JP2565437B2 - 管巣燃焼型コンバスタ−を備えたガスタ−ビン装置 - Google Patents
管巣燃焼型コンバスタ−を備えたガスタ−ビン装置Info
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- Y02T—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
- Y02T50/00—Aeronautics or air transport
- Y02T50/60—Efficient propulsion technologies, e.g. for aircraft
Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は本出願人の一人の発明に
なる収熱水管内挿型燃焼室所謂管巣燃焼型コンバスタ−
(特開平2−272207、特開平2−178502)をガスタ−ビ
ンのコンバスタ−(燃焼器)に適用することによつて従
来のガスタ−ビンの燃焼器部分を改良してNOx発生量
の低いCO及び未燃焼炭化水素(UHC)の発生するこ
とのない、従来のボイラの燃焼室に比較してその燃焼室
間を著しく小さくすることができるコンバスタ−を従来
のガスタ−ビンに備付けることによりガスタ−ビン装置
の利用範囲を大きく拡げることを可能にする管巣燃焼型
コンバスタ−を備えたガスタ−ビン装置に関するもので
ある。 【0002】 【従来の技術】従来ガスタ−ビンのコンバスタ−(comb
uster)は発電用、産業用又はガスタ−ビン、蒸気タ−ビ
ンコンバインドサイクル(複合発電)用や所謂ガスタ−
ビンコゼネレ−シヨン(熱電併給)用に重用されてい
た。 【0003】しかしながら従来の総てのガスタービンに
共通する課題として以下に記載するような問題点があ
る。その第一の問題点は従来のガスタービンでは所謂カ
ルノーサイクルの理論効率に示されるように入り口ガス
温度が高い方が熱効率が高くなるが故に、できるだけガ
スタービンの翼列に流入する入口ガスの温度を高くしよ
うとしている。しかしながら実際にはガスタービン翼や
コンバスター各部の耐熱性と熱損失軽減などの理由で、
例えば現状ではタービン翼列のガスタービン入口のガス
温度を900〜1100℃に抑えている。勿論理論空気
比近くで完全燃焼させると、所謂化石燃料の燃焼温度は
2130℃位になるが、上記のような理由によつてコン
バスターもガスタービン翼もその温度を下げなければ実
用にならないからコンバスターに供給される空気のう
ち、実際の燃焼に関与する空気所謂燃焼空気は供結空気
の35〜40%位しかなく、それ以外の20%位が燃焼
ガスの温度を下げるための希釈空気として投入され、残
りの40%はコンバスターやガスタービン翼等の各部分
の焼損防止用の冷却空気として投入されているのが現状
である。 【0004】上記第一の問題点はガスタービン装置に取
つては著しく重要であつて、一旦高温になつた燃焼ガス
の温度を希釈空気で下げ、一方コンバスターやタービン
翼などの耐熱温度を上げるために、冷却用空気を使用し
ているのであつて、これには希釈空気による燃焼ガスの
冷却という所謂エクセルギー(不可逆)損失のほかに更
にそれらの冷却用空気が仕事をしないことによるタービ
ン仕事の減少や冷却空気をタービン翼面やコンバスタ
ー、タービン等の流路壁から吹出すことによるタービン
空力性能の低下、動翼冷却空気のポンピング損失、冷却
空気が主流ガスと混合し、主流ガスが冷却されることに
よる損失等があり、更に燃焼ガス量の増加による圧力損
失の増大という大きなエクセルギー損失が発生してお
り、それらの損失量の合計はタービン仕事に換算して1
0%程度を越え、ガス温度の上昇により得られるはずの
出力並びに熱効率における利益を大幅に減殺している。
そして更に注目すべきことは上記のように大量の希釈空
気と冷却空気で大過量になつた燃焼排ガスからその後に
おいて排熱回収するというのが現状であるが、その排ガ
ス量が通常のボイラのようにO2=1〜3%で燃焼させ
るのと比較すると3〜5倍程度であり、著しく大量にな
る。そのために後流の機器即ち排熱ボイラ、ダクト、脱
硝装置及び煙突などがすべて3〜5倍の容積量が必要と
なり、著しく不経済である。これを逆に考えると現状の
コンバインドサイクルやコゼネレーシヨンは工夫如何に
よつては1/3〜1/5以下の容積量となし得ることに
なる。 【0005】次に第2の重要な問題点はタ−ビン翼入口
ガス温度が1300℃以上にもなると必要な冷却空気量を現
状より格段に減少させることが必要で、タ−ビン翼など
の冷却技術の革新が待たれると共にこれに対応する他の
技術即ち水冷や蒸気による冷却も必要になる。 【0006】第3の問題点は熱損失の問題で、前記のよ
うに燃焼ガス温度を下げるために通常のボイラの燃焼空
気の3〜5倍近くの希釈空気や冷却空気を投入するから
排ガス量が3〜5倍になり、従って各機器の大きさが3
〜5倍になり、その放熱損失もそれに応じて大きくなる
ほか、排ガスによる熱損失自身が3〜5倍にもなるとい
うことである。逆の考え方をすると、これらの放熱損失
や排ガス損失は工夫如何によつては現状の1/3 〜1/5 に
できるということになる。 【0007】上記のようにしてガスタ−ビン自身もその
ブレ−ド(翼)の冷却用に更に空気などが使用されてお
り、結局その排ガス中の酸素濃度(O2 %)は15〜16%
にも達する。しかもコンバスタ−中の燃焼温度は高いか
ら発生するNOx濃度は高く、現状の未対策では通常都
市ガス(13A) で95〜240ppm(O2 =16%)、これをO2
=0%に換算すると400 〜1000ppm にもなつている。そ
の多いさはボイラがO2 =0%換算で60〜200ppmに規制
されているのと比較すると上記のNOx値は5倍以上に
なり著しく大であることがわかる。 【0008】第4の問題点は上記の様なガスタ−ビンプ
ラント、所謂コンバインドサイクルやコゼネレ−シヨン
では特に今後は大きな規模の脱硝酸置を付設することが
不可欠になり、そのためのコスト、大きさ、スペ−スな
どの問題が重要になる。これらの問題は今後更にガスタ
−ビン入口温度を上げたいという需要者の要望が大きく
なることからして、今後ますます重大な問題となるもの
と考えられる。 【0009】第5の問題点は従来のガスタ−ビン、蒸気
タ−ビンコンバインドサイクル或はコゼネレ−シヨンに
おいて、排ガス中のO2 が15〜16%程度で高く、このま
ま排出することは不経済であることから、排熱ボイラの
上流側にダクトバ−ナを設けてここに燃料を供給して排
ガス中の残存O2 を利用して燃焼させ、燃焼ガス温度を
上げて排熱ボイラにおける回収蒸発量を増加するという
方法が取られている。この方法によると、大きなダクト
バ−ナとその燃焼室に相当する長いダクトが必要となる
ほかに、耐熱や放熱の関係から温度の上昇に限度があ
り、かつ出口のO2 は10%程度までにしか下げられず、
結局O2 %の高い排ガスのまま放出せねばならず、その
ため排熱損失は回収できないままとなる。 【0010】 【発明が解決しようとする課題】従来のガスタ−ビンの
コンバスタ−には上記のような種々な問題点があるか
ら、現状のコンバスタ−やガスタ−ビンの希釈空気や冷
却空気を少なく、或は無くしつつそのガス温度を所要の
温度にするという課題がある。例えば、現状のコンバス
タ−出口ガス温度1100℃、O2=16%、NOx200ppm、O
2 =0%換算840ppmを1100℃、O2 =4%、NOx50pp
m 、O2 =0%換算で62ppm のコンバスタ−ができれば
従来のガスタ−ビンの技術がそのまま使えることにな
り、それでもつて出力、熱効率が共に大幅に改善される
ことになる。これによつて前記の種々な問題点が解決さ
れ、より前進して、より使いやすい、利用範囲の広いガ
スタ−ビンができることになる。本発明の目的は上記の
種々な問題点の解決にある。 【0011】 【課題を解決するための手段】本発明は事業用あるいは
産業用などのガスタービン発電装置に使用されるガスタ
ービンのコンバスター(CB)に希釈空気又は冷却空気
を使用することなく、燃焼用空気のみで燃料を燃焼させ
る収熱水管内挿型燃焼室を備えた管巣型コンバスターを
備え、該コンバスターで発生した蒸気は蒸気タービン
(ST1)と同軸の第2の発電機(G2)で発電される
ようになし、更に該管巣燃焼型コンバスター(CB)に
連結した排熱ボイラ(B)を備え、該排熱ボイラ(B)
からの発生蒸気が該管巣燃焼型コンバスター(CB)で
発生した蒸気と合流して蒸気タービン(ST2)へ導か
れて発電機(G3)で発電されるようになし、更にそれ
ぞれ系外用の該管巣燃焼型コンバスター(CB)の蒸気
1、蒸気タービン(ST1)からの蒸気2及び管巣燃焼
型コンバスターと排熱ボイラ(B)よりの合流された蒸
気3を備えたことを特徴とする管巣燃焼型コンバスター
を備えたガスタービン装置を提供するものである。 【0012】本発明はコンバスターとしては図3に示す
様な収熱水管内挿型燃焼室所謂管巣燃焼型コンバスター
(特開平2−272207、特開平2−178502)
を採用し、該燃焼室の水管群内で燃料を燃焼せしめて、
その出口ガス温度をガスタービン所望の温度とし、かつ
その燃焼ガス中の酸素(O2)濃度は通常のボイラの燃
焼室出口ガスのO2濃度と同様の1〜3%程度とならし
める。かくすることによつて前記したように燃焼空気の
ほかに多量の希釈空気や冷却空気を供給することなく、
燃焼空気のみで燃焼させて本発明のコンバスター内での
燃焼温度が900〜1200℃程度の一定温度で後流の
ガスタービン所望の温度と流量で排出されるようにな
り、燃焼−伝熱−冷却が連続して行われることによつて
NOxの発生が低く、COの発生もなく、所望のガスタ
ービン入口のガス条件が得られる。しかもそれまでの燃
焼熱が水管群に吸収され、高温高圧蒸気として得られる
のでそれだけ発電量及び利用可能蒸気の熱量が増加する
利点がある。そのために全熱効率が向上することにな
る。 【0013】 【実施例】次に本発明を図面によつて説明する。図9は
従来型のガスタービン蒸気タービンコンバインドサイク
ルの模式図を示すもので、G 1 は第1発電機、CPは圧
縮機、CBはコンバスター(燃焼器)、GTはガスター
ビン、CDは追いだきバーナ、Bは排気熱回収型ボイ
ラ、DNOxは脱硝装置、STは蒸気タービン、G2は
第2発電機、Cnはコンデンサー、Pはボイラ給水ポン
プ、蒸気1、蒸気2はプロセス用や加熱用蒸気、Eは煙
突への排ガスダクトである。燃料1はコンバスターへの
燃料、燃料2は追いだきバーナCDへの供給燃料を示
す。 【0014】図1,図2は本発明の一実施例を示すもの
で、管巣燃焼型コンバスターを備えたガスタービンシス
テムを示す。CBが本発明の管巣燃焼型コンバスター
で、ここで発生した蒸気は図1ではGTとは別軸の蒸気
タービンST 1 に供給されて発電機G 2 でも発電され
る。勿論GTによりG 1 でも発電される。更に後流の排
熱ボイラBの発生蒸気は単独に別の蒸気タービンST 2
に供給されて発電機G 3 でも発電される。この場合CB
からの蒸気を排熱ボイラからの蒸気に併せて蒸気タービ
ンST 2 に供給するシステムとすることもできる。図2
の実施例では本発明の管巣燃焼型コンバスターCBで発
生した蒸気はGTと同軸の蒸気タービンST 1 に供給さ
れて発電機G 1 で発電することが可能である。又は後流
の排熱ボイラBからの発生蒸気と合流して(図示せず)
蒸気タービンST2へ導くことも可能である。これらは
すべてコンバインドサイクルのサイクル上から選定すれ
ばよい。なお本発明は必要とする発電量と熱需要上から
熱電比が変化するためそれぞれに合致する複合サイクル
を組むことが可能であり、その熱需要や必要な蒸気の圧
力レベルに応じて図1,図2における各タービン及び蒸
気1、蒸気2、蒸気3などの供給が可能である。この場
合排熱ボイラBをコンバスターCBと同様に所謂管巣燃
焼型コンバスターとして助燃バーナCD付とすることに
よつて更に熱電比率をかえることができて、本発明の適
用範囲が広くなる。 【0015】本発明の管巣燃焼型コンバスターを備えた
ガスタービンシステムのコンバスター部分の一実施例を
図3に示した。その構成は本出願人の一人の発明になる
特開平2−272207及び特開平2−178502に
おける収熱水管内挿型燃焼室とその技術思想を同一にす
るものである。 【0016】図3においてCBが本発明の管巣燃焼型コ
ンバスターである。(1)は炉内収熱水管、(2)は炉
壁水冷管、(3)は蒸気ドラム(図4)、(4)は管ヘ
ッダ、(5)バーナである。 【0017】図4は図3のII−II断面図である。図
5は本発明の他の一実施例で(6)は水面を示す。図6
は図5の断面図を示す。図7はコイル状水管で燃焼室内
水管及び周壁水冷壁を構成する方式の本発明のコンバス
ターの他の一実施例を示す。図8は図7の管巣燃焼型コ
ンバスター内のコイル状水管の一実施例を示す。 【0018】 【発明の効果】本発明の効果を纏めると下記の通りであ
る。本発明のコンバスター内での燃焼温度は900〜1
200℃程度の一定温度であるためコンバスターから発
生するNOx量が少なく、CO,UHCの発生がなく、
更に本発明のコンバスターを採用することによつて発電
量及び利用可能な蒸気熱量が増加し、そのため全熱効率
が向上する。かつ燃焼空間を著しく小さく、従って全設
備の占有空間も小さくすることができるためガスタービ
ンの利用範囲が拡がる利点がある。
なる収熱水管内挿型燃焼室所謂管巣燃焼型コンバスタ−
(特開平2−272207、特開平2−178502)をガスタ−ビ
ンのコンバスタ−(燃焼器)に適用することによつて従
来のガスタ−ビンの燃焼器部分を改良してNOx発生量
の低いCO及び未燃焼炭化水素(UHC)の発生するこ
とのない、従来のボイラの燃焼室に比較してその燃焼室
間を著しく小さくすることができるコンバスタ−を従来
のガスタ−ビンに備付けることによりガスタ−ビン装置
の利用範囲を大きく拡げることを可能にする管巣燃焼型
コンバスタ−を備えたガスタ−ビン装置に関するもので
ある。 【0002】 【従来の技術】従来ガスタ−ビンのコンバスタ−(comb
uster)は発電用、産業用又はガスタ−ビン、蒸気タ−ビ
ンコンバインドサイクル(複合発電)用や所謂ガスタ−
ビンコゼネレ−シヨン(熱電併給)用に重用されてい
た。 【0003】しかしながら従来の総てのガスタービンに
共通する課題として以下に記載するような問題点があ
る。その第一の問題点は従来のガスタービンでは所謂カ
ルノーサイクルの理論効率に示されるように入り口ガス
温度が高い方が熱効率が高くなるが故に、できるだけガ
スタービンの翼列に流入する入口ガスの温度を高くしよ
うとしている。しかしながら実際にはガスタービン翼や
コンバスター各部の耐熱性と熱損失軽減などの理由で、
例えば現状ではタービン翼列のガスタービン入口のガス
温度を900〜1100℃に抑えている。勿論理論空気
比近くで完全燃焼させると、所謂化石燃料の燃焼温度は
2130℃位になるが、上記のような理由によつてコン
バスターもガスタービン翼もその温度を下げなければ実
用にならないからコンバスターに供給される空気のう
ち、実際の燃焼に関与する空気所謂燃焼空気は供結空気
の35〜40%位しかなく、それ以外の20%位が燃焼
ガスの温度を下げるための希釈空気として投入され、残
りの40%はコンバスターやガスタービン翼等の各部分
の焼損防止用の冷却空気として投入されているのが現状
である。 【0004】上記第一の問題点はガスタービン装置に取
つては著しく重要であつて、一旦高温になつた燃焼ガス
の温度を希釈空気で下げ、一方コンバスターやタービン
翼などの耐熱温度を上げるために、冷却用空気を使用し
ているのであつて、これには希釈空気による燃焼ガスの
冷却という所謂エクセルギー(不可逆)損失のほかに更
にそれらの冷却用空気が仕事をしないことによるタービ
ン仕事の減少や冷却空気をタービン翼面やコンバスタ
ー、タービン等の流路壁から吹出すことによるタービン
空力性能の低下、動翼冷却空気のポンピング損失、冷却
空気が主流ガスと混合し、主流ガスが冷却されることに
よる損失等があり、更に燃焼ガス量の増加による圧力損
失の増大という大きなエクセルギー損失が発生してお
り、それらの損失量の合計はタービン仕事に換算して1
0%程度を越え、ガス温度の上昇により得られるはずの
出力並びに熱効率における利益を大幅に減殺している。
そして更に注目すべきことは上記のように大量の希釈空
気と冷却空気で大過量になつた燃焼排ガスからその後に
おいて排熱回収するというのが現状であるが、その排ガ
ス量が通常のボイラのようにO2=1〜3%で燃焼させ
るのと比較すると3〜5倍程度であり、著しく大量にな
る。そのために後流の機器即ち排熱ボイラ、ダクト、脱
硝装置及び煙突などがすべて3〜5倍の容積量が必要と
なり、著しく不経済である。これを逆に考えると現状の
コンバインドサイクルやコゼネレーシヨンは工夫如何に
よつては1/3〜1/5以下の容積量となし得ることに
なる。 【0005】次に第2の重要な問題点はタ−ビン翼入口
ガス温度が1300℃以上にもなると必要な冷却空気量を現
状より格段に減少させることが必要で、タ−ビン翼など
の冷却技術の革新が待たれると共にこれに対応する他の
技術即ち水冷や蒸気による冷却も必要になる。 【0006】第3の問題点は熱損失の問題で、前記のよ
うに燃焼ガス温度を下げるために通常のボイラの燃焼空
気の3〜5倍近くの希釈空気や冷却空気を投入するから
排ガス量が3〜5倍になり、従って各機器の大きさが3
〜5倍になり、その放熱損失もそれに応じて大きくなる
ほか、排ガスによる熱損失自身が3〜5倍にもなるとい
うことである。逆の考え方をすると、これらの放熱損失
や排ガス損失は工夫如何によつては現状の1/3 〜1/5 に
できるということになる。 【0007】上記のようにしてガスタ−ビン自身もその
ブレ−ド(翼)の冷却用に更に空気などが使用されてお
り、結局その排ガス中の酸素濃度(O2 %)は15〜16%
にも達する。しかもコンバスタ−中の燃焼温度は高いか
ら発生するNOx濃度は高く、現状の未対策では通常都
市ガス(13A) で95〜240ppm(O2 =16%)、これをO2
=0%に換算すると400 〜1000ppm にもなつている。そ
の多いさはボイラがO2 =0%換算で60〜200ppmに規制
されているのと比較すると上記のNOx値は5倍以上に
なり著しく大であることがわかる。 【0008】第4の問題点は上記の様なガスタ−ビンプ
ラント、所謂コンバインドサイクルやコゼネレ−シヨン
では特に今後は大きな規模の脱硝酸置を付設することが
不可欠になり、そのためのコスト、大きさ、スペ−スな
どの問題が重要になる。これらの問題は今後更にガスタ
−ビン入口温度を上げたいという需要者の要望が大きく
なることからして、今後ますます重大な問題となるもの
と考えられる。 【0009】第5の問題点は従来のガスタ−ビン、蒸気
タ−ビンコンバインドサイクル或はコゼネレ−シヨンに
おいて、排ガス中のO2 が15〜16%程度で高く、このま
ま排出することは不経済であることから、排熱ボイラの
上流側にダクトバ−ナを設けてここに燃料を供給して排
ガス中の残存O2 を利用して燃焼させ、燃焼ガス温度を
上げて排熱ボイラにおける回収蒸発量を増加するという
方法が取られている。この方法によると、大きなダクト
バ−ナとその燃焼室に相当する長いダクトが必要となる
ほかに、耐熱や放熱の関係から温度の上昇に限度があ
り、かつ出口のO2 は10%程度までにしか下げられず、
結局O2 %の高い排ガスのまま放出せねばならず、その
ため排熱損失は回収できないままとなる。 【0010】 【発明が解決しようとする課題】従来のガスタ−ビンの
コンバスタ−には上記のような種々な問題点があるか
ら、現状のコンバスタ−やガスタ−ビンの希釈空気や冷
却空気を少なく、或は無くしつつそのガス温度を所要の
温度にするという課題がある。例えば、現状のコンバス
タ−出口ガス温度1100℃、O2=16%、NOx200ppm、O
2 =0%換算840ppmを1100℃、O2 =4%、NOx50pp
m 、O2 =0%換算で62ppm のコンバスタ−ができれば
従来のガスタ−ビンの技術がそのまま使えることにな
り、それでもつて出力、熱効率が共に大幅に改善される
ことになる。これによつて前記の種々な問題点が解決さ
れ、より前進して、より使いやすい、利用範囲の広いガ
スタ−ビンができることになる。本発明の目的は上記の
種々な問題点の解決にある。 【0011】 【課題を解決するための手段】本発明は事業用あるいは
産業用などのガスタービン発電装置に使用されるガスタ
ービンのコンバスター(CB)に希釈空気又は冷却空気
を使用することなく、燃焼用空気のみで燃料を燃焼させ
る収熱水管内挿型燃焼室を備えた管巣型コンバスターを
備え、該コンバスターで発生した蒸気は蒸気タービン
(ST1)と同軸の第2の発電機(G2)で発電される
ようになし、更に該管巣燃焼型コンバスター(CB)に
連結した排熱ボイラ(B)を備え、該排熱ボイラ(B)
からの発生蒸気が該管巣燃焼型コンバスター(CB)で
発生した蒸気と合流して蒸気タービン(ST2)へ導か
れて発電機(G3)で発電されるようになし、更にそれ
ぞれ系外用の該管巣燃焼型コンバスター(CB)の蒸気
1、蒸気タービン(ST1)からの蒸気2及び管巣燃焼
型コンバスターと排熱ボイラ(B)よりの合流された蒸
気3を備えたことを特徴とする管巣燃焼型コンバスター
を備えたガスタービン装置を提供するものである。 【0012】本発明はコンバスターとしては図3に示す
様な収熱水管内挿型燃焼室所謂管巣燃焼型コンバスター
(特開平2−272207、特開平2−178502)
を採用し、該燃焼室の水管群内で燃料を燃焼せしめて、
その出口ガス温度をガスタービン所望の温度とし、かつ
その燃焼ガス中の酸素(O2)濃度は通常のボイラの燃
焼室出口ガスのO2濃度と同様の1〜3%程度とならし
める。かくすることによつて前記したように燃焼空気の
ほかに多量の希釈空気や冷却空気を供給することなく、
燃焼空気のみで燃焼させて本発明のコンバスター内での
燃焼温度が900〜1200℃程度の一定温度で後流の
ガスタービン所望の温度と流量で排出されるようにな
り、燃焼−伝熱−冷却が連続して行われることによつて
NOxの発生が低く、COの発生もなく、所望のガスタ
ービン入口のガス条件が得られる。しかもそれまでの燃
焼熱が水管群に吸収され、高温高圧蒸気として得られる
のでそれだけ発電量及び利用可能蒸気の熱量が増加する
利点がある。そのために全熱効率が向上することにな
る。 【0013】 【実施例】次に本発明を図面によつて説明する。図9は
従来型のガスタービン蒸気タービンコンバインドサイク
ルの模式図を示すもので、G 1 は第1発電機、CPは圧
縮機、CBはコンバスター(燃焼器)、GTはガスター
ビン、CDは追いだきバーナ、Bは排気熱回収型ボイ
ラ、DNOxは脱硝装置、STは蒸気タービン、G2は
第2発電機、Cnはコンデンサー、Pはボイラ給水ポン
プ、蒸気1、蒸気2はプロセス用や加熱用蒸気、Eは煙
突への排ガスダクトである。燃料1はコンバスターへの
燃料、燃料2は追いだきバーナCDへの供給燃料を示
す。 【0014】図1,図2は本発明の一実施例を示すもの
で、管巣燃焼型コンバスターを備えたガスタービンシス
テムを示す。CBが本発明の管巣燃焼型コンバスター
で、ここで発生した蒸気は図1ではGTとは別軸の蒸気
タービンST 1 に供給されて発電機G 2 でも発電され
る。勿論GTによりG 1 でも発電される。更に後流の排
熱ボイラBの発生蒸気は単独に別の蒸気タービンST 2
に供給されて発電機G 3 でも発電される。この場合CB
からの蒸気を排熱ボイラからの蒸気に併せて蒸気タービ
ンST 2 に供給するシステムとすることもできる。図2
の実施例では本発明の管巣燃焼型コンバスターCBで発
生した蒸気はGTと同軸の蒸気タービンST 1 に供給さ
れて発電機G 1 で発電することが可能である。又は後流
の排熱ボイラBからの発生蒸気と合流して(図示せず)
蒸気タービンST2へ導くことも可能である。これらは
すべてコンバインドサイクルのサイクル上から選定すれ
ばよい。なお本発明は必要とする発電量と熱需要上から
熱電比が変化するためそれぞれに合致する複合サイクル
を組むことが可能であり、その熱需要や必要な蒸気の圧
力レベルに応じて図1,図2における各タービン及び蒸
気1、蒸気2、蒸気3などの供給が可能である。この場
合排熱ボイラBをコンバスターCBと同様に所謂管巣燃
焼型コンバスターとして助燃バーナCD付とすることに
よつて更に熱電比率をかえることができて、本発明の適
用範囲が広くなる。 【0015】本発明の管巣燃焼型コンバスターを備えた
ガスタービンシステムのコンバスター部分の一実施例を
図3に示した。その構成は本出願人の一人の発明になる
特開平2−272207及び特開平2−178502に
おける収熱水管内挿型燃焼室とその技術思想を同一にす
るものである。 【0016】図3においてCBが本発明の管巣燃焼型コ
ンバスターである。(1)は炉内収熱水管、(2)は炉
壁水冷管、(3)は蒸気ドラム(図4)、(4)は管ヘ
ッダ、(5)バーナである。 【0017】図4は図3のII−II断面図である。図
5は本発明の他の一実施例で(6)は水面を示す。図6
は図5の断面図を示す。図7はコイル状水管で燃焼室内
水管及び周壁水冷壁を構成する方式の本発明のコンバス
ターの他の一実施例を示す。図8は図7の管巣燃焼型コ
ンバスター内のコイル状水管の一実施例を示す。 【0018】 【発明の効果】本発明の効果を纏めると下記の通りであ
る。本発明のコンバスター内での燃焼温度は900〜1
200℃程度の一定温度であるためコンバスターから発
生するNOx量が少なく、CO,UHCの発生がなく、
更に本発明のコンバスターを採用することによつて発電
量及び利用可能な蒸気熱量が増加し、そのため全熱効率
が向上する。かつ燃焼空間を著しく小さく、従って全設
備の占有空間も小さくすることができるためガスタービ
ンの利用範囲が拡がる利点がある。
【図面の簡単な説明】【図1】
本発明の管巣燃焼型コンバスターを備えたガス
タービンシステムのそれぞれ一実施例の模式図。【図2】 本発明の管巣燃焼型コンバスターを備えたガス
タービンシステムのそれぞれ一実施例の模式図 。 【図3】本発明の管巣燃焼型コンバスターの一実施例。 【図4】図3のII−II断面図。 【図5】本発明の管巣燃焼型コンバスターの他の一実施
例。 【図6】図5の断面図。 【図7】本発明の管巣燃焼型コンバスターの他の一実施
例。 【図8】図7の管巣燃焼型コンバスター内のコイル状水
管の一実施例。 【図9】従来型ガスタービンシステムの模式図。 【符号の説明】 1.炉内収熱水管 2.炉壁水冷管 3.蒸気ドラム 4.管ヘッダ 5.バーナ 6.水面 G1 第1発電機 CP 圧縮機 CB コンバスター GT ガスタービン B 排気熱回収型ボイラ ST 蒸気タービン C2 第2発電機 Cn コンデンサー Cn コンデンサー
タービンシステムのそれぞれ一実施例の模式図。【図2】 本発明の管巣燃焼型コンバスターを備えたガス
タービンシステムのそれぞれ一実施例の模式図 。 【図3】本発明の管巣燃焼型コンバスターの一実施例。 【図4】図3のII−II断面図。 【図5】本発明の管巣燃焼型コンバスターの他の一実施
例。 【図6】図5の断面図。 【図7】本発明の管巣燃焼型コンバスターの他の一実施
例。 【図8】図7の管巣燃焼型コンバスター内のコイル状水
管の一実施例。 【図9】従来型ガスタービンシステムの模式図。 【符号の説明】 1.炉内収熱水管 2.炉壁水冷管 3.蒸気ドラム 4.管ヘッダ 5.バーナ 6.水面 G1 第1発電機 CP 圧縮機 CB コンバスター GT ガスタービン B 排気熱回収型ボイラ ST 蒸気タービン C2 第2発電機 Cn コンデンサー Cn コンデンサー
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フロントページの続き
(72)発明者 山本 雅通
滋賀県野洲郡野洲町大字三上2308番地
株式会社平川鉄工所 滋賀事業所内
(72)発明者 唐 景良
滋賀県野洲郡野洲町大字三上2308番地
株式会社平川鉄工所 滋賀事業所内
(72)発明者 石谷 清幹
兵庫県芦屋市岩園町8番7号
(72)発明者 三浦 千太郎
東京都港区海岸一丁目5番20号 東京瓦
斯株式会社内
(72)発明者 古島 潔
東京都港区海岸一丁目5番20号 東京瓦
斯株式会社内
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 事業用あるいは産業用などのガスタービン発電装置に使
用されるガスタービンのコンバスター(CB)に希釈空
気又は冷却空気を使用することなく、燃焼用空気のみで
燃料を燃焼させる収熱水管内挿型燃焼室を備えた管巣型
コンバスターを備え、該コンバスターで発生した蒸気は
蒸気タービン(ST 1 )と同軸の第2の発電機(G 2 )
で発電されるようになし、更に該管巣燃焼型コンバスタ
ー(CB)に連結した排熱ボイラ(B)を備え、該排熱
ボイラ(B)からの発生蒸気が該管巣燃焼型コンバスタ
ー(CB)で発生した蒸気と合流して蒸気タービン(S
T2)へ導かれて発電機(G 3 )で発電されるようにな
し、更にそれぞれ系外用の該管巣燃焼型コンバスター
(CB)の蒸気1、蒸気タービン(ST1)からの蒸気
2及び管巣燃焼型コンバスターと排熱ボイラ(B)より
の合流された蒸気3を備えたことを特徴とする管巣燃焼
型コンバスターを備えたガスタービン装置。
Priority Applications (4)
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---|---|---|---|
JP3253025A JP2565437B2 (ja) | 1991-09-03 | 1991-09-03 | 管巣燃焼型コンバスタ−を備えたガスタ−ビン装置 |
KR1019920013551A KR950006874B1 (ko) | 1991-09-03 | 1992-07-29 | 관소(管巢)연소형 연소기(Combustor)를 구비한 가스터어빈 장치 |
US07/922,461 US5303544A (en) | 1991-09-03 | 1992-07-30 | Gas turbine system with a tube-nested combustion chamber type combustor |
DE4227985A DE4227985C2 (de) | 1991-09-03 | 1992-08-22 | Gasturbinenanlage |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3253025A JP2565437B2 (ja) | 1991-09-03 | 1991-09-03 | 管巣燃焼型コンバスタ−を備えたガスタ−ビン装置 |
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1991
- 1991-09-03 JP JP3253025A patent/JP2565437B2/ja not_active Expired - Lifetime
-
1992
- 1992-07-29 KR KR1019920013551A patent/KR950006874B1/ko not_active IP Right Cessation
- 1992-07-30 US US07/922,461 patent/US5303544A/en not_active Expired - Fee Related
- 1992-08-22 DE DE4227985A patent/DE4227985C2/de not_active Expired - Fee Related
Patent Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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Publication number | Publication date |
---|---|
DE4227985C2 (de) | 1999-08-12 |
JPH05209502A (ja) | 1993-08-20 |
DE4227985A1 (de) | 1993-05-13 |
US5303544A (en) | 1994-04-19 |
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KR940002483A (ko) | 1994-02-17 |
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