JP2564539B2 - モルタルまたはコンクリ−ト硬化体の白華防止方法 - Google Patents

モルタルまたはコンクリ−ト硬化体の白華防止方法

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JP2564539B2 JP62075955A JP7595587A JP2564539B2 JP 2564539 B2 JP2564539 B2 JP 2564539B2 JP 62075955 A JP62075955 A JP 62075955A JP 7595587 A JP7595587 A JP 7595587A JP 2564539 B2 JP2564539 B2 JP 2564539B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は特定の2種以上の物質を混練物に添加してモ
ルタルまたはコンクリート硬化体の白華を防止する方法
に関する。
〔従来の技術〕
モルタルまたはコンクリート硬化体(以下単に「硬化
体」という)の表面に白華が発生することはよく知られ
ている。その白華は、硬化体が建築構造物や着色コンク
リート二次製品の場合、著しく美観を損ねたり、塗装仕
上げ作業を困難にしたり、あるいは二次製品の着色を悪
くする。
そのような白華の発生メカニズムは硬化体中の可溶性
成分が混練水あるいはキヤピラリー水に溶出し、硬化体
表面にキヤピラリー水と共に移動して流出し、該表面で
水が蒸発したのち、前記成分が折出することによつて発
生すると一般に考えられている。
白華そのものは硬化体の特性(たとえば強度)を劣化
させるなどの作用はないが、上記欠点を払拭するため、
古くから白華の発生防止方法について研究がなされて来
た。
なかでも硬化体を製造するさい、原料の混練物に、あ
る物質を添加してその物質と白華の原因成分とを反応さ
せて不溶性物質を生成させ、キヤピラリー中に固定させ
ることによつて、硬化体表面への移動、析出をすくなく
する方法が多く研究されてきた。そのような物質とし
て、スラグ、フライアツシユ、シラス、白土、ケイソウ
土等の人工あるいは天然のポゾラン類、コロイダルアル
ミナ、水酸化アルミニウムなどのアルミニウム化合物、
水ガラス、アルミノけい酸塩、炭酸塩などの無機物質の
ほか、有機物室質としてステアリン酸塩、EDTA、エチレ
ングリコール、リグニンスルホン酸塩など多数の白華防
止材料が提案されている。
〔発明が解決しようとする問題点〕
しかしながら、上記従来法で用いられる物質は白華防
止が不完全であつたり、あるいは白華防止はできても他
の特性を悪化させるなど一長一短があつた。たとえば白
土を用いる場合にはセメント中のアリツト(3CaO・Si
O2)が加水分解して生成した可溶性成分(Ca(OH)
と白土中のシリカとを反応させてけい酸カルシウムゲル
(CSHゲル)を生成させ、それによつて可溶性成分を固
定して白華の発生を防止する方法であるが、該混練物の
通風のよい低温多湿のような白華の発生しやすい環境条
件のもとで硬化させねばならない場合、可溶性成分とシ
リカとの反応が緩慢であるため、反応が十分に進行する
以前に白華が発生する欠点を有していた。
この欠点は他の無機物質を用いた場合にも同様であつ
た。またステアリン酸のような有機物質を用いた場合に
は、白土を用いた場合と異なり、早期から白華防止効果
はみられるが、白華の発生を完全に防止しようとすると
多量に添加する必要がある。それゆえ強度低下など他の
特性を悪化させるのみならず、硬化体表面にステアリン
酸塩の薄い膜ができ、効果体を白つぽくする。そのため
着色コンクリート二次製品のような色彩を特徴とする硬
化体の製造には採用することができない場合があるな
ど、従来開発された白華防止材料はそれぞれ個有の欠点
を有していた。
〔問題点を解決するための手段〕
そこで、本発明者らは硬化体の白華防止ができ、しか
も他の特性を悪化させない方法について研究した結果、
特定の2種以上の物質を組み合わせて混練物に添加する
ことによつて所期の目的が達成できることを見出し、下
記に述べる本発明を完成した。
すなわち本発明は、モルタルまたはコンクリート原料
の混練物から硬化体をつくるにあたり、活性シリカおよ
び/または非晶質アルミナと、スズ酸カリ、リチウム
塩、レブリン酸塩およびオクチル酸塩の群から選ばれた
1種あるいは2種以上の物質とを、該混練物に添加混合
し硬化させることによつて硬化体の白華防止を行う方法
である。
以下本発明を詳細に説明する。
本発明で使用する活性シリカとはSiO2を85重量%以上
含有し、かつ80℃の1N苛性ソーダ水溶液に可溶なSiO2
有SiO2の90重量%以上であるものをいう。この条件に適
合する物質としてはオパール質シリカ、クリストバル
岩、シリカゲル、シリカガラス、シリカヒユームなどが
例示される。上記条件からはずれたシリカはCa(OH)
との反応が著しく緩慢になるため、添加量を増しても白
華防止ができない場合があるので好ましくない。
非晶質アルミナとはAl2O3換算したときAl2O3を85重量
%以上含有する非晶質のものをいい、水酸化アルミニウ
ム(アルミナゲル)、アルミナスラツジなどが示され
る。
本発明においてリチウム塩とは、水酸化リチウム、硫
酸リチウムなどを、また、レブリン酸塩とはレブリン
酸、レブリン酸カルシウムなどを、さらにオクチル酸塩
とはオクチル酸、オクチル酸アルミニウムなどを含む。
上記活性シリカ、非晶質アルミナ、リチウム塩、レブ
リン酸塩、オクチル酸塩およびスズ酸カリはいずれも市
販品を用いることができる。
以上の各物質は混練物中の混練水やキヤピラリー水に
できるだけ早く溶解できるようにするために、その細か
さが活性シリカは30μm以下に、非晶質アルミナは100
μm以下にすることが望ましい。
硬化体製造用の原料は通常用いられているものが、本
発明においてもそのまま採用される。たとえばセメント
はポルトランド系セメント、混合セメントなど、細骨材
は川砂、海砂、山砂、軽砂など、粗骨材は川砂利、砕
石、軽骨などが示されるが、本発明では特にそれらを限
定しない。
上記原料に添加される本発明物質の添加割合は、活性
シリカはセメント100重量部に対し1〜50重量部であ
り、好ましくは5〜30重量部である。添加量が1重量部
未満では白華防止ができない場合もあり、また50重量部
を超えると凝結の遅延および初期強度を低下させるので
好ましくない。
非晶質アルミナの添加量はセメント100重量部に対し
て1〜10重量部である。1重量部未満では環境条件によ
つて添加した効果が見られない場合があり、また10重量
部を越えると混練水量が増加し、初期強度低下をもたら
すので好ましくない。好ましい添加量は3〜8重量部で
ある。
活性シリカと非晶質アルミナを併用する場合の添加量
は上記各物質の添加量の範囲内において、相互の不足分
を補填できる量を添加すればよい。
スズ酸カリ、リチウム塩、レブリン酸塩およびオクチ
ル酸塩のうちから選ばれた1種を添加する場合の添加量
はセメント100重量部に対し0.1〜5重量部であり、好ま
しくは0.5〜3重量部である。0.1重量部未満では白華防
止効果がなく、また5重量部を超えるとセメントの水和
を阻害し、強度が低下するので好ましくない。上記各物
質の2種以上を併用する場合も、その合量が0.1〜5重
量部の範囲内になるように添加すればよい。
次に添加方法について説明する。
上記の各物質は所定量を予め混合したのち、モルタル
もしくはコンクリート原料またはその混練物に添加して
混練してもよく、また各物質を個別に添加しても白華防
止効果は同等である。それゆえ本発明における添加方法
は特に限定されない。
以下本発明を実施例によつて説明する。
〔実施例〕
モルタル原料に本発明の各物質を添加して、白華試験を
建築試験センターで開発された半水浸試験法に準じて行
つた。
使用した材料はセメントが普通ポルトランドセメント
(日本セメント社製「普通セメント」)、砂が豊浦標準
砂、顔料が酸化第二鉄(純薬)および表1に示す本発明
の物質である。本発明の物質のセメントに対する添加量
も同表に示した。
以上の諸材料および配合を除く手段は前記半水浸試験
法に従つた。得られた結果を表1に併記した。
〔発明の効果〕 本発明の特定物質を組み合わせてモルタルまたはコン
クリートの原料に添加して硬化体を製造すると、従来法
の物質を用いて製造した場合に比して白華防止を著しく
改善し、その上硬化体の具備する他の特性への影響も殆
どない。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C04B 28/02 C04B 28/02 // C04B 103:60 111:21

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】モルタルまたはコンクリート原料の混練物
    から硬化体をつくるにあたり、活性シリカおよび/また
    は非晶質アルミナと、スズ酸カリ、リチウム塩、レブリ
    ン酸塩およびオクチル酸塩の群から選ばれた1種あるい
    は2種以上の物質とを、該混練物に添加することを特徴
    とするモルタルまたはコンクリート硬化体の白華防止方
    法。
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