JP2566004Y2

JP2566004Y2 - 字消し具

Info

Publication number: JP2566004Y2
Application number: JP1993024704U
Authority: JP
Inventors: 恭夫村越
Original assignee: Tombow Pencil Co Ltd
Current assignee: Tombow Pencil Co Ltd
Priority date: 1993-04-15
Filing date: 1993-04-15
Publication date: 1998-03-25
Anticipated expiration: 2008-03-25
Also published as: JPH0678349U

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この考案は、印刷物の修正に用
い、特に修正塗料転写テープの塗料を転写することによ
り修正を行う字消し具の構造の改良に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、原稿の活字に修正を施す際に使用
する字消し具には、液状の白色塗料を、容器の蓋部に付
属する刷毛体により該当箇所に塗布してなるものが一般
的であるが、このような容器の蓋部に付属する刷毛体に
より白色塗料を塗布するものの場合では、容器内の塗料
の塗布性を確保するために水或は有機溶媒等により希釈
しているので、刷毛体の使用に際しては溶媒等が蒸発し
易く、又刷毛体の使用状態を整えるために容器口部にお
いて刷毛体をしごく等の動作を行うと白色塗料が前記口
部に付着し完全な密閉状態を確保することができず、更
に溶媒の揮発を促進して白色塗料の粘度が増し、使用が
困難になり、或は白色塗料の硬化に伴う刷毛体の変形を
招き、その機能を十分に享受することができないことか
ら、字消し具としての利便性を向上させるために、マガ
ジン内に修正塗料転写テープを巻装した修正塗料転写テ
ープのリールと、修正塗料転写テープを巻き取り、上記
修正塗料転写テープのリールと共に修正塗料転写テープ
を介して一体に巻取りリールが回転自在に保持され、こ
の修正塗料転写テープのリールと巻取りリール間に渡さ
れる修正塗料転写テープを、マガジン内後背より外部に
突出するヘッドにより外部に露出させ、この外部に露出
させた修正塗料転写テープをヘッドと共に、字消し作業
該当箇所に当接、押圧しつつ一定方向に移動させること
で、字消し作業を行うと共に使用後の修正塗料転写テー
プをマガジン内に回転自在に保持される巻取りリールに
巻取ってなるもの（特公平３−１１６３９号）等が提案
されている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来のものにおいて、修正塗料転写テープが、使用後の修
正塗料転写テープを巻取りリールに巻取りつつ、條正塗
料転写テープの巻装されたリールより繰り出されるの
で、字消し作業を効率よく行えるものであるが、修正塗
料転写テープを巻回する供給リールにおいては、修正塗
料転写テープを巻取る巻取りリールとはギアの噛合を介
して、マガジン内に回転自在に軸着されているから、修
正塗料転写テープの引張方向によっては逆回転し、修正
塗料転写テープを巻き取る巻取りリールと供給リールと
の間に過剰の引張が生じてしまい、修正塗料転写テープ
を供給する供給リールと巻き取りリールとの間に一体に
連続する修正塗料転写テープが切断する恐れがある。

【０００４】また、リールの逆回転によっては、一度巻
取りリールに巻取られた使用済みの修正塗料転写テープ
が、再びマガジン内外にあふれ出てきてしまったり、ま
た、修正塗料転写テープが余分に供給されて供給リール
あるいは巻取りリールとヘッドの間で弛みが生じてしま
うと修正作業の妨げになるため、修正塗料転写テープが
ヘッドによって引張された状態にしようとすると、使用
者が使用済みの修正塗料転写テープを回収或は弛みを解
消し、適度に緊張を生じさせようとしても、修正塗料転
写テープを巻回する供給リールにおいてマガジン外から
余分な修正塗料転写テープを巻き取る手段がなく、修正
塗料転写テープの供給リールは単にマガジン内に軸着さ
れているだけであるので、容易にマガジン内の修正塗料
転写テープを回収或は弛みを解消することができない欠
点がある。

【０００５】更に、修正塗料転写テープを供給する供給
リール、及び巻き取る巻取りリールを内蔵するマガジン
は、作業者にとって修正作業を容易かつ確実に行えるよ
うに通常樹脂によって形成されているものであるので、
作業者の握力或は熱等によって変形を生じやすく、この
ためマガジンの変形により回転自在に軸着されている上
記リールの回転が妨げられて、特に使用中に修正塗料転
写テープの供給或は巻き取りが円滑に行われない場合が
ある。

【０００６】そこで、この考案は上記従来のものの有す
る欠点を改善するものであり、常にヘッドにおいて修正
塗料転写テープに対して過剰の引張による修正塗料転写
テープの切断が生じさせることなく、適正な緊張を与え
て確実な修正作業が行えるように、使用中にリールの逆
回転を防止するものにおいて、供給リールとヘッド間の
転写テープ、あるいはヘッドと巻取りリール間の転写テ
ープの弛みをとるために巻戻し可能にし、更に、マガジ
ンの変形に対しても確実に修正塗料転写テープの供給、
巻取りが行えるようにしてなるものである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】そのために、巻取りリー
ルギアと噛合い、この巻取りリールギアより大径とした
供給リールギアを、容器本体に固定する供給リール軸に
回動自在に嵌合するとともに、この供給リール軸と同軸
にＯリングを介して修正塗料転写テープ供給リールのカ
ラー部分を嵌合し、上記供給リールギアの裏面に、一方
向逆回転防止爪を設け、この防止爪を容器本体対向面の
突起と係合してなる字消し具において、巻戻しボタンの
操作部を供給リールギアの表面側に容器本体から露出し
て設け、この巻戻しボタンを、上記供給リール軸上に回
動自在に嵌合し、上記巻戻しボタンの操作部の下部に設
けた突起が修正塗料転写テープ供給リールのカラー部分
に係止するものである。

【０００８】また、供給リール軸に直交する平面により
二分割される容器本体内において、分割される一方の容
器本体の内面に供給リール軸を固定し、この供給リール
軸に供給リールギアを回動自在に嵌合するとともに、供
給リール軸と同軸に修正塗料転写テープ供給リールを嵌
合してなり、分割される他方の容器本体内面より上記一
方の容器本体の内面に向けて延長される離隔杆を有し、
この離隔杆の先端が上記供給リールギアの対向する表面
に近接して設けてなるものである。

【０００９】

【作用】上記構成を具えるので、供給リールに巻回され
る修正塗料転写テープが使用中に余分にヘッド方向に送
り出されて弛みを生じても、容器本体外に露出する巻戻
しボタンを逆回転方向に回転させることにより、上記修
正塗料転写テープの供給リールは、容器本体内面から立
設される供給リール軸において回転自在に軸着される巻
取りリールギアより大径の供給リールギアに対してゴム
等の弾性材からなるＯリングを介して取り付けてなるか
ら、供給リール自体は、供給リールを保持する供給リー
ルギアの裏面に設けられた一方向逆回転防止爪と、容器
本体内面に突設された突起との係合によって回転するこ
とがなく固定されるので、この供給リールを保持する供
給リールギアと噛合する巻き取りリールギアは回転する
ことがなく、使用済みの修正塗料転写テープがヘッド方
向に送り出されることもないものであり、その上、Ｏリ
ングと一体となって逆回転方向に摺動するものとなるの
で、使用中に余分にヘッド方向に送出された修正塗料転
写テープを再び供給リール外周に巻回することができ
る。

【００１０】また、未使用の修正塗料転写テープを巻回
する供給リール及び使用済みの修正塗料転写テープを巻
き取る巻取りリールは、容器本体内において回転自在に
軸着されているものであるが、供給リール軸に直交する
平面により二分割される容器本体内において、分割され
る一方の容器本体の内面に立設され、分割される他方の
容器本体の内面に向い延長され、先端が供給リールギア
の対向する表面に近接して設けられる離隔杆を有してな
るから、熱や応力によって容器本体が変形しようとする
と、この離隔杆が容器本体内において適度な空間を確保
するものとなり、更には供給リールギアの一方向逆転防
止爪と突起との係止の外れることを防止するので、回転
自在に軸着される供給リール及び巻取りリールの回転は
確実に維持されるものとなり、修正塗料転写テープによ
る修正作業を円滑に行うことができる。

【００１１】

【実施例】この考案を図に示す実施例により更に説明す
る。（１）は、この考案の実施例である字消し具であ
り、この字消し具（１）は、容器本体（２）内におい
て、未使用の修正塗料転写テープ（３）を巻回する供給
リール軸（５）に回転自在に軸着される供給リールギア
（６）に保持される供給リール（４）と、この供給リー
ル（４）に巻回された修正塗料転写テープ（３）を、容
器本体（２）先端に固持されるヘッド（７）を介して使
用済みの修正塗料転写テープ（３）として巻き取り、上
記供給リール軸（５）に軸着される巻取りリールギアよ
り大径の供給リールギア（６）と噛合してなるものであ
る。

【００１２】そして、供給リール軸（５）に回転自在に
軸着され、未使用の修正塗料転写テープ（３）を巻回し
てなる供給リール（４）を保持してなる供給リールギア
（６）の裏面には、容器本体（２）の内面に突設した環
状の突起（１１）に対して係合自在となり、その先端を
供給回転方向に斜面を有する一方向逆回転防止爪（１
２）を一体に設けると共に、更に、容器本体（２）外か
ら巻き取り操作ができるように操作部（１４）を露出す
る巻戻しボタン（１３）を、その巻戻しボタン（１３）
の操作部（１４）の下部に一体に成形された突起（１
５）を以て、修正塗料転写テープ（３）の供給リール
（４）のカラー部分（９）に一体に係止すると共に、上
記修正塗料転写テープ（３）の供給リール（４）を容器
本体（２）内面から立設される供給リール軸（５）に軸
着される供給リールギア（６）に対してゴム等の弾性材
からなるＯリング（１６）を介して取り付けてなるもの
である。

【００１３】また、供給リール軸（５）に直交する平面
により二分割される容器本体（２）内において、分割さ
れる一方の容器本体（２’）の内面に立設され、分割さ
れる他方の容器本体（２”）の内面に向い延長され、先
端が供給リールギア（６）の対向する表面（８）に近接
する離隔杆（１９）を有してなるものである。

【００１４】この考案は以上の構成を具えるので、未使
用の修正塗料転写テープ（３）を巻回してなる修正塗料
転写テープ（３）の供給リール（４）を保持してなる供
給リールギア（６）の裏面に設けた一方向逆回転防止爪
（１２）は、その先端が供給回転方向に斜面を有するも
のとなっているので、未使用の修正塗料転写テープを容
器本体（２）の先端に固持されたヘッド（７）に供給す
る場合には、容器本体（２）の内面に突設した環状の突
起（１１）に対して係合自在となる一方向逆回転防止爪
（１２）の先端が、上記容器本体（２）の内面に突設し
た突起（１１）により湾曲し、突起（１１）に対して係
合、固定することがないので、供給方向への供給リール
（４）の回転は妨げられることなく回転し、容器本体
（２）の先端に固持されるヘッド（７）方向に修正塗料
転写テープ（３）を送出することができるものである。

【００１５】一方、未使用の修正塗料転写テープ（３）
を巻回する供給リール（４）が、供給方向への回転に対
して逆回転しようとすると、この供給リール（４）を保
持してなる供給リールギア（６）の裏面に一体に設けて
なる一方向逆回転防止爪（１２）が、容器本体（２）の
内面に突設した環状の突起（１１）に対して、湾曲する
ことなく係合し固定されるものとなるので、供給リール
（４）は逆回転することをできないものとなり、この供
給リール（４）の逆回転により生じる修正塗料転写テー
プ（３）への過剰の引張が抑制され、修正塗料転写テー
プ（３）における切断或は伸長等の不具合が発生するこ
とを防止できる。

【００１６】更に、使用中に供給リール（４）に巻回さ
れる未使用の修正塗料転写テープ（３）が余分にヘッド
（７）方向に送り出されて弛み等が生じてしまっても、
容器本体（２）外に露出する巻戻しボタン（１３）の操
作部（１４）を修正塗料転写テープ（３）の供給回転方
向とは逆回転方向に回転させることにより、上記修正塗
料転写テープ（３）の供給リール（４）は、容器本体
（２）の内面から立設される供給リール軸（５）におい
て回転自在に軸着される供給リールギア（６）に対して
ゴム等の弾性材からなるＯリング（１６）を介して取り
付けてなるので、供給リール（４）自体は、供給リール
（４）を保持する供給リールギア（６）の裏面に一体に
設けられた一方向逆回転防止爪（１２）と、容器本体
（２）内面に突設された突起（１１）との係合によって
回転することがなく、固定されるものとなるので、この
供給リール（４）を保持する供給リールギア（６）と噛
合する部分は回転することはなく、従って使用済みの修
正塗料転写テープ（３）がヘッド（７）方向に送り出さ
れることもなく、Ｏリング（１６）と一体となって逆回
転方向に供給リールギア（６）の表面を摺動するものと
なるので、使用中に余分にヘッド（７）方向に送出され
た修正塗料転写テープ（３）を再び供給リール（４）外
周に巻回することかでき、ヘッド（７）における修正塗
料転写テープ（３）に対して適度の緊張を与え、正確に
修正作業を行えるようにすることができる。

【００１７】また、この考案の実施例のように供給リー
ル軸（５）に直交する平面により二分割される容器本体
（２）内において、分割される一方の容器本体（２’）
の内面に立設され、分割される他方の容器本体（２”）
の内面に向い延長され、先端が供給リールギア（６）の
表面（８）に近接して設けられる離隔杆（１０）を有し
てなるから（図１，図２）、熱や応力によって容器本体
（２）が変形しようとすると、この離隔杆（１０）が容
器本体（２）内において適度な空間を確保するものとな
るので、回転自在に軸着される供給リールギア（６）に
保持される供給リール（４）の回転は、この離隔杆（１
０）によって確保される空間によって妨げられることな
く、確実に維持されるものとなるので、修正塗料転写テ
ープ（３）による修正作業を円滑に行うことができるも
のである。

【００１８】

【考案の効果】以上のとおり、供給リールをゴム等の弾
性材よりなるＯリングを介して供給リール軸に軸着され
る巻取りリールギアより大径の供給リールギアに保持
し、供給リールのカラーのみを逆転させる巻戻しボタン
により、使用中に過剰に送り出された未使用の修正塗料
転写テープを、供給リールギアに噛合する部分を回転さ
せることなく容易に巻戻して、使用中にヘッドにおける
適度の緊張を有するものとすることができ、巻取りリー
ルに未使用の転写テープを巻取って作動不能となるおそ
れがなく、無駄な転写テープの使用を防止できると共
に、容器本体を二分割とする場合に容器本体内において
離隔杆を配設することで供給リールギアの防止爪と突起
との係止の外れを防止して修正塗料転写テープの送出、
巻き取りを行う供給リールの円滑な回転を確保できるの
で、熱や応力に対する容器本体の耐久性を著しく向上さ
せることができる優れた効果を有するものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案の実施例である字消し具の転写テープ
を装着しない時の正面図である。

【図２】図１において転写テープを装着した時の正面図
である。

【図３】この考案の実施例である字消し具の要部拡大断
面図である。

【図４】図１の横断面図である。

【図５】供給リールギアと他の部材との結合状態を示す
分解斜視図である。

【符号の説明】

１字消し具２容器本体３修正塗料転写テープ４供給リール５供給リール軸６供給リールギア７ヘッド８離隔杆先端に対向する供給リールギア表面９供給リールのカラー部分１０離隔杆１１（環状の）突起１２一方向逆回転防止爪１３巻戻しボタン１４操作部１５突起１６Ｏリング

Claims

(57)【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】巻取りリールギアと噛合い、この巻取り
リールギアより大径とした供給リールギアを、容器本体
に固定する供給リール軸に回動自在に嵌合するととも
に、この供給リール軸と同軸にＯリングを介して修正塗
料転写テープ供給リールのカラー部分を嵌合し、上記供
給リールギアの裏面に、一方向逆回転防止爪を設け、こ
の防止爪を容器本体対向面の突起と係合してなる字消し
具において、巻戻しボタンの操作部を供給リールギアの
表面側に容器本体から露出して設け、この巻戻しボタン
を、上記供給リール軸上に回動自在に嵌合し、上記巻戻
しボタンの操作部の下部に設けた突起が修正塗料転写テ
ープ供給リールのカラー部分に係止してなる構造。
【請求項２】供給リール軸に直交する平面により二分
割される容器本体内において、分割される一方の容器本
体の内面に供給リール軸を固定し、この供給リール軸に
供給リールギアを回動自在に嵌合するとともに、供給リ
ール軸と同軸に修正塗料転写テープ供給リールを嵌合し
てなり、分割される他方の容器本体内面より上記一方の
容器本体の内面に向けて延長される離隔杆を有し、この
離隔杆の先端が上記供給リールギアの対向する表面に近
接して設けられる請求項１記載の字消し具。