JP2563360B2 - リン酸イオンの試験方法 - Google Patents

リン酸イオンの試験方法

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【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> 本発明はボイラー水、循環冷却水等の、リン酸カルシ
ウム微粒子と陰イオン系分散剤とが結合した保護コロイ
ドが共存している試料水中に遊離して存在するリン酸イ
オンを定量する方法に関するものである。
<従来の技術> 工業用水、上水、井水等のカルシウムイオンを含む水
を供給水としているボイラーや冷却設備等においては、
炭酸カルシウムに起因するスケールが伝熱面等に付着す
るのを防止するために、従来から各種のスケール防止剤
が用いられる。当該スケール防止剤の一つにリン酸ナト
リウム等のリン酸塩と陰イオン系分散剤を組み合わせた
ものがある。
当該スケール防止剤の作用は、水中に存在するカルシ
ウムイオンとリン酸イオンを反応させてリン酸カルシウ
ム(正確には水酸化トリリン酸ペンタカルシウムCa(O
H)・3〔Ca3(PO4〕が、その主体をなすもの
で、本明細書においてはこれを単にリン酸カルシウムと
称する)を生成させ、また生成した直後の極微細な前記
リン酸カルシウムに、同時にあるいは前後して添加した
陰イオン系分散剤を結合させて安定な保護コロイドを形
成させるものであり、上記両薬剤の作用によってカルシ
ウムに起因するスケールの付着を防止するものである。
なお陰イオン系分散剤によって水中に分散されて存在
するリン酸カルシウムの保護コロイドは連続的にあるい
は間歇的に行われるブローによって系外に排出される。
ところで当該スケール防止剤の前記作用を継続的に維
持させるために、リン酸イオンを規定の濃度以上に保つ
ことが必要であり、このため定期的に系内水のリン酸イ
オンを定量し、リン酸イオンが不足している場合は、そ
の不足分を補うだけの前記スケール防止剤を添加せねば
ならない。
このようにスケールの防止を効果的に行うためには、
日常的な管理として、系内水のリン酸イオンを定量する
必要があるが、前述したように系内水中にはイオン状で
ないリン酸カルシウムも共存しているので、これを何ら
かの方法で分離せねば、リン酸イオンを正確に定量する
ことができない。すなわちリン酸カルシウムを共存させ
た状態で、吸光光度法によりリン酸イオンを定量する
と、モリブデン青を発色させる際、硫酸酸性とするため
リン酸カルシウムが溶解し、モリブデン酸と反応し、モ
リブデン青を生じ、定量値に含まれ誤差となる。
ところで系内水中に含まれているリン酸カルシウムは
前述したごとく、陰イオン系分散剤と結合して、極微細
な保護コロイドとなっているので白濁しており、たとえ
ば孔径0.45μmのメンブレンフィルターを用いた吸引濾
過あるいは加圧濾過を行っても当該保護コロイドは濾過
膜を通過してしまい分離することができず、また遠心分
離操作を行っても、これを分離することができない。
なお分画分子量6,000前後の限外濾過膜を用いて濾過
を行えば、保護コロイドを分離でき、イオン状のリン酸
イオンのみを測定することが可能であるが、当該限外濾
過膜を用いて濾過する場合、直接全量濾過することがで
きず、クロスフロー濾過を行う必要があり装置が複雑と
なって現場作業に適していない。
<発明が解決しようとする問題点> 本発明は、ボイラーあるいは冷却設備等の水質管理の
一環である系内水のリン酸イオンの定量における上述し
た問題点を解決し、現場で比較的簡単にかつ正確にリン
酸イオンを定量する方法を提供することを目的とする。
<問題点を解決するための手段> 本発明はリン酸カルシウム微粒子と陰イオン系分散剤
とが結合した保護コロイドが共存する試料水のリン酸イ
オンを定量するにあたり、当該試料水に陽イオン界面活
性剤を添加撹拌して、前記保護コロイドを凝集させ、次
いで当該凝集物を濾過した後、当該濾過水を陽イオン交
換樹脂に通水することにより濾過水中に残留する陽イオ
ン界面活性剤を陽イオン交換樹脂に吸着させた処理水を
得、しかる後に当該処理水のリン酸イオンを分析するこ
とを特徴とするリン酸イオンの試験方法である。
以下に本発明を詳細に説明する。
<作用> 前述したごとく試料水中に含まれるリン酸カルシウム
は、陰イオン系分散剤と結合することによって極微細な
保護コロイドとなっており、0.45μmのメンブレンフィ
ルターで濾過しても、また遠心分離してもこれを分離す
ることができない。
そこで本発明はまず当該試料水に陽イオン界面活性剤
を添加撹拌することにより、当該保護コロイドを凝集さ
せるものである。
すなわち添加した陽イオン界面活性剤により複数の保
護コロイドが架橋され容易に濾過できるような凝集物と
なる。
使用する陽イオン界面活性剤としては、当該保護コロ
イドを凝集でき、かつ後述する陽イオン交換樹脂処理に
おいて、陽イオン交換樹脂に吸着可能なものを用いる。
これらの陽イオン界面活性剤としては、脂肪族アミン
塩(RNH2・CH3COOH,R;C8〜C18のアルキル基)、アルキ
ルトリメチルアンモニウム塩(R−N+(CH3・Cl-,
R;C8〜C22のアルキル基)、ベンザルコニウム塩(R−N
+(CH3・CH2−C6H5・Cl-,R;C8〜C22のアルキル基)
の第4アンモニウム塩、ポリオキシエチレンアルキルア
ミン等が用いられる。
なおこれらの陽イオン界面活性剤の内、第4アンモニ
ウム塩は、陽イオン交換樹脂によく吸着し、かつ保護コ
ロイドの凝集効果が大きいので、これらを用いることが
望ましい。
陽イオン界面活性剤の添加量としては、陰イオン系分
散剤の分散力を打ち消して凝集させるだけの量が必要で
あり、すくなくとも陰イオン系分散剤の当量以上の添加
が必要である。
たとえばボイラー水には通常陰イオン系分散剤が100m
g/前後存在しているが、このような場合、用イオン界
面活性剤を100mg/以上添加するとよい。なお陽イオン
界面活性剤を多少過剰に添加しても前記保護コロイドを
凝集させることができるので、多少過剰に添加すること
が望ましい。
また撹拌は撹拌棒などを陽いて掻き混ぜても差し支え
ないが、スターラ等を用いて撹拌することが好ましい。
このように白濁している試料水に、陽イオン界面活性
剤を添加して撹拌すると、約3分程でリン酸カルシウム
の保護コロイドは凝集され、凝集物はビーカーの周囲に
付着したり、浮遊したりあるいは沈殿し、試料水は清澄
な水となる。
次いで当該凝集水中の凝集物を濾紙により濾過し、そ
の濾過水を得る。陽イオン界面活性剤を添加撹拌するこ
とにより得られる凝集物は非常に濾過性がよく、5種A
等の比較的孔径の大きい濾紙でも容易に濾過することが
できる。
このような凝集濾過によって得られた清澄な試料水中
には、不溶性のリン酸カルシウムが含まれていないの
で、試料水中にもともと含まれていたリン酸イオンを定
量することが可能となる。
しかしながら、後述する実施例で示すごとく、保護コ
ロイドを凝集させるために添加した陽イオン界面活性剤
が残留していると、リン酸イオンを定量するに際して比
色液に濁りが生じ、定量値に誤差を生ずる。
したがって、リン酸イオンを定量する前に、当該濾過
水中に残留する陽イオン界面活性剤を除去する必要があ
る。
そこで本発明は、前記濾過水を陽イオン交換樹脂を充
填した樹脂筒に通過させ、残留する陽イオン界面活性剤
を当該樹脂に吸着させて除去する操作を行う。
使用する陽イオン交換樹脂としては、強酸性陽イオン
交換樹脂が好ましく、イオン形としては無機塩形あるい
は水素形とし、通常ナトリウム形を用いる。
なお陽イオン交換樹脂を使用するに際しては、塩酸、
水酸化ナトリウム水溶液で交互に処理して、陽イオン交
換樹脂に含まれている不純物を充分に除いてから用いる
ことが望ましい。
陽イオン交換樹脂の使用量としては、通水処理すべき
濾過水の容量のすくなくとも1/10ぐらいの量を用い、樹
脂層の高さとしては少なくとも20cm以上とする。なお通
水速度はSV10〜15ぐらいが適当である。
このように濾過水を陽イオン交換樹脂に通水すると、
濾過水中に残留していた陽イオン界面活性剤は陽イオン
交換樹脂に吸着され、その処理水には陽イオン界面活性
剤を含まないので、誤差を生ずることなくリン酸イオン
を定量することができる。
なお、リン酸イオンを定量するための分析方法として
は、JISK0102−1986やASTM法等に準拠するとよい。
<効果> 以下に本発明の実施例を説明する。
実施例 (1)試料水の調製 リン酸二水素カリウム溶液(1/100mol/)のそれぞ
れ10、15、20、25、30mlを段階的にビーカー200mlにと
り、それぞれに炭酸カルシウム溶液(1/100mol/)15m
lと、陰イオン系分散剤ポリアクリル酸ナトリウムの溶
液(1mg/ml)10mlを加えて純水で約100mlとした後、そ
れぞれに水酸化ナトリウム溶液を加えてpHを11.0に調製
し煮沸した後、その全量をぞれぞれフラスコ100mlに入
れ標線まで純水を加えた。なお陰イオン系分散剤の試料
水に対する濃度は100mg/となる。
前記リン酸二水素カリウム溶液10mlを加えたものを試
料水−Aとし、また当該溶液15mlを加えたものを試料水
−Bとし、以下当該溶液の加えた順に試料水−C、試料
水−D、試料水−Eとする。
これらの5種類の試料水はリン酸イオンおよびリン酸
カルシウム微粒子と陰イオン系分散剤とが結合した保護
コロイドが共存するもので、いずれも白濁しており、ボ
イラー水を想定したものである。
(2)本発明方法 これらの試料水−AないしEそれぞれ25mlを100mlコ
ニカルビーカーにとり、それぞれに陽イオン界面活性剤
である第4アンモニウム塩の内のベンザルコニウム塩、
すなわちN、N−ジメチル−N−〔2−〔2−{4−
(1、1、3、3−テトラメチルブチル)フェノキシ}
エトキシ〕エチル〕ベンゼンメタンアンモニウムクロリ
ド(商品名、ベンゼトニウムクロリド、ロームアンドハ
ース社製)溶液(0.1w/v%)10ml(試料水に対する添加
濃度としては286mg/)を加え、マグネチックスターラ
ーで約3分間撹拌し、保護コロイドを凝集させた。
次いでそれぞれの凝集水を濾紙5種Aで濾過し、濾紙
と凝集物を純水で数回洗浄し、濾液および洗浄水を100m
l有栓メスシリンダーに取り、100mlの標線まで純水を加
え、内容物をよく振り混ぜて均一にした。
これらの溶液をあらかじめ常法により調製したナトリ
ウム形強酸性陽イオン交換樹脂アンバーライト(登録商
標)IR−118を10ml充填してあるそれぞれのカラムに10
〜15/−樹脂/hの流速で通し、最初の流出液約30ml
を捨て、残りの各流出液をビーカーに受けた。
この各流出液の適当量を採取し、JISK0102−1986、4
6、1.2モリブデン青(アスコルビン酸)吸光光度法に従
ってそれぞれリン酸イオンを定量して、計算により各試
料水中のリン酸イオンの濃度を算出し、第1表に示し
た。
(3)比較例 比較のために、各試料水のリン酸イオンを無処理で直
接同じ定量法で求めた結果(イ)、および前述したと同
じ条件下で陽イオン界面活性剤を添加撹拌して保護コロ
イドを凝集し、これを同様にして濾過しただけで、陽イ
オン交換樹脂処理をしなかった試料水についても同じ定
量法でリン酸イオンの濃度を求めた結果(ロ)、および
各試料水を分画分子量6,000の限外濾過膜で2kgf/cm2
圧力でクロスフロー濾過し、保護コロイドを濾別した試
料水について同じ定量法でリン酸イオンの濃度を求めた
結果(ハ)を併せて第1表に示した。
第1表に見られるごとく本発明方法によって分析した
結果は、限外濾過膜で濾過した試料水の分析結果とほぼ
等しい。
したがって本発明によりリン酸カルシウム微粒子と陰
イオン形分散剤とが結合した保護コロイドが存在する試
料水中のリン酸イオンを、特に限外濾過膜を用いなくと
も現場で簡単に分析することができる。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】リン酸カルシウム微粒子と陰イオン系分散
    剤とが結合した保護コロイドが存在する試料水のリン酸
    イオンを定量するにあたり、当該試料水に陽イオン界面
    活性剤を添加撹拌して、前記保護コロイドを凝集させ、
    次いで当該凝集物を濾過した後、当該濾過水を陽イオン
    交換樹脂に通水することにより濾過水中に残留する陽イ
    オン界面活性剤を陽イオン交換樹脂に吸着させた処理水
    を得、しかる後に当該処理水のリン酸イオンを分析する
    ことを特徴とするリン酸イオンの試験方法。
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