JP2565448B2 - Ni−Fe基超耐熱合金鋳塊の製造方法 - Google Patents
Ni−Fe基超耐熱合金鋳塊の製造方法Info
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Description
用いてインコネル706合金(商標名)に相当するC
r、Nb、Al、Ti含有Ni−Fe基超耐熱合金鋳塊
をエレクトロスラグ再溶解により溶製する製造方法に関
するものである。
コネル(商標)合金の鋳塊を得る場合には、内部性状を
改善するためにエレクトロスラグ再溶解(以下、ESR
という)により溶製される場合があり、特に大型の鋳塊
では偏析の発生を防止するためにESRが有効に利用さ
れている。このESRにおいても、通常の溶解精錬法と
同様に溶融スラグが使用されている。 ESRは、溶融
スラグの電気抵抗熱を熱源として電極を溶解して精錬を
行うものであり、スラグにもこの方法に適したものが選
択されている。ESR用のスラグとして要求される性質
としては、電気抵抗が大きくて、かつ温度による抵抗変
化が小さく、さらに、粘性・表面張力が適当で、良好な
精錬性などを有していることである。このような観点か
ら、従来、Ni−Fe基超耐熱合金をESRで溶製する際
には、CaF2を主成分として、Al2O3、CaO、Ti
O2、MgOを適当に配合したスラグが使用されており、
具体的には、重量%で、CaF2:53%、CaO:18
%、Al2O3:18%、TiO2:10%、MgO:1%程
度のものが現に使用されている。
の中でもインコネル706合金のESR鋳塊は、表面肌
が悪く鍛造割れを発生しやすい。そのため、鋳塊外表面
を機削りして平滑にした後、鍛造を行っている。しか
し、この方法では、鋳塊表層の緻密層が除去されるた
め、次のような問題が生じている。 (1)外皮の除去により熱間加工性が劣化する。 (2)高品質部分が活用できない。 (3)鋳塊歩留りが低下する。 また、インコネル706合金には活性元素であるTi 、
Al 、Mg などを含有するが、ESR操業中にこれらの
元素が酸化して減少し、歩留りが低下するとともに、歩
留りそのものが非常に不安定になり、組成のばらつきが
大きくなるという問題もある。この発明は、上記事情を
背景としてなされたものであり、ESR鋳塊の表面肌を
改善するとともに、活性元素の高く安定した歩留りの確
保をすることができるNi−Fe基超耐熱合金鋳塊の製造
方法を提供することを目的とする。
め、本願発明は、インコネル706合金(商標名)に相
当する、重量%でNi:39〜44%、Cr:14.5
〜17.5%を含有し、残部が主としてFeよりなるN
i−Fe基超耐熱合金鋳塊をエレクトロスラグ再溶解に
より溶製する際に、重量%で、CaF2:38〜50
%、CaO:15〜23%、Al2O3:27〜35%、
TiO2:7越え〜10%からなる組成のスラグを使用
することを特徴とする。また、上記スラグには、重量%
でMgO:2〜5%を含有させることも可能である。
な電気伝導度と流動性を有しており、また、溶融点も適
度な温度に設定されているので、ESR中の鋳塊の表面
肌が悪化することがなく、良好な表面肌を有するESR
鋳塊が得られる。そして、適当量のTiO2、MgOをス
ラグに含有させることにより、ESR鋳塊中に残存する
活性元素の歩留りが向上しかつ安定する。次に、スラグ
の組成限定理由を述べる。CaF2:38〜50% CaF2の含有量が38%未満であると、スラグの流動性
が低下し、スラグスキンの生成により鋳塊肌が悪化す
る。また、50%を超えて含有させると、電気伝導度が
大きくなるためスラグの発熱量が不足して鋳塊肌が悪化
する。したがって、CaF2含有量を上記範囲に限定し
た。
バランスがくずれ、溶融点が上昇して鋳塊肌が悪化する
とともに、脱硫率が著しく低下する。また、23%を超
えると同様に溶融点が上昇し、鋳塊肌が悪化する。した
がって、CaO含有量を上記範囲に限定した。Al 2 O 3 :27〜35% Al2O3の含有量が27%未満であると、電気伝導度が
大きくなりスラグの発熱不足が生じるとともに、CaO
含有量とのバランスがくずれて溶融点が上昇し、鋳塊肌
が悪化する。また、35%を超えても溶融点が上昇して
鋳塊肌が上昇するので上記範囲に限定した。
に阻止することができず、Tiの歩留りが不安定にな
る。一方、10%を超えるとTiO2の還元により鋳塊中
のTi 量が著しく増加し、成分コントロールが困難にな
り、また鋳塊肌が悪化するため上記範囲に限定した。MgO:2〜5% MgOは、選択的にスラグに含有させる。この含有量が
2%未満であるとMgの歩留りが良好でなく、一方、5
%を超えると、スラグの溶融点上昇と流動性の低下によ
り、スラグスキンが厚くなり鋳塊肌が悪化するため上記
範囲とした。
示すインコネル706相当の組成を有し、微量のMgを
含有する合金を溶解して、径80mmESR用の電極を
溶製した。この電極を用いて、表2に示す組成を有する
実施例のスラグを用いてESRを行った。また、比較の
ために、従来用いられていたスラグと、発明の範囲外の
スラグを用いて同様にESRを行った。得られたESR
鋳塊について表面肌を目視で観察して、良好なものを
○、やや良のものを△、不良なものを×として表2に示
した。また、ESR鋳塊中のAl、Ti 、Mg の含有量
を、ESR電極中の含有量を基準とする歩留りとして表
2に示した。
塊を製造すると、表面肌は「やや良好」にとどまってお
り、Al 、Mg の歩留りも良好ではなかった。さらに、
他の比較例についても、いずれも表面肌は良好ではな
く、また、Al 、Ti 、Mg の歩留りも不十分であっ
た。これに対し、実施例のスラグを用いた場合には、表
面肌は、良好でAl 、Ti、Mg の歩留りのいずれも良
好であった。なお、実施例の1つのスラグを、実機の6
00mm径ESR操業に採用したところ、上記試験と同
様に表面肌が良好で、活性元素の歩留りも良好なESR
鋳塊が得られた。
Fe基超耐熱合金鋳塊の製造方法によれば、重量%でN
i:39〜44%、Cr:14.5〜17.5%を含有
し、残部が主としてFeよりなるNi−Fe基超耐熱合
金鋳塊をエレクトロスラグ再溶解により溶製する際に、
重量%で、CaF2:38〜50%、CaO:15〜2
3%、Al2O3:27〜35%、TiO2:7越え〜1
0%からなる組成のスラグを使用するので、ESR操業
中にスラグが良好な作用を果たし、得られたNi−Fe
基合金ESR鋳塊の表面肌が改善されるとともに、活性
元素の歩留りが向上し、かつ安定する効果がある。ま
た、スラグ中にさらに、重量%でMgO:2〜5%を含
ませることにより、ESR鋳塊中のMgの歩留りが向上
する。
Claims (2)
- 【請求項1】 重量%でNi:39〜44%、Cr:1
4.5〜17.5%を含有し、残部が主としてFeより
なるNi−Fe基超耐熱合金鋳塊をエレクトロスラグ再
溶解により溶製する際に、重量%で、CaF2:38〜
50%、CaO:15〜23%、Al2O3:27〜35
%、TiO2:7越え〜10%からなる組成のスラグを
使用することを特徴とするNi−Fe基超耐熱合金鋳塊
の製造方法 - 【請求項2】 スラグ中にさらに、重量%でMgO:2
〜5%を含むことを特徴とする請求項1記載のNi−Fe
基超耐熱合金鋳塊の製造方法
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4094874A JP2565448B2 (ja) | 1992-03-23 | 1992-03-23 | Ni−Fe基超耐熱合金鋳塊の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP4094874A JP2565448B2 (ja) | 1992-03-23 | 1992-03-23 | Ni−Fe基超耐熱合金鋳塊の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05271815A JPH05271815A (ja) | 1993-10-19 |
JP2565448B2 true JP2565448B2 (ja) | 1996-12-18 |
Family
ID=14122203
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP4094874A Expired - Lifetime JP2565448B2 (ja) | 1992-03-23 | 1992-03-23 | Ni−Fe基超耐熱合金鋳塊の製造方法 |
Country Status (1)
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CN111705219B (zh) * | 2020-06-30 | 2022-03-01 | 重庆钢铁研究所有限公司 | 一种用于电渣重熔高钛高硅不锈钢的渣系及其制备方法 |
CN112831668B (zh) * | 2020-12-03 | 2022-07-29 | 成都先进金属材料产业技术研究院股份有限公司 | G20CrNi2Mo合金的电渣重熔渣系及其用途 |
Citations (3)
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JPS5732338A (en) * | 1980-08-01 | 1982-02-22 | Japan Steel Works Ltd:The | Refining method for titanium-containing steel by electroslag remelting method |
JPS58151433A (ja) * | 1982-03-04 | 1983-09-08 | Kobe Steel Ltd | Ni基およびCo基超合金のエレクトロスラグ再溶解法 |
JPH05271814A (ja) * | 1992-03-23 | 1993-10-19 | Japan Steel Works Ltd:The | Ni−Fe基超耐熱合金鋳塊の製造方法 |
-
1992
- 1992-03-23 JP JP4094874A patent/JP2565448B2/ja not_active Expired - Lifetime
Patent Citations (3)
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