlの濃
度に希釈された、ニワトリ抗−FBは、湿潤空気中、37℃
で1時間のインキユベーシヨンによつて、ポリ塩化ビニ
ルのマイクロタイタープレートのウエルに結合される。
非結合蛋白質は除去され、余つた蛋白質結合領域は、BS
B中の1%脱脂粉乳を加え、1時間、37℃で保温するこ
とにより、封鎖された。濃度既知のプロテインAアナロ
グ及び未知標品の様々な希釈液は、4〜18時間、室温下
でウエルに注入される。結合時間の終了後、各ウエルを
BSBで洗浄することによつて、非結合蛋白質は除去され
る。濃度2.5μg/ml及び比活性2500cpm/ngを持つ、125I
−標識ニワトリ抗−FBは、結合アナログを検出するため
に各ウエルに添加される。プレートは一晩室温で放置さ
れ、洗浄後、放射活性が測定される。標準曲線は、アナ
ログの濃度に対し、ウエル結合cpmをグラフ化すること
によつて、描かれる。未知標品中のアナログ濃度は、曲
線の直線部分から決定される。この検出法の感度は、天
然FB分子については5−100ng/ml、そして結合力低下ア
ナログについては5−100μg/mlである。
IgGに対するアナログの結合を測定するための競合的RIA BSB中20μg/mlの濃度に希釈されたヒトIgGをポリ塩化
ビニル製マイクロタイタープレートのウエルに接着させ
る。BSB中の1%脱脂乳を添加することにより、残留の
蛋白質結合部が封鎖される。余分の蛋白質溶液は除去さ
れ、既知蛋白質濃度のFB、又はそのアナログの希釈がウ
エルに加えられる。30分放置した後、0.05μg/mlに希釈
された125I−標識FBの一定量が各ウエルに加えられる。
プレートは一晩室温で湿潤条件下にインキユベーシヨン
される。非結合放射活性を除去するためにプレートを洗
い、風乾し、各ウエルは切り離され、ガンマ シンチレ
ーシヨン スペクトロメーターで計数される。%阻害の
値は各アナログ濃度において、以下の式を用いて計算さ
れる: ここで、cpm100とは阻害剤なしでウエルに結合した放
射活性を表わし、cpm試験とは既知量のFBまたはそのア
ナログを含むウエルに結合した放射活性を表す。阻害剤
濃度に対する%阻害をグラフ化することによつて、FB及
びそのアナログについての結合曲線が描かれる;結合の
50%阻害に必要な各アナログの量はグラフから決定され
る。結合力低下アナログの結合定数は以下のように計算
される: ここでK(FBx)とはアナログFBxの結合定数であり、
K(FB)とは天然断片B分子(5×107M-1と推定され
る;Langone,1982)の結合定数であり、そして〔FBx〕及
び〔FB〕とは結合の50%阻害に必要なFBx及びFBのモル
濃度である。
単量体のプロテインAアナログを用いた免疫複合体の選
択的結合 FB58(天然FB)又は結合力低下アナログは、0.1M炭酸
緩衝液、pH9.0中で希釈され、ポリスチレンのマイクロ
タイタープレートに、2時間、37℃で接着される。アナ
ログ濃度を1.5から100μg/ml迄変化させても、それに続
125I−標識可溶性IgG或いは熱凝集IgGの結合に殆んど
或は全く影響しない。残留した蛋白質結合領域は、1%
脱脂乳で1時間処理することにより封鎖される。封鎖溶
液の除去後、1%脱脂乳中に希釈された可溶性IgGが、
室温で2時間、免疫グロブリン結合領域を緩和させるた
め添加される。過剰のIgGはウエルのBSBによる洗浄で除
去され;様々な濃度の125I−標識可溶性IgG又は凝集IgG
(同じ比活性に調整してある)が各ウエルに加えられ、
引続き一晩インキユベーシヨンされる。選択的結合を知
るために、FB58或いはアナログによつて覆われたウエル
に結合した二種の標識物の放射活性の絶対カウント数を
比較に用いた。FB58、FB29及びFB40(第1図参照)の
125I−IgG及び125I−凝集IgGに対する結合力を比較した
代表的な実験が第3図に示されている。FB58で覆われた
ウエルでは、リガンド濃度5及び40μg/mlの間で、そし
て可溶性IgGの飽和濃度である1mg/mlで、双方のリガン
ドについて同様の、そして有意な量が結合する。結合し
た放射活性の絶対量は減少したものの、可溶性IgGの飽
和濃度を5mg/mlに上げることによる125I−IgGのFB58
の結合阻害の試みは(可溶性IgGの平衡濃度付近での仕
事のため)成功しなかつた。FB29及びFB40を含むウエル
ではFB58−含有ウエルと比較して、両リガンドの放射活
性の絶対量は低下するものの、有意に多い量の125I−凝
集IgGか125I−可溶性IgGと比較して結合する。この試験
条件ではFB29よりもFB40を含むウエルに多くの放射活性
が結合する。可溶性IgGの飽和濃度を1から5mg/mlまで
上昇すると、アナログによつて覆われたウエル中での選
択的結合が促進した。
固定化単量体プロテインAアナログを用いた免疫複合体
の選択的除去 固定化 セフアロースCL−48(フアルマシア)は以下のように
して活性化された。ゲルは無水再結晶4−ジメチルアミ
ノピリジン(DMAP)添加に先立ち、順に水、ジオキサン
/水混合物及び無水ジオキサンで洗浄される。次に無水
ジオキサン中の塩化トシル溶液が加えられ、混合物は室
温で15分間混合される。混合物は、未反応DMAP及び塩化
トシルを除去するために、無水ジオキサンで過され
る。無水ジオキサン中の0.5Mジアミノジプロピルアミン
(DADPA)溶液が次に加えられ、混合物は一晩、窒素
下、4℃で振とうされる。ゲルは過され、順に無水ジ
オキサン、ジオキサン/1mM HCl混合物、そして最後に水
で洗浄される。更に、10mM EDTAを含む、0.1Mリン酸ナ
トリウム緩衝液、pH6.7で洗浄後、異種二機能性架橋剤
である、m−マレイミドベンゾイル・スルホスクシンイ
ミド(スルホ−MBS)が加えられ、ゲルは2時間、室温
で撹拌される。ゲルは再び0.1Mリン酸ナトリウム緩衝
液、10mM EDTA、pH6.7そして次に0.1M酢酸ナトリウム、
10mM EDTA、pH5.0で洗浄される。この結合スルホ−MBS
によつて活性化されたゲルは適量づつに分けて、そして
様々な濃度のプロテインAアナログを含む溶液と混合さ
れる。混合物は室温で90分間混合され、酢酸ナトリウム
−EDTA緩衝液、pH5.0で洗浄される。未反応スルホ−MBS
は90分間、同緩衝液に0.1M 2−メルカプトエタノール
を添加することにより封鎖される。封鎖の後、ゲルは酢
酸ナトリウム−EDTA緩衝液、pH5.0、そして次に10mMリ
ン酸ナトリウム、150mM NaCl、2mM EDTA、pH7.3で洗浄
される。ゲルは使用まで4℃でリン酸ナトリウム緩衝
液、0.02%アジ化ナトリウム中で保存される。
免疫複合体アツセイ 複合体はサイトテツク(Cytotech)社から販売されて
いる、酵素結合免疫検査キツトを用い、使用説明書に従
つて定量される。標準曲線の作成のために、三種の熱凝
集IgGの標準検体がキツトに含まれている。標準曲線か
ら未知標品の値が調べられる;4μg等量(Eq)/ml以下
を含む血清は正常と見なされ、一方それ以上のレベルを
持つものは上昇している、と見なされる。
可溶性ヒトIgG RIA 可溶性IgGのレベルはRIAで定量される。簡潔に述べれ
ば、濃度5μg/mlに希釈された、特異的精製ヤギ抗−ヒ
ト−IgGが、ポリ塩化ビニル製マイクロタイタープレー
トのウエルに吸着される。1%脱脂粉乳で非特異的蛋白
質結合領域を封鎖した後、IgGの標準標品、又は未知標
品がウエルに加えられ、プレートは室温で4時間インキ
ユベーシヨンさせられる。非結合物質の除去のため更に
洗浄した後、一定量の125I−標識ヤギ抗−IgGが各ウエ
ルに加えられる。18〜24時間の室温下での反応の終了
後、プレートは洗浄、乾燥、切断、そして計数される。
標準曲線は、7.5及び640ng/mlの間の既知濃度の可溶性I
gG標品を用いて描かれた。未知標品は4つの異なる希釈
で各3ウエルずつ検査された。未知標品中のIgG濃度は
標準曲線から計算される;曲線の直線部分にあたる希釈
(標品)は希釈について補正され、平均され、報告され
たIgG濃度を得る。この検査法では複合体はμg/ml表記
即ち、やや低い効率で検出されるものの、sol−Abに加
えて複合体のIgGが検出される。
セフアロース結合プロテインAアナログを用いた循環免
疫複合体の選択的除去 セフアロース−FBアナログ調製液がエツペンドルフ遠
心分離管に入れられる。ゲルは2回洗浄され、上清は捨
てられる。正常ヒト血清中に希釈された、化学的に凝集
させたIgG(CAG/NHS)、又は同様に緩衝液中で希釈され
た正常ヒト血清(NHS)の100μがゲルに加えられ、撹
拌され、そして様々な時間、37℃でインキユベーシヨン
された。吸着の時間を5から120分の間で変えた場合及
び温度を37℃又は25℃で保持した場合も同様の結果が得
られる。上清は別々の試験管に移され、ゲル標品は100
μの緩衝液を加えて洗浄される。洗浄物は最初の上清
と合わせて保存される。対照となる標品はプロテインA
アナログの結合していないセフアロースに吸着される。
続いて各標品は適切に希釈され、サイトテツクEIAキツ
ト及びIgG RIAを用い、複合体とsol−Ab量がそれぞれ
決定される。
以下に示す第I表は、免疫複合体の選択的除去におけ
る、固定化アナログ濃度の影響を決定した実験の結果を
示す。
セフアロースFB58又はFB29調製物によるCAG/NHSの吸
着は、複合体濃度を有意に、対照標品の18.3μg Eq/ml
から7ないし約13μg Eq/mlの間まで減少させる。アナ
ログ濃度3及び4mg/mlのゲルは、より低いアナログ濃度
と比較して多量の複合体の除去が可能である。FB58を有
するゲルによるNHSの吸着の後、ヒトsol−Ab値は、対照
値の36−70%に減少する。これに対してFB29を有するゲ
ルによるNHS標品の吸着は、殆んど或いは全くsol−Ab値
を減少しなかつた(−13%から10%の減少)。
以下の実験は、複合体値が固定化プロテインAの量を
増加した際の吸着で用量依存的に減少するかを調べたも
のである。結合セフアロースの膨潤ゲルを25から200μ
の体積で試験管に分注した。この実験におけるFB58
びFB29アナログのゲルに対する割合は双方とも4mg/mlゲ
ルであつた。CAG/NHSの100マイクロリツトルが各試験管
に加えられ、撹拌され、室温で10分間反応させられた。
上清を除き、ゲル標品を洗浄し、そして上記のように処
理された。この実験の結果は、以下に示す第II表に示さ
れており、ここでCICとは循環免疫複合体を、そしてHu
IgGとはヒド免疫グロブリンを指す。
FB58−又はFB29−セフアロース量の増加に伴なうCAG/
NHSの吸着は、CIC値の、対照値に対する27から90%の低
下という濃度依存性を示した。Sol−Ab値も同様にセル
フアロース−FB58吸着後;38ないし89%の間の低下を示
した。これに対し、セフアロース−FB29に吸着された標
品の可溶性IgG値は殆んど、或いは全く低下を示さなか
つた(対照値の−17から16%間)。
本発明は以上の説明とは別の態様で実施することもで
き、そのような別の態様も請求の範囲に含まれる。
フロントページの続き (72)発明者 コーヘン,チャールズ アメリカ合衆国マサチューセッツ州 02053,メドウェイ,ウィンスロップ・ ストリート 98 (72)発明者 オッパーマン,ハーマン アメリカ合衆国マサチューセッツ州 02053,メドウェイ,サマー・ヒル・ロ ード 25 (56)参考文献 特表 昭59−501693(JP,A) 国際公開87/5025(WO,A)

Claims (20)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】免疫グロブリンに結合する能力を有するプ
    ロテインAまたはプロテインGの結合領域を改変し、免
    疫グロブリンのFc領域に対する結合性を改変前のものよ
    り弱めた改変ポリペプチドの集合体からなり、遊離の免
    疫グロブリンに対する結合親和性よりも、免疫複合体を
    形成した免疫グロブリンに対する結合親和性を高めたこ
    とを特徴とする、免疫吸着物質。
  2. 【請求項2】改変ポリペプチドの集合体における各改変
    ポリペプチドの免疫グロブリンに対する結合領域の中心
    間に最小距離が、少なくとも約52オングストローム以上
    である、請求項1記載の免疫吸着物質。
  3. 【請求項3】改変ポリペプチドのヒト免疫グロブリンの
    Fc領域に対する結合定数が1×107M-1以下である、請求
    項1または2記載の免疫吸着物質。
  4. 【請求項4】改変ポリペプチドのヒト免疫グロブリンの
    Fc領域に対する結合定数が1×105M-1以下である、請求
    項1〜3のいずれか1項記載の免疫吸着物質。
  5. 【請求項5】改変ポリペプチドの集合体の少なくとも1
    つの改変ポリペプチドが、元のポリペプチドの免疫グロ
    ブリン結合領域の一部を欠損させたものである、請求項
    1ないし4のいずれか1項記載の免疫吸着物質。
  6. 【請求項6】改変ポリペプチドの集合体の少なくとも1
    つの改変ポリペプチドが、以下のアミノ酸配列: Glu−Gln−Gln−Asn−Ala−Phe−Tyr−Glu−Ile−Leu−
    His−Leu−Pro−Asn−Leu−Asn−Glu−Glu−Gln−Arg−
    Asn−Gly−Phe−Ile−Gln−Ser−Leu−Lys−Asp を有するポリペプチドである、請求項5記載の免疫吸着
    物質。
  7. 【請求項7】各改変ポリペプチドが支持体に結合されて
    いて、免疫複合体を形成した免疫グロブリンを該支持体
    に結合可能にしてなる、請求項1記載の免疫吸着物質。
  8. 【請求項8】各改変ポリペプチドが、支持体の反応性部
    位に共有結合したアミノ酸を介して支持体に結合されて
    いる、請求項7記載の免疫吸着物質。
  9. 【請求項9】各改変ポリペプチドが、支持体の反応性部
    位に共有結合した少なくとも2つのアミノ酸からなるペ
    プチドを介して支持体に結合されている、請求項8記載
    の免疫吸着物質。
  10. 【請求項10】各改変ポリペプチドが、システイン残基
    を介して支持体に結合されている、請求項8または9記
    載の免疫吸着物質。
  11. 【請求項11】改変ポリペプチドの集合体が、少なくと
    も2つの改変ペプチドがペプチド結合によってつながれ
    て形成された複数のオリゴマーからなる、請求項1記載
    の免疫吸着物質。
  12. 【請求項12】各オリゴマーが支持体に結合されてい
    る、請求項11記載の免疫吸着物質。
  13. 【請求項13】改変ポリペプチドの集合体中の少なくと
    も一つの改変ポリペプチドが、該ポリペプチドをコード
    するヌクレオチド配列の修飾により調製されたものであ
    る、請求項1ないし5のいずれか1項記載の免疫吸着物
    質。
  14. 【請求項14】改変ポリペプチドの集合体中の少なくと
    も一つの改変ポリペプチドが、該ポリペプチドのアミノ
    酸配列の修飾により調製されたものである、請求項1な
    いし5のいずれか1項記載の免疫吸着物質。
  15. 【請求項15】以下のアミノ酸配列: Glu−Gln−Gln−Asn−Ala−Phe−Tyr−Glu−Ile−Leu−
    His−Leu−Pro−Asn−Leu−Asn−Glu−Glu−Gln−Arg−
    Asn−Gly−Phe−Ile−Gln−Ser−Leu−Lys−Asp を有するポリペプチドをコードする、免疫グロブリンに
    結合する能力を有するプロテインAまたはプロテインG
    の結合領域を改変して、免疫グロブリンのFc領域に対す
    る結合性を改変前のものより弱めた改変ポリペプチドを
    コードするDNA。
  16. 【請求項16】支持体の反応性部位に共有結合すること
    によって各改変ポリペプチドを支持体に結合させるアミ
    ノ酸をコードするDNA配列をさらに含む、請求項15のDN
    A。
  17. 【請求項17】a)遊離の免疫グロブリンに比べて免疫
    複合体が請求項1〜14のいずれか1項記載の免疫吸着物
    質に選択的に結合するために十分な温度および条件で、
    免疫複合体を含むと思われる液体サンプルを前記免疫吸
    着物質と接触させ; b)液体サンプルから前記免疫吸着物質を分離する、 ことからなる、遊離免疫グロブリンの存在下で免疫複合
    体を液体サンプルから除去する方法。
  18. 【請求項18】各改変ポリペプチドを支持体に結合させ
    るアミノ酸をコードするDNA配列が、Pro−Pro−Cys−Al
    a−Alaのアミノ酸配列をコードするDNA配列である、請
    求項16のDNA。
  19. 【請求項19】以下のアミノ酸配列: Met−Pro−Pro−Cys−Ala−Ala−Glu−Gln−Gln−Asn−
    Ala−Phe−Tyr−Glu−Ile−Leu−His−Leu−Pro−Asn−
    Leu−Asn−Glu−Glu−Gln−Arg−Asn−Gly−Phe−Ile−
    Gln−Ser−Leu−Lys−Asp をコードするDNA。
  20. 【請求項20】以下のアミノ酸配列: Glu−Gln−Gln−Asn−Ala−Phe−Tyr−Glu−Ile−Leu−
    His−Leu−Pro−Asn−Leu−Asn−Glu−Glu−Gln−Arg−
    Asn−Gly−Phe−Ile−Gln−Ser−Leu−Lys−Asp をコードするDNA
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