JP2560247B2 - ポリカルボシラン類の製造法 - Google Patents

ポリカルボシラン類の製造法

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JP2560247B2
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敏明 小林
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08GMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED OTHERWISE THAN BY REACTIONS ONLY INVOLVING UNSATURATED CARBON-TO-CARBON BONDS
    • C08G77/00Macromolecular compounds obtained by reactions forming a linkage containing silicon with or without sulfur, nitrogen, oxygen or carbon in the main chain of the macromolecule
    • C08G77/60Macromolecular compounds obtained by reactions forming a linkage containing silicon with or without sulfur, nitrogen, oxygen or carbon in the main chain of the macromolecule in which all the silicon atoms are connected by linkages other than oxygen atoms
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08KUse of inorganic or non-macromolecular organic substances as compounding ingredients
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    • C08K5/0091Complexes with metal-heteroatom-bonds

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はポリカルボシラン類の製
造法に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリカルボシラン類は、フォトレジスト
等の光反応性材料、炭化ケイ素系セラミックス類の原料
等として、有用なものである。ポリカルボシラン類の製
造方法としては、以下の方法が知られている。 1)ポリシラン類の熱転移反応による方法。 2)ジハロシラン類またはジハロポリシラン類、あるい
はそれらの等価体と、ジグリニャール試薬類、ジリチオ
有機化合物等の有機ジアニオン類との、重縮合反応によ
る方法。 3)ビス(クロロシリル)有機化合物またはその等価体
のWurtz 反応による重縮合反応による方法。 4)ジヒドロシラン類またはジヒドロポリシラン類とジ
エン類のヒドロシリル化重合による方法。
【0003】しかし、これらの方法は、それぞれ、以下
に記すような問題点を有している。即ち、1)の方法
は、熱による転移反応であるため、生成物の構造は不規
則であり、また目的の構造のポリカルボシラン類を得る
べく反応を制御することが困難であった。2)および
3)の方法は、湿気に敏感で、腐食性のハロシラン類を
用いる反応である上に、アルカリ金属あるいは有機アル
カリ金属化合物、グリニャール試薬等、発火性ないしは
湿気に敏感な化合物を取り扱うため、危険が伴い、ま
た、官能基を有するものの合成には自ずと制限があっ
た。4)のヒドロシリル化重合による方法は、1〜3)
の反応に比べれば、所望のポリカルボシラン類を設計・
合成しやすく、また、反応条件も穏和である。しかしな
がら、シランSiH4を用いたヒドロシリル化反応では、使
用した遷移金属錯体触媒の失活が著しいとされているの
で[M. Itoh, K. Iwata, R. Takeuchi, M. Kobayashi,
J. Organomet. Chem., 420, C5 (1991) ]、ヒドロシリ
ル化重合の試みはなされていなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の欠点
を克服したシランSiH4とジエン類のヒドロシリル化重合
反応による、ポリカルボシラン類の製造法を提供するこ
とを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記問題
点を解決するべく、鋭意検討を重ねた結果、希土類金属
錯体が、シランSiH4とジエン類のヒドロシリル化重合反
応に対し高活性を示すことを見いだし、本発明に到達し
た。
【0006】すなわち、本発明は、(1)希土類金属錯
体の存在下で、シランSiH4とジエン類を重合させること
を特徴とする、ポリカルボシラン類の製造法、(2)ジ
エン類がα, ω- アルカジエン類である、(1)項記載
のポリカルボシラン類の製造法、(3)希土類金属錯体
が有機ネオジム錯体である、(1)または(2)項記載
のポリカルボシラン類の製造法、及び(4)有機ネオジ
ム錯体がCp* 2NdCH(SiMe3)2(式中、Cp* はペンタメチル
シクロペンタジエニル基、Meはメチル基を示す。)であ
る、(3)項記載のポリカルボシラン類の製造法を提供
するものである。
【0007】本発明において触媒として用いる希土類金
属錯体の中心金属としては希土類金属元素(スカンジウ
ム、イットリウム、ランタン、セリウム、プラセオジ
ム、ネオジム、プロメチウム、サマリウム、ユーロピウ
ム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホル
ミウム、エルビウム、ツリウム、イッテルビウム、ルテ
チウム)のうちから選ばれた任意のものをあげることが
でき、好ましくはランタン、ネオジム、サマリウム、イ
ッテルビウム、ルテチウムであり、より好ましくはネオ
ジム、サマリウム、ルテチウムである。
【0008】本発明で触媒として用いられる希土類金属
錯体の配位子としては、ハロゲン、水素、アルキル、ア
ラルキル、アリール、アルキルシリル、アリールシリ
ル、オレフィン、ジエン、トリエン、テトラエン、シク
ロジエン、シクロトリエン、シクロテトラエン、アリ
ル、アルコキシ、アリールオキシ、アルキルチオ、アリ
ールチオ、シクロペンタジエニル、メチルシクロペンタ
ジエニル、ジメチルシクロペンタジエニル、ペンタメチ
ルシクロペンタジエニル、アルキルアミン、アリールア
ミン、ピリジル、アルキルホスフィン、アリールホスフ
ィン、アルキルアリールホスフィン、アルキルイソシア
ニド、アリールイソシアニド、エーテル等をあげること
ができる。これらの配位子は、さらに置換基を有してい
るものも包含する。特に好ましい配位子としては水素、
アルキル[好ましくは炭素原子数1〜10のアルキル
基、例えばメチル、トリメチルシリルメチル、ビス(ト
リメチルシリル)メチル、エチル、i-プロピル、t-ブチ
ル、ネオペンチル、ヘキシル]、ペンタメチルシクロペ
ンタジエニル、テトラヒドロフラン等を挙げることがで
きる。
【0009】本発明で触媒として用いられる希土類金属
錯体の構造としては下記一般式(I)または(II)で表
わされるものが特に好ましいが、これらに限定されるも
のではない。 Cp'2MR (I) Cp'2M' (II) (なお式中、Cp' はシクロペンタジエニル基またはその
置換体、M は任意の希土類金属金属、M'はサマリウム、
ユーロピウム、イッテルビウムのうちのいずれか、R は
水素、アルコキシ基、1価の有機基または1価のシリル
基を表わす。)
【0010】上記一般式(I)においてR で表わされる
基のうち、好ましい基としては水素、メチル、トリメチ
ルシリルメチル、ビス(トリメチルシリル)メチル、ネ
オペンチル、フェニル、ベンジル等が挙げられる。
【0011】本発明において用いられる希土類金属錯体
は、錯体として用いてもよいが、反応系中でこれらの錯
体を発生する前駆体または原料の形で反応系に仕込んで
もよい。
【0012】本発明で用いられるジエン類には、特に制
限はないが、1,4-ペンタジエン、1,5-ヘキサジエン、1,
7-オクタジエン、1,11- ドデカジエン、p-ジビニルベン
ゼン、1,4-シクロヘキサジエン、1,5-シクロオクタジエ
ン等を挙げることができる。
【0013】反応温度は通常-50 ℃から300 ℃、好まし
くは20℃から200 ℃、より好ましくは20℃から160 ℃の
範囲である。
【0014】本発明の反応圧力には、特に制限はない
が、通常、常圧〜100 気圧の範囲で実施される。
【0015】反応に際しては、溶媒は必ずしも必要では
ないが、溶媒で希釈することによって、反応の進行に伴
う粘度の増大を防ぐことも、本発明の有利な態様の一つ
である。用いられる溶媒を具体的に列挙すれば、トルエ
ン、ベンゼン等の芳香族化合物、ジエチルエーテル、TH
F 、ジオキサン等のエーテル類、ペンタン、ヘキサン、
デカン等の脂肪族炭化水素等である。
【0016】シラン1 モルに対するジエン類の使用量に
は特に制限はないが、通常0.001 〜100 モル、好ましく
は0.1 〜10モル程度用いられる。
【0017】触媒として用いる前記希土類金属錯体の使
用量は、いわゆる触媒量でよく、シラン1 モルに対して
0.0001〜0.5 モル、好ましくは0.001 〜0.05モル程度の
量用いられる。
【0018】本発明方法で得られるポリカルボシラン類
はジエン類が式(III)で表わされる CH2=CH-A-CH=CH2 (III) (式中、A は2価の有機基を表わす。これを例示すれ
ば、メチレン、エチレン、ブチレン、ヘキシレン、デシ
レン、p-フェニレン等を挙げることができる。)構造で
ある場合、下記一般式(IV)で表わされる。
【0019】
【化1】
【0020】上記式においてはnは、通常2〜10,0
00、好ましくは10〜5,000、より好ましくは1
0〜1,000である。
【0021】本発明方法により得られるポリカルボシラ
ン類の重量平均分子量は、通常200〜100万、好ま
しくは1,000〜50万である。反応生成物の分離
は、溶媒および未反応の原料を除去した後に、再沈、分
取GPC 等により、容易に行うことができる。
【0022】
【発明の効果】本発明によって、シランSiH4とジエン類
から、高収率でポリカルボシラン類を得ることができ、
その工業的意義は多大である。
【0023】
【実施例】次に本発明を実施例によってさらに具体的に
説明する。
【0024】実施例1 ステンレス製オートクレーブ(37 ml ガラスインサート
付)に、ビス(ペンタメチルシクロペンタジエニル)
[ビス(トリメチルシリル)メチル]ネオジム(0.01 m
mol )、1,7-オクタジエン(2.5 mmol)、ベンゼン(4
ml)を入れ、シランSiH4を1.9 気圧(2.5 mmol)圧入し
た。
【0025】80℃湯浴中で5 時間加熱撹拌した後、高真
空下(10-4 mmHg )で溶媒を除去し、粘性の高い液体34
4 mg(96.9%)を得た。GPC(THF): Mw=7000 (Mw/Mn=3.7
1)。
【0026】29SiNMR (C6D6, DEPT45、DEPT90、DEPT135)
: -28.64 ppm の大きなシグナルはSiH2に、-59.69 pp
m の小さなシグナルは末端のSiH3に、それぞれ帰属され
た。1 3CNMR(C6D6): 9.53 ppm, 25.88 ppm, 29.62 ppm,
33.33 ppm の4本のシグナルが認められることから、
これらのケイ素が1,8-オクチレンユニットを介してつな
がっている次式の構造が確認された。
【0027】
【化2】
【0028】実施例2 ステンレス製オートクレーブ(37 ml ガラスインサート
付)に、ビス(ペンタメチルシクロペンタジエニル)
[ビス(トリメチルシリル)メチル]ネオジム(0.01 m
mol )、1,7-オクタジエン(2.5 mmol)、ベンゼン(4
ml)を入れ、シランSiH4を1.9 気圧(2.5 mmol)圧入し
た。
【0029】80℃湯浴中で48時間加熱撹拌した。ゲル状
生成物から高真空下で溶媒を除去し、固体336 mg(94.6
%)を得た。ベンゼン、o-ジクロロベンゼン、THF に不
溶であった。IR: 2122 cm-1

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 希土類金属錯体の存在下で、シランSiH4
    とジエン類を重合させることを特徴とする、ポリカルボ
    シラン類の製造法。
  2. 【請求項2】 ジエン類がα, ω- アルカジエン類であ
    る、請求項1記載のポリカルボシラン類の製造法。
  3. 【請求項3】 希土類金属錯体が有機ネオジム錯体であ
    る、請求項1または2記載のポリカルボシラン類の製造
    法。
  4. 【請求項4】 有機ネオジム錯体がCp* 2NdCH(SiMe3)
    2(式中、Cp* はペンタメチルシクロペンタジエニル
    基、Meはメチル基を示す。)である、請求項3記載のポ
    リカルボシラン類の製造法。
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JPH0684381B2 (ja) * 1990-09-14 1994-10-26 工業技術院長 有機ケイ素化合物の製造方法

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