JP2565565B2 - 被覆ポリカーボネート系樹脂成形物品 - Google Patents

被覆ポリカーボネート系樹脂成形物品

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JP2565565B2
JP2565565B2 JP1097740A JP9774089A JP2565565B2 JP 2565565 B2 JP2565565 B2 JP 2565565B2 JP 1097740 A JP1097740 A JP 1097740A JP 9774089 A JP9774089 A JP 9774089A JP 2565565 B2 JP2565565 B2 JP 2565565B2
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章雄 滝川
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、ポリカーボネート系樹脂基材にポリカーボ
ネート系樹脂に対して付着性の良い下塗り塗料を被覆硬
化し、その上に珪素系樹脂を含む上塗り塗料を被覆硬化
してなる耐摩耗性及び耐候性が優れた被覆ポリカーボネ
ート系樹脂成形物品に関するものである。
(従来の技術) 一般にポリカーボネート系樹脂は、耐衝撃性透明性に
すぐれているため透明プラスチック材料として広く使用
されているが、耐摩耗性、耐溶剤性に乏しく表面に傷が
つきやすく、また有機溶剤に侵されやすく、更に耐光性
が不十分であって黄変し易いという欠点がある。
これらの欠点を改良する方法として、ポリカーボネー
ト系樹脂基材上に下塗り塗膜及び上塗り塗膜の2層を形
成し、しかもその少なくとも1層に紫外線吸収剤、紫外
線安定剤あるいは酸化防止剤等を含む熱、紫外線または
電子線硬化性樹脂で被覆する方法が種々提案されてい
る。
例えば特開昭58-196237には、ポリカーボネート表面
にポリアルキルアクリレート又は、ポリアルキルメタク
リレートポリマーと紫外線吸収剤を含有する下塗り塗料
を塗布乾燥後アルキルトリアルコキシシランの部分加水
分解縮合物を主成分とする上塗り塗料を塗布硬化させる
表面処理法が開示されている。
特表昭55-500858、特開昭59-24728には、ポリカーボ
ネート成形品の表面に官能基含有アクリルポリマーと紫
外線吸収剤を含有する下塗り塗料を塗布、乾燥後、コロ
イド状シリカを充填したオルガノポリシロキサンを主成
分とする上塗り塗料を塗布硬化させた物品あるいは処理
法が開示されている。
また特公昭60-53701には、熱硬化アクリル重合体と紫
外線吸収性化合物を含有する接着促進性プライマー層お
よびこのプライマー層上に、コロイドシリカ充填熱硬化
オルガノポリシロキサンからなるトップコートを施した
ポリカーボネート物品が開示されている。特公昭63-526
68には、ポリカーボネート基体に、熱硬化性アクリルポ
リマーを含む下塗りエマルジョンを塗布、硬化後、コロ
イドシリカ充填硬化オルガノポリシロキサンを含む上塗
り塗膜が形成された物品が開示されている。
更に、特開昭59-78240にアルコキシシリル基を有する
アクリルまたは/およびビニル単量体とこれらの単量体
と共重合可能な他の単量体との共重合体、および硬化触
媒を含む組成物を被覆硬化して下塗り層となしコロイダ
ルシリカ含有オルガノポリシロキサンを含む組成物を被
覆硬化して上塗り層とした耐摩耗性が改善された被覆ポ
リカーボネート系樹脂成形物品が提案されている。また
特開昭59-109528には、アルコキシシリル基を有するア
クリルまたは/およびビニル単量体とこれらの単量体と
共重合可能な他の単量体との共重合体、硬化触媒および
架橋剤を含む組成物を被覆硬化して下塗り層となし、コ
ロイダルシリカ含有オルガノポリシロキサンを含む組成
物を被覆硬化して上塗り層とした耐摩耗性が改善された
被覆ポリカーボネート系樹脂成形物品が提案されてい
る。
(発明が解決しようとする課題) しかしながら上述の官能基を含まないあるいは官能基
含有熱可塑アクリルポリマーと紫外線吸収剤を含む下塗
り塗膜では、オルガノポリシロキサンを含む上塗り塗膜
の付着耐久性が不充分であり、被覆物品としての耐候性
は充分とは言えない。また熱硬化アクリル重合体と紫外
線吸収性化合物を含有する有機溶剤型下塗り塗料あるい
は熱硬化性アクリルポリマーを含む下塗りエマルジョン
塗料その他についてもコロイドシリカ充填オルガノポリ
シロキサンを含む上塗り塗膜の付着耐久性は充分満足で
きるものではない。
(課題を解決するための手段) 本発明は、上述の様な、従来の課題を解決することを
目的とするものである。すなわち本発明は(a)アルコ
キシシリル基を有するアクリルおよび/またはメタアク
リル単量体と、アルキルアクリレートおよび/またはア
ルキルメタアクリレートとの共重合体、(b)過塩素酸
アンモニウムおよび(c)紫外線吸収剤を含む組成物を
被覆硬化して、下塗り層となし、コロイダルシリカ含有
オルガノポリシロキサンを含む組成物を被覆硬化して上
塗り層とした耐摩耗性及び耐候性が改善された被覆ポリ
カーボネート物品を提供するものである。
本発明において、上塗りとして用いるコロイダルシリ
カ含有オルガノポリシロキサンを含む組成物とは、下記
(A)および(B)から成る群より選ばれる少なくとも
1種、(C)および(D)、 (A)一般式(1) (式中R1はエポキシ基を有する有機基、R2は水素、炭素
数1〜6の炭化水素基、R3は炭素数1〜5の炭化水素
基、アルコキシアルキル基または炭素数1〜4のアシル
基、aは1〜3、bは0〜2であってa+b≦3であ
る。)で示されるエポキシ基を有する珪素化合物から選
ばれる1種もしくは2種以上の加水分解物。
(B)一般式(2) R4 c−Si−(OR54-c (2) (式中R4は炭素数1〜6の炭化水素基、R5は炭素数1〜
5の炭化水素基、アルコキシアルキル基または炭素数1
〜4のアシル基、cは0〜3である。)で示される有機
珪素化合物の加水分解物 (C)コロイダルシリカ (D)硬化触媒 を含む組成物が好適に使用され、さらに好ましくは、 (A)一般式(1)で示されるエポキシ基を有する珪素
化合物から選ばれる1種もしくは2種以上の加水分解物
100重量部(但し、固型分で計算し、 として計算する。) (B)一般式(2)で示される有機珪素化合物の加水分
解物56〜550重量部(但し、固型分で計算し として計算する。) (C)コロイダルシリカ4〜334重量部(但し、固型分
で計算し、SiO2として計算する。)ただし(B)と
(C)の合計は567重量部を越えず、好ましくは60〜567
重量である、および (D)硬化触媒 を含む組成物である。
更に好ましくは、成分(A)100重量部に対し成分
(B)は105〜430重量部及び成分(C)が16〜200重量
部で成分(B)と成分(C)の合計が121〜473重量部で
ある。成分(B)と成分(C)の合計が60重量部未満で
あると、併用する効果が小さくなり、また567重量部を
越えると、硬化塗膜の可撓性が著しく減少し、更に良好
なる付着性を得るのが極めて難しくなってくる。
本発明で使用される一般式(1)で示される成分
(A)のエポキシ基を有する珪素化合物としては、下記
の様なものが挙げられる。グリシドキシ基を1ケ有する
珪素化合物の具体例としては、 グリシドキシメチルトリメトキシシラン グリシドキシメチルトリエトキシシラン β−グリシドキシエチルトリメトキシシラン β−グリシドキシエチルトリエトキシシラン γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン γ−グリシドキシプロピルトリ(メトキシエトキシ)シ
ラン γ−グリシドキシプロピルトリアセトキシシラン δ−グリシドキシブチルトリメトキシシラン δ−グリシドキシブチルトリエトキシシラン グリシドキシメチルジメトキシシラン グリシドキシメチル(メチル)ジメトキシシラン グリシドキシメチル(エチル)ジメトキシシラン グリシドキシメチル(フェニル)ジメトキシシラン グリシドキシメチル(ビニル)ジメトキシシラン グリシドキシメチル(ジメチル)メトキシシラン β−グリシドキシエチル(メチル)ジメトキシシラン β−グリシドキシエチル(エチル)ジメトキシシラン β−グリシドキシエチル(ジメチル)メトキシシラン γ−グリシドキシプロピル(メチル)ジメトキシシラン γ−グリシドキシプロピル(エチル)ジメトキシシラン γ−グリシドキシプロピル(ジメチル)メトキシシラン δ−グリシドキシブチル(メチル)ジメトキシシラン δ−グリシドキシブチル(エチル)ジメトキシシラン δ−グリシドキシブチル(ジメチル)メトキシシラン グリシドキシ基を2ケまたは3ケ有する珪素化合物の具
体例としては、 ビス(グリシドキシメチル)ジメトキシシラン ビス(グリシドキシメチル)ジエトキシシラン ビス(グリシドキシエチル)ジメトキシシラン ビス(グリシドキシエチル)ジエトキシシラン ビス(グリシドキシプロピル)ジメトキシシラン ビス(グリシドキシプロピル)ジエトキシシラン トリス(グリシドキシメチル)メトキシシラン トリス(グリシドキシメチル)エトキシシラン トリス(グリシドキシエチル)メトキシシラン トリス(グリシドキシエチル)エトキシシラン トリス(グリシドキシプロピル)メトキシシラン トリス(グリシドキシプロピル)エトキシシラン グリシジル基を有する珪素化合物の具体例としては、 グリシジルメトルトリメトキシシラン グリシジルメチルトリエトキシシラン β−グリシジルエチルトリメトキシシラン β−グリシジルエチルトリエトキシシラン γ−グリシジルプロピルトリメトキシシラン γ−グリシジルプロピルトリエトキシシラン γ−グリシジルプロピルトリ(メトキシエトキシ)シラ
ン γ−グリシジルプロプルトリアセトキシシラン 脂環式エポキシ基を有する珪素化合物の具体例として
は、 3,4−エポキシシクロヘキシルメチルトリメトキシシラ
ン 3,4−エポキシシクロヘキシルメチルトリエトキシシラ
ン 3,4−エポキシシクロヘキシルエチルトリメトキシシラ
ン 3,4−エポキシシクロヘキシルプロピルトリメトキシシ
ラン 3,4−エポキシシクロヘキシルブチルトリメトキシシラ
ン を挙げることができる。
本発明で使用される成分(B)である前記一般式
(2)で示される有機珪素化合物としては、下記の様な
ものが挙げられる。すなわち、トリメチルメトキシシラ
ン、ジメチルジメトキシシラン、メチルトリメトキシシ
ラン、テトラエトキシシラン、フェニルトリメトキシシ
ラン、フェニルメチルジメトキシシラン等がある。成分
(C)のコロイダルシリカとは、分散媒、たとえば水ま
たはアルコール系分散媒に無水珪酸の好ましくは1〜10
0ミリミクロンの粒径の超微粒子を、分散せしめたコロ
イド溶液であり、周知の方法で製造され市販されている
ものである。
これら(B)成分および(C)成分を(A)成分と併
用することにより、塗膜の耐候性が向上し、かつ耐候性
テスト後の外観及び硬度が良好となる。
本発明において成分(A)として用いられる前記一般
式(1)で示されるエポキシ基を有する珪素化合物から
選ばれる1種もしくは2種以上の加水分解物および成分
(B)として用いられる前記一般式(2)で示される有
機珪素化合物から選ばれる1種もしくは2種以上の加水
分解物とは、該珪素化合物中のアルコキシ基、アルコキ
シアルコキシ基またはアシロオキシ基の一部または全部
が水酸基に置換されたものおよび置換された水酸基同志
が一部自然に縮合したものを含んでいる。これらの加水
分解物は、公知の様にたとえば水とアルコールのごとき
混合溶媒中、酸の存在下で加水分解することによって得
られる。前記一般式(1)および(2)で示される珪素
化合物を加水分解しないで用いた場合は、硬化塗膜が白
化し、また耐摩耗性も不充分である。
一般式(1)及び(2)で示される珪素化合物を加水
分解物として用いる場合は、別々に加水分解するより
は、混合して同時に共加水分解する方が良好な結果を与
える場合が多い。
本発明における上塗り層用のコーティング組成物中の
成分(D)の硬化触媒としては、次の様な触媒を用いる
ことができる。すなわち過塩素酸アンモニウム、硝酸ア
ンモニウム、塩化アンモニウム、硫酸アンモニウム、チ
オシアン酸アンモニウム、過塩素酸、塩酸、硝酸、リン
酸、硫酸、スルホン酸、パラトルエンスルホン酸、三フ
ッ化ホウ素及びその電子供与体との錯体。
SnCl4,ZnCl3,FeCl3,AlCl3,SbCl5,TiCl4などのルイス
酸及びその錯体。
酢酸ナトリウム、ナフテン酸亜鉛、ナフテン酸コバル
ト、オクチル酸亜鉛、オクチル酸スズ等の有機酸金属
塩。ホウフッ化亜鉛、ホウフッ化スズ等のホウフッ化金
属塩類。ホウ酸エチル、ホウ酸メチル等のホウ酸有機エ
ステル類。水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアル
カリ類。テトラブトキシチタン、テトライソプロポキシ
チタン等のチタネートエステル類。クロムアセチルアセ
トネート、チタニルアセチルアセトネート、アルミニウ
ムアセチルアセトネート、コバルトアセチルアセトネー
ト、ニッケルアセチルアセトネート等の金属アセチルア
セトネート類。n−ブチルアミン、ジ−n−ブチルアミ
ン、トリ−n−ブチルアミン、ジメチルベンジルアミ
ン、トリス−2,4,6−ジメチルアミノフェノール、グア
ニジン、ビグアニド、イミダゾール、1,5−ジアザビシ
クロ(4,3,0)ノネン、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)
ウンデセン−7等のアミン類およびその塩、トリフルオ
ロメチルスルホン酸アンモニウム、トリフルオロメチル
スルホン酸ナトリウム、トリフルオロメチルスルホン酸
カリウム等の高フッ化脂肪族スルホン酸塩、NH4(CF3S
O2)2C・Br,K(CF3SO2)2CH,Ba〔(CF3SO2)2CH〕2等の高フ
ッ化脂肪族スルホニル系化合物等が挙げられる。
これらの硬化触媒の中で、塗膜の硬度、透明性等が良
好で、しかも塗料液のポットライフが長い硬化触媒とし
て過塩素酸アンモニウム、および酢酸ナトリウムが特に
適している。これら硬化触媒の添加量は、上塗り用コー
ティング組成物の固形分に対して0.05〜10重量部%、よ
り好ましくは0.1〜5重量部%である。
上塗り用組成物に含ませてよい溶剤としては、アルコ
ール類、ケトン類、エステル類、エーテル類、セロソル
ブ類、ハロゲン化物、カルボン酸類、芳香族化合物等を
あげることができ、これらのうちの1種または2種以上
の混合溶剤として用いることができる。特にメタノー
ル、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブ
タノール等の低級アルコール、メチルセロソルブ、エチ
ルセロソルブ、ブチルセロソルブ等のセロソルブ類:ギ
酸、酢酸、プロピオン酸等の低級アルキルカルボン酸
類:トルエン、キシレン等の芳香族化合物:酢酸エチ
ル、酢酸ブチル等のエステル類:及びアセトン、メチル
エチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン類
等を単独もしくは混合溶剤として用いることが好まし
い。
更に必要に応じて平滑な塗膜を得るためにフッ素系界
面活性剤、アルキレンオキシドとジメチルシロキサンと
のブロック共重合体などのフローコントロール剤を添加
することができる。これらフローコントロール剤の添加
量は、少量で充分であり上塗り組成物全体に対し0.01〜
5重量%、より好ましくは0.03〜3重量部%である。ま
た酸化防止剤、紫外線吸収剤等を少量添加することもで
きる。
上塗り塗料のコーティングは、通常おこなわれている
浸漬法、噴霧法、ローラコーティング法、またはフロー
コート法等のコーティング方法によって後述の下塗り塗
料をあらかじめ塗布焼付されたポリカーボネート系基材
にコーティング後70℃以上で基材の変形温度(例えば13
0℃)以下の温度で20分〜5時間焼付け、硬化させるこ
とにより耐摩耗性、付着性、耐熱水性、および耐候性が
良好な塗膜が得られる。
この上塗り塗膜の好ましい厚味は、1〜30ミクロン、
より好ましくは3〜15ミクロンである。1ミクロン以下
であると耐摩耗性が充分でなく、また30ミンロン以上に
なるとクラックが発生しやすくなる。
本発明において、下塗りとして用いるアルコキシシリ
ル基を有するアクリルおよび/またはメタアクリル(以
下(メタ)アクリルと記す)単量体とアルキル(メタ)
アクリレート単量体との共重合体とは、その分子中に、
一般式 (式中R6は水素又はメチル基、R7は炭素数1〜6の炭化
水素基、R8は炭素数1〜5の炭化水素基、アルコキシア
ルキル基又は炭素数1〜4のアシル基、dは0.1又は2
である。R8は同一の基であっても良いし、異なる基の混
合であっても良い。)で示される構造を有する共重合体
であって、通常一般式(3) で示される単量体とアルキル(メタ)アクリレート単量
体を付加重合せしめることにより得られる。なおR8が異
なる基の混合である場合は異なる基を有する単量体を重
合せしめて共重合体を得てもよいし、同一の基を有する
単量体を重合せしめて共重合体を得た後、アルコールの
存在下にエステル交換することによっても得られる。
一般式(3)で示されるアルコキシシリル基を有する
(メタ)アクリル単量体において、一般式中のR7として
は例えばメチル、エチル、プロピル、ブチルなどのアル
キル基:フェニルなどのアリール基:ビニル,アリルな
どのアルケニル基など:R8としては例えばメチル,エチ
ル,プロピル,ブチルなどのアルキル基:メトキシエト
キシ,エトキシエトキシ,ブトキシエトキシなどのアル
コキシアルキル基:アセチルなどのアシル基などが挙げ
られ、R6,R7,R8の種類、dの数によって種々の化合物が
本発明において使用されるが、具体例としては例えば以
下の様なものが挙げられる。γ−(メタ)アクリロキシ
プロピルトリメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキ
シプロピルトリエトキシシラン、γ−(メタ)アクリロ
キシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−(メタ)ア
クリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−(メ
タ)アクリロキシプロピルジメチルメトキシシラン、γ
−(メタ)アクリロキシプロピルジメチルエトキシシラ
ンなどである。
一般式(3)で示される単量体と共重合するアルキル
(メタ)アクリレート単量体としては下記の様なものが
挙げられる。(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アク
リル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)
アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキ
シル等である。
一般式(3)で示される単量体は前記共重合体中に、
1〜70重量%好ましくは2〜40重量%さらに好ましくは
2〜30重量%含まれる。1重量%より少ないと下塗り塗
膜とコロイダルシリカ含有オルガノポリシロキサンを含
む上塗り塗膜との密着性が低下し、70重量%より多い場
合には下塗り塗膜のポリカーボネート系樹脂基材への付
着性が低下すると共に塗料液の安定性が低下する。
前記共重合体の重量平均分子量は好ましくは1〜30
万、より好ましくは2〜20万である。1万より小さいと
ポリカーボネート系樹脂基材への付着性が低下し、30万
より大きいと塗膜の外観が損なわれ好ましくない。
本発明の下塗り用塗料に架橋剤として好ましく用いる
(d)成分、すなわち、一部または全部をアルキルエー
テル化したメチロールメラミンとしては、すでに多くの
文献にその製法が記載されているものであり、また市販
品も多く存在する。好ましいものは、ヘキサ(アルコキ
シ)メラミンであり、例えばヘキサ(メトキシメチル)
メラミン、ヘキサ(エトキシメチル)メラミン、ヘキサ
(プロポキシメチル)メラミン、ヘキサ(ブトキシメチ
ル)メラミン、ヘキサ(シクロヘキシルオキシメチル)
メラミン等があげられる。これらの中でヘキサ(メトキ
シメチル)メラミンが最も好ましい。(d)成分の、一
部または全部をアルキルエーテル化したメチロールメラ
ミンの添加量は、前記共重合体に含まれるアルコキシシ
リル基1当量に対し、架橋剤の反応基が0.01〜1.0当
量、より好ましくは0.03〜0.3当量となる様に添加量を
決定するのがより好ましい。
本発明の下塗り塗料用硬化触媒として、過塩素酸アン
モニウムが用いられる。過塩素酸アンモニウムの添加量
は、前記共重合体とメラミンの合計量に対して約0.005
〜5重量%、より好ましくは約0.01〜1重量%である。
添加量が、約0.005重量%未満では、添加の効果が少な
くまた5重量%を越えると下塗り塗膜が白濁する傾向で
あり更に上塗り塗膜との層間付着性が低下する。
アルコキシシリル基を有する(メタ)アクリル共重合
体と、後述の紫外線吸収剤の他に、一部または全部をア
ルキルエーテル化したメチロールメラミンと過塩素酸ア
ンモニウムを併用した下塗り塗料を用いたところに本発
明の特長があり、この下塗り塗料を用いることにて、コ
ロイダルシリカ含有オルガノポリシロキサンを含む上塗
り塗膜の付着耐久性ひいては被覆ポリカーボネート物品
の耐候性が極めて向上した。
本発明の下塗り用塗料組成物に用いられる紫外線吸収
剤としては、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェ
ノン、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノ
ン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2′−ジヒド
ロキシ−4−メトキシベンゾフェノンなどのベンゾフェ
ノン類;2−(2′−ヒドロキシ−5′−メチルフェニ
ル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−
5′−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−
(2′−ヒドロキシ−5′−オクチルフェニル)ベンゾ
トリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ
−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−
(2′−ヒドロキシ−ジ−t−ブチルフェニル)−5−
クロロベンゾトリアゾールなどのベンゾトリアゾール
類;エチル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレー
ト、2−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3−ジフェニ
ルアクリレートなどのシアノアクリレート類が挙げら
れ、なかでも、ベンゾフェノン系あるいはシアノアクリ
レート系が好ましい。
紫外線吸収剤の添加量は、下塗り組成物中のアクリル
共重合体100重量部に対して1〜200重量部、より好まし
くは10〜100重量部である。1重量部未満では、コロイ
ダルシリカ含有オルガノポリシロキサンを含む上塗り塗
膜の付着耐久性が不充分で、また200重量部を越えると
下塗り塗膜の膜強度が弱くなり、結果として下塗り塗膜
層の凝集破壊による付着性不良となる。
下塗り用塗料とするためには上記した成分にさらに溶
媒が加えられる。
溶媒としては、メタノール、エタノール、イソプロパ
ノール、ブタノール、ダイアセトンアルコールなどのア
ルコール類;エチルエーテル、エチレングリコールジメ
チルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエ
ーテル類;メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、イソ
プロピルセロソルブ、ブチルセロソルブなどのセロソル
ブ類;酢酸エチル、酢酸ブチル、エチレングリコールジ
アセテート、エチルセロソルブアセテートなどのエステ
ル類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチ
ルケトン、ジイソプロピルケトンなどのケトン類;ギ
酸、酢酸、プロピオン酸などのカルボン酸類;n−ペンタ
ン、n−ヘキサン、n−ヘプタン等の脂肪族炭化水素
類;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素
類;ジクロロメタン、ジクロロエタン、トリクロロエタ
ン、トリクロロエチレン、1,1,2−トリクロロ−1,2,2−
トリフルオロエタン等のハロゲン化炭化水素類;ニトロ
メタン、ニトロエタン、ニトロプロパン等のニトロ化合
物類;アセトニトリル、プロピオニトリル、ブチロニト
リル、ベンゾニトリル等のニトリル類;ホルムアミド、
アセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド
類を挙げることができ、これらを混合で用いても良い。
上記した成分からなる下塗り組成物をポリカーボネー
ト樹脂成形物品の表面に塗布し、得られる塗膜を該樹脂
成形物品の熱変形温度より低い温度で焼付けることによ
り下塗り塗膜が得られる。
塗布方法は通常行われている浸漬法、噴霧法、ローラ
ーコート法、フローコート法などであり、焼付けは70〜
130℃で20分〜5時間行う。得られる下塗り塗膜の好ま
しい厚みは0.1〜5ミクロンであり、所望の厚みが得ら
れる様に塗布方法、条件に応じて、上述した溶媒により
下塗り組成物の固型分が調整されるが、下塗り組成物の
固型分はおおむね1〜20重量%である。
本発明が適用できるポリカーボネート系樹脂として
は、例えば、4,4′−イソプロピリデンジフェノールポ
リカーボネートのようなビスフェノール型ポリカーボネ
ートの他、米国特許第3305520号およびクリストファ
ー、フォックス共著「ポリカーボネート」第161〜176頁
(1962年発行)に記載されている他のポリカーボネート
類、ジエチレングリコールビスアリルカーボネート等が
挙げられる。
これらは種々の成形品として、例えばメガネレンズ、
スキーゴーグル、ドアー、自動車用窓、間仕切り等とし
て使用される。
以下実施例により本発明を更に詳しく説明するが、本
発明はこれらの実施例によって限定されるものではな
い。なお実施例中の部、%はそれぞれ重量部、重量部%
を示す。
また塗膜の性能評価は次の方法にておこなった。すな
わち、 耐摩耗性:#0000スチールウールで摩擦し傷のつきにく
さを調べ次の様に判定した。
A;強く摩擦しても傷がつかない。
B;強く摩擦すると少し傷がつく。
C;弱い摩擦でも傷がつく。
付着性:いわゆるクロスカットテープテストで塗膜表面
にナイフで1mm間隔で縦横に各11本の平行線を入れて100
個のマス目をクロスカットし、その上にセロファン粘着
テープを付着させた後、テープを剥離して100個のマス
目の中で剥離しないマス目の個数をもって表示した。
耐熱水性:煮沸水中に1時間浸漬後の塗膜の状態を調べ
た。
促進耐候テスト:サンシャインカーボンアークウェザオ
メーターにて耐候性を評価した。なおブラックパネル温
度は63±3℃、水スプレーは12分/時間のサイクルで実
施した。
実施例1 上塗り塗料および下塗り塗料の調整をそれぞれ次の様
におこなった。
(1)上塗り塗料の調整;γ−グリシドキシプロピルト
リメトキシシラン80部、メチルトリメトキシシラン144
部、コロイダルシリカ(日産化学工業(株)製,スノー
テックス−C,固形分20%)71部および0.1規定塩酸水溶
液170部を混合し、80〜85℃で2時間還流して加水分解
を行なった。
得られた溶液は として計算されたγ−グリシドキシプロピルトリメトキ
シシラン加水分解物12.2%,CH3SiO1.5として計算され
たメチルトリメトキシシラン加水分解物15.3%及びSiO2
として計算されたコロイダルシリカ3.1%を含んでい
る。
この様にして得られた3元共加水分解物溶液410部に
エチルセロソルブ73部、過塩素酸アンモニウム1.3部、
フローコントロール剤少々を添加し上塗り塗料とした。
(2)下塗り塗料の調整;エチルセロソルブ400部、メ
タアクリル酸エチル190部、γ−メタクリロキシプロピ
ルトリメトキシシラン10部の混合物を窒素雰囲気下で75
℃に保ちつつベンゾイルパーオキサイド1.0部をエチル
セロソルブ200部に溶かした溶液を2時間かかって加
え、さらに6時間同温度に保った。その後、エチルセロ
ソルブ1400部、過塩素酸アンモニウムの10%水溶液2
部、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン30部を加え下塗
り塗料とした。
あらかじめ洗浄したポリカーボネート基材にこの下塗
り塗料を塗布し、熱風乾燥炉で、120℃、30分間加熱乾
燥した。
次にこの様にして得られた下塗り層で被覆されたポリ
カーボネートに前記(1)で調整した上塗り塗料を塗布
し、熱風乾燥炉で120℃,60分間加熱乾燥し硬化させた。
この様にして得られた被覆ポリカーボネート成形物品
は、透明で耐摩耗性はA、付着性は100/100、耐熱水性
は良好で、しかも耐熱水性テスト後の耐摩耗性、付着性
はそれぞれA、100/100と良好であった。
更にサンシャインウェザオメーターテスト2500時間後
の外観、硬度、付着性は極めて良好であった。
比較例1 実施例1において、過塩素酸アンモニウムを使用せず
に下塗り用塗料を作製した以外は、実施例1と同様に行
なった。この様にして得られた被覆ポリカーボネート成
形物品は透明で耐摩耗性はA、付着性は100/100、耐熱
水性は良好であったが、サンシャインウェザオメーター
1000時間で付着性は0/100であった。
比較例2 エチルセロソルブ400部、メタアクリル酸エチル200部
の混合物を窒素雰囲気下で75℃に保ちつつベンゾイルパ
ーオキサイド1.0部をエチルセロソルブ200部に溶かした
溶液を2時間かかって加え、さらに6時間同温度に保っ
た。その後エチルセロソルブ1400部、2,4−ジヒドロキ
シベンゾフェノン30部を加え下塗り塗料とした。
あらかじめ洗浄したポリカーボネート基材にこの下塗
り塗料を塗布し、熱風乾燥炉で120℃,30分加熱乾燥し
た。
次にこの様にして得られた下塗り層で被覆されたポリ
カーボネートに実施例1で用いた上塗り塗料を塗布し、
120℃,60分加熱乾燥し硬化させた。
この様にして得られた被覆ポリカーボネート成形物品
は透明で耐摩耗性はA、付着性は100/100であったが、
耐熱水性テスト後の付着性は0/100であった。
実施例2 上塗り塗料及び下塗り塗料の調整をそれぞれ次の様に
行なった。
(1)上塗り塗料の調整;γ−グリシドキシプロピルト
リメトキシシラン60部、メチルトリメトキシシラン173
部、コロイダルシリカ(日産化学工業(株)製,スノー
テックス−C,固形分20%)71部および0.1規定酢酸水溶
液190部を混合し、80〜85℃で2時間還流して加水分解
を行なった。
得られた溶液は として計算されたγ−グリシドキシプロピルトリメトキ
シシラン加水分解物8.6%,CH3SiO1.5として計算された
メチルトリメトキシシラン加水分解物17.3%及びSiO2
して計算されたコロイダルシリカ2.9%を含んでいる。
この様にして得られた3元共加水分解物溶液450部に
エチルセロソルブ42部、酢酸ナトリウム1.0部、フロー
コントロール剤少々を添加し上塗り塗料とした。
(2)下塗り塗料の調整;ブチルセロソルブ300部を窒
素雰囲気下で100℃に保ちつつメタアクリル酸160部、γ
−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン40部、ベ
ンゾイルパーオキサイド2.0部の混合物を3時間かかっ
て加え、さらに3時間同温度に保った。その後ブチルセ
ロソルブ1155部、エチレングリコールジアセテート363
部、過塩素酸アンモニウムの10%水溶液を3部、2−ヒ
ドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン100部およびフ
ローコントロール剤少々を加え下塗り塗料とした。
あらかじめ洗浄したポリカーボネート基材にこの下塗
り塗料を塗布し、熱風乾燥炉で、120℃、30分間加熱乾
燥した。
次にこの様にして得られた下塗り層で被覆されたポリ
カーボネートに前記(1)で調整した上塗り塗料を塗布
し、熱風乾燥炉で120℃,60分間加熱乾燥して硬化させ
た。
この様にして得られた被覆ポリカーボネート成形物品
は、透明で耐摩耗性はA、付着性は100/100、耐熱水性
テスト後の耐摩耗性、付着性もそれぞれA、100/100と
良好であった。更にサンシャインウェザオメーターテス
ト3000時間後の外観、硬度、付着性は極めて良好であっ
た。
実施例3 上塗り塗料および下塗り塗料の調整を次の様に行なっ
た。
(1)上塗り塗料の調整 イソプロピルアルコール77部にγ−グリシドキシプロ
ピルトリメトキシシラン60部、メチルトリメトキシシラ
ン115部、コロイダルシリカ(日産化学工業(株)製,
スノーテックス−C,固形分20%)213部及び1規定塩酸
5部を添加し、80〜85℃で2時間還流して加水分解を行
なった。
得られた溶液は として計算されたγ−グリシドキシプロピルトリメトキ
シシラン加水分解物9.1%,CH3SiO1.5として計算された
メチルトリメトキシシラン加水分解物12.1%及びSiO2
して計算されたコロイダルシリカ9.1%を含んでいる。
この様にして得られた3元共加水分解物溶液417部に
エチルセロソルブ66部、酢酸ナトリウム0.9部、フロー
コントロール剤少々を添加して上塗り塗料とした。
(2)下塗り塗料の調整;メチルイソブチルケトンン38
4部、メチルエチルケトン216部の混合物を窒素雰囲気下
90℃に保ちつつメタアクリル酸メチル180部、γ−メタ
クリロキシプロピルメチルジメトキシシラン20部、アゾ
ビスイソブチロニトリル1.0部の混合物を2時間かかっ
て加え、さらに5時間同温度に保った。その後メチルイ
ソブチルケトン624部、イソプロピルアルコール576部、
過塩素酸アンモニウムの10%水溶液10部及び2−エチル
ヘキシル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート4
0部を加え下塗り塗料とした。
あらかじめ洗浄したポリカーボネート基材にこの下塗
り塗料を塗布し、熱風乾燥炉で、120℃、30分加熱乾燥
した。
次にこの様にして得られた下塗り層で被覆されたポリ
カーボネートに前記(1)で調整した上塗り塗料を塗布
し、熱風乾燥炉で120℃,60分間加熱乾燥して硬化させ
た。
この様にして得られた被覆ポリカーボネート成型物品
は、透明で耐摩耗性はA、付着性は100/100、耐熱水性
テスト後の耐摩耗性、付着性はそれぞれA、100/100と
良好であった。更にサンシャインウェザオメーターテス
ト2500時間後の外観、耐摩耗性、付着性は極めて良好で
あった。
実施例4 上塗り塗料および下塗り塗料の調整を次の通り行なっ
た。
(1)上塗り塗料の調整;γ−グリシドキシプロピルト
リメトキシシラン80部、メチルトリメトキシシラン86
部、コロイダルシリカ(日産化学工業(株)製,スノー
テックス−C,固形分20%)213部イソプロピルアルコー
ル90部及び0.1規定塩酸水溶液35部を添加し80〜85℃で
2時間還流して加水分解を行なった。
得られた溶液は、 として計算されたγ−グリシドキシプロピルトリメトキ
シシラン加水分解物11.3%,CH3SiO1.5として計算され
たメチルトリメトキシシラン加水分解物8.5%及びSiO2
として計算されたコロイダルシリカ8.5%を含んでい
る。
この様にして得られた3元共加水分解物溶液417部に
エチルセロソルブ66部、過酢酸ナトリウム1.0部、フロ
ーコントロール剤少々を添加し上塗り塗料とした。
(2)下塗り塗料の調整;エチルセロソルブ400部、メ
タアクリル酸エチル140部、γ−メタクリロキシプロピ
ルトリメトキシシラン60部の混合物を窒素雰囲気下75℃
に保ちつつベンゾイルパーオキサイド1.0部をエチルセ
ロソルブ200部に溶かした溶液を2時間かかって加え、
更に8時間同温度に保った。その後エチルセロソルブ14
00部、過塩素酸アンモニウムの10%水溶液14部、2−
(2′−ヒドロキシ−5′−オクチルフェニル)ベンゾ
トリアゾール30部を加え下塗り塗料とした。
あらかじめ洗浄したポリカーボネート基材にこの下塗
り塗料を塗布し、熱風乾燥炉で、120℃、30分間加熱乾
燥した。
次にこのようにして得られた下塗り層で被覆されたポ
リカーボネートに前記(1)で調整した上塗り塗料を塗
布し、熱風乾燥炉で120℃,60分間加熱乾燥して硬化させ
た。
この様にして得られた被覆ポリカーボネート成型物品
は、透明で耐熱水性テスト後の耐摩耗性、付着性は各々
A、100/100と良好であった。更にサンシャインウェザ
オメーターテスト2000時間後の外観、硬度、付着性も極
めて良好であった。
比較例3 実施例2において下塗り塗料の過塩素酸アンモニウム
をパラトルエンスルホン酸とした以外は、実施例2と同
様に行なった。この様にして得られた被覆ポリカーボネ
ート成形物品は透明で、耐摩耗性はA、付着性は100/10
0、耐熱水性は良好であったが、サンシャインウェザオ
メーターテスト2000時間後、塗膜の脱落が認められた。
実施例5 下塗り塗料の調整をそれぞれ次の様におこなった。
(1)下塗り塗料の調整;エチルセロソルブ400部、メ
タアクリル酸エチル190部、γ−メタクリロキシプロピ
ルトリメトキシシラン10部の混合物を窒素雰囲気下で75
℃に保ちつつベンゾイルパーオキサイド1.0部をエチル
セロソルブ200部に溶かした溶液を2時間かかって加
え、さらに6時間同温度に保った。その後、エチルセロ
ソルブ1486部、過塩素酸アンモニウムの10%水溶液2
部、ヘキサ(メトキシメチル)メラミン2.6部、2,4−ジ
ヒドロキシベンゾフェノン20部を加え下塗り塗料とし
た。
あらかじめ洗浄したポリカーボネート基材にこの下塗
り塗料を塗布し、熱風乾燥炉で、120℃、30分間加熱乾
燥した。
次にこの様にして得られた下塗り層で被覆されたポリ
カーボネートに前記実施例1の(1)で調整した上塗り
塗料を塗布し、熱風乾燥炉で120℃,60分間加熱乾燥し硬
化させた。
この様にして得られた被覆ポリカーボネート成形物品
は、透明で耐摩耗性はA、付着性は100/100、耐熱水性
は良好で、しかも耐熱水性テスト後の耐摩耗性、付着性
はそれぞれ100/100と良好であった。
更にサンシャインウェザオメーターテスト2000時間後
の外観、硬度、付着性は極めて良好であった。また耐薬
品性はいずれの薬品においても良好でテスト後の外観に
異常は認められなかった。
実施例6 下塗り塗料の調製をそれぞれ次の様におこなった。
(1)下塗り塗料の調整;ブチルセロソルブ300部を窒
素雰囲気下100℃に保ちつつメタアクリル酸メチル160
部、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン40
部、ベンゾイルパーオキサイド2.0部の混合物を3時間
かかって加え、さらに3時間同温度に保った後エチレン
グリコールジアセテート360部を加えた。こうして得ら
れた共重合体215部に過塩素酸アンモニウムの10%水溶
液1.0部、ヘキサ(メトキシメチル)メラミン0.8部、2,
4−ジヒドロキシベンゾフェノン50部およびブチルセロ
ソルブ285部を加えて下塗り塗料とした。
あらかじめ洗浄したポリカーボネート基材にこの下塗
り塗料を塗布し、熱風乾燥炉で、120℃、30分間加熱乾
燥した。
次にこのようにして得られた下塗り層で被覆されたポ
リカーボネートに前記実施例2の(1)で調製した上塗
り塗料を塗布し、熱風乾燥炉で120℃,60分間加熱乾燥し
て硬化させた。
この様にして得られた被覆ポリカーボネート成形物品
は、透明で耐摩耗性はA、付着性は100/100、耐熱水性
テスト後の耐摩耗性、付着性もそれぞれA、100/100と
良好であった。更にサンシャインウェザオメーターテス
ト2000時間後の外観、硬度、付着性は極めて良好であっ
た。
実施例7 下塗り塗料の調製を次の様に行なった。
実施例6の下塗り塗料に用いた共重合体215部に過塩
素酸アンモニウムの10%水溶液0.5部、ヘキサ(メトキ
シメチル)メラミン0.3部、2,2′−ヒドロキシ−4−メ
トキシベンゾフェノン10部およびブチルセロソルブ285
部を加えて下塗り塗料とした。
あらかじめ洗浄したポリカーボネート基材にこの下塗
り塗料を塗布し、熱風乾燥炉で、120℃、30分間加熱乾
燥した。
次にこの様にして得られた下塗り層で被覆されたポリ
カーボネートに実施例2で用いた上塗り塗料を塗布し、
熱風乾燥炉で120℃,60分間加熱乾燥して硬化させた。
この様にして得られた被覆ポリカーボネート成形物品
は、透明で耐摩耗性はA、付着性は100/100、耐熱水性
テスト後の耐摩耗性、付着性はそれぞれA、100/100と
良好であった。更にサンシャインウェザオメーターテス
ト3000時間後の外観、耐摩耗性、付着性は良好であっ
た。
実施例8 下塗り塗料の調製を次の様に行なった。
(1)下塗り塗料の調製;酢酸n−ブチル320部を窒素
雰囲気下90℃に保ちつつメタアクリル酸メチル90部、γ
−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン10
部、アゾビスイソブチロニトリル0.8部の混合物を2時
間かかって加え、さらに同温度に5時間保った。その後
ブチルセロソルブ760部、過塩素酸アンモニウムの10%
水溶液5部、ヘキサ(メトキシメチル)メラミン1.8
部、2−(2′−ヒドロキシ−5′−t−ブチルフェニ
ル)ベンゾトリアゾール20部を加え下塗り塗料とした。
あらかじめ洗浄したポリカーボネート基材にこの下塗
り塗料を塗布し、熱風乾燥炉で、120℃、30分間加熱乾
燥した。
次にこのようにして得られた下塗り層で被覆されたポ
リカーボネートに前記実施例3の(1)で調整した上塗
り塗料を塗布し、熱風乾燥炉で120℃,60分間加熱乾燥し
て硬化させた。
この様にして得られた被覆ポリカーボネート成形物品
は、透明で耐摩耗性はA、付着性は100/100、耐熱水性
テスト後の耐摩耗性、付着性もそれぞれA、100/100と
良好であった。更にサンシャインウェザオメーターテス
ト2500時間後の外観、硬度、付着性は極めて良好であっ
た。
実施例9 下塗り塗料の調製を次の通り行なった。
(1)下塗り塗料の調製;エチルセロソルブ400部、メ
タアクリル酸エチル140部、γ−メタクリロキシプロピ
ルトリメトキシシラン60部の混合物を窒素雰囲気下80℃
に保ちつつベンゾイルパーオキサイド1.0部をエチルセ
ロソルブ200部に溶かした溶液を2時間かかって加え、
さらに8時間同温度に保った。その後エチルセロソルブ
1400部、過塩素酸アンモニウムの10%水溶液を6部、ヘ
キサ(メトキシメチル)メラミン4.7部、2−エチルヘ
キシル−2−シアノ−3,3ジフェニルアクリレート、40
部を加え下塗り塗料とした。
あらかじめ洗浄したポリカーボネート基材にこの下塗
り塗料を塗布し、熱風乾燥炉で120℃、30分加熱乾燥し
た。
次にこのようにして得られた下塗り層で被覆されたポ
リカーボネートに前記実施例4の(1)で調製した上塗
り塗料を塗布し、熱風乾燥炉で120℃,60分間加熱乾燥し
て硬化させた。
この様にして得られた被覆ポリカーボネート成形物品
は、透明で耐熱水性テスト後の耐摩耗性、付着性は各々
A、100/100と良好であった。更にサンシャインウェザ
オメーター2500時間後の外観、硬度、付着性は極めて良
好であった。
比較例4 下塗り塗料の調製を下記の様におこなった。
エチルセロソルブ300部、メタアクリル酸メチル320
部、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン80
部の混合物を窒素雰囲気下で75℃に保ちつつベンゾイル
パーオキサイド1.0部をエチルセロソルブ100部に溶かし
た溶液を2時間かかって加え、さらに6時間同温度に保
った。この様にして合成した共重合体160部に、ネオペ
ンチルグリコール3.2部、アルミニウムアセチルアセト
ナート0.5部、メチルイソブチルケトン190部、メチルエ
チルケトン40部、イソプロピルアルコール110部及び2.4
−ジヒドロキシベンゾフェノン16部を添加し下塗り塗料
とした。
あらかじめ洗浄したポリカーボネート基材にこの下塗
り塗料を塗布し、熱風乾燥炉で120℃、30分間加熱乾燥
した。次にこの様にして得られた下塗り層で被覆された
ポリカーボネートに前記実施例2の(1)で調製した上
塗り塗料を塗布し、熱風乾燥炉で120℃,60分間加熱乾燥
し硬化させた。この様にして得られた被覆ポリカーボネ
ート成形物品は、透明で耐摩耗性はA、付着性は100/10
0、耐熱水性は良好であったが、サンシャインウェザオ
メーターテスト1500〜2000時間で膜が脱落しており付着
耐久性は不充分であった。

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)アルコキシシリル基を有するアクリ
    ルおよび/またはメタアクリル単量体と、アルキルアク
    リレートおよび/またはアルキルメタクリレートとの共
    重合体、(b)過塩素酸アンモニウム、および(c)紫
    外線吸収剤を含む組成物を被覆硬化して、下塗り層とな
    し、コロイダルシリカ含有オルガノポリシロキサンを含
    む組成物を被覆硬化して上塗り層とした耐摩耗性及び耐
    候性が改善された被覆ポリカーボネート系樹脂成形物
    品。
  2. 【請求項2】前記下塗り層用組成物がさらに、(d)一
    部または全部をアルキルエーテル化したメチロールメラ
    ミンを含有する組成物である請求項1に記載の被覆ポリ
    カーボネート系樹脂成形物品。
  3. 【請求項3】前記下塗り層用組成物は、前記メチロール
    メラミンを、前記共重合体に含まれるアルコキシシリル
    基1当量に対し、メチロールメラミンの反応量が0.01〜
    1.0当量となるように含有する請求項2に記載の被覆ポ
    リカーボネート系樹脂成形物品。
  4. 【請求項4】前記アルコキシシリル基含有アクリルおよ
    び/またはメタアクリル単量体は前記共重合体中に1〜
    70重量%含有される請求項1に記載の被覆ポリカーボネ
    ート系樹脂成形物品。
  5. 【請求項5】前記コロイダルシリカ含有オルガノポリシ
    ロキサンを含む組成物が下記(A)および(B)から成
    る群より選ばれる少なくとも1種、(C)コロイダルシ
    リカ、および(D)硬化触媒を含む組成物である請求項
    1に記載の被覆ポリカーボネート系樹脂成形物品。 (A)一般式(1) (式中、R1はエポキシ基を有する有機基、R2は水素、ま
    たは炭素数1〜6の炭化水素基、R3は炭素数1〜5の炭
    化水素基、アルコキシアルキル基、または炭素数1〜4
    のアシル基、aは1〜3の整数、bは0または1〜2の
    整数であってa+b≦3である。)で示されるエポキシ
    基を有する珪素化合物から選ばれる1種もしくは2種以
    上の加水分解物。 (B)一般式(2) R4 c−Si−(OR54-c (2) (式中、R4は炭素数1〜6の炭化水素基、R5は炭素数1
    〜5の炭化水素基、アルコキシアルキル基、または炭素
    数1〜4のアシル基、cは0または1〜3の整数であ
    る。)で示された有機珪素化合物の加水分解物。
  6. 【請求項6】前記コロイダルシリカ含有オルガノポリシ
    ロキサンを含む組成物が、前記(A)加水分解物100重
    量部(但し、固形分で計算し、 として計算する。)、 前記(B)加水分解物56〜550重量部(但し、固形分で
    計算し、R4 c−Si−O(4-c)/2として計算する。)、前記
    (C)コロイダルシリカ4〜334重量部(但し、固形分
    で計算し、SiO2として計算する。)、ただし(B)と
    (C)の合計は567重量部を越えない、および前記
    (D)硬化触媒を含む組成物である請求項5に記載の被
    覆ポリカーボネート系樹脂成形物品。
  7. 【請求項7】前記(B)加水分解物の含有量が105〜430
    重量部であり、前記(C)コロイダルシリカの含有量が
    16〜200重量部であり、(B)と(C)の合計が473重量
    部を越えない請求項6に記載の被覆ポリカーボネート系
    樹脂成形物品。
  8. 【請求項8】前記(c)紫外線吸収剤がベンゾフェノン
    系およびシアノアクリレート系から選ばれる紫外線吸収
    剤である請求項1に記載の被覆ポリカーボネート系樹脂
    成形物品。
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