JP2560235B2 - 微粒子天然高分子の新規な製造方法 - Google Patents

微粒子天然高分子の新規な製造方法

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貴士 遠藤
純 細川
洋 壁谷
良一 北川
昌史 西山
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は新規な天然高分子の微粒
子の製造方法に関するものである。さらに詳しくいえ
ば、本発明は天然高分子に、完全に吸着される量の有機
溶媒を添加し、粉砕することによって、通常の機械的粉
砕では得られない細かい乾燥微粒子を製造することで、
工業的に利用範囲の広い素材を提供するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、天然高分子の微粒子を乾式で機械
的粉砕によって製造しようとした場合、得られる粒子は
数10ミクロン程度であった。また、湿式での機械的粉
砕または化学的前処理などを利用する方法では、10ミ
クロン以下の微粒子の製造も可能であったが、得られる
微粒子は水系懸濁液で、その濃度も数10%までしか上
げられず、そのため水懸濁液として使用する分野にしか
利用することができなかった。
【0003】乾式機械的粉砕で、天然高分子の微粒子を
製造しようとした場合、その高分子がもつ高い靭性を下
げるため、低温凍結して粉砕することによって、微粒子
を製造することが可能であるが、製造コストが高い欠点
があった。また、天然高分子を乾燥状態にし、さらに水
分と相溶性のある有機溶媒を吸着させて、機械的に粉砕
し、乾燥微粒子を製造する試みは無かった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】天然高分子を単純に乾
式で機械的に粉砕する場合、その天然高分子が持つ靭性
のために微粉砕されにくい。また粉砕時間を長くして
も、生成した微粒子は凝集して粒径が大きくなってく
る。一方、低温凍結微粉砕する場合には、その冷却に要
するコストが高い。また水溶液中で微粒子を製造する方
法では、得られた粒子を乾燥すると凝集が起こり、乾燥
微粒子は得られなかった。そこで、乾式で粉砕を行い、
得られた微粒子が凝集するのを防ぐことが必要である。
本発明は、乾式、室温で、天然高分子を微細化する新規
な製造方法を提供することを目的としてなされたもので
ある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記目的
を達成するために鋭意研究を重ねた結果、天然高分子を
加熱あるいは減圧にして乾燥し、水と相溶性のある揮発
性有機溶媒(アセトン、メタノール、エタノールなど)
を吸着させ、室温で振動粉砕器などを用いて微粉砕すれ
ば、得られた粒子の凝集を低減でき、より効率的に微粒
子を製造することができることを見いだし、この知見に
基づいて本発明を完成するに至った。
【0006】すなわち、本発明では前記の方法により、
凝集が起こらず、天然高分子の乾燥微粒子が得られる。
前記の方法のうち、天然高分子原料を乾燥することは、
水分子による高分子の可塑化効果を下げ靭性が上がるの
を防ぐとともに、その乾燥過程で分子間に新たな水素結
合などが生成して、高分子をより硬くし、靭性を下げる
効果がある。また、アセトンなどの有機溶媒は、乾燥後
でも極微量存在している水分子と置換し、水分子の可塑
化効果を下げるとともに、粉砕により得られた粒子同士
が水素結合により再凝集するのも妨げる効果がある。こ
の様な溶媒としてはアセトン、メタノール、エタノール
などが考えられるが、乾燥微粒子を容易に得るために
は、減圧や加熱乾燥などの方法で除去しやすい低沸点の
揮発性溶媒が望ましい。
【0007】この、天然高分子を乾燥し有機溶媒を吸着
させて、室温で微粉砕することによって微粒子を得る方
法は、乾燥とわずかな量の有機溶媒の添加という、比較
的容易な操作で効率よく天然高分子の微粒子を製造する
ことができる。以下に本発明の詳細を示すが、乾燥の方
法、有機溶媒の種類や添加量などはこの範囲に限定され
るものではない。
【0008】天然高分子を吸着水分量が1%以下程度に
なるまで乾燥(以下、絶乾とする)し、有機溶媒を重量
比で5〜20%程度添加し、原料全体に有機溶媒が浸透
するように、20〜50℃で2〜12時間放置する。有
機溶媒は高分子に完全に吸着され、粉砕の際の引火等の
危険も無くなる。その後、振動粉砕器で粉砕を行なうこ
とによって、微粒子を得る。さらに、添加した有機溶媒
は必要に応じて減圧にすることなどにより除去できる。
【0009】粉砕により生成した粒子が再凝集するのを
防ぐためには、吸着水分量は、できる限り少ない方がよ
い。減圧条件下で加熱すれば、吸着水分量を0.5%以
下にすることができ、最も効果的である。また、105
℃で12時間加熱することによっても、水分量は1%以
下にすることが可能である。水分量が1%程度以下であ
れば、微粉砕の阻害にはならない。
【0010】
【発明の効果】本発明による新規な製造方法により、天
然高分子の微粒子を乾燥微粒子として得ることができ
る。これまでの微粒子は水系懸濁液であり、その用途
は、食品、水性塗料など、水分が加わっても問題となら
ない分野などに限られていた。本発明による製造方法で
得られる乾燥微粒子は、非水系での応用分野を広げるも
のである。また、水系溶媒に対する分散性も高く、これ
までと同様の用途に用いることも容易である。
【0011】
【実施例】次に、実施例により本発明をさらに詳細に説
明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定され
るものではない。
【0012】実施例1 天然高分子としてセルロースを、また有機溶媒としてア
セトンを用いた場合の例を示す。セルロース原料として
はワットマン製のCF11を用いた。セルロースを減圧
下50℃で、吸着水分量が1%以下になるまで絶乾に
し、重量比で20%のアセトンを添加した。その後、密
閉できる粉砕容器中で50℃、12時間、アセトンをセ
ルロース全体に浸透させた。この場合、アセトンはセル
ロースに完全に吸着され、アセトン臭は全く無い。
【0013】このアセトンを浸透させたセルロースを振
動粉砕器を用いて、室温で60分間粉砕を行った。得ら
れた微粒子は再度減圧することによって、吸着している
極微量のアセトンを除去した。なお、比較データとし
て、温度20℃、相対湿度65%の条件で12時間放置
(以下、風乾とする)して、約7%の吸着水分量をもつ
セルロースを室温で、アセトンを添加して粉砕した場合
と、添加せずに粉砕した場合、また、絶乾状態でアセト
ンを添加せずに粉砕した場合のそれぞれについて、得ら
れた微粒子の粒度分布を表1に示す。
【表1】
【0014】この表から明らかなように、絶乾にしたセ
ルロースにアセトンを添加して微粉砕することによっ
て、最も粒径の小さい粒子が得られ、10ミクロン以下
の微粒子を60%以上の収率で得ることができた。風乾
状態のセルロースでも、アセトンを添加すれば、比較的
粒径の小さいものが得られた。また、セルロースを絶乾
にしただけでも、粒径の小さいものが得られた。しか
し、前述の方法ほど小さな粒径の粒子を多く得ることが
できなかった。なお、アセトンを重量比で100%以上
添加した場合には、アセトンは全量吸着されず、乾式粉
砕には支障となった。
【0015】実施例2 絶乾にしたセルロースに、実施例1と同様の条件でアセ
トンの代わりにメタノールを添加し微粉砕した場合につ
いて、得られた微粒子の粒度分布を表2に示す。
【表2】
【0016】メタノールを添加した場合においても、1
0ミクロン以下の微粒子を60%以上得ることができ
た。しかし、グリセリンなどの高沸点溶媒を用いた場合
にも、微粒子を得ることはできたが、その溶媒を除去す
るためには、他の低沸点溶媒で抽出するなどの操作が必
要となり、容易に乾燥微粒子を得ることは困難であっ
た。
【0017】実施例3 牛皮革より精製したコラーゲンを実施例1と同様の条件
で絶乾にし、アセトンを添加して微粉砕した場合につい
て、得られた微粒子の粒度分布を表3に示す。
【表3】
【0018】このコラーゲンの場合は実施例1のセルロ
ースの場合ほど効果的ではなかったが、10ミクロン以
下の微粒子を50%以上得ることができた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 北川 良一 香川県高松市花ノ宮町二丁目3番3号 工業技術院四国工業技術試験所内 (72)発明者 西山 昌史 香川県高松市花ノ宮町二丁目3番3号 工業技術院四国工業技術試験所内 (56)参考文献 特開 平1−293144(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 乾燥天然高分子に揮発性の水溶性有機溶
    媒であるケトン類もしくはアルコール類を吸着させ、機
    械的に微粉砕し得られる微粒子の製造方法
JP5226349A 1993-07-27 1993-07-27 微粒子天然高分子の新規な製造方法 Expired - Lifetime JP2560235B2 (ja)

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JPH0741502A JPH0741502A (ja) 1995-02-10
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WO2010026925A1 (ja) 2008-09-03 2010-03-11 株式会社オーケン 粉体化粧料

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