JP2561118B2 - ガンドリルマシニングセンダー - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業の利用分野］ 本発明はマシニングセンタにおいて、ガンドリル，ガ
ンリーマまたは極めて長身のツールを複数本備え、１側
に自動交換するATC装置を持つガンドリルマシニングセ
ンタに関するものである。

［従来技術と課題］ ガンドリル、ガンリーマ加工において、長身のツール
を使用するためツールを把持する点から刃先までが長く
なり、これを回転させると刃先に大きなフレが発生し、
位置が精度よく定まらないため、ツールを案内するガイ
ドブッシュが必要である。

従来のマシニングセンタでは、軸頭のツール交換に合
わせたガイドブッシュの交換が困難で、このためガンド
リルあるいはガンリーマ加工をするには、ガイドブッシ
ュを配設したターレットドラムをワークの近くに別ユニ
ットとして配置して、マシニングセンタの軸頭のツール
に合わせて割出し、ツールに適合させて多工程加工を行
っている。このため以下の問題がある。

（１）ガイドブッシュ部とツールを把持回転させる軸頭
部とが別ユニットであるため両者の芯合わせが困難であ
る。

（２）別ユニットを制御するため、制御系を含め機械構
成が複雑になる。

（３）別ユニットにするため大きなスペースを必要とす
る。

（４）ガイドブッシュが固定でツールが回転するため、
ツールの摩耗などが発生し寿命が短くなる。

本発明は上記の課題を解決するものである。

［課題解決のための手段］ 一側にATC装置を備え、ATC装置のツールハンドを円周
上に配設したロータリブロックをスピンドルの軸方向に
摺動可能に設け、ツールとツールガイドブッシュを共に
抜去または装着するために、挿嵌される３本よりなる中
空の円筒軸の第１軸には、切削液を吐出給送するための
通孔を設けるとともに、第２軸のツール把持機構を解放
する連結部材をなし、第２軸にはツールを把持する把持
機構を設け、かつ切削送り駆動機構に連結して軸方向前
進端においてツールガイドブッシュの把持機構を解放す
る連結部材をなし、第３軸にはツールガイドブッシュの
把持機構を設け、ツールガイドブッシュをスピンドル本
体に回転自在に保持する構成の軸頭装置とした。

［実施例］ 次に本発明の実施例を図面に示す態様でまず概要を説
明する。

第１図はガンドリルマシニングセンタの全体を示す平
面図である。１はコラムである。図示しない制御装置と
ベースに組込まれた送り装置によってＸ軸,Y軸をプログ
ラムに従い移動する。２は軸頭である。図示しない制御
装置とコラムの上部に組込まれた送り装置によってＹ軸
方向にプログラムに従って移動する。３は軸頭をＹ軸方
向に駆動するモータである。４は軸頭を図示しない制御
装置に従い回転駆動するモータである。回転数および回
転停止位相角は指定により定めることができる。５は第
２軸のスピンドルを切削方向であるＺ軸方向に送り駆動
するモータである。６はテレスコタイプのカバーであ
る。７はツールガイドブッシュおよびツールである。Ｗ
はワークである。８はATC装置の本体である。９はATC装
置の割出モータである。10はATC装置の割出装置であ
る。

第２図はガンドリルマシニングセンタの全体を示す側
面図である。11はガンドリルマシニングセンタのコラム
１をＺ軸方向に駆動させるＺ軸駆動のモータである。12
はベースである。

以下詳細の構成について説明する。

第３図はスピンドルおよび軸頭の前側半分を示す断面
図である。13,13はボールベアリングである。軸頭本体
に挿嵌し第３軸のスピンドル15を回転自在に保持する。
16は第３軸を軸方向に固定するベアリングリテーナであ
る。14はナットである。

15は第３軸のスピンドルである。これは中空の円筒軸
であり、前側に19のクランプヘッドを固着し、後側は17
の従動側プーリを18のキーとセットボルトで固定し、内
層に第２軸のスピンドル40を摺動可能に挿嵌する。

把持機構24はクランプヘッド19の内部に装着されてい
る。本実施例の場合はコレットチャックを用いた把持機
構でクランプヘッド19とシート21間に縮装された弾性体
23の弾発力がシート21を固定する複数のコネクティング
ボルト22を介してコネクティングボルトに遊嵌されるリ
テーナ20の端面でコレットチャックのアウターリング26
を押圧してインナーリング25を縮径させることによって
ツールガイドブッシュ28を把持する構成の把持装置であ
る。

27は回転位相角度位置決めピンである。これは第５図
に示すようにツールガイドブッシュの後部１端に平面切
欠部を設けてあり第３軸のスピンドルに対して一定の位
相角でもってのみ挿嵌できるようになっている。

７はツールガイドブッシュにツールを摺動可能に挿嵌
したアッセンブリーである。本実施例においては常にこ
のアッセンブリの単位で軸頭２とATCの間を受け渡しす
る。28はツールガイドブッシュである。29はツールであ
る。

30はクーラント通過孔であり図示しないクーラント供
給装置よりクーラントを供給し刃先の冷却，減摩耗およ
び切削屑の排出を行うものである。

31はツールとツールガイドブッシュの位置決め孔であ
る。ツールガイドブッシュの後部１端の平面切欠部32と
の角度を一定にしてATC装置と軸頭２の受け渡しの位置
決めに備えるものである。

40は第２軸のスピンドルである。これは中空の円筒軸
であり、前側に41のクランプヘッドを固着し後側はフラ
ンジでもって62のジョイントシャフトと固定する。40は
外層に第３軸のスピンドルとキー54を介して軸方向に摺
動可能に挿嵌する。また第２軸は内層に第１軸のスピン
ドルを摺動可能に挿嵌する。

41のクランプヘッドは40の内部に弾性体52を縮装し、
一端を第１軸50の頭部の端面であるスプリングシート55
で受け、他端をスリーブ53の前端面のスプリングシート
56で受ける。

把持機構43はクランプヘッド41の内部に装着されてい
る。本実施例の場合はコレットチャックを用いた把持機
構でコレットチャックのインナーリング44とアウターリ
ング45で構成され、弾性体52の弾発力が第１軸スピンド
ル50の前端面を介してアウターリング45を押圧してイン
ナーリング44を縮径させることによってツール29を把持
する構成の把持装置である。

42は角度位置決めピンである。これは第６図に示すよ
うにツールの後部１端に平面切欠部を設けてあり第３軸
および第２軸のスピンドルに対して一定の位相角でもっ
てのみ挿嵌できるようになっている。

46はシールピースである。47のスプリングでもって常
にツールの後端を押圧しクーラント供給孔51よりツール
へのクーラントの供給に対し漏れを防止する。

50は内層第１軸のスピンドルである。51はクーラント
通過孔である。後部は58の結合部をもつ。53は後側にフ
ランジをもつスリーブである。

60は近接スイッチである。61は近接スイッチのトリッ
プである。これはスピンドルの停止位相角を検知し停止
させるもので図示しない制御装置により制御されるもの
である。

62はジョイントシャフトである。駆動モータ５よりフ
ィードスクリュ75を介して第２軸に送り駆動を与える。
63はインナージョイントシャフトである。内部にクーラ
ント通過孔73が設けられている。64はフィードブラケッ
トである。65はボールベアリングである。66はナットで
ある。シリンダ67はフィードブラケット64に固着し図示
しない油圧供給源と配管により結ばれる。

68はピストンである。これは隙間Ｓより大きいストロ
ークをもち第１軸のスピンドルをαだけ後ろに引き戻し
把持装置43の把持力を解放する。69はＯリングである。

70は近接スイッチである。71は近接スイッチのトリッ
プであり第１軸の第２軸に対する後退端を検知する。72
はロータリジョイントであり図示しないクーラント供給
装置と配管で結ばれる。

73はクーラント通過孔である。74はフィードスクリュ
のナットである。フィードスクリュ75はモータ５とカッ
プリングによって連結されて駆動する。

第７図はATC装置を示す断面図である。

80はリテーナである。ロータリブロック81は円板状を
なし円周に複数のツールハンド94を配設し、中央のボス
内部にはセンターシリンダ83が設けられ、ロータリブロ
ック81はセンターシリンダ83の軸方向に摺動可能に設け
られる。

82はキーである。84はエンドブロックである。85はピ
ストンである。ピストンの前端はリテーナ80にナットで
もって固着され割出装置10を軸方向に摺動可能としてい
る。86はピストンのＯリングである。

87はボールベアリングである。ATC本体に挿嵌しセン
ターシリンダ83を回転可能に保持する。90はセンターシ
リンダの他端を保持するローラベアリングである。88は
エンドブロックであり、センターシリンダの後部に固着
し内部に油圧の供給回路を形成する。

89はセンターシリンダを割出駆動する従動側ギヤであ
る。91はリテーナである。92は駆動ギヤであり、図示し
ない制御装置に従い割り出しを行うモータ９に連結され
る。

93はカバーである。94はツールハンドであり、常に縮
装された弾性体により把持側に加力する。95はツールの
ストップホールであり、ツールが抜けるのを防ぐと共に
位置を決めるものである。96はペグであり、97のスプリ
ングでもって95に圧入するものである。98はガイドブッ
シュであり、これはペグを把持すると共にツールガイド
ブッシュの位置決め孔31に嵌まり位置を定める。

［作用］ （１）まず加工テーブルに載置されたワークＷに、第１
の加工の第１のツールガイドブッシュおよびツール７が
軸頭に装着され前進加工し、第１の加工が終了するとL3
ストローク後退し、後退位置Ｆにくると共にスピンドル
は定められた停止位相角に停止する。

（２）次に軸頭はツール交換位置Ｊに移動する。このと
きATC装置の割出装置は空のツールハンドが割出されて
おり位置Ｅに待機する。軸頭に挿着されるツールガイド
ブッシュによってツールハンド94が拡張されツールガイ
ドブッシュを把持し、ロータリブロックのガイドブッシ
ュ98はツールガイドブッシュの位置決め孔31にはいり、
ペグ96のツールのストップホール95に入り位置が定ま
る。

（３）軸頭後部のピストン68は図示しない油圧装置およ
び制御装置より油圧を受けＳ＋α後退し中間部材を介し
て弾性体52を引き戻し把持装置43の把持力を解放する。
αは第１軸の前端面がアウターリング45の端面と間隙を
持つ距離としている。

（４）上記作用と同時にフィードスクリュ75によってフ
ィードブラケット64は前進端位置まで移動し第２軸スピ
ンドルのクランプヘッド41の前面でもってシート21を前
に押し把持装置24の把持力を解放する。

（５）ATC装置はツールを把持しL1前進しＤの位置まで
移動して軸頭から一体となったツールとツールガイドブ
ッシュ７を抜き取り保持する。次にATC装置の第２の加
工のツールおよびツールガイドブッシュを交換位置に割
り出す。

（６）交換ツールおよびツールガイドブッシュを割り出
したATC装置はL1後退し軸頭にツールおよびツールガイ
ドブッシュ７を軸頭に挿入する。

（７）フィードブラケット64およびピストン68の後退動
によって把持装置24,43には把持力が与えられツールと
ツールガイドブッシュは第２軸40とクランプヘッド19に
把持されると共にコラム１がＸ軸方向にL2だけ移動して
次の加工位置に待機する。

［効果］ 本発明は以上のように構成したので、ガイドブッシュ
にツールを挿通し、このアッセンブリーの単位でATC装
置と軸頭間の受け渡しをすることにより、従来のように
加工位置を変更する度にツールとガイドブッシュとの芯
違いが生じなくなった。

また軸頭にツールガイドブッシュを装着する構成とし
たため、制御系を含め機械構成が簡単になった。

ガイドブッシュユニットの割出装置を必要としないた
め小さいスペースで済んだ。

ツールとツールガイドブッシュが同じ回転をするので
相対的な滑りが発生せずツール寿命が伸びた。

【図面の簡単な説明】

第１図はガンドリルマシニングセンタの全体を示す平面
図である。第２図はガンドリルマシニングセンタの全体
を示す側面図である。第３図はスピンドルおよび軸頭の
前側半分を示す断面図である。第４図はスピンドルおよ
び軸頭の後側半分を示す断面図である。第５図はＡ−Ａ
断面図である。第６図はＢ−Ｂ断面図である。第７図は
ATC装置を示す断面図である。 １……コラム、２……軸頭、3,4,5,9,11……モータ、6,
93……カバー、７……ツールガイドブッシュおよびツー
ル、８……ATC装置の本体、10……ATC装置の割出装置、
12……ベース、13,65,87……ボールベアリング、14,66,
74……ナット、15……第３軸、16……ベアリングリテー
ナ、17……従動側のプーリ、18,54,82……キー、19,41
……クランプヘッド、20,80,91……リテーナ、21……シ
ート、22……コネクティングボルト、23,52……弾性
体、24,43……把持機構、25,44……コレットのインナー
リング、26,45……コレットのアウターリング、27,42…
…角度位置決めピン、28……ツールガイドブッシュ、29
……ツール、30,51,73……クーラント通過孔、31……位
置決め孔、32……平面切欠部、40……第２軸、46……シ
ールピース、47,97……スプリング、50……第１軸、53
……スリーブ、60,70……近接スイッチ、61,71……トリ
ップ、62……ジョイント、63……インナージョイントシ
ャフト、64……フィードブラケット、67……シリンダ、
68,85……ピストン、69,86……Ｏリング、72……ロータ
リジョイント、75……フィードスクリュ、81……ロータ
リブロック、83……センターシリンダ、84,88……エン
ドブロック、89,92……ギヤ、94……ツールハンド、95
……ストップホール、96……ペグ、98……ガイドブッシ
ュ、99……ローラベアリング、D,E,F,G……位置、Ｗ…
…ワーク、Ｓ……隙間。

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】一側にATC装置を備え、ATC装置のツールハ
   ンドを円周に配設したロータリブロックをスピンドルの
   軸方向に摺動可能に設け、ツールとツールガイドブッシ
   ュの嵌合位相を合わせてATC装置のツールハンドによっ
   て、ツールとツールガイドブッシュを同時に保持できる
   構成とし、ロータリブロックの軸方向の動作と協動し
   て、軸頭とATC装置間で自動工具交換を行うために、挿
   嵌される３本よりなる中空円筒軸の第２軸の把持機構に
   ツールを把持し、ツールガイドブッシュを第３軸の把持
   機構に把持し、ツール先端より切削液を吐出する経路を
   第１軸に設け、第２軸は軸方向前進側への摺動によって
   深孔加工の切削送りとツールガイドブッシュの把持を解
   放する構成とし、第１軸は軸方向の後退動によってツー
   ルの把持を解放する構成の軸頭として、主軸を回転させ
   ることによって深孔加工を行うと共に前述の自動工具交
   換を可能としたガンドリルマシニングセンタ。