JP2563979Y2 - 圧縮エンジンブレーキ装置に使用される弁装置 - Google Patents

圧縮エンジンブレーキ装置に使用される弁装置

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JP2563979Y2
JP2563979Y2 JP1992021307U JP2130792U JP2563979Y2 JP 2563979 Y2 JP2563979 Y2 JP 2563979Y2 JP 1992021307 U JP1992021307 U JP 1992021307U JP 2130792 U JP2130792 U JP 2130792U JP 2563979 Y2 JP2563979 Y2 JP 2563979Y2
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chamber
port
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piston
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一芳 大石
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三輪精機株式会社
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、弁装置に関し、特に、
流体圧シリンダ装置により弁体が作動されて、流体を弁
口から導入して流体流路から排出する技術に係り、例え
ば、トラック等の車両の圧縮エンジンブレーキ装置とし
て、エンジンの圧縮エネルギを排出するのに利用して有
効なものに関する。
【0002】
【従来の技術】従来の圧縮エンジンブレーキ装置とし
て、ディーゼルエンジンのシリンダ室に吸気弁および排
気弁とは別に専用の弁装置が設けられているとともに、
この弁装置がエアシリンダ装置により駆動されるように
構成されているものが、提案されている。
【0003】そして、この圧縮エンジンブレーキ装置に
おいては、エンジンブレーキ作動が所望される時に、エ
ンジンの圧縮行程における上死点付近において、パイロ
ット用のエアシリンダ装置が電磁切換弁によって切換作
動される。この切換作動によって弁装置が開成作動され
ることにより、エンジンの圧縮エネルギを弁口から排出
させてエンジンブレーキ作用が実行されることになる。
【0004】そして、エンジンのシリンダ内において高
圧縮されたエアを瞬時に排出させるために、前記エアシ
リンダ装置においては、エアシリンダ室における弁装置
の弁棒に連結されたピストンの一方の圧力室を大気に開
放させることにより、弁装置の開弁作動がきわめて迅速
に実行される。
【0005】
【考案が解決しようとする課題】ところで、前記圧縮エ
ンジンブレーキ装置においては、高圧縮されたエアを回
収したときには、エア回収ポートに接続されたタンクか
らのエアがエンジン側へ逆流するのを防止するために、
弁体を迅速に閉弁する必要がある。
【0006】しかし、従来の圧縮エンジンブレーキ装置
においては、弁棒に連結されたピストンを摺動自在に収
納するエアシリンダ室内のエアがピストンの作動に応じ
て瞬時に大気に排出されるようになっているため、エア
シリンダ室内にエアを供給して弁体を閉弁するのに時間
を要し、弁体を瞬時に閉弁することができない。
【0007】本考案の目的は、弁体をきわめて迅速に開
閉させることができる圧縮エンジンブレーキ装置に使用
される弁装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本考案に係る圧縮エンジ
ンブレーキ装置に使用される弁装置は、ボデーに形成さ
れているシリンダ室と、シリンダ室に摺動自在に嵌装さ
れてシリンダ室を第1室と第2室とに分割するピストン
と、ピストンにその一端が連動されている弁棒と、弁棒
の他端に形成されている弁体と、ボデーの前記シリンダ
室と離間した位置に配設されているバルブシート部材
と、バルブシート部材に開設され、前記弁体によって開
閉される弁口と、ピストンに弁体を閉弁させる方向の付
勢力を与える弾性体と、前記弁棒と前記ボデーとの間に
前記弁棒と平行に形成され弁口に連通されている流体通
路と、前記シリンダ室の第1室と第2室とに対して流体
を給排する流体圧弁装置と、前記ピストンに前記シリン
ダ室の第1室と第2室とを連通させるように開設されて
いる連通孔とを備えていることを特徴とする。
【0009】本考案に係る圧縮エンジンブレーキ装置に
使用される弁装置は、ボデーに形成されているシリンダ
室と、シリンダ室に摺動自在に嵌装されてシリンダ室を
第1室と第2室とに分割するピストンと、ピストンにそ
の一端が連動されている弁棒と、弁棒の他端に形成され
ている弁体と、ボデーの前記シリンダ室と離間した位置
に配設されているバルブシート部材と、バルブシート部
材に開設され、前記弁体によって開閉される弁口と、ピ
ストンに弁体を閉弁させる方向の付勢力を与える弾性体
と、弁口に連通されている流体通路と、前記シリンダ室
の第1室と第2室とに対して流体を給排する流体圧弁装
置とを備えている圧縮エンジンブレーキ装置に使用され
弁装置において、前記流体圧弁装置は、圧力源および
前記シリンダ室の第1室に接続された圧力ポートと、前
記シリンダ室の第2室に接続された負荷ポートと、ドレ
ンされるドレンポートと、前記負荷ポートに接続された
弁室と、この弁室の片側に開設され、前記ドレンポート
が接続されている第1弁口と、弁室の他側に開設され、
前記圧力ポートが接続されている第2弁口と、第1弁口
および第2弁口とにそれぞれ形成されている第1弁座お
よび第2弁座と、第1弁座と第2弁座との間に第1弁口
および第2弁口とを開閉するように介設されている弁体
と、弁体を第1弁座を閉じる方向に常時付勢するバルブ
スプリングと、励磁時にバルブスプリングの付勢力に抗
して弁体を第2弁座の方向に押して、弁体によって第1
弁口を開けさせるとともに、第2弁口を閉じさせるソレ
ノイドとを備えており、前記第1弁座の有効面積が第2
弁座の有効面積よりも小さくなるように設定されている
ことを特徴とする。
【0010】
【作用】前記した第1の手段によれば、ピストンにはシ
リンダ室の第1室と第2室とを連通させる連通孔が開設
されているので、流体圧弁装置の制御によって流体がシ
リンダ室の第2室から排出される際、シリンダ室の第1
室内の流体が第2室に漏洩され、ピストンを開弁方向に
付勢する力が連通孔を通過する流体によって弱められ
る。また、第2室内の流体の排出が遅れる。
【0011】このため、シリンダ室内には残圧が生じ、
次回の流体圧弁装置による切換作動によってシリンダ室
の第2室に流体が供給される時には、第2室に流体が早
く充填されることになる。その結果、弁体を瞬時に閉弁
作動させることができる。
【0012】また、前記した第2の手段によれば、弁
の受圧面積はソレノイド側よりもバルブスプリング路側
の方が大きく設定されているので、ソレノイドによる切
換作動を早めることができ、連通孔を設けたことによる
弁体の開弁時間の遅れを補うことができるとともに、シ
リンダ室への流体の充填時間を早めることができる。
【0013】さらに、バルブスプリングによる復帰作動
も早めることができる。
【0014】
【実施例】図1は本考案の一実施例である圧縮エンジン
ブレーキ装置に使用される弁装置を示す正面断面図、図
2(a)、(b)は図1に示す弁装置の作用を説明する
ための各一部省略正面断面図、図3は空圧弁装置を示す
拡大正面断面図、図4(a)、(b)は作用を説明する
ための各回路図、図5(a)はピストンの作動状態を説
明するための特性図、図5(b)は弁体の開弁時の応答
時間を示す特性図、図5(c)は弁体の閉弁時の応答時
間を示す特性図である。
【0015】本実施例において、本考案に係る圧縮エン
ジンブレーキ装置に使用される弁装置は、トラック等の
車両に搭載されるディーゼルエンジンに適用されるよう
に構成されている。この弁装置(以下、エンジンブレー
キ弁ということがある。)1は、エンジンの吸気弁およ
び排気弁(図示せず)とは別に、ディーゼルエンジンの
シリンダヘッド3に設備されている。
【0016】すなわち、このディーゼルエンジン(以
下、単にエンジンという。)のシリンダヘッド3にはバ
ルブシート部材6が嵌め込まれて固定されており、この
バルブシート部材6にはエア通路5がエンジンシリンダ
室4に連通するように開設されている。エンジンブレー
キ弁1のボデーの一部を実質的に構成しているシリンダ
ヘッド3に嵌着されたバルブシート部材6におけるエア
通路5のエンジンシリンダ室4との接続箇所には、エン
ジンブレーキ弁1の弁口7が開設されており、弁口7の
周囲には弁座8がエンジンシリンダ室4側(以下、下側
とする。)に向けられて形成されている。
【0017】そして、エンジンブレーキ弁1の弁体2は
弁座8に内側(下側)から離着座して、弁口7を開閉す
るように設けられており、弁体2には弁棒9がエンジン
シリンダ室4と反対側(以下、上側とする。)に突出す
るように一体的に連設されている。この弁棒9の下端部
はエア通路5内に挿通されており、弁棒9の上端側はボ
デー16に挿入されている。弁棒9の上端部にはコッタ
10Aを介して上側スプリングシート10が連結されて
いるとともに、ピストン11が突合状態で冠着されてい
る。
【0018】そして、本実施例において、このピストン
11には連通孔11aが、後記するエアシリンダ室25
における上側室と下側室とを連通させるように開設され
ている。連通孔11aは絞り弁を実質的に構成するよう
に、所定の内径に設定されており、後述するように、上
側室から下側室へのエアの流通を制御するようになって
いる。
【0019】弁棒9の中間部外周には筒状のガイド部1
2、可動ガイド部材としてのブッシュ13および下側ス
プリングシート14が摺動自在に嵌合されている。ガイ
ド部12はバルブシート部材6と一体的に形成されてい
る。ガイド部12の外側には筒状のスリーブ15が配さ
れており、このスリーブ15は両端がバルブシート部材
6とボデー16とにそれぞれねじ込まれることにより固
定されている。
【0020】バルブシート部材6のガイド部12とスリ
ーブ15とには、環状のエア排出口17とエア通路18
とがそれぞれ形成されている。そして、エア通路18は
ボデー16に開設されたエア回収ポート19に連通され
ている。
【0021】ブッシュ13はボデー16の中間部に没設
された環状溝22内に、弁棒9の軸方向および径方向に
それぞれ若干宛移動し得るように嵌合されており、その
ため、ブッシュ13は可動ガイド部材を実質的に構成し
ていることになる。そして、可動ガイド部材としてのブ
ッシュ13はエア通路18内の圧力に応じて弁棒9の軸
方向(上下方向)に沿って往復移動するように、かつ、
弁棒9の動きに追従して径方向に微動するようになって
いる。
【0022】すなわち、ブッシュ13は円形リング形状
の支持部20と、円筒形状のガイド部21とを備えてお
り、円形リング形状の支持部20および円筒形状のガイ
ド部21の中空部内に弁棒9の中間部が軸方向に摺動自
在に挿入されている。したがって、弁棒9はブッシュ1
3に摺動自在に支承された状態になっている。
【0023】そして、ブッシュ13の支持部20がボデ
ー16の中間部に没設された円形の環状溝22内に嵌入
されている。この支持部20の厚さは環状溝22の深さ
よりも若干薄く設定されており、支持部20の環状溝2
2内への嵌入状態において、支持部20と環状溝22と
の上下位置には、微小の間隙Aが構成されるようになっ
ている。この上下位置の微小な間隙Aの分だけ、ブッシ
ュ13は軸方向に移動し得ることになる。そして、支持
部20と下側スプリングシート14との間にはシールリ
ング24が装着されている。
【0024】また、ブッシュ13の支持部20の外径は
環状溝22の内径よりも若干小さく設定されており、支
持部20の環状溝22内への嵌入状態において、支持部
20の外周と環状溝22の内周との間には、微小の間隙
Bが構成されるようになっている。この径方向に位置す
る微小な間隙Bの分だけ、ブッシュ13は径方向に移動
し得ることになる。
【0025】そして、弁体2が閉弁状態にあるときに
は、ブッシュ13は支持部20が図2(a)に示されて
いるように環状溝22の中で摺動自在な状態になる。こ
の状態において、ブッシュ13は弁棒9に支承された状
態になっている。したがって、弁棒9はその殆どが、バ
ルブシート部材6のガイド部12に摺動自在に支承され
ている。そして、弁棒9がバルブシート部材6のガイド
部12に支承されているため、弁棒9の先端部に形成さ
れた弁体2は、バルブシート部材6に形成された弁座8
に適正に着座された状態になっており、弁体2は弁口7
についてのシール状態を確実に維持した状態になってい
る。
【0026】他方、弁体2が開弁状態にあるときには、
エア通路18内のエアの圧力によって、ブッシュ13の
支持部20がスプリングシート14側へ押されるため、
図2(b)に示されているように、支持部20は環状溝
22の底面23から離され、スプリングシート14の底
面に押接されることになる。この状態において、ブッシ
ュ13は弁棒9の支承について充分に寄与した状態にな
っている。したがって、弁棒9はバルブシート部材6の
ガイド部12とブッシュ13とによって摺動自在に支承
されている。そして、弁棒9の先端部に形成された弁体
2は、バルブシート部材6に形成された弁座8から離座
された状態になっており、弁体2は弁口7を開放した状
態になっている。
【0027】下側スプリングシート14はボデー16と
ともに、エンジンブレーキ弁1のエアシリンダ室25を
形成するようになっており、上側スプリングシート10
と下側スプリングシート14との間にはエンジンブレー
キ弁1のバルブスプリングとしての圧縮スプリング26
が装着されている。そして、圧縮スプリング26の弾発
力が上側スプリングシート10を介して弁棒9に付勢さ
れており、この付勢力は弁体2が弁口7を閉塞する方向
に作用するようになっている。
【0028】エアシリンダ室25はピストン11によっ
第1室としての上側室25aと、第2室としての下側
室25bとに分割されている。この上側室25aおよび
下側室25bには流体圧弁装置としての空圧弁装置30
が接続されており、この空圧弁装置30の制御によって
ピストン11が上下動されるようになっている。
【0029】図4に示されているように、空圧弁装置
0は3ポート・2位置・電磁切換弁として構成されてい
る。すなわち、空圧弁装置30は圧力源としてのエアタ
ンク31に接続された圧力ポート32と、負荷ポート3
3と大気に接続された大気ポート34とを備えており、
弁体2によって弁口7が閉じられた状態において、圧力
ポート32と負荷ポート33とが連通され、大気ポート
34が閉塞された状態になっている。
【0030】そして、圧力ポート32にはエアシリンダ
室25の上側室25aが給気路35を介して接続されて
いる。この給気路35は前記エア通路18に接続されて
おり、このエア通路18と共にエアタンク31に接続さ
れている。
【0031】他方、負荷ポート33にはエアシリンダ室
25の下側室25bが給排気路36を介して接続されて
いる。この負荷ポート33は空圧弁装置30の切換作動
位置において、後記する弁体の作動によって大気ポート
34に接続されるようになっている。したがって、この
状態において、下側室25bは給排気路36→負荷ポー
ト33→大気ポート34、を通じて大気に連通されるよ
うになっている。
【0032】また、図3に示されているように、空圧弁
装置30は弁室40を備えている。弁室40には第1弁
口41と第2弁口42とが互いに対向する両側位置にそ
れぞれ開設されており、両弁口41と42とにはこれら
を取り囲むように、第1弁座43と第2弁座44とがそ
れぞれ形成されている。この第1弁座43と第2弁座4
4との間には空圧弁装置30の弁体としてのボール45
が介設されており、このボール45が両弁座43、44
に離着座することにより、第1弁口41と第2弁口42
とが開閉されるようになっている。
【0033】第1弁口41側にはピン46が収容されて
おり、第2弁口42側には空圧弁装置30のバルブスプ
リング47が収容されている。このスプリング47はボ
ール45を第1弁座43に着座させる方向に常時付勢す
るように構成されている。したがって、通常時、ボール
45によって、第1弁口41が閉じられ、第2弁口42
が開かれるようになっている。
【0034】第1弁口41側には空圧弁装置30の操作
手段としてのソレノイド48が設備されている。ソレノ
イド48は励磁によってボール45をバルブスプリング
47に抗して第2弁座44に着座させる方向にピン46
を介して押し戻すように構成されている。したがって、
切換作動時、ボール45によって第1弁口41が開か
れ、第2弁口42が閉じられるようになっている。
【0035】この空圧弁装置30において、弁室40に
おけるボール45の外方位置には負荷ポート33が開設
されており、この負荷ポート33に接続するように給
気路36がボデー16に形成されている。第1弁口41
には大気ポート34が接続されており、第2弁口42に
は圧力ポート32が接続されている。
【0036】そして、本実施例において、第1弁座43
の有効面積S1は第2弁座44の有効面積S2よりも小
さくなるように設定されている。
【0037】次に作用を説明する。ディーゼルエンジン
の通常運転時には、空圧弁装置30のソレノイド48は
消磁状態にあり、ボール45によって第2弁口42が開
放され、圧力ポート32と負荷ポート33とが連通され
た状態になっている。そして、圧力ポート32はエアシ
リンダ室25の上側室25aに連通されており、負荷ポ
ート33はエアシリンダ室25の下側室25bに連通さ
れているため、この状態においては、エアシリンダ室2
5内における上室25aと下側室25bとの圧力が等
しくなる。
【0038】したがって、ブッシュ13は支持部20が
図2(a)に示されているように環状溝22の中で摺動
自在な状態になる。この状態において、ブッシュ13は
弁棒9に支承された状態になっている。したがって、弁
棒9はバルブシート部材6のガイド部12に摺動自在に
支承されている。そして、弁棒9がバルブシート部材6
のガイド部12に支承されているため、弁棒9の先端部
に形成された弁体2は、バルブシート部材6に形成され
た弁座8に適正に着座された状態になっており、弁体2
は弁口7についてのシール状態を確実に維持した状態に
なっている。
【0039】次に、アクセルペダルが急に離されたとき
等のように、エンジンブレーキが所望される事態が検知
されると、コントローラ(図示せず)の制御に従って
圧弁装置30のソレノイド48が励磁されて、ボール4
5が押されることにより、空圧弁装置30が切り換えら
れる。これにより、第2弁口42が閉じられ、第1弁口
41が開かれるため、給排気路36および大気ポート3
4を介してシリンダ室25におけるピストン11の下側
室25bが大気に連通される。他方、圧力ポート32と
負荷ポート33との間は閉じられるが、エアシリンダ室
25におけるピストン11の上側室25aにはエア通路
18の圧力が供給されている。このため、ピストン11
には上側室25aの圧力がピストン11を押し下げるよ
うに作用する。
【0040】このピストン11の上側室25aのエア圧
が圧縮スプリング26の付勢力に抗してピストン11に
作用すると、ピストン11がエンジンシリンダ室4側に
押し下げられる。ピストン11の下降によって、ピスト
ン11に連動されている弁棒9が下降するため、弁棒9
に一体となった弁体2が下降することによって弁口7が
開かれる。
【0041】このようにして弁口7が弁体2によって開
かれた時に、ディーゼルエンジンがその圧縮行程におけ
る上死点付近になるようにコントローラによって制御さ
れていると、エンジンシリンダ室4において、エンジン
のピストンによって圧縮された空気は、弁口7からエア
通路18に流出し、エア回収ポート19を経てエアタン
ク31に排出される。
【0042】この圧縮行程における被圧縮空気の排出に
より、ディーゼルエンジンにおいては圧縮エネルギが消
費されるとともに、燃料が供給されていないため、爆発
が発生せず、エンジンブレーキがきわめて効果的に実行
されることになる。
【0043】一方、シリンダ室25におけるピストン1
1の下側室25bの圧縮空気が大気に連通して排出さ
れ、エア通路18の圧力よりも下がると、図2の(b)
に示されているように、ブッシュ13がスプリングシー
ト14側へ移動されることにより、支持部20がスプリ
ングシート14に押接される。この状態において、ブッ
シュ13は弁棒9の支承について充分に寄与した状態に
なっている。したがって、弁棒9はバルブシート部材6
のガイド部12とブッシュ13とによって摺動自在に支
承された状態になっている。そして、弁棒9の先端部に
形成された弁体2は、バルブシート部材6に形成された
弁座8から離座された状態になっており、弁体2は弁口
7を開放した状態になっている。
【0044】その後、圧縮行程から膨張行程に移行し、
所定の時間が経過すると、空圧弁装置30のソレノイド
48が消磁されることによって、空圧弁装置30が元の
状態へ切り換えられる。すなわち、ボール45は第2弁
口42を開くとともに、第1弁口41を閉じた状態にな
る。この切換作動により、空圧弁装置30の大気ポート
34が閉じられ、圧力ポート32と負荷ポート33とが
連通されるため、エアシリンダ室25におけるピストン
11の下側室25bにエアが供給され、ピストン11は
スプリング26の付勢力とあいまって元の状態に戻され
る。
【0045】ところで、ピストン11に連通孔11aが
開設されていない場合、図5(a)に示されている特性
曲線Aの通り、前述した空圧弁装置30の大気ポート3
4と下側室25bとの連通作動時、下側室25bの圧力
は大気圧まで低下する。このように、下側室25bの圧
力が大気圧まで低下すると、前述した空圧弁装置30の
復帰作動において下側室25bが圧力ポート32に連通
された際、下側室25bの圧力がピストン11を復帰さ
せる圧力に戻るまでの時間に遅れが発生する。すなわ
ち、下側室25bには大気圧状態から圧力を上昇させる
エアを供給する必要があるためである。
【0046】しかし、本実施例においては、ピストン1
1に上側室25aと下側室25bとを連通させる連通孔
11aが開設されているため、図5(a)の特性曲線B
に示されている通り、下側室25bの圧力がピストン1
1を復帰作動させる圧力まで戻る時間は早くなる。すな
わち、前述した空圧弁装置30の大気ポート34と下側
室25bとの連通作動時、上側室25aのエアは下側室
25bに連通孔11aを通じて除々に漏洩されるため、
下側室25bが大気圧まで低下することはない。そし
て、下側室25bの圧力が大気圧に低下する以前に、前
述した空圧弁装置30の復帰作動が実行されるため、大
気圧にまで低下しない分、下側室25bの圧力がピスト
ン11を復帰作動させる圧力に戻るまでの時間は早くな
る。
【0047】このようにして、下側室25bの圧力が早
く回復すると、ピストン11が下側室25bの圧力によ
り早く復帰作動されるため、ピストン11に連動した弁
体2により弁口7が迅速に閉じられることになる。した
がって、エアタンク31の高圧エアが弁口7を通じてエ
ンジンシリンダ室4に逆流する現象は、未然に防止され
ることになる。
【0048】ところで、一般に、ソレノイドの吸引開始
時における吸引力は小さい。したがって、ソレノイド4
8がボール45を弁室40側の圧力に抗して押し始める
時における押力Fは小さい。
【0049】そこで、本実施例においては、第1弁座4
3における有効面積S1 を第2弁座44における有効面
積S2 よりも小さく設定することにより、ソレノイド4
8によってボール45を効果的に押させるように構成し
ている。すなわち、第1弁座43の有効面積S1 が小さ
いと、ボール45に作用する力(S1 ×P)が小さくな
るため、ソレノイド48はこの作用力が小さくなった分
だけ、ボール45を容易に押力することができる。
【0050】このようにして、ソレノイド48によって
ボール45を容易に押させることにより、第1弁口41
を早く開放させることができるため、下側室25bを大
気に早く開放させることができる。したがって、ピスト
ン11に連通孔11aが開設されることによって、前述
したように下側室25bの圧力の低下が遅れることによ
る弁体2の開放作動時間の遅れを、この第1弁口41を
早く開かせる作用によって補うことができる。
【0051】また、ソレノイド48の吸引力Fを、第1
弁座43へのボール45の着座時におけるボール45へ
の作用力(S1 ×P)よりも大きく設定することによ
り、ソレノイド48の印加電圧、供給電圧の変動による
ソレノイド48の応答遅れへの影響を抑制することがで
きる。
【0052】反対に、ソレノイド48の吸引力Fはその
ストロークの終期において最大となる。したがって、ボ
ール45を第2弁座44に着座させている状態におい
て、ソレノイド48の吸引力Fは最大になっている。
【0053】他方、ソレノイド48によってボール45
が第2弁座44に着座するまで押されると、バルブスプ
リング47は圧縮されるため、弾発力Eをその圧縮され
た分だけ高められることになる。
【0054】そこで、本実施例においては、第2弁座4
4の有効面積S2 を大きく設定することによって、エア
シリンダ室25の下側室25bへのエア充填時間を短縮
化するように構成している。すなわち、第2弁座44の
有効面積S2 が大きく設定されていることにより、第2
弁口42の流路面積が大きくなるため、第2弁口42を
通じて大量のエアを短時間に下側室25bに供給するこ
とができる。
【0055】ここで、第2弁座44の有効面積S2 が大
きくなると、ボール45に作用する力(S2 ×P)が大
きくなる。しかし、この状態におけるソレノイド48の
吸引力Fは最大であるから、この作用力(S2 ×P)を
充分に支えて、ボール45を第2弁座44に確実に着座
させておくことができる。
【0056】また、ソレノイド48の消磁時における残
留吸引力に対しボール45に作用する力(S2 ×P)が
大きいことにあいまって、バルブスプリング47が圧縮
されて蓄力されているため、ソレノイド48の残留吸引
力に打ち勝ってボール45を充分に早く押し戻すことが
できる。したがって、ボール45を早く押し戻して第2
弁口42を早く開くとともに、第1弁口41を早く閉じ
ることができる。また、ソレノイド48における供給電
力および印加電圧の変動による作動誤差の発生を抑制す
ることができる。
【0057】
【考案の効果】以上説明したように、本考案によれば、
ピストンにシリンダ室の上側室とシリンダ室の下側室と
を結ぶ連通孔を開設したため、下側室内の流体が室外へ
排出される際に、下側室内に残圧を生じさせることがで
き、下側室内に流体を充填するときの充填時間を短縮す
ることができ、弁装置の閉弁時における応答性を早める
ことができる。
【0058】また、空圧弁装置の有効面積は大気ポート
側よりも圧力ポート側の方が大きく設定されているた
め、シリンダ室への流体の充填時間を早めることができ
るとともに、ピストンに連通孔を開設したことによる弁
体の開弁時間の遅れを補うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の一実施例である圧縮エンジンブレーキ
装置に使用される弁装置を示す正面断面図である。
【図2】図1に示す弁装置の作用を説明するための各一
部省略正面断面図である。
【図3】圧弁装置を示す拡大正面断面図である。
【図4】作用を説明するための各回路図である。
【図5】(a)はピストンの作動状態を説明するための
特性図、(b)は弁体の開弁時の応答時間を示す特性
図、(c)は弁体の閉弁時の応答時間を示す特性図であ
る。
【符号の説明】
1…圧縮エンジンブレーキ装置に使用される弁装置、2
…弁体、3…シリンダヘッド、4…エンジンシリンダ
室、5…エア通路、6…バルブシート部材、7…弁口、
8…弁座、9…弁棒、10…上側スプリングシート、1
0A…コッタ、11…ピストン、11a…連通孔、12
…バルブシート部材のガイド部、13…ブッシュ、14
…下側スプリングシート、15…スリーブ、16…ボデ
ー、17…エア排出口、18…エア通路、19…エア回
収ポート、20…支持部、21…ガイド部、22…環状
溝、23…底面、24…シールリング、25…エアシリ
ンダ室、25a…上側室(第1室)、25b…下側室
(第2室)、26…圧縮スプリング、30…空圧弁装置
(流体圧弁装置)、31…エアタンク、32…圧力ポー
ト、33…負荷ポート、34…大気ポート、35…給
路、36…給排気路、40…弁室、41…第1弁口、4
2…第2弁口、43…第1弁座、44…第2弁座、45
…ボール、46…ピン、47…バルブスプリング、48
…ソレノイド。

Claims (2)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ボデーに形成されているシリンダ室と、
    シリンダ室に摺動自在に嵌装されてシリンダ室を第1室
    と第2室とに分割するピストンと、ピストンにその一端
    が連動されている弁棒と、弁棒の他端に形成されている
    弁体と、ボデーの前記シリンダ室と離間した位置に配設
    されているバルブシート部材と、バルブシート部材に開
    設され、前記弁体によって開閉される弁口と、ピストン
    に弁体を閉弁させる方向の付勢力を与える弾性体と、
    記弁棒と前記ボデーとの間に前記弁棒と平行に形成され
    弁口に連通されている流体通路と、前記シリンダ室の第
    1室と第2室とに対して流体を給排する流体圧弁装置
    と、前記ピストンに前記シリンダ室の第1室と第2室と
    を連通させるように開設されている連通孔とを備えてい
    ことを特徴とする圧縮エンジンブレーキ装置に使用さ
    れる弁装置。
  2. 【請求項2】 ボデーに形成されているシリンダ室と、
    シリンダ室に摺動自在に嵌装されてシリンダ室を第1室
    と第2室とに分割するピストンと、ピストンにその一端
    が連動されている弁棒と、弁棒の他端に形成されている
    弁体と、ボデーの前記シリンダ室と離間した位置に配設
    されているバルブシート部材と、バルブシート部材に開
    設され、前記弁体によって開閉される弁口と、ピストン
    に弁体を閉弁させる方向の付勢力を与える弾性体と、弁
    口に連通されている流体通路と、前記シリンダ室の第1
    室と第2室とに対して流体を給排する流体圧弁装置とを
    備えている圧縮エンジンブレーキ装置に使用される弁装
    置において、 前記流体圧弁装置は、圧力源および前記シリンダ室の第
    1室に接続された圧力ポートと、前記シリンダ室の第2
    室に接続された負荷ポートと、ドレンされるドレンポー
    トと、前記負荷ポートに接続された弁室と、この弁室の
    片側に開設され、前記ドレンポートが接続されている第
    1弁口と、弁室の他側に開設され、前記圧力ポートが接
    続されている第2弁口と、第1弁口および第2弁口とに
    それぞれ形成されている第1弁座および第2弁座と、第
    1弁座と第2弁座との間に第1弁口および第2弁口とを
    開閉するように介設されている弁体と、弁体を第1弁座
    を閉じる方向に常時付勢するバルブスプリングと、励磁
    時にバルブスプリングの付勢力に抗して弁体を第2弁座
    の方向に押して、弁体によって第1弁口を開けさせると
    ともに、第2弁口を閉じさせるソレノイドとを備えてお
    り、 前記第1弁座の有効面積が第2弁座の有効面積よりも小
    さくなるように設定されていることを特徴とする圧縮エ
    ンジンブレーキ装置に使用される弁装置。
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JPS6375456A (ja) * 1986-09-19 1988-04-05 株式会社 鷺宮製作所 パイロツト弁を有する大型膨張弁
JPH051610Y2 (ja) * 1988-03-31 1993-01-18

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