JP2559526B2 - 液体クロマトグラフィー用充填剤の製造方法 - Google Patents

液体クロマトグラフィー用充填剤の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、液体クロマトグラフィー用充填剤、特にゲ
ル浸透クロマトグラフィーに適した液体クロマトグラフ
ィー用充填剤およびその製造法に関する。
(従来の技術) 各種物質の分離又は検出に液体クロマトグラフィーが
使用され、生体試料からタンパク質の分離など、特に親
水性物質の分離には、水系のゲル浸透クロマトグラフィ
ー(以下、GBCとする)が利用されている。GPC法は、充
填剤内部の細孔に試料中の分子を拡散させると、小さい
分子は細孔内部に入り込むため溶離時間に遅れを生じ、
大きな分子から順に溶出されるという原理に基づいて、
分離を行う方法である。
親水性物質を分離するための水系GPCに良く用いられ
る充填剤としては、従来からデキストランゲル、アガロ
ースゲル等の天然高分子ゲルがある。これらのゲルはタ
ンパク質等の非特異吸着が少なく優れた充填剤である
が、ゲルが軟質なため耐圧性に劣り、高速処理が不可能
である。
これらの天然高分子に比べ比較的高速処理が可能な充
填としては、架橋性重合体ゲルからなる合成高分子系充
填剤が挙げられる。架橋性重合体ゲルとしては、ジビニ
ルベンゼンとビニルアセテートとの共重合体およびポリ
エチレングリコールジメタクリレートとヒドロキシエチ
ルメタクリレートとの共重合体等がある。上記素材でな
り水系で用いられる合成高分子系充填剤は、通常、特公
昭58−45658号に開示された方法、つまり架橋性単量体
および親水性単量体に重合開始剤を加えて懸濁重合する
ことによって調製される。或は、特開昭52−138077号に
開示されている方法によれば、酢酸ビニル等の、加水分
解反応によって水酸基を生成し得る官能基(以下、加水
分解の基)を持つ単量体を重合し、得られた重合体を加
水分解して、更にエピクロルヒドリンで後架橋すること
によって充填剤が調製される。これらの充填剤におい
て、耐圧性を向上させるには架橋度を上げる必要がある
が、架橋部分が疎水性なので、架橋度を上げるとゲルの
疎水性が増し、タンパク質の非特異吸着が生じる。この
ため架橋剤量が制限され、十分な耐圧性を得ることが難
しい。更に上記方法で得られた充填剤は、重合体粒子内
の全体に親水性単量体が分散して存在するため、水性溶
媒中では膨潤・収縮し易く、このような理由からも耐圧
性が不十分である。
耐圧性に優れ、比較的高速処理が可能で分離能に優れ
た充填剤として、多孔性シリカゲルの表面に化学処理が
なされたシリカ系充填剤がある。しかしこの充填剤は表
面の残存シラノール基の影響によりタンパク質等の塩基
性基を有する物質を吸着する特性を有する。更にシリカ
ゲルは酸およびアルカリで溶解するため、溶離液のpHが
3〜8に限定される。
更に、上記水系GPC用ゲルに使用され得、比較的耐圧
性に優れた充填剤して、特開昭59−18705号、特開昭62
−63856号および特開昭63−79064号に開示された、いわ
ゆるシード重合法によって得られる充填剤がある。この
重合法は、架橋重合体粒子に重合開始剤および単量体を
含浸させて、これを懸濁重合に供し、二層構造の粒子を
得ようとする方法である。この方法において、架橋重合
体粒子に含浸させる単量体として水酸基を有する単量体
を用いれば、水系GPC用充填剤が得られる。また、加水
分解性の基を有する単量体を含浸させて重合し、その後
加水分解しても同様のGPC用充填剤が得られる。しか
し、得られる充填剤粒子の内部に水酸基が存在するた
め、上記と同様の理由により、水系溶媒中で膨潤・収縮
し易く、従って耐圧性はなお不十分である。
(発明が解決しようとする課題) 本発明は上記従来の欠点を解決するものであり、その
目的とするところは、タンパク質等の親水性物質の分離
に適したクロマトグラフィー用充填剤であって、耐圧性
が高く、膨潤・収縮が少なく、かつタンパク質等の非特
異吸着が少ない充填剤の製造法を提供することにある。
本発明の他の目的は、上記の優れた性質を有し、特にGP
Cに好適な充填剤およびその製造法を提供することにあ
る。
(課題を解決するための手段) 本発明の液体クロマトグラフィー用充填剤の製造法
は、重合開始剤を含浸させた疎水性架橋重合体粒子を調
整する工程;該疎水性架橋重合体粒子を分散させた分散
液に、加水分解反応により水酸基を生成し得る官能基を
有する単量体を添加して溶解させ、該疎水性架橋重合体
粒子の表面部分で該単量体を重合させ、該疎水性架橋重
合体粒子の表面部分に、加水分解反応により水酸基を生
成し得る官能基を有する重合体の層を10〜300Åの厚さ
に形成する工程;および該官能基を加水分解し、前記疎
水性架橋重合体粒子表面を水酸基を有する重合体で10〜
300Åの厚さで被覆する工程を包含し、そのことにより
上記目的が達成される。
本発明の製造法で得られる充填剤は、疎水性架橋重合
体粒子を骨格とし、加水分解性の基を有する重合体で該
疎水性架橋重合体粒子の表面部分が被覆された、二層構
造の重合体粒子の表面が加水分解されたものである。該
疎水性架橋重合体粒子の素材としては、疎水性架橋性単
量体を(共)重合させて得られる(共)重合体又は疎水
性架橋性単量体と疎水性非架橋性単量体との共重合体が
挙げられる。これらの(共)重合体は、上記の様に本発
明の充填剤の骨格部分であるから、後述する加水分解反
応において、化学反応(例えば、加水分解)しない重合
体である必要がある。従って素材となる上記単量体は、
加水分解反応条件において、化学反応し得る官能基を持
たない単量体である。また上記の疎水性架橋重合体は、
疎水性架橋性単量体の単独重合体、或は二種以上の架橋
性単量体よりなる共重合体である。また必要に応じて、
一種以上の非架橋性の単量体を添加する事も出来る。
上記疎水性架橋性単量体としては、例えばジビニルベ
ンゼン、ジビニルトルエン、ジビニルキシレン、ジビニ
ルナフタレン等の2個以上のビニル基を有する芳香族系
化合物が挙げられる。また上記の非架橋性の疎水性単量
体としては、例えばスチレン、メチルスチレン等のスチ
レン系単量体が挙げられる。上記架橋性および非架橋性
単量体を混合して用いる場合には、架橋性単量体が全単
量体100重量部に対して10重量部以上、好ましくは20重
量部以上となるよう使用される。
本発明において、疎水性架橋重合体粒子を被覆する重
合体の素材としては、加水分解性の基を有する単量体を
重合して得られるものである。このような単量体として
は、例えば酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酢酸ビニ
ル、吉草酸ビニル等のカルボン酸ビニルエステル類;グ
リシジルメタクリレート等のグリシジル化合物などが挙
げられる。
上記加水分解性の基を有する単量体は、必要に応じて
二種以上が混合して用いられ得る。該単量体の使用量は
単量体の種類によって異なるが疎水性架橋重合体100重
量部に対して5〜50重量部の割合である。
上記の加水分解性の基を有する単量体は、疎水性架橋
重合体の表面で重合されて該重合体を被覆するが、その
被覆層の厚みは10〜300Åである。該被覆層は加水分解
されて水酸基を生成するので、親水性を有するようにな
る。そのため被覆層の平均的な厚みが300Å以上になる
と、該被覆層部の膨潤・収縮効果が無視できないほど大
きくなり、その影響が分離能の低下、圧力の上昇と言っ
た形で現れるため好ましくない。また、溶離液との平衡
化に時間が掛かるため分離能の低下、分析時間の延長と
言った欠点が認められるので好ましくない。更に該被覆
層は疎水性架橋重合体の表面を完全に被覆している必要
がある。疎水性架橋重合体が露出している部分がある
と、該部分が水系クロマトグラフィーにおける被分離物
質(タンパク質など)と接触した場合非特異的な吸着が
起こる可能性があるからである。被覆層の観察および被
覆層の平均的な厚みの測定は以下のようにして行われ
る。試料とする充填剤粒子からミクロトームで1000Å以
下の切片を作成する。該切片を、水酸基に特異的なラベ
ル化剤又は染色試薬で処理し、透過型電子顕微鏡で観察
および写真撮影する。例えば、切片をオスミウム酸で処
理すれば、透過型電子顕微鏡観察により水酸基の分布状
態、被覆層の状態および被覆層の平均的な厚みを測定す
ることが出来る。
次に本発明の充填剤を調製するための代表的な製造例
を説明する。但し本発明の充填剤は、下記の方法によっ
て得られた物に限定されるものではない。
本発明のGPC用充填剤を調製するには、まず疎水性架
橋重合体粒子が調製される。この疎水性架橋重合体粒子
は、既知の任意の水性懸濁重合法により調製され得る。
まず上記疎水性単量体(疎水性架橋性単量体および必要
に応じて疎水性非架橋性単量体)と重合開始剤とを希釈
剤に溶解させる。該重合開始剤および得られた疎水性架
橋重合体粒子に含浸させる(後述)重合開始剤は、ラジ
カルを発生する触媒であり、疎水性であれば特に限定さ
れない。例えばベンゾイルパーオキサイド、アセチルパ
ーオキサイド、クメンパーオキサイド等の有機過酸化
物;アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスイソブチロ
アミド等のアゾ化合物などの既知のラジカル発生触媒の
いずれもが使用され得る。また上記希釈剤は多孔形成剤
として添加するもので、上記単量体を溶解させ、かつそ
の重合体を溶解させない有機溶媒のいずれもが使用可能
である。例えば、トルエン、キシレン、ジエチルベンゼ
ン、ドデシルベンゼン等の芳香族炭化水素類;ヘキサ
ン、ヘプタン、オクタン、デカン等の飽和炭化水素類;
イソアミルアルコール、ヘキシルアルコール、オクチル
アルコール等のアルコール類が挙げられる。その使用量
は何等限定されないが、上記単量体混合物100重量部に
対して15〜200重量部の割合であることが好ましい。
上記単量体混合物をポリビニルアルコール、リン酸カ
ルシウム等の懸濁安定剤を溶解した水相に添加し、窒素
置換後攪拌しながら40〜100℃に加熱することにより懸
濁重合を行う。得られた重合体粒子中には希釈剤である
有機溶媒が分散して存在するため、重合終了後に有機溶
媒を除去することにより、多孔性の球状粒子が得られ
る。希釈剤として上記単量体混合物と相溶性の異なる種
々の有機溶媒を使用することにより、多孔性重合体の細
孔の大きさを任意に変化させることが可能である。
次に、得られた疎水性架橋重合体粒子に重合開始剤を
含浸させる。重合開始剤を含浸させるには、該重合開始
剤を、低沸点でかつ疎水性架橋重合体と親和性の良い溶
媒に溶解させ、これに上記疎水性架橋重合体粒子を浸漬
する。このことにより重合開始剤が粒子中に浸透する。
これを必要に応じて重合開始剤の分解点以下の温度で加
熱して溶媒を留去すれば、その内部に重合開始剤を含有
する疎水性架橋重合体粒子が得られる。この重合開始剤
含有粒子を上記加水分解性の基を有する単量体が溶解す
る分散媒中に分散させ、あるいは該粒子が分散する分散
媒中に加水分解性の基を有する単量体を添加し、溶解し
て、窒素置換後攪拌下に加熱して重合を行う。この重合
により、加水分解性の基を有する単量体が疎水性架橋重
合体粒子の表面に重合し、該粒子を被覆する。上記の分
散媒としては加水分解性の基を有する単量体を溶解する
水又は有機溶媒、或は両者の混合物が使用され得る。分
散媒には疎水性架橋重合体の分散性を安定させるため、
カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコールな
どの分散安定剤を添加することもできる。重合の温度及
び時間は、反応させる加水分解性の基を有する単量体の
種類と重合開始剤の種類によっても異なるが、40〜100
℃で0.5〜20時間程度である。以上の方法(以下、含浸
法とする)により、上記の二層構造の重合体粒子が調製
される。
上記の重合開始剤を含浸させた架橋重合体粒子を加水
分解性の基を有する単量体の重合反応に供する方法の
他、疎水性架橋重合体粒子の調製に引き続いて加水分解
性の基を有する単量体を反応させる方法(以下、連続法
とする)によっても上記二層構造の重合体粒子が調製さ
れ得る。この方法においては、まず上記疎水性架橋重合
体粒子を調製するための重合反応を開始させる。重合が
ある程度進行し、かつ未反応の重合開始剤が残存してい
る時に上記加水分解性の基を有する単量体を反応系に加
える。このような状態においては、系内の油相および生
成した疎水性架橋重合体粒子内部に重合開始剤が存在す
るため、引き続いて加水分解性の基を有する単量体の重
合が起こり、しかも該疎水性架橋重合体粒子の表面部分
を被覆する形で加水分解性の基を有する重合体の層が形
成される。従ってこの連続法によっても、上記の含浸法
と同様の二層構造粒子が得られる。
上記各方法で得られた重合体粒子を熱水、有機溶媒等
で十分洗浄し、粒子に含有されている、或は付着してい
る懸濁安定剤、溶媒、残存単量体等を除去する。
得られた重合体粒子を酸触媒又はアルカリ触媒により
加水分解を行う事により、粒子表面の被覆層に存在する
加水分解性の官能基が加水分解されて水酸基となる。例
えば加水分解性の基を有する単量体として酢酸ビニルを
用いた場合、重合体粒子を水酸化ナトリウムの15〜25重
量%メタノール溶液中で60〜80℃の温度で4〜10時間反
応させることによって粒子表面の−O−COCH3基は水酸
基となる。
加水分解反応後、重合体粒子を濾取し、数回洗浄して
乾燥し、更に必要に応じて粒子を分級することにより、
GPC用の充填剤が得られる。
本発明の充填剤は疎水性架橋重合体を骨格とし、水酸
基を有する重合体で該疎水性架橋重合体の表面部分が被
覆された二層構造の重合体粒子である。骨格部分として
架橋度の高い重合体を用いることによって、機械的強度
が極めて大きく耐厚性に優れた液体クロマトグラフィー
用充填剤を得ることができる。この充填剤の骨格部分に
は親水性基が存在しないため、膨潤および収縮の度合が
極めて小さい。表面は水酸基を有する親水性の重合体で
被覆されているためタンパク質等の非特異吸着がなく、
GPC用充填剤として好適である。この充填剤は広いpH範
囲において使用することが可能である。更に上記のよう
に耐圧性が大きく、膨潤・収縮の度合が極めて低いた
め、粒径の微小化が図れ、その結果高精度での分離が可
能となる。高圧条件下での使用が可能なため、迅速分析
がなされ得る。
(実施例) 以下に本発明を実施例につき説明する。
以下の実施例および比較例において得られた充填剤の物
性測定および性能評価の方法は次の通りである。
「被覆層の平均厚さの測定方法」 充填剤に用いる被覆重合体粒子をエポキシ樹脂に包埋
した後、Reichert−Jung社製ミクロトームULTRACUTEを
用いて厚さ約900Åの切片を作成する。得られた切片
を、オスミウム酸溶液(電子顕微鏡用、和光純薬工業
(株)製)で染色し、日本電子(株)製透過型電子顕微
鏡JEM100Sにて観察・写真撮影して、水酸基の分布状態
および被覆層の平均厚さの測定をした。
「充填剤の評価方法」 充填剤を内径7.5mmおよび長さ500mmのステンレス製カ
ラムに充填し、耐圧性および水に対する膨潤性を調べ
た。耐圧性はカラムに精製水を流し、流速を変えて流速
と圧力損失との関係より測定した。膨潤性は、乾燥状態
と精製水に浸漬した状態の粒径の違いを、遠心沈降式粒
度分布測定装置SA−CP3((株)島津製作所製)で測定
することにより評価した。
更に、分子量既知の標準サンプルを用いて較正曲線を
作成し排除限界分子量(以下、MLimと表わす)を求め
た。GPCにおける較正曲線とは被分離物質の分子量とク
ロマトグラムにおける溶出容量との関係を表わす曲線で
あり、第1図に示すように縦軸に被分離物質(ポリマー
またはオリゴマー)の分子量(M)の対数を、横軸に溶
出容量(Ve)を目盛ったグラフ上にプロットして得られ
る曲線である。第1図で傾斜した直線の延長と横軸に平
行な線の延長が交わる点の縦軸の値が、排除限界分子量
MLimである。較正曲線作成時の分析条件を以下に示す。
カラム ステンレス製 内径7.5mm 長さ500mm 液体クロマトグラフ 積水化学工業(株)製 液体クロマトグラフシステム SSLC
−20 サンプル Sigma社製デキストラン0.5%水溶液 和光純薬工業(株)製 ポリエチレングリコール0.5%水溶
液 流速 1.0ml/分 溶離液 精製水 検出器 昭和電工(株)製 示差屈折計SE−51 各実施例のGPC用充填剤についてMLimを求めた。更
に、50mMリン酸緩衝液を溶離液として各種タンパク質の
GPC分析を行い、較正曲線を描いた。
実施例1 疎水性架橋重合体粒子として積水化学工業(株)製ポ
リスチレン系ゲルHSG−50 200gを用い、これをデカノイ
ルパーオキサイド(重合開始剤)0.5gが溶解しているア
セトン1に浸漬して該重合開始剤を含浸させた。次
に、アセトンを20℃において減圧下で留去した。50%メ
タノール水溶液2に上記の含浸処理した疎水性架橋重
合体を分散させ、攪拌しながら酢酸ビニル(加水分解性
の基を有する単量体)50gを添加し、窒素置換後65℃で1
0時間重合反応を行った。生成物を熱水およびアセトン
で順次洗浄し、乾燥した。得られた微小のポリマー粒子
150gを、水酸化ナトリウムの20重量%メタノール溶液50
0ml中に添加し、75℃にて5時間加熱してポリ酢酸ビニ
ルのエステル部分を加水分解した。反応混合物を室温に
冷却した後、重合体粒子を濾取して、数回洗浄し乾燥し
た。
得られたポリマー粒子を、日清エンジニアリング
(株)製空気分級機ターボクラシファイアTC−15Nによ
り分級して粒径が8〜10μmの粒子を集め、充填剤を得
た。これを内径7.5mmおよび長さ500mmのステンレス製カ
ラムに充填した。充填は精製水120mlに充填剤15gを取り
5分間攪拌した後、2.0ml/分で定流量充填することによ
り行った。
上記の方法により耐圧性及び膨潤性の評価を行った。
耐圧性評価においては、150kg/cm2まで圧力損失が流速
と比例した。膨潤性試験を行ったところ、乾燥状態と精
製水に浸漬した状態での粒径の違いはなく、水系溶媒中
で膨潤しないことがわかった。またオスミウム酸染色し
た後、透過型電子顕微鏡観察・写真撮影して、被覆層の
平均厚さの測定をしたところ約50Åであることがわかっ
た。
更に上記の評価方法に従って、較正曲線を作成した。
得られた較正曲線を第2図に示す。MLimは5.0×105であ
った。ここで第2図および後述の第4図、第6図、第8
図、第9図の較正曲線におけるプロット1〜6はデキス
トランサンプルを用いて得られた結果であり、各デキス
トランの分子量は、1が2,000,000、2が500,000、3が
100,000、4が70,000、5が40,000、6が10,000であ
る。プロット7〜10はポリエチレングリコールサンプル
を用いて得られた結果であり、各分子量は、7が10,00
0、8が6,000、9が2,000、10が600である。
種々のタンパク質(Sigma社製)の分析を行った結
果、得られた較正曲線を第3図に示す。ここで第3図お
よび後述の第5図、第7図におけるプロット11〜20はそ
れぞれ、11はチログロブリン(分子量660,000、以下括
弧内は分子量を示す)、12はγ−グロブリン(156,00
0)、13は牛血清アルブミン(67,000)、14はオブアル
ブミン(43,000)、15はペルオキシダーゼ(40,200)、
16はβ−ラクトグロブリン(35,000)、17はミオグロビ
ン(16,900)、18はリボヌクレアーゼA(13,700)、19
はチトクロームC(12,400)、20はグリシン4量体(24
6)を用いて得られた結果である。
実施例2 スチレン(疎水性非架橋性単量体)100g、ジビニルベ
ンゼン(疎水性架橋性単量体)200gおよびベンゾイルパ
ーオキサイド(重合開始剤)1gをトルエン(希釈剤)20
0gに溶解させた。これを4%ポリビニルアルコール水溶
液2.5に添加して、攪拌しながら調粒した後、窒素置
換下で80℃に加熱し懸濁重合を行った。80℃で8時間重
合した後、生成物を熱水およびアセトンで順次洗浄し、
乾燥して微小の疎水性架橋重合体粒子を得た。
この疎水性架橋重合体粒子200gをベンゾイルパーオキ
サイド(重合開始剤)0.5gが溶解しているアセトン1
に浸漬して該重合開始剤を含浸させた。次に、アセトン
を20℃において減圧下で留去した。50%メタノール水溶
液2に上記の含浸処理した疎水性架橋重合体を懸濁さ
せ、攪拌しながらグリシジルメタクリレート(加水分解
性の基を有する単量体)50gを添加し、窒素置換後80℃
で10時間重合反応を行った。生成物を熱水およびアセト
ンで順次洗浄し、乾燥した。このポリマー粒子を実施例
1と同様に加水分解、分級および充填して評価した。
その結果、耐圧性については150kg/cm2まで圧力損失
が流速と比例した。膨潤性試験を行ったところ、乾燥状
態と精製水に浸漬した状態での粒径の違いはなく、水系
溶媒中で膨潤しないことがわかった。
顕微鏡観察・写真撮影して、被覆層の平均厚さの測定
をしたところ約100Åであることがわかった。またMLim
は1.0×105であった。得られた較正曲線を第4図に、そ
してタンパク質の分析結果を第5図に示す。
実施例3 この実施例では、疎水性架橋重合体粒子の調製に続い
て加水分解性の基を有する単量体を反応させる連続法を
採用した。
スチレン100g、ジビニルベンゼン200gおよびベンゾイ
ルパーオキサイド1gをトルエン200gに溶解し、2%ポリ
ビニルアルコール水溶液2に添加して、攪拌しながら
調粒した後、窒素置換下で80℃に加熱し懸濁重合を行っ
た。80℃で2時間重合した後、プロピオン酸ビニル(加
水分解性の基を有する単量体)50gをメタノール1と
混合したものを上記の系に添加し、更に80℃で10時間重
合し、生成物を熱水およびアセトンで順次洗浄し乾燥し
た。得られた微小のポリマー粒子を実施例1と同様の方
法で加水分解、分級および充填して評価した。
その結果、耐圧性については150kg/cm2まで圧力損失
と流速が比例した。膨潤性試験を行ったところ、乾燥状
態と精製水に浸漬した状態での粒径の違いはなく水系溶
媒中で膨潤しないことがわかった。
顕微鏡観察・写真撮影して、被覆層の平均厚さの測定
をしたところ約80Åであることがわかった。またMLimは
1.0×105であった。得られた較正曲線を第6図に、そし
てタンパク質の分析結果を第7図に示す。
比較例1 スチレン100g、ジビニルベンゼン200g、酢酸ビニル
(加水分解性の基を有する単量体)70g、デカノイルパ
ーオキサイド1gをトルエン200gに溶解し、4%ポリビニ
ルアルコール水溶液2.5に添加して、攪拌しながら調
粒した後65℃に加熱し、懸濁重合した。65℃で10時間重
合した後、生成物を実施例1と同様の操作により加水分
解、分級、充填し評価した。
実施例1と同様の評価を行った結果、耐圧性について
は80kg/cm2まで圧力損失は流速と比例した。膨潤性試験
を行ったところ、平均粒径が9.2μmから12.5μmに変
化し充填剤を膨潤の度合が高いことがわかった。また染
色後の顕微鏡観察・写真撮影により、被覆層の平均厚さ
の測定をしたところ、水酸基は粒子内部にも一様に分布
していた。較正曲線を描いてMLimを求めようとしたとこ
ろ、ポリエチレングリコールについては分子量の大きい
ものが後に溶出される結果となった。これは充填剤表面
が疎水性の為に起こった、ポリエチレングリコールと充
填剤との疎水性相互作用によるものと思われる。ポリエ
チレングリコールは分子量が大きいほど疎水性が高く、
従って充填剤との疎水性相互作用も強くなるためと考え
られる。得られた較正曲線を第8図に示す。
比較例2 疎水性架橋重合体粒子として積水化学工業(株)製ポ
リスチレン系ゲルHSG−50 200gを用い、加水分解性の基
を有する単量体として酢酸ビニル300gを用いた以外は実
施例1と同様に操作して充填剤を得、その評価を行っ
た。
その結果、耐圧性については350kg/cm2まで圧力損失
と流速が比例した。膨潤性試験を行ったところ乾燥状態
と精製水に浸漬した状態での粒径の違いはなく、水系溶
媒中で膨潤しないことがわかった。
また染色後の顕微鏡観察・写真撮影により、被覆層の
平均厚さの測定をしたところ、約400Åであった。また
較正曲線を描いてMLimを求めようとしたところ、各分子
量の試料を分離する事が出来なかった。これは表面被覆
層が厚くなり過ぎ、充填剤の細孔をほとんど塞いでしま
ったためと思われる。得られた較正曲線を第9図に示
す。
比較例3 疎水性架橋重合体粒子として積水化学工業(株)製ポ
リスチレン系ゲルHSG−50 200gを用い、加水分解性の基
を有する単量体として酢酸ビニル10gを用いた以外は実
施例1と同様に操作して充填剤を得、その評価を行っ
た。
その結果、耐圧性については350kg/cm2まで圧力損失
と流速が比例した。膨潤性試験を行ったところ乾燥状態
と精製水に浸漬した状態での粒径の違いはなく、水系溶
媒中で膨潤しない事がわかった。また染色後の顕微鏡観
察・写真撮影により、被覆層の平均厚さの測定をしたと
ころ、約8Åであり、一部被覆していない箇所が見られ
た。また較正曲線を描いてMLimを求めようとしたとこ
ろ、ポリエチレングリコールについて分子量の大きいも
のが後に溶出される結果となった。これは充填剤表面が
疎水性のために起こった、ポリエチレングリコールと充
填剤との疎水性相互作用によるものと思われる。得られ
た較正曲線は第8図と同様であった。
(発明の効果) 本発明によれば、このように耐圧性に優れ、かつ膨潤
・収縮が少なく、タンパク質の非特異的吸着がない水系
の液体クロマトグラフィー用充填剤が得られる。このよ
うな充填剤は、GPC用の充填剤として各種親水性物質の
単離もしくは分析に広範囲に利用され得る。
【図面の簡単な説明】
第1図はゲル浸透クロマトグラフィーにおいて被分離物
質の分子量と溶離液の溶出容量との関係を表す較正曲線
である。 第2図、第4図、第6図、第8図および第9図はそれぞ
れ実施例1、実施例2、実施例3、比較例1および比較
例2で得られた充填剤をカラムに充填し、標準サンプル
のGPC分析を行ったときの較正曲線を示す。第3図、第
5図および第7図はそれぞれ実施例1、実施例2および
実施例3で得られた充填剤をカラムに充填し、タンパク
質の分離を行ったときの較正曲線を示す。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】液体クロマトグラフィー用充填剤の製造法
    であって、 重合開始剤を含浸させた疎水性架橋重合体粒子を調整す
    る工程; 該疎水性架橋重合体粒子を分散させた分散液に、加水分
    解反応により水酸基を生成し得る官能基を有する単量体
    を添加して溶解させ、該疎水性架橋重合体粒子の表面部
    分で該単量体を重合させ、該疎水性架橋重合体粒子の表
    面部分に、加水分解反応により水酸基を生成し得る官能
    基を有する重合体の層を10〜300Åの厚さに形成する工
    程;および 該官能基を加水分解し、前記疎水性架橋重合体粒子表面
    を水酸基を有する重合体で10〜300Åの厚さで被覆する
    工程; を包含する液体クロマトグラフィー用充填剤の製造法。
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