JP2564495B2 - N―置換チオアルキルフェノチアジン - Google Patents

N―置換チオアルキルフェノチアジン

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JP2564495B2 JP62505891A JP50589187A JP2564495B2 JP 2564495 B2 JP2564495 B2 JP 2564495B2 JP 62505891 A JP62505891 A JP 62505891A JP 50589187 A JP50589187 A JP 50589187A JP 2564495 B2 JP2564495 B2 JP 2564495B2
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Description

【発明の詳細な説明】 発明の背景 1.発明の技術分野 本発明の組成物は酸化防止剤として有用である。この
酸化防止剤は,酸化防止剤工程における酸素受容体,過
酸化物分解剤,および電荷移動剤として作用する。
2.当該技術に関する説明 フェノチアジン化合物は,Cyphersの米国特許第2,781,
318号(1957年2月12日に発行)により,潤滑剤生成物
で公知である。このCyphersのアルキルフェノチアジン
は,フェノチアジン構造のフェニレン環上でアルキル化
されている。Cyphersは,フェノチアジンのアミン窒素
のアルキル化を示しておらず,提案もしていない。この
Cyphersの特許は,フェノチアジンを,エステル,ポリ
エステル,ポリエーテル,および他の合成潤滑剤に対す
る酸化防止剤および腐食防止添加剤として用いることを
目的としている。
Randellの米国特許第3,536,706号(1970年10月27日発
行)には,フェノチアジンが合成潤滑剤用の添加剤とし
て用い得ることが,提案されている。Randellにより特
に記載されたフェノチアジンは,以下の第3級アルキル
置換基を有するフェノチアジンである:この置換基は,
フェノチアジン構造をなすアリール基上に,4個〜12個の
炭素原子を有する。Randellはまた,フェノチアジン構
造をなす2個のフェニレン基における縮合環を開示して
いる。言い換えれば,Randellは,フェノチアジン構造に
おける2個のアリール基の少なくとも一方にナフタレン
を用いることを考慮している。
Cookらの米国特許第3,803,140号(1974年4月9日発
行)は,フェノチアジンの種々の第3級アルキル誘導体
を記載している。N−アルキル置換またはN−アルケニ
ル置換は,フェノチアジン構造に関して述べられてい
る。このフェノチアジンが遊離窒素の形態である場合の
環アルキル化も示されている。Cookらは,N−置換されて
いないフェノチアジン誘導体が好ましいことを示してい
る。
Cookらはまた,彼らの発明の化合物の使用が,酸化劣
化を受けやすい有機物質に対して有用であることを示唆
している。このような用途には,以下の脂肪族炭化水素
に対する酸化防止剤が包含される:この炭化水素には,
例えばガソリン,潤滑油,潤滑グリース,鉱油,ワック
ス,天然重合体および合成重合体(例えば,ゴム,ビニ
ル,ビニリデン,エーテル,エステル,アミドおよびウ
レタン)がある。Cookらの化合物はまた,アルデヒド,
および不飽和脂肪酸またはそれらのエステルを安定化す
ることが,提案されている。また,さらにCookらにより
提案されるている用途には,シリコーン重合体のような
有機メタロイド物質の安定化が包含される。Cookらの化
合物の用途の他のクラスには,ビタミン,精油,ケト
ン,およびエーテルが包含される。
Normantは,米国特許3,560,531(1971年2月2日発
行)において,活性水素を有する物質(これには,フェ
ノチアジンが包含される)の金属化について述べてい
る。Waightらの米国特許第3,344,068号(1967年9月26
日発行)には,エステルベースの潤滑剤に対する酸化防
止剤が記載されている。Waightらの化合物は,N−ヒドロ
カルビル置換フェノチアジン構造を有する。このWaight
らのN−置換フェノチアジン化合物もまた,縮合芳香核
上の少なくとも1つの位置で置換されている。Waightら
の組成物における第2の必要成分は,窒素原子に結合し
た2個の芳香族基を有する第2級芳香族アミンである。
本発明の化合物を調製するのに中間体として有用なア
ルキルチオアルカノールの調製は,Musserらの米国特許
第4,031,023号に記載されている。このMusserらの特許
は,1977年6月21日に発行され,ルーブリゾール社に譲
渡されている。
Winthropらの米国特許第2,194,527号(1959年11月24
日発行)は,ω−(10−フェノチアジニル)アルキルジ
アルキルスルホニウム塩のような,薬剤化合物を記載し
ている。これらの化合物は,鎮痙剤として,および特定
の抗ヒスタミン剤中で,有用である。Elliottらの米国
特許第3,376,224号(1968年4月2日発行)は,N−置換
メチレン化合物であると述べられているフェノチアジン
誘導体を記載している。これらの化合物は,メチレン基
と,アルキル基またはシクロアルキル基との間に,エー
テル結合を有する。Elliotらによれば,アルキル基また
はシクロアルキル基は,アルコキシ基または他の非反応
性置換基を有し得る。
本発明では,フェノチアジンの窒素原子上に置換基と
してイオウ含有ヒドロカルビル部分を存在させることに
より,フェノチアジンの酸化防止剤活性が著しく向上す
ることが見い出された。この効果は,この置換基のイオ
ウ原子がフェノチアジンの窒素原子からβ位(すなわ
ち,2原子隔てた位置)にある場合に,特に高められる。
後述するような化合物は,潤滑油中において,優れた酸
化防止剤特性を有する。
本明細書および請求の範囲全体を通じて,特に指示が
なければ,パーセントおよび比は重量基準であり,温度
は摂氏であり,そして圧力はキロパスカルゲージであ
る。ここに引用した参考文献は,適用可能な範囲まで,
参考として採用する。
発明の要旨 本発明は,次式の組成物を包含するフェノチアジン誘
導体について述べる: ここで,R1は,高級アルキル,またはアルケニル,ア
リール,アルカリールおよびアラルキル,およびそれら
の組み合わせからなる群から選択され;R2は,アルキレ
ン,アルケニレンおよびアラルキレン,およびそれらの
組み合わせであり;R3およびR4は,独立して,アルキ
ル,アルケニル,アリール,アルカリール,アラルキ
ル,ハロゲン,ヒドロキシル,アルコキシおよびアルキ
ルチオ,アリールチオ,縮合芳香環,およびそれらの組
み合わせであり;そしてaおよびbは,独立して,0また
はそれより大きい。
他の実施態様は,式Iおよび/または式IIIの生成
物,および少なくとも1種の潤滑油または少なくとも1
種の燃料の主要量である。式Iの生成物はまた,約1重
量%〜99重量%の量で,1重量%〜99重量%の希釈剤また
は溶剤と処方され得る。
以下により,ここで述べられるような組成物を調製す
る方法が記述される: (a)次式のチオアルコールと, R1SR2OH (b)次式のフェノチアジン誘導体とを反応させ, それにより,式Iの組成物を得ること。
本発明の他の実施態様は,上記化合物のスルホンおよ
びスルホキシド誘導体である:ここで,R1は,アルキ
ル,アルケニル,アリール,アルカリールおよびアラル
キル,およびこれらの組み合わせからなる群から都合よ
く選択されるヒドロカルビル基;R2は,アルキレン,ア
ルケニレンおよびアラルキレン,およびそれらの組み合
わせであり;R3およびR4は,独立して,アルキル,アル
ケニル,アリール,アルカリール,アラルキル,ハロゲ
ン,ヒドロキシル,アルコキシ,アリールオキシ,アル
キルチオ,アリールチオ,縮合芳香環,およびそれらの
組み合わせであり;そして,aおよびbは,独立して,0ま
たはそれより大きい。このような化合物は次式により表
わされ得る: ここで,a,b,R1,R2,R3およびR4は,上記の等価物であ
る。xおよびyの値は,独立して,0,1または2であり,x
およびyの和は,1より大きいか,または1に等しい。
発明の詳細な説明 本発明の第1の局面は,本発明の化合物を製造するの
に有用なフェノチアジン化合物またはフェノチアジン誘
導体を得ることにある。フェノチアジン自体は商品であ
るので,この物質についてさらに説明する必要はない。
ここで有用なフェノチアジン誘導体(例えば,式Iの
(a)および(b)が0でないもの)を得るためには,C
yphersの米国特許第2,781,318号(1957年2月12日発
行)を参考にすることが提案される。高温下(例えば,1
45℃〜205℃の範囲)で,反応を完結させるのに充分な
時間にわたって,イオウで処理されたジアルキルジフェ
ニルアミンにより,式Iの範囲内で誘導され得る化合物
が得られる。好都合には,ヨウ素のような触媒を用い
て,イオウ架橋が形成され得る。この反応は,実質的に
きれいな反応であり,組成物中のアミン水素には影響を
与えない。典型的には,ジアルキル化生成物が,得られ
る(例えば,(a)および(b)の両方がそれぞれ1で
あるもの)。このモノアルキル化フェノチアジン誘導体
は,好都合には,モノアルキル化ジフェニルアミンを用
いることにより得られる。モノアルキル化ジフェニルア
ミンは,次いで環化され,対応するモノアルキル化フェ
ノチアジンが得られる。同様に,フェノチアジンは,ル
イス酸触媒を用いて,オレフィンでアルキル化され得
る。
この誘導体R3およびR4は,上ではアルキルとして定義
されているが,いずれのヒドロカルビル基も使用され得
る。R3およびR4に対して,アルケニル,アリール,アル
カリール,アラルキル,ハロゲン,ヒドロキシル,アル
コキシ,アルキルチオ,アリールチオなどを用いるのが
好都合である。ヒドロキシル誘導体を得るためには,例
えばアニリンとヒドロキノンとを反応させて,4−ヒドロ
キシジフェニルアミン(次いで,これは,イオウで環化
される)を形成する。対応するアルコキシ化合物は,水
酸基含有フェノチアジンとハロゲン化アルキルとを反応
させることにより得られる。
R3およびR4としてアルキル誘導体を得るのと同様に,
アルケニル,アリール,アルカリール,アラルキル,お
よび縮合環の誘導体が,調製され得る。この縮合環の誘
導体は,フェニルナフチルアミンから調製され得る。こ
のフェニルナフチルアミンは,硫化により環化され,ベ
ンゾフェノチアジンを生成し得る。さらに,対応する多
価芳香族化合物およびそれらのアルキル誘導体が,同様
に得られる。この生成物のハロゲン化形は,フェノチア
ジンを,例えば臭素または塩素で処理することにより得
られる。アルキルチオおよびアリールチオとしてのR3
よびR4の等価物は,フェノチアジンを,チオ尿素および
塩化鉄で処理することにより好都合に得られる。先に得
られた塩化イソチウロニウム(isothiuronium)をチオ
フェノール(次いで,これは,上で述べたようにアルキ
ル化される)に加水分解することにより,R3(R4)がア
ルキルチオとして得られる。
もちろん,R3およびR4の種々の等価物の混合物は,本
発明の範囲内に包含される。それゆえ,R3はクロロ基と
され得るのに対し,R4はアルキル基である。本発明では
また,上で述べたように,R3およびR4は,独立して,異
なるアルキル基であり得る。すなわち,R3およびR4は,
共にアルキル基であるが,異なる炭素鎖長を有し得る。
芳香環上におけるR3およびR4アルキル基の位置は,典型
的には,複素環窒素のパラ位である。しかし,複素環イ
オウのパラ置換も起こり得る。R3およびR4が,独立し
て,アリールである誘導体を用いることも都合がよい。
好都合には,ヒドロカルビル部分としてのR3およびR
4は,各部分中に,約3個〜約30個の炭素原子を有す
る。好ましくは,ヒドロカルビル基としてのR3およびR4
は,独立して,約4個〜約15個の炭素原子を有する。
本発明で請求された構造の第2の部分により,R2の定
義が与えられる。R2の等価物は,アルキレンまたはアル
ケニレンとされ得,好都合には,いずれの場合にも,約
1個〜約18個の炭素原子を有する。好ましくは,R2は線
状のアルキレンであり,約2個〜約8個の炭素原子,最
も好ましくは2個の炭素原子を含有する(例えば,エチ
レン)。R2の等価物はまた,例えば以下の分枝鎖または
置換物質により満たされ得る:これは,典型的には,イ
オウと窒素との間の短鎖アルキレン基にメチル基が結合
しているものである。すなわち,1−メチルおよび2−メ
チルのエチレン誘導体が,ここで考慮される。R2はま
た,アラルキレン(例えば,イオウと環窒素との間のエ
チレン部分に懸垂したフェニル残基)とされ得る。
R1の等価物は,好都合には,高級アルキル,またはア
ルケニル,アリール,アルカリールまたはアラルキル,
またはそれらの混合物として定義される。イオウに対す
るR1の好ましい結合は第1級である。式Iの化合物を得
るためには,R1SCH2CH2OHとフェノチアジンとの反応が好
都合に用いられる。ここに述べる化合物を調製するため
には,多数の原料が用いられ得る。例えば,式Iの化合
物では,R1は約4個〜約50個の炭素原子を有し得る。R1
残基を形成するために用いられる物質の骨格には,実質
的な分枝が生じ得る。この残基R1はまた,好都合には,
式Iで約6個〜約20個の炭素原子を有するように得られ
る。式Iの化合物からスルホンやスルホキシドが得られ
る場合には,R1の等価物は,好都合には,約1個〜約50
個の炭素原子であり,好ましくは約4個〜約50個の炭素
原子であり,最も好ましくは約6個〜約20個の炭素原子
である。
ここで,R1に対して提案される種は以下である: この種は,チオジエタノールとフェノチアジンとの反
応により,誘導される。
この生成物中には,油に対する溶解性や分散性が得ら
れるように,フェノチアジン中の窒素原子に懸垂した親
油基が存在することが望ましい。通常,この親油基は,R
1により供給される。あるいは,生成物の親油性を増大
させるために,そして分子中におけるR1に対応する親油
鎖の必要性を最小にするために,R3およびR4の等価物
が,調整され得る。また,防止剤としての性能を有する
ためには,懸垂したイオウがフェノチアジン構造におけ
る窒素のβ位にあるのが非常に望ましい。
等価物R1,R2,R3およびR4は,さらにヘテロ原子または
ヘテロ基(これには,アミン,スルフィド,フェノー
ル,エーテル結合,アミド,カルボキシルなどのような
部分が包含される)を有し得ることが理解されるべきで
ある。このような基には,それらが所望の酸化防止剤特
性の機能を与える限り,どのようなレベルでも,種々の
R1〜R4基内に包含され,好ましくは各基の20重量%を越
えないレベルで包含され得る。
フェノチアジン誘導体(式I)のスルホンおよびスル
ホキシドは,分子内のイオウ原子を,部分的にまたは完
全に酸化することにより得られる。式Iでは,両方のイ
オウ原子は,共に,酸化防止剤工程に関与するように,
スルホキシドやスルホンへの酸化を受けやすい。両方の
イオウ原子は,同時に酸化を受けてスルホキシドにな
る。その際,環状スルホキシドが次いでスルホンに変化
するか,あるいは側鎖スルホキシドがスルホンに酸化さ
れるかは,スルホキシド基の相対活性に依存する。スル
ホン形成はスルホキシド形成に依存する。それゆえ,ス
ルホンとスルホキシドとの混合物が,しばしば得られ
る。スルホン誘導体およびスルホキシド誘導体の利点
は,されらがさらに酸化防止剤特性を与えることにあ
る。スルホンは,さらに酸化を受け,劣化に対して潤滑
剤を長く保護するという点で有用な化合物である。
式Iの化合物,スルホンおよびスルホキシドの好都合
な混合物は,典型的には,約1:0.1:0.1〜約0.5:1:1の比
で得られる。
ここで用いられ得る潤滑油のタイプは,潤滑粘性のあ
るものとして記述され,天然油,合成油,またはそれら
の混合物がベースとされ得る。この潤滑油もまた,ここ
で用いるのにより好ましい希釈剤である。
天然油には,動物油および植物油(例えば,ヒマシ
油,ラード油)だけでなく,鉱物性の潤滑油(例えば,
液状の石油,およびパラフィンタイプ,ナフテンタイプ
または混合されたパラフィン−ナフテンタイプであっ
て,かつ溶媒処理された鉱物性潤滑油または酸処理され
た鉱物性潤滑油)が包含される。石炭または頁岩から誘
導される潤滑粘性のある油もまた,有用である。合成の
潤滑油には,以下の炭化水素油およびハロ置換炭化水素
油が包含される。この炭化水素油およびハロ置換炭化水
素油には,例えば重合オリフィンおよび混合重合オレフ
ィン(例えば,ポリブチレン,ポリプロピレン,プロピ
レン−イソブチレン共重合体,塩素化ポリブチレンな
ど);ポリ(1−ヘキセン),ポリ(1−オクテン),
ポリ(1−デセン)など,およびそれらの混合物;アル
キルベンゼン(例えば,ドデシルベンゼン,テトラデシ
ルベンゼン,ジノニルベンゼン,ジ−(2−エチルヘキ
シル)−ベンゼンなど);ポリフェニル(例えば,ビフ
ェニル,テルフェニル,アルキル化ジフェニルエーテ
ル)およびアルキル化ジフェニルスルフィド,およびそ
れらの誘導体,類似体および同族体などがある。
アルキレンオキシド重合体および混合重合体およびそ
れらの誘導体(これらの誘導体において,その末端水酸
基は,エステル化,エーテル化などにより修飾されてい
る)は,用い得る公知の合成潤滑油の他のクラスを構成
する。これらは,エチレンオキシドまたはプロピレンオ
キシドの重合により調製される油,これらポリオキシア
ルキレン重合体のアルキルエーテルおよびアリールエー
テル(例えば,約1000の平均分子量を有するメチルポリ
イソプロピレングリコールエーテル,約500〜1000の分
子量を有するポリエチレングリコールのジフェニルエー
テル,約1000〜1500の分子量を有するポリプロピレング
リコールのジエチルエーテルなど),またはそれらのモ
ノ−およびポリカルボン酸エステル(例えば,テトラエ
チレングリコールの酢酸エステル,混合C3〜C8脂肪酸エ
ステル,またはC13オキソ酸ジエステル)により例示さ
れる。
用い得る合成潤滑油の他の適当なクラスには,ジカル
ボン酸(例えば,フタル酸,コハク酸,アルキルコハク
酸,アルケニルコハク酸,マレイン酸,アゼライン酸,
スベリン酸,セバシン酸,フマル酸,アジピン酸,リノ
レン酸二量体,マロン酸,アルキルマロン酸,アルケニ
ルマロン酸など)と,種々のアルコール(例えば,ブチ
ルアルコール,ヘキシルアルコール,ドデシルアルコー
ル,2−エチルヘキシルアルコール,エチレングリコー
ル,ジエチレングリコールモノエーテル,プロピレング
リコールなど)とのエステルが包含される。これらのエ
ステルの特定例には,アジピン酸ジブチル,セバシン酸
ジ(2−エチルヘキシル),フマル酸ジ−n−ヘキシ
ル,セバシン酸ジオクチル,アゼライン酸ジイソオクチ
ル,アゼライン酸ジイソデシル,フタル酸ジオクチル,
フタル酸ジデシル,セバシン酸ジエイコシル,リノレン
酸二量体の2−エチルヘキシルジエステル,セバシン酸
1モルとテトラエチレングリコール2モルおよび2−エ
チルヘキサン酸2モルとの反応により形成される複合エ
ステルなどが包含される。
合成油として有用なエステルもまた,C5〜C12モノカル
ボン酸と,ポリオールおよびポリオールエーテル(例え
ば,ネオペンチルグリコール,トリメチロールプロパ
ン,ペンタエリスリトール,ジペンタエリスリトール,
トリペンタエリスリトールなど)とから形成されるエス
テルを包含する。
シリコンベースの油(例えば,ポリアルキル−,ポリ
アリール,ポリアルコキシ−,またはポリアリールオキ
シシロキサン油およびシリケート油)は,合成潤滑剤の
他の有用なクラスを構成する。これには,例えば,テト
ラエチルシリケート,テトライソプロピルシリケート,
テトラ−(2−エチルヘキシル)シリケート,テトラ−
(4−メチルヘキシル)シリケート,テトラ−(p−te
rt−ブチルフェニル)シリケート,ヘキシル−(4−メ
チル−2−ペントキシ)ジシロキサン,ポリ(メチル)
シロキサン,ポリ(メチルフェニル)シロキサンなどが
ある。他の合成潤滑油には,リン含有酸の液体エステル
(例えば,リン酸トリクレゾール,リン酸トリオクチ
ル,デカンホスホン酸のジエチルエステルなど),重合
したテトラヒドロフランなどが包含される。
未精製油,精製油および再精製油(これは,上に開示
したタイプの天然油または合成油のいずれかである。こ
れは,これらのいずれかの2種またはそれ以上の混合物
であってもよい)は,本発明の濃縮物中で用いられ得
る。未精製油とは,天然原料または合成原料から,さら
に精製処理することなく,直接得られる油である。例え
ば,レトルト操作から直接得られる頁岩油;第1段の蒸
留から直接得られる石油;またはエステル化工程から直
接得られ,かつさらに処理せずに用いられるエステル油
が,未精製油である。
精製油は,1種またはそれ以上の特性を改良するため
に,1段またはそれ以上の精製段階でさらに処理されたこ
と以外は,未精製油と同様である。多くのこのような精
製方法は当業者に周知である。この方法には,例えば,
溶媒抽出,二次蒸留,酸抽出または塩基抽出,濾過,浸
透などがある。
再精製油は,精製油を得るのに用られる工程と同様の
工程により得られる。これらの工程は,すでに供給によ
り用いられている精製油に適用される。このような再精
製油もまた,再生油または再生加工油として公知であ
り,そして消費された添加剤,および油の分解精製物を
除去するための方法により,しばしば付加的に処理され
る。最も好ましくは,ここで用いられる油は,石油由来
の油である。
本発明の組成物で処理され得る燃料には,固体状およ
び通常液状の燃料の両方が包含される。すなわち,燃料
の酸化防止剤効果により,燃焼工程の前に,燃料の劣化
が防止される。燃料の酸化をなくすか,または最小にす
ることにより,燃料の燃料値(カロリー量)が,高く保
たれる。ある状況下では,この燃料は,より安定になる
ことにより,自発的に燃焼する傾向が低くなることも認
められ得る。用い得る固体燃料には,石炭,頁岩,泥
岩,木材,有機廃物,木炭などがある。液体燃料には,
軽油留分(例えば,ガソリン,燈油など)だけでなく,
他の留分(例えば,中間蒸留物の燃料油)が包含され
る。本発明の組成物で処理され得る典型的な中間蒸留物
の燃料油には,ANSI/ASTM標準D−396−79により定義さ
れているような,ナンバー1,2および4の油,および他
のこのような物質が包含される。このような燃料油と,
直留,真空留(vacuumrun),および他の特別に処理さ
れた残留油との組合せも,本発明の組成物で都合よく処
理され得る。
本発明の潤滑剤および燃料には,典型的に含有される
以下の成分のいずれもが,包含され得る:この成分に
は,例えば,染料,補助剤,分散剤,他の酸化防止剤,
オーバーベース化物質などがある。燃料にはまた,セタ
ン価改良剤やオクタン価向上剤が包含され得る。ここに
述べた酸化防止剤は,グリースにも有用である。
本発明の化合物を成形する方法を以下でさらに説明す
る。
フェノチアジン,およびその種々の誘導体は,式IIの
フェノチアジン化合物を,式R1SCH2CH2OHの所望のチオ
アルコールと接触させることにより,式Iの化合物に転
化される。このチオアルコールは,塩基条件下で,メル
カプタン,R1SHと,エチレンオキシドとを反応させるこ
とにより得られる。あるいは,このチオアルコールは,
遊離基条件下(例えば,2,2′−アゾビス(イソブチロニ
トリル)を開始剤として用いることにより)で,対応す
る末端オレフィンとメルカプトエタノールとを反応させ
ることにより得られる。
式Iの化合物を得るための反応条件には,不活性溶媒
(例えば,トルエン,ベンゼンなど)の使用が包含され
る。強酸触媒(例えば,硫酸またはパラトルエンスルホ
ン酸)を,フェノチアジンの1000部あたり,約1部〜50
部で用いることが,提案されている。この反応は不活性
ガス雰囲気下で行われる。温度条件は,好都合には,形
成される水を除去しながら,還流温度に設定される。好
都合には,この反応温度は,80℃と170℃との間に維持さ
れる。
濃縮物を調製するために,ここで用いられる希釈剤ま
たは溶媒の量は,典型的には,式Iの化合物を溶解させ
るか,または分散させるのに必要な量である。典型的に
は,この希釈剤や溶媒は,組成物の重量を基準として,
約1重量%〜99重量%,好都合には約60重量%〜99重量
%で存在する。ここに述べたフェノチアジン誘導体は,
完全に処方された生成物中において,約0.1重量%〜10
重量%で有用である。提案された希釈剤や溶媒は,式I
の化合物が最終的に加えられるような,潤滑剤および燃
料である。他の希釈剤や溶媒は,最終生成物の機能を実
質的に妨げないような条件で,用いられ得る。スルホン
やスルホキシドへの,式Iの化合物の酸化は,クランク
室条件下で自然に起こる。スルホンおよびスルホキシド
が別個の化合物として望ましいなら,それらは過酸化水
素のような酸化剤を用いることにより得られる。式Iの
化合物は,不活性ガス雰囲気下,溶媒(例えば,氷酢酸
またはエタノール)中で,スルホンまたはスルホキシド
に転化される。約20℃〜150℃で,部分酸化が好都合に
起こる。スルホンおよびスルホキシドの形成の程度は,
実際的に決定される。
潤滑剤の酸化は,酸素や他の酸化剤の存在下で,加熱
により,および潤滑油に対する剪断作用により,起こ
る。酸化防止剤が存在しないと,この潤滑油は粘性を帯
び,エンジン部分に析出物が形成され,そして腐食性の
酸が形成される。これらの全ては,エンジンの性能や寿
命に悪影響を与える。ここに述べたタイプのような酸化
防止剤を用いることにより,特に,炭素基,過酸化炭素
基,および/または過酸化物(これらは,潤滑生成物中
に形成される)を減少させるのに役立つ。
以下は,本発明の実施例である。
実施例I 1の丸底フラスコに,トルエン300mlと共に,1モル
のフェノチアジンを入れる。これらの反応物を,窒素雰
囲気下で維持する。フェノチアジンおよびトルエンの混
合物に,硫酸触媒0.05モルを加える。次いで,この混合
物を,還流温度に加熱し,約90分間にわたって,n−ドデ
シルチオエタノール1.1モルを滴下する。反応過程で形
成される水は連続して除去する。
この反応混合物を,実質的にさらに水が発生しなくな
るまで,還流下で連続的に攪拌する。次いで,この反応
混合物を90℃に冷却する。硫酸触媒を水酸化ナトリウム
で中和する。次いで,110℃にて,2KPaの減圧下で溶媒を
除去する。残留物を濾過すると,95%収量の所望生成物
が得られる。この生成物は,90%を越える純度の所望加
工物を有する。
この加工物は,C12としてR1等価物を有するものとして
固定され,R2はエチレンであり,そしてaおよびbは共
にゼロである(例えば,フェノチアジンの芳香環は水素
置換だけを含む)。
実施例II 1の丸底フラスコに,トルエン300mlと共に,1モル
のフェノチアジンを入れる。これらの反応物を,窒素雰
囲気下で維持する。フェノチアジンおよびトルエンの混
合物に,硫酸触媒0.05モルを加える。次いで,この混合
物を,還流温度に加熱し,約90分間にわたって,n−ヘキ
シルチオエタノール1.1モルを滴下する。反応過程で形
成される水は連続して除去する。
この反応混合物を,実質的にさらに水が発生しなくな
るまで,還流下で連続的に攪拌する。次いで,この反応
混合物を90℃に冷却する。硫酸触媒を水酸化ナトリウム
で中和する。次いで,110℃にて,2KPaの減圧下で溶媒を
除去する。残留物を濾過すると,95%収量の所望生成物
が得られる。この生成物は,90%を越える純度の所望化
合物を有する。
この化合物は,C6としてR1等価物を有するものとして
同定され,R2はエチレンであり,そしてaおよびbは共
にゼロである。n−オクチルチオエタノールを用いた場
合にも,同様の結果が得られる。
実施例III フェノチアジンを,従来の条件下で,フリーデルクラ
フト触媒として塩化アルミニウムを用いて,ノネンでア
ルキル化する。ジアルキル化フェノチアジン1モルを,
トルエン300mlと共に,1の丸底フラスコに入れる。窒
素スパージおよび窒素雰囲気を使用する。ジアルキル化
フェノチアジンおよびトルエンの混合物に,触媒とし
て,硫酸0.05モルを加える。次いで,この混合物を加熱
して還流し,約90分間にわたって,n−ドデシルチオエタ
ノール1.1モルを滴下する。形成される水は連続的に除
去する。
この反応混合物を,実質的にさらに水が発生しなくな
るまで,還流下で連続的に攪拌する。次いで,この反応
混合物を,90℃に冷却する。硫酸触媒を水酸化ナトリウ
ムで中和する。次いで,110℃にて,2KPaの減圧下で,溶
媒を除去する。次いで,残留物を濾過すると,95%収量
の所望生成物が得られる。この生成物は,80%を越える
純度の所望化合物を有する。
この化合物は,C12としてR1等価物を有するものとして
同定され,R3およびR4はC9としてパラ位にあり,R2はエチ
レンであり,そしてaおよびbはそれぞれ1である。
本実施例の変形では,ドデシルメルカプタン(塩基性
条件下で,スチレンオキシドとの予備反応に供される)
が用いられ得る。上でこの反応物を代用すると,ペンダ
ントフェニル基で置換されたエチレン基として,R2が得
られる。
実施例IV フェニルα−ナフチルアミン1モルを,1の丸底フラ
スコに入れる。反応容器から空気を排出させるために,
窒素スパージを適用する。これらの反応物を,窒素雰囲
気下で維持する。従来の条件下で,ヨウ素触媒を用い
て,190℃で,このアミンをまず硫化する。次いで,300ml
のトルエン中で,少量の硫酸触媒を用いて,この硫化生
成物をアルキル化するために,n−ステアリルチオエタノ
ール1.1モルを用いる。この反応を90分間にわたって進
行させる。反応過程で形成される水は,連続的に除去す
る。反応混合物を,実質的にさらに水が発生しなくなる
まで,還流下で連続的に攪拌する。次いで,この反応混
合物を,90℃に冷却する。次いで,硫酸触媒を水酸化ナ
トリウムで中和する。次いで,110℃にて,2KPaの減圧下
で,溶媒を除去すると,ベンゾフェノチアジン生成物が
得られる。
実施例V 1の丸底フラスコに,トルエン300mlと共に,1モル
のフェノチアジンを入れる。この反応物を,窒素雰囲気
下で維持する。フェノチアジンおよびトルエンの混合物
に,触媒として,硫酸0.05モルを加える。次いで,この
混合物を還流温度に加熱し,約90分間にわたって,フェ
ニルチオエタノール1.1モルを滴下する。このフェニル
チオエタノールは,塩基触媒を用いた,チオフェノール
とエチレンオキシドとの反応により得られる。反応過程
で形成される水は連続して除去する。
この反応混合物を,実質的にさらに水が発生しなくな
るまで,還流下で連続的に攪拌する。次いで,この反応
混合物を,90℃に冷却する。硫酸触媒を水酸化ナトリウ
ムで中和する。次いで,110℃にて,2KPaの減圧下で,溶
媒を除去する。残留物を濾過すると,95%収量の所望生
成物が得られる。この生成物は,90%を越える純度の所
望化合物を有する。
本実施例の化合物は,フェニルとしてR1等価物を有す
るものとして同定され,R2はエチレンであり,そしてa
およびbは共にゼロである(例えば,この芳香環は水素
置換だけを含む)。
実施例VI 実施例IIIのジアルキル化フェノチアジンの2モルを,
600mlのトルエンと共に,2の丸底フラスコに入れる。
この反応物を,窒素雰囲気下で維持する。このアルキル
化フェノチアジン誘導体およびトルエンの混合物に,触
媒として,硫酸0.1モルを加える。次いで,この混合物
を,還流温度に加熱し,約90分間にわたって,チオエタ
ノール1.1モルを滴下する。反応過程で形成される水は
連続して除去する。
この反応混合物を,実質的にさらに水が発生しなくな
るまで,還流下で連続的に攪拌する。次いで,この反応
混合物を,90℃に冷却する。硫酸触媒を水酸化ナトリウ
ムで中和する。次いで,110℃にて,2KPaの減圧下で,溶
媒を除去する。残留物を濾過すると,95%収量の所望生
成物が得られる。この生成物は,80%を越える純度の所
望化合物を有する。
得られた化合物は,対称的なビス−フェノチアジン構
造を有するものとして同定され,R2はエチレンであり,a
およびbはそれぞれ1であり,そしてR3およびR4はノニ
ルである。この生成物は,一般に,以下のように表され
る: 実施例VII 実施例Iの酸化生成物は,この生成物の0.2モルを1
の丸底フラスコに入れることにより得られる。次い
で,400mlの量のエタノールを加え,続いて窒素スパージ
する。その後,不活性ガス雰囲気を,反応中に保持す
る。次いで,この反応物を,加熱して還流し,30%過酸
化水素(0.2モル)を,1/2時間にわたって滴下する。反
応物は還流下で5時間攪拌する。
次いで,この生成物を冷却し,そして400mlの量の水
を,この生成物と混合する。有機下層を分離し,硫酸マ
グネシウムで乾燥し,そして残留溶媒を,2Kpaにて,100
℃で除去する。このようにして,実施例Iに対応する酸
化生成物が得られる。
実施例VIII 実施例I〜VIIの生成物の各50部に,1000部の量のSAE3
0モーター油を混合することにより,一連の潤滑剤生成
物を調製する。得られた生成物は所望の酸化防止剤活性
および潤滑剤活性を示す。生成物IおよびVIIの等量混
合物が本実施例では望ましい。
実施例IX No.2ディーゼル燃料の1000部の量を,実施例I〜VII
の生成物の各50部で処理すると,貯蔵温度における酸化
に耐性を有する燃料が得られる。
実施例X フェノチアジン誘導体の潤滑剤トップ処理のために,
一連の配合物を製造する。用いられる基油は,10W30モー
ター油である。これらの配合物を,示差圧走査熱量測定
を用いて,酸化安定性について試験する。発熱ピークの
最大値までの時間を,分単位でで測定する。全てのフェ
ノチアジン生成物は,R2=C2H4,a=0,b=0を有し,そし
て等しいイオウレベルで使用される。
これらの試験結果は,本発明の生成物が,III Dエンジ
ン試験に合格するための最低必要条件を越えていること
を示す。
生成物4および5は,フェノチアジン誘導体1モル
あたり,それぞれ1モルおよび2モルのH2O2を用いるこ
とにより,実施例VIIに従って,調製される。
実施例XI ユニオンウェスト90N油を用いて,一連の配合物を製
造する。これら完全に処方された配合物中では,通常,
自転伝達流体中に存在するイオウ酸化防止剤および窒素
酸化防止剤に代えてフェノチアジン化合物が用いられ
る。
これらの配合物を,機能障害が生じるまでの時間を測
定することにより,空気酸化について試験する。
表中の全てのフェノチアジン化合物は,R2=C2H4,a=
0,b=0を有し,そして等しいイオウレベルで使用され
る。
本発明の完全に処方された生成物は,従来の自転伝達
流体(これは,従来の0.6%酸化防止剤パッケージを用
いている)と性能の点で等価である。

Claims (14)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】次式の化合物: ここで、R1は、高級アルキル、またはアルケニル、アリ
    ール、アルカリール、アラルキル、または ;R2は、アルキレン、アルケニレン、またはアラルキレ
    ン;R3およびR4は、独立して、アルキル、アリケニル、
    アリール、アルカリール、アラルキル、ハロゲン、ヒド
    ロキシル、アルコキシ、アルキルチオ、アリールチオ、
    または縮合芳香環;そしてaおよびbは、独立して、0
    またはそれより大きい。
  2. 【請求項2】R1がアルキルである、請求の範囲第1項に
    記載の化合物。
  3. 【請求項3】R1が少なくとも4個の炭素原子を有する、
    請求の範囲第2項に記載の化合物。
  4. 【請求項4】R1が4個〜50個の炭素原子を有する、請求
    の範囲第3項に記載の化合物。
  5. 【請求項5】R2が線状アルキレンである、請求の範囲第
    1項に記載の化合物。
  6. 【請求項6】R3およびR4が、独立して、アルキルであ
    る、請求の範囲第1項に記載の化合物。
  7. 【請求項7】R3およびR4が、独立して、3個〜30個の炭
    素原子を有する、請求の範囲第6項に記載の化合物。
  8. 【請求項8】R3がヒドロキシルである、請求の範囲第1
    項に記載の化合物。
  9. 【請求項9】R2がエチレンである、請求の範囲第1項に
    記載の化合物。
  10. 【請求項10】R1が、6個〜20個の炭素原子を有するア
    ルキル、R2がエチレン、そしてaおよびbが、それぞれ
    0である、請求の範囲第1項に記載の化合物。
  11. 【請求項11】R1が、次式である、請求の範囲第1項に
    記載の化合物:
  12. 【請求項12】次式の化合物の1重量%〜99重量%、お
    よび希釈剤または溶媒の1重量%〜99重量%を含有する
    酸化防止用組成物: ここで、R1は、高級アルキル、またはアルケニル、アリ
    ール、アルカリール、アラルキル、または ;R2は、アルキレン、アルケニレン、またはアラルキレ
    ン;R3およびR4は、独立して、アルキル、アルケニル、
    アリール、アルカリール、アラルキル、ハロゲン、ヒド
    ロキシル、アルコキシ、アルキルチオ、アリールチオ、
    または縮合芳香環;そしてaおよびbは、独立して、0
    またはそれより大きい。
  13. 【請求項13】前記希釈剤または溶剤が、潤滑油、燃料
    またはグリースである、請求の範囲第12項に記載の酸化
    防止用組成物。
  14. 【請求項14】次式の化合物を調製する方法であって、 ここで、R1は、高級アルキル、またはアルケニル、アリ
    ール、アルカリール、アラルキル、または ;R2は、アルキレン、アルケニレンまたはアラルキレン;
    R3およびR4は、独立して、アルキル、アルケニル、アリ
    ール、アルカリール、アラルキル、ハロゲン、ヒドロキ
    シル、アルコキシ、アルキルチオ、アリールチオ、また
    は縮合芳香環;そしてaおよびbは、独立して、0また
    はそれより大きい; ここで、該方法が、 (a)次式のチオアルコールと、 R1SR2OH (b)次式のフェノチアジン誘導体 とを反応させる工程を包含する、方法。
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