JP2561362Y2 - 機器駆動装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、同軸をなす２個のシリンダ内におけるピス
トンを、ピストンロッドをもって互いに連係し、このピ
ストンロッドの往復移動により、機器を駆動するように
してなり、たとえば、バルブ等を遠隔操作により開閉す
る際に使用される機器駆動装置に関する。 〔従来の技術〕 以下の説明において、内外とは、それぞれ、ボディか
ら近い方および遠い方を言う。 第３図及び第４図は、圧縮空気と圧縮ばねを駆動源と
して、バルブを開閉させるようにした従来の駆動装置を
示す。 ボディ（51）の右側面には、水平をなし、かつ外端を
閉塞したシリンダ（52）が固着され、同じく左側面に
は、シリンダ（52）と同軸をなし、かつ内外両端を、そ
れぞれ閉塞板（53a）（53b）をもって閉塞したばね筒
（53）が固着されている。 シリンダ（52）とばね筒（53）には、それぞれ、ピス
トン（54）と押圧板（55）が嵌合されている。 ピストン（54）と押圧板（55）の中心同士は、前面に
ラック（56）が切られ、かつ閉塞板（53b）を貫設する
ピストンロッド（54a）と、押圧板（55）の中心から内
方へ突出するロッド（55a）とをもって連係されてい
る。 ピストン（54）と押圧板（55）は、押圧板（55）とば
ね筒（53）の外端の閉塞板（53b）との間に設けた圧縮
ばね（57）により、図における右方へ押されて、右限に
位置している。 シリンダ（52）内におけるピストン（54）の外側方、
すなわち右方に形成された高圧室（58）は、圧縮空気出
入口（59）及び三口二方切替弁（60）を介して、圧縮空
気源（図示省略）に接続されている。 ボディ（51）には、上記ラック（56）に対して直角方
向を向く垂直の駆動軸（61）が枢設され、駆動軸（61）
に固着したセクタギヤ（62）は、上記ラック（56）と噛
合している。 （63）は、ピストンロッド（54a）の案内金具、（6
4）は、案内金具（63）の調節ねじ、（65）は、セクタ
ギヤ（62）の回動角度調節ねじ、（66）は通気孔であ
る。 図示の状態において、三口二方切替弁（60）の操作に
より、高圧室（58）を圧縮空気源に連通させれば、ピス
トンロッド（54a）とロッド（55a）と押圧板（55）は、
圧縮ばね（57）に抗して、ピストン（54）とともに左進
し、駆動軸（61）は、ラック（56）と噛合しているセク
タギヤ（62）とともに、第３図の反時計方向に回動す
る。 高圧室（58）を大気と連通させれば、圧縮ばね（57）
の力により、右方へ復帰し、図示の状態となる。 従って、駆動軸（61）をたとえばバルブの弁軸に連結
しておけば、バルブを開閉させることができる。 三口二方切替弁（60）を電磁式とすれば、遠隔操作す
ることもできる。 上述の装置は、バルブの開閉に限るものではなく、他
の機器の駆動にも使用することができる。 〔考案が解決しようとする問題点〕 上述の装置においては、圧縮空気はピストン（54）の
みにしか作用せず、それによるピストンロッド（54a）
を左方へ動かす力は、圧縮ばね（57）により減殺され
る。 従って、被駆動機器が大型で、強力な駆動力を必要と
する場合には、ピストンを大面積とするか、流体高圧源
を強力なものとすることが必要となり、駆動装置あるい
は高圧源が大型になるとともに高価となる。 〔問題点を解決するための手段〕 本考案の装置は、両側面が開口するボディと、 ボディの一側面に接続され、ボディから離れている端
部である外端が閉塞されている第１シリンダと、 第１シリンダ内に嵌合されている第１ピストンと、 第１ピストンの中心からボディの方へ向かって突出す
るとともに、側面にラックが切られたピストンロッド
と、 ボディの他側面に、前記第１シリンダと同軸をなし
て、着脱自在に接続され、内外端が閉塞されており、か
つ内部に、第２ピストンと、第２ピストンの中心から内
方、すなわち、ボディの方へ向かって突出するととも
に、内端面が前記ピストンロッドの内端面に当接するピ
ストンロッドと、第２ピストンロッドと、第２ピストン
を内方へ向かって付勢する圧縮ばねとが一体的に組み込
まれている第２シリンダとからなることを備えることに
より、上述の問題点の解決を図ったものである。 〔作用〕 本考案の装置によると、圧縮空気により押される２個
のピストンをもって、駆動軸を回動させるとともに、圧
縮ばねを押圧するようになっているので、１個のピスト
ンのみによって作動させる従来の装置に比し、高圧源が
同じ場合には、駆動装置が小型となり、また駆動装置の
大きさが同じ場合には、高圧源を低圧小型のものとなし
うる。 また、両シリンダにおけるピストンロッド同士は、単
につき合わされているだけであり、かつ第２シリンダに
は、ピストン、圧縮ばね等が一体的に組み込まれている
ので、第２シリンダを、その内部部材とともに簡単に交
換することができる。 〔実施例〕 第１図及び第２図は、本考案の一実施例を示すもの
で、（１）は、左右両側が開口するボディ、（２）はボ
ディ（１）の右端に接続され、かつ外端が閉塞されてい
る第１シリンダ、（３）は、ボディ（１）の左端に接続
され、かつ内外端が、それぞれ閉塞板（3a）（3b）で閉
塞されている第２シリンダである。 第１、第２両シリンダ（２）（３）には、それぞれ、
第１ピストン（４）と、第２ピストン（５）が嵌合さ
れ、両ピストン（４）（５）は、それぞれからボディ
（１）の方へ向かって突出するピストンロッド（4a）
（5a）の内端同士のつき合わせにより、互いに連係され
ている。 第１、第２両ピストン（４）（５）は、第２ピストン
（５）と第２シリンダ（３）の外端の閉塞板（3b）との
間に設けた圧縮ばね（７）に押されて、図面における右
限に位置している。 圧縮ばね（７）、第２ピストン（５）及びピストンロ
ッド（5a）は、第２シリンダ（３）内に一体として組み
込まれ、そのままボディ（１）に着脱できるようになっ
ている。 第１ピストン（４）の右側における第１シリンダ
（２）内、および第２ピストン（５）の右側における第
２シリンダ（３）内には、それぞれ第１、第２高圧室
（８）（９）が形成されている。 両高圧室（８）（９）にそれぞれ穿設した圧縮空気出
入孔（10）（11）は、ともに１個の三口二方切替弁（1
2）を経て、圧縮空気原（図示省略）に接続されてい
る。 第２ピストン（５）に嵌合されたピストンロッド（5
a）の外端には、軸方向を向く凹孔（13）が穿設されて
いる。 第２シリンダ（３）の閉塞板（3b）の内面中央には、
軸線上を内方へ向き、第２ピストン（５）が左限まで移
動したとき、内端が凹孔（13）に嵌入する棒状ストッパ
（14）が突設されている。 閉塞板（3b）の周辺適所には、通気孔（15）が穿設さ
れている。 ボディ（１）には、上下方向を向く駆動軸（16）が枢
設され、駆動軸（16）には、ピストンロッド（4a）の前
面に設けたラック（６）と噛合するセクタギヤ（17）が
固着されている。 （18）は、ピストンロッド（4a）の案内金具、（19）
はその調節ねじ、（20）は、セクタギヤ（17）の回転角
度調節ねじ、（21）は、ボディ（１）に設けた通気孔で
ある。 図示の状態にある本考案の装置において、三口二方切
替弁（12）の操作により、第１、第２両高圧室（８）
（９）を圧縮空気源に連通させれば、ピストンロッド
（4a）（5a）は、第１、第２両ピストン（４）（５）と
ともに圧縮ばね（７）に抗して左方へ移動するので、駆
動軸（16）は、ピストンロッド（4a）におけるラック
（６）と噛合するセクタギア（17）とともに、第１図の
反時計方向に回動する。 また、両高圧室（８）（９）を大気に連通させれば、
圧縮ばね（７）の力により、両ピストン（４）（５）
は、右方へ移動して、図示の状態に復帰する。 従って駆動軸（16）を、たとえばバルブの弁軸に連結
しておけば、従来装置と同様にバルブを開閉することが
できる。 また、バルブ以外の他の機器の駆動にも、効果的に使
用することができることは言うまでもない。 上述の実施例においては、ピストンロッド（4a）と駆
動軸（16）とを、ラック（６）とセクタギヤ（17）とに
より、互いに連係しているが、例えば、ピストンロッド
（4a）（又は（5a））の上面に突設したピンと、これに
噛合するように駆動軸（16）より半径方向に延出する二
股状のフォーク部材（いずれも、図示略）とにより、互
いに連係してもよい。 〔考案の効果〕 （ａ）２個のピストン（４）（５）をもって、駆動軸
（16）を回動させるようになっているので、１個のピス
トンを使用する従来の装置に比し、高圧流体源が同じ場
合には、駆動装置を小型とすることができ、また駆動装
置の大きさが同じ場合には、高圧流体源を低圧小型のも
のとできる。 （ｂ）三口二方切替弁の操作により駆動軸を回動させう
るので、同弁を電磁式として、駆動装置を遠隔操作する
ことができ、便利である。 （ｃ）圧縮ばね（７）、第２ピストン（５）及びピスト
ンロッド（5a）は、第２シリンダ（３）内に一体的に組
み込まれているので、例えば強さの異なる圧縮バネを組
み込んだ第２シリンダと、簡単に交換することができ
る。

【図面の簡単な説明】 第１図は、本考案の装置の一実施例の中央横断平面図、 第２図は、同じく中央縦断正面図、 第３図は、従来の同種の装置を例示する中央横断平面
図、 第４図は、同じく中央縦断正面図である。 （１）……ボディ （２）……第１シリンダ （３）……第２シリンダ （3a）（3b）……閉塞板 （４）……第１ピストン （4a）……ピストンロッド （５）……第２ピストン （5a）……ピストンロッド （６）……ラック （７）……圧縮ばね （８）……第１高圧室 （９）……第２高圧室 （10）（11）……圧縮空気出入孔 （12）……三口二方切替弁 （13）……凹孔 （14）……ストッパ （15）……通気孔 （16）……駆動軸 （17）……セクタギヤ （18）……案内金具 （19）……調節ねじ （20）……回転角度調節ねじ （21）……通気孔 （51）……ボディ （52）……シリンダ （53）……ばね筒 （53a）（53b）……閉塞板 （54）……ピストン （54a）……ピストンロッド （55）……押圧板 （55a）……ロッド （56）……ラック （57）……圧縮ばね （58）……高圧室 （59）……圧縮空気出入口 （60）……三口二方切替弁 （61）……駆動軸 （62）……セクタギヤ （63）……案内金具 （64）……調節ねじ （65）……回転角度調節ねじ （66）……通気孔

Claims (1)

1. (57)【実用新案登録請求の範囲】 １．両側面が開口するボディ（１）と、 ボディ（１）の一側面に接続され、ボディ（１）から離
   れている端部である外側端が閉塞されている第１シリン
   ダ（２）と、 第１シリンダ（２）内に嵌合されている第１ピストン
   （４）と、 第１ピストン（４）の中心から内側方、すなわちボディ
   （１）の方へ向かって突出するとともに、側面にラック
   （６）が切られているピストンロッド（4a）と、 ボディ（１）の他側面に、前記第１シリンダ（２）と同
   軸をなして、着脱自在に接続され、内外端が閉塞されて
   おり、かつ内部に、第２ピストン（５）と、第２ピスト
   ン（５）の中心から内方、すなわち、ボディ（１）の方
   へ向かって突出するとともに、内端面が前記ピストンロ
   ッド（4a）の内端面に当接するピストンロッド（5a）
   と、第２ピストン（５）を内方へ向かって付勢する圧縮
   ばね（７）とが一体的に組み込まれている第２シリンダ
   （３）と、 第１ピストン（４）の外側方において第１シリンダ
   （２）内へ、および第２ピストン（５）の内側方におい
   て第２シリンダ（３）内へ圧縮空気を同時に送り込むた
   めの切替弁とを備える機器駆動装置。