JP2563957B2 - 可撓性光導波路の製造方法 - Google Patents

可撓性光導波路の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) この発明は、高屈折率の透明ゴム状弾性体をコアと
し、低屈折率のゴム状弾性体をクラッドとする可撓性光
導波路の製造方法に関し、とくには、コアとクラッドと
の境界部分での光線の散乱損失、その他を有効に防止し
て、光伝送特性を十分に向上させるものである。
(従来の技術) この種の可撓性光導波路の、従来既知の製造方法して
は、たとえば特開昭61−259202号公報に開示されたもの
がある。
この製造方法は、コアおよびクラッドを形成するため
のそれぞれの液状ポリマーを、コア形成用の液状ポリマ
ーを内層とし、クラッド形成用の液状ポリマーを外層と
して同心ノズルから流下させ、この流下中に、それらの
両液状ポリマーを、放射線もしくは紫外線の照射、また
は加熱によって同時に加硫させるものであり、この方法
によれば、少なくともコアが、ゴム状の弾性特性を有す
る長尺のエラストマー製光ファイバーがもたらされる。
(発明が解決しようとする課題) ところが、かかる従来技術にあっては、コア形成用の
液状ポリマーとクラッド形成用の液状ポリマーとを同心
ノズルから共押し出しすることとしており、それらの両
ポリマーがともに液状であることから、流下中に、それ
らが相互に混じり合ってコアとクラッドとの境界面が不
明瞭になるという問題があった他、両液状ポリマーの流
下速度が、そこへ作用する重力の影響によって、押し出
し速度より速くなることから、最終直径の正確なコント
ロールが実質的に不可能であるという問題があり、これ
を防止するために、両液状ポリマーを、高い温度で迅速
に加硫した場合には、コアおよびクラッドに熱劣化が生
じ、また、半径方向内外部分での温度差が大きくなるこ
とに起因してコアの不均質な加硫が行われることによ
り、透明度のすぐれた光ファイバーを製造できないとい
う問題があった。
またここにおいて、共押し出しされる両ポリマーの粘
度を高めた場合には、それらの両ポリマーの境界面に
は、それぞれのノズルの表面粗さに起因する周方向の凹
凸の他、押し出し速度の変化に起因する長さ方向の凹凸
が発生することになり、このような凹凸は、コア内を伝
搬される光線に、クラッド内への放射波をもたらすとと
もに、モード変換をもたらすので、散乱損失やモード変
換によるモード間の結合現象が生じて光伝送損失が増加
するという問題があった。
この発明は、従来技術のかかる問題を有利に解決する
ものであり、コア材料とクラッド材料との混じり合いを
十分に防止するとともに、最終直径のコントロールを可
能ならしめ、また、コアおよびクラッドの熱劣化を防止
する他、コアのすぐれた透明度をもたらし、さらには、
コア材料とクラッド材料との境界面、正確には、コア材
料の外側に介在させたコーティング材料とクラッド材料
との境界面を、光学的に十分平滑ならしめることにて、
クラッド内への放射波の発生、モード変換などを有効に
防止して光伝送特性を十分に向上させることができる光
導波路の製造方法を提供するものである。
(課題を解決するための手段) この発明の、可撓性光導波路の製造方法は、とくに、
透明コア材料をノズルから押し出し、この透明コア材料
を加硫する前もしくは後に、その周面に、液状をなす低
粘度の透明コーティング材料を、ディッピング、吹き付
け、塗り付けなどの適宜なる方法にて塗布し、次いで、
透明コア材料および透明コーティング材料、または透明
コーティング材料だけを加熱によって加硫し、また、透
明コーティング材料の周面に、液状のクラッド材料を前
述したと同様にして塗布し、そしてこのクラッド材料
を、紫外線、放射線もしくは電子線の照射または加熱に
よって加硫することよりなる。
またここでは、透明コア材料を、透明母材に、この透
明母材の屈折率と実質的に等しい屈折率を有する透明微
粒子を混入させることにてを構成することもできる。
(作 用) この方法によれば、ノズルから押し出されるのがコア
材料のみであり、またそのコア材料は、クラッド材料の
塗布前に加硫硬化されることから、それがクラッド材料
と混じり合うおそれは全くなく、しかも、そのコア材料
の早期の加硫に基づき、コア材料の、自重による伸びが
有効に防止されるので、コア直径のコントロールが極め
て容易になる。
また、コア材料の加硫を十分早い時期に開始すること
により、その加硫を、比較的低温でゆっくり行うことが
でき、これがため、コアの熱劣化を防止し、併せて、そ
れの半径方向の全体にわたって、十分均質な加硫を行う
ことができる。なお、同様の低温加硫は、クラッド材料
に対しても行うことができ、このことにて、クラッドの
熱劣化もまた十分に防止することができる。
なおここで、透明コア材料を、透明母材に、それの屈
折率と実質的に等しい屈折率を有する透明微粒子を混入
させることによって構成して、透明コア材料の粘度を高
めた場合には、その自重の影響に起因するコア直径の変
化がより有効に防止されることになり、高い生産性の下
で、コア材料の直径をその全長にわたってより均一なも
のとすることができるとともに、コア直径のコントロー
ルを一層容易ならしめることができる。
加えて、ここでは、透明コア材料をノズルから押し出
した後に、その周面に低粘度の透明コーティング材料を
塗布することにより、透明コア材料の周面に発生した周
方向および長さ方向の凹凸を、透明コーティング材料に
てほぼ完全に埋め合わせることができ、また、その透明
コーティング材料を、それのコア材料への塗布の直後
に、そのコア材料とともに、または単独にて加硫するこ
とにより、低粘度の透明コーティング材料の、流下、た
れ落ちなどを防止して、その外周面を十分に平滑ならし
めることができるとともに、それの、コア材料への確実
なる固着をもたらすことができる。
従って、このことによれば、好ましくは、透明コア材
料と等しい屈折率を有する透明コーティング材料によっ
て、コア材料周面の凹凸をほぼ完全に補い、かつ、クラ
ッド材料の付着面を光学的な平滑面とすることができ
る。
そして、ここではさらに、クラッド材料をもまた、透
明コーティング材料の周面に、塗布によって付着させる
ことにより、クラッド材料の、とくに内周面への凹凸の
発生を確実に防止して、それとコーティング材料との境
界面をもまた、透明コーティング材料周面の平滑度に応
じた平滑面とすることができる。
これがため、この方法にて製造された可撓性光導波路
では、透明コーティング材料とクラッド材料との境界面
が十分明確で、かつ平滑であることにより、その面にお
ける光線の放射、モード変換などが有効防止されること
になり、光伝送特性が十分に向上されることになる。
(実施例) 以下にこの発明を図示例に基づいて説明する。
第1図はこの発明の実施装置を例示する略線図であ
る。
図中1は押出装置を示し、この押出装置1は、スクリ
ュー2の回転運動に基づき、透明コア材料3をノズル4
から、ここでは下方へ向けて押し出すべく機能する。
なお、透明コア材料3のこの押し出し方向は、上方も
しくは横方向または斜め上方向もしくは下方向とするこ
とも可能である。
ここで、ノズル4から押し出される透明コア材料3
は、それが加硫されるまでの間に、流動、変形などを起
さない程度の粘性を有することが、コア材料3を所定の
寸法および形状に維持する上で好ましく、これがために
は、それを可塑度でいい換えた場合に、ウィリアムズ可
塑度で50〜1000とすることが好ましい。
また、かかる透明コア材料3としては、クロロプレン
ゴム、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、シリコンゴ
ム、アクリルゴム、ウレタンゴム、エチレンプロピレン
ゴム、エチレンプロピレンターポリマー、エピクロルヒ
ドリンゴムなどの合成ゴムを用いることができる。
ところで、ここにいう透明コア材料3は、透明母材
に、その屈折率と実質的に等しい屈折率を有する透明微
粒子を混入させることにて構成することもでき、この場
合、透明母材の材料としては、上述した透明コア材料用
の各種材料中からいずれかを選択することができ、ま
た、透明微粒子の材料としては、それの屈折率と、透明
母材の屈折率との差が、好ましくは0.01以下である材
料、例えば、ガラス、シリカ、石英粉などの無機系材料
またはシリコーンポリマー、アクリル系ポリマー、ポリ
スチレン、シリコンゴムなどの有機系材料中から選択さ
れるものを用いることができる。なおこれらの中で、乾
式シリカを用いた場合には、光の波長に対して粒径が極
めて小さく、また不純物が極微量であるため、光学的特
性に優れた透明コア材料3をもたらすことができ、併せ
て、少量の混入により、透明コア材料3の流動特性を大
きく変化させることができる。また、かかる透明微粒子
に対しては、それの、透明母材内での分散を内滑ならし
めるべく、シリコーン処理その他の適宜の表面処理を施
すことが好ましい。また、この透明微粒子は、粉体のま
まにて、またはペースト状にして透明母材に混入するこ
とができ、なかでも粉体のままでの混入に際しては、透
明微粒子の分散性を高めるための加工助剤、たとえばシ
ラザンを添加することもできる。
ここで、透明母材と透明微粒子との配合割合は、透明
コア材料3の所要粘度との関連の下で適宜に選択し得る
ことはもちろんであるが、好ましくは、透明コア材料3
が、それの押し出し工程において、最適な流動特性を示
し得る粘度、これを可塑度でいい換えた場合にはウィリ
アム可塑度で50〜1000となるような配合割合を選択す
る。これがためには、透明微粒子として乾式シリカを用
いた場合には、透明母材の100重量部に対して乾式シリ
カを、好ましくは2〜50部、より好ましくは10〜30部混
入させる。
そして、このようにして特定された配合割合の下で
の、透明微粒子の、透明母材への混入は、ミル、ロー
ル、ハンバリーミキサーなどのいずれかを単独で用いる
ことにより、またはそれらの二種以上を併用することに
より行うことができる。
ちなみに、透明母材として、フェニル基含有量が5〜
40%で、粘度が100万〜5000万cPのシリコンゴムを選択
するとともに、透明微粒子として、透明母材と屈折率の
等しいシリコーンポリマー微粒子を選択し、透明母材と
透明微粒子との配合割合を10:10〜10:3とした場合に
は、透明性および透明微粒子の分散性にすぐれ、しか
も、寸法安定性に極めてすぐれた透明コア材料3を押し
出すことができた。
次いでここでは、以上のようにしてノズル4から押し
出された透明コア材料3を、コーティング槽5に通過さ
せることにより、そのコーティング槽5に貯溜した、液
状をなす低粘度の透明コーティング材料6を透明コア材
料3に塗布し、引き続いて、それを加熱炉7に通過させ
ることにより、透明コア材料3および透明コーティング
材料6を、比較的低温で、半径方向へ十分均質に加硫す
る。
従って、ここにおいては、透明コア材料3の周面に、
ノズル4によって形成される凹凸を、コーティング材料
6にてほぼ完全に埋め合わせることができ、また、その
コーティング材料6の外表面を、それの速やかなる加硫
によって、光学的に十分平滑なものとすることができ
る。
ここで、液状をなす低粘度の透明コーティング材料6
は、その屈折率と、透明コア材料3の屈折率との差が0.
01以下であることが好ましく、なかでも、透明コア材料
3と同質の材料で、そりより重合度の低いものであるこ
とがより好ましい。
このようなコーティング材料6としては、クロロプレ
ンゴム、ブタジェンゴム、イソプレンゴム、ウレタンゴ
ム、シリコンゴム、アクリルゴム、エチレンプロピレン
ゴム、エチレプロピレンターポリマー、エピクロルヒド
リンゴムなどの合成ゴムで、粘度が1〜200Pの液状ゴム
を選択することができる。
なおここにおいて、以上に述べたそれぞれの材料中か
ら、透明コア材料3として、フェニル基含有量が5〜35
%のジメチルジフエニルポリシロキサンもしくはフェニ
ルメチルポリシロキサンで、ウイリアムズ可塑度が50〜
1000のシリコンゴムを選択した場合には、低粘度の透明
コーティング材料6として、粘度が1〜200Pの、ジメチ
ルジフェニルポリシロキサンもしくはフェニルメチルポ
リシロキサンからなる液状シリコンゴムのうち、フェニ
ル基含有量が、コア材料3と等しいものを選択すること
により、屈折率がともに等しく、透明性および耐熱性に
すぐれた、コア材料3とコーティング材料6との加硫済
み構造体8が得られた。
また、このことに加えて、透明コア材料3としてのシ
リコンゴムの加硫機構を、付加型とした場合には、加硫
触媒を極微量とすることができ、反応副生成物も微量に
なるため、構造体8の透明度が著しく向上することにな
る。
これらのことは、フェニル基含有量が5〜40%のジメ
チルジフェニルシロキサンもしくはフェニルメチルポリ
シロキサンからなるシリコンゴムを透明母材とし、それ
にシリコーンポリマー微粒子からなり、屈折率が透明母
材のそれと等しい透明微粒子を混入させて透明コア材料
3とした場合も同様であり、透明コーティング材料6と
して、粘度が1〜200Pのフェニルメチルポリシロキサン
からなる液状シリコンゴムのうち、フェニル基含有量が
透明母材と等しいものを選択することにより、接着性に
すぐれ、また屈折率がともに等しく、透明性および耐熱
性にすぐれた、コア材料3とコーティング材料6との加
硫済み構体8が得られた。
上述したところにおいて、透明コア材料3への透明コ
ーティング材料6の塗布は、図示のように、透明コア材
料3の加硫前に行うことの他、それの加硫後に行うこと
も可能であるが、コア材料3とコーティング材料6との
接着強度の向上のためには、図示の方法によることが好
ましい。また、ここにおける加硫手段としては、電気
炉、加熱水蒸気炉、熱液体炉、熱風炉などの加熱炉の
他、紫外線、放射線または電子線の照射装置を用いるこ
ともできる。
そしてその後は、このようにして形成された、コア材
料3とコーティング材料6との加硫済み構造体8を、ク
ラッド材料9を貯溜するコーティング槽10に通過させる
ことにて、その周面、ひいてはコーティング材料6の周
面にクラッド材料9を塗布し、次いで、それを加熱炉11
に通過させることにて、クラッド材料9に加硫を施し、
これらのことによって、高屈折率の透明ゴム状弾性体、
いいかえれば加硫済み構造体8をコアとし、低屈折率の
ゴム状弾性体をクラッドとする可撓性光導波路12をもた
らす。
ここで、製造されたかかる可撓性光導波路12は、プリ
ー13を介して巻取ドラム14上に巻回される。
このことによれば、クラッド材料9が、光学的に十分
平滑なコーティング材料6の外表面に、それと正確に対
応する状態にて塗布され、そして硬化されるので、ここ
における光導波路では、加硫済み構造体8とクラッド材
料9との境界面の凹凸に起因する光伝送損失を有効に防
止するとができる。
なおここで、加硫によってクラッドを形成するクラッ
ド材料9としては、液状シリコンゴム、液状フッ素ゴ
ム、液状ブタジェンゴム、液状エチレンプロピレンゴム
などの液状ゴム中から、構造体8より屈折率の低いもの
を選択して使用することができ、なかでもとくに、付加
反応型ジメチルポリシロキサンもしくは紫外線加硫型ジ
メチルシロキサンを用いた場合には、加硫時間を短縮し
てコーティング速度を高めることができる。またこの場
合において、加硫済み構造体8、とくにはその透明コー
ティング材料6をもシリコンゴムとしたときには、その
構造体8とクラッド材料9との接着力が高まるので、機
械的強度にすぐれた光導波路が得られる。
またここにおいて、上述したようなクラッド材料9の
塗布に際し、構造体8が完全に加硫されている場合に
は、一般的には加硫ゴムと未加硫ゴムとの加硫接着が困
難であることにより、それらの材質によっては、両者を
十分に加硫接着させ得ないおそれがある一方、それらの
間に接着剤を介在させたときには、その接着剤層が光導
波路の光学的特性を低下させることになるので、構造体
8が半加硫状態となるように、加熱炉7の長さおよび温
度ならびにコア材料3の押出速度を決定し、半加硫状態
の構造体上にクラッド材料9を塗布することが好まし
い。
以上この発明を図示例に基づいて説明したが、機械的
衝撃に対する保護および緩衝、迷光除去などの目的の下
で、クラッド材料9の外側に、プライマリーコート材、
バッファコート材、カバー材などを被覆することも可能
である。
以下に、この発明方法にて製造した可撓性光導波路の
光透過率試験について説明する。
〔試験例I〕
コア材料としての、付加反応型のフェニルメチルシリ
コン生ゴム(フェニル基含有量25%,重合度約5000)
を、1.8φのノズルから、5m/minの速度にて押し出し、
そこへ付加型反応型フェニルメチルシリコンゴム(フェ
ニル基含有量25%,粘度30P)からなるコーティング材
料を塗布した後、長さ1.0mの加熱炉(温度200℃)で、
それを加硫することによって、コア材料とコーティング
材料との加硫済み構造体をもたらし、次いで、その構造
体に、付加反応型ジメチルシリコンゴム(粘度30P)か
らなるクラッド材料を塗布し、しかる後、それを長さ1.
2m、温度200℃の加熱炉にて加硫することによって可撓
性光導波路を製造した。
このようにして得られた光導波路の直径は2.2φであ
り、それの白色広透過率は、1m当り90%であった。
〔試験例II〕
透明母材として、付加反応型のフェニルメチルシリコ
ンゴム(フェニル基含有量12%、粘度1000万cP)を選択
するとともに、透明微粒子として、透明母材と同じ屈折
率の乾式シリカを選択し、フェニルメチルシリコンゴム
に、その乾式シリカ(粒径5mμ)を20部、ミルおよびロ
ールを併用して均一に分散させることによって得た透明
コア材料を、1φのノズルから2m/minの速度にて押し出
し、そこへ付加反応型フェルメチルシリコンゴム(フェ
ニル基含有量12%、粘度1000cP)からなる透明コーティ
ング材料を塗布した後、長さ1.0mの加熱炉(温度300
℃)で、それを加硫することによって、コア材料とコー
ティング材料との加硫済み構造体をもたらし、次いで、
その構造体に付加反応型ジメチルシリコンゴム(粘度30
00cP)からなるクラッド材を塗布し、しかる後、それを
長さ1.0m、温度200℃の加熱炉にて加硫することによっ
て可撓性光導波路を製造した。
このようにして得られた光導波路の直径は約1.2mmで
あり、それの白色透過率は、1m当り55%であった。
(発明の効果) 従って、この発明によれば、コア材料だけをノズルか
ら押し出し、そしてそのコア材料を、クラッド材料の塗
布前に加硫することにて、コア材料とクラッド材料との
混じり合いを確実に防止してそれら両者の境界面を十分
明瞭ならしめることができ、また、コア材料を、コーテ
ィング材料の塗布前もしくは塗布後に早期に加硫するこ
とにより、そのコア材料の重力の影響による伸びを有効
に防止して、コア寸法を所期した通りの値とすることが
でき、さらに、そのコア材料を比較的低い温度でゆっく
り加硫することにて、コアの熱劣化を防止してそれの透
明度を著しく高めることができる。
そしてまたここでは、透明コーティング材料の塗布に
よって、ノズルから押し出された透明コア材料の、周方
向および長さ方向の凹凸を完全に埋め合わせることがで
きるとともに、そのコーティング材料の早期の加硫によ
って、その外周面、いいかえればクラッド材料の付着面
を十分平滑にすることができ、しかも、クラッド材料を
もまたコーティング材料の周面に、塗布によって付着さ
せることにより、クラッド材料内周面への凹凸の発生を
確実に防止して、それとコーティング材料との境界面
を、コーティング材の外周面と対応する平滑面とするこ
とができるので、その境界面の凹凸に起因する光伝送損
失が極めて有効に除去されることになる。
しかも、透明コア材料を、透明母材に、それの屈折率
と実質的に等しい屈折率を有する透明微粒子を混入させ
ることによって構成して、透明コア材料の流動特性を改
善した場合には、ノズルから押し出されたコア材料の、
重力の影響下での伸びを一層有効に防止して、コア直径
を、その全長にわたって十分均一なものとすることがで
きるとともに、より高い精度にてコントロールすること
ができる。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明の実施装置を例示する略線図である。 1……押出装置、3……透明コア材料 4……ノズル 6……透明コーティング材料 7,11……加熱炉、8……加硫済み構造体 9……クラッド材料、12……可撓性光導波路

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】高屈折率の透明ゴム状弾性体をコアとし、
    低屈折率のゴム状弾性体をクラッドとする可撓性光導波
    路を製造するに際し、 透明コア材料を、ノズルから押し出す工程と、押し出さ
    れた透明コア材料に、液状をなす低粘度の透明コーティ
    ング材料を塗布する工程と、前記コア材料およびコーテ
    ィング材料のそれぞれを加硫する工程と、透明コーティ
    ング材料の周面に、液状のクラッド材料を塗布する工程
    と、このクラッド材料を加硫する工程とを組み合わせて
    なる可撓性光導波路の製造方法。
  2. 【請求項2】前記透明コア材料を、透明母材に、この透
    明母材の屈折率と実質的に等しい屈折率の透明微粒子を
    混入させることにて構成する請求項1記載の可撓性光導
    波路の製造方法。
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