JP2559138B2 - 負荷時タップ切換器、その運転監視システムおよびその運転監視方法 - Google Patents

負荷時タップ切換器、その運転監視システムおよびその運転監視方法

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JP2559138B2 JP1034276A JP3427689A JP2559138B2 JP 2559138 B2 JP2559138 B2 JP 2559138B2 JP 1034276 A JP1034276 A JP 1034276A JP 3427689 A JP3427689 A JP 3427689A JP 2559138 B2 JP2559138 B2 JP 2559138B2
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    • H01H9/0005Tap change devices
    • H01H2009/0061Monitoring tap change switching devices

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、負荷時タップ切換器の運転監視システムに
関するものである。
[従来の技術] 負荷時タップ切換器が、系統の電圧や位相の潮流制御
用として不可欠の地位を占め、変圧器に用いられて以来
久しく、近年になって、製作・運転実績は飛躍的に増加
の一途をたどるようになった。また、変圧器の数少ない
機構部の1つとして、さらに、主回路電流を流す主器と
して、その信頼性は年々高くなってきており、今後ます
ます高信頼性が要求されていく方向にある。
また、これまでに、負荷時タップ切換器保護の一環と
して、何らかの原因により内部異常が発生した場合、そ
れを検出するため、種々の保護装置が提案され、かつ、
採用されてきている。一例として、第5図のようなもの
がある。
第5図は負荷時タップ切換器の構成および保護装置装
備の従来例を示すものである。この種のものは、特開昭
47−10719号、実公昭63−3131号等の公報に開示され、
一般的である。
この従来装置について、第5図により説明する。
図において、LTCは負荷時タップ切換器、DSは電流切
換のための接触部5を備えた切換開閉器、TSはタップ巻
線のタップを選択、接続するタップ選択器である。
前記切換開閉器DSにおいては、適当な筒状絶縁物4に
より、内部の絶縁油7と変圧器内絶縁油8が完全に隔離
されており、内・外の絶縁油7,8が混じり合うことはな
い。また、該切換開閉器DSは、変圧器タンクカバー11か
ら変圧器タンク1内に吊り下げられるように取付けられ
る。切換開閉器DSの下部に、前記タップ選択器TSが取付
けられている。さらに、該切換開閉器DSの頭部9は、変
圧器タンク1の外に出ており、水平・垂直の伝動軸10を
介して、タップ切換の駆動源である伝導操作機構DMに連
結されている。
また、12および13は、それぞれ切換開閉器DSの頭部9
と活線浄油機15とを結ぶ入口側、出口側の油導配管であ
る。活線浄油機15内には、前記油導配管12,13を介して
油が通過するように濾材14が設けてある。タップ切換時
に発生するアークによる油分解で汚損された油は、該濾
材14aを通して循環浄化されるようになっている。
一方、16は、保護装置としての油流継電器であり、17
は放圧装置である。
ここで、保護の観点から説明を進めるために、切換開
閉器DSの内部で何か重大な異常、たとえば、切換中に異
常にアークが伸び、タップ間短絡が発生したことを想定
する。
タップ間短絡が発生すると、大電流が流れるため、ア
ークが継続し、第3図に示す、可動や固定の接触子71,7
2、また、絶縁物等の過熱・溶損を伴なうばかりか、油
の急激な分解により、大量のガスが発生し、急峻な内部
圧力上昇と油流を発生する。これをそのまま放置する
と、切換開閉器DSの筒状絶縁物4がその上昇圧力に耐え
きれず、破壊に至り、変圧器内部にも致命的大打撃を与
える結果となる。
[発明が解決しようとする課題] これを防ぐために設けられたのが、前記油流継電器16
および放圧装置17である。これらは、前記現象の進展途
中で動作し、重大事故に至る前に変圧器を停止させる役
目を担っている。
これらは、致命傷をくい止めるという点から、必要不
可欠な装置である。しかし、事故を未然に防止するとい
う予防保全の上からは、不十分と言わざるを得ない。一
旦事が起きると、全く予定外の対策時間と費用支出を伴
なうため、機器の経済的運営の面からも改善の余地があ
る。
ところで、設備不全に起因する変電器事故について
は、電気協同研究第35巻第4号「配電用負荷時タップ切
換変圧器の標準化」(昭和54年−10月)や、同第41巻第
5号「変電設備信頼度向上対策」(昭和61年−2月)
に、統計的にまとめられている。それによると、変圧器
事故における負荷時タップ切換器に関する事故の割合
は、統計時期により若干異なるが、最も多い場合、全体
数の半分近くを占め、そのうち切換開閉器と伝動体など
の駆動系に関するものが約65%を占めている。
これらは、従来、適切な異常兆候の事前予測が不可能
とされた嫌いもあり、そのためのシステムがなかったた
めによるものである。従って、この切換開閉器と伝導体
などの駆動系に関する不具合を事前に予測するとができ
れば、負荷時タップ切換器の事故を未然に防止すること
ができることになる。
本発明は、前記点に鑑み、タップ切換時に、切換開閉
器および伝動体などの駆動 系に生ずるさまざまな異常
現象をとらえ、正常値との比較判定をすることで、負荷
時タップ切換器の総合的運転監視を可能にするシステム
を提供することを目的とするものである。
[課題を解決するための手段] 本願発明は、伝動体を介して伝達される駆動力によ
り、操作体を駆動操作して、タップ切り換え操作が行わ
れる切換開閉器を有する負荷時タップ切換器において、
対象となる負荷時タップ切換器の運転状態を表す信号を
取り出して、その状態を監視する運転監視システムを提
供する。
なお、この種の負荷時タップ切換器においては、前記
伝動体に伝動軸が用いられ、また、操作体に操作軸が用
いられるので、以下の説明では、伝動軸および操作軸の
用語により説明する。もっとも、本発明は、これに限定
されるものではない。
上記目的を達成するため、本願発明の第1の態様によ
れば、伝動体を介して伝達される駆動力により、操作体
を駆動操作して、タップ切り換え操作が行われる切換開
閉器を有する負荷時タップ切換器の運転監視システムで
あって、 前記伝動体に取り付けられ、該伝動体に発生する歪を
検出する伝動体歪検出部と、 前記伝動体歪検出部の検出信号に基づいて、運転状態
を監視する監視手段とを備え、 前記監視手段は、前記伝動体歪検出部から出力される
検出信号から、1タップ切り換えごとの歪変化のピーク
値と歪の継続時間とを求め、かつ、得られた歪変化のピ
ーク値と歪の継続時間とを、予め定められた正常動作の
範囲を示す基準値と比較して異常の有無を判定すること を特徴とする負荷時タップ切換器の運転監視システム
が提供される。
また、本発明の第2の態様によれば、伝動体を介して
伝達される駆動力により、操作体を駆動操作して、タッ
プ切り換え操作が行われる切換開閉器を有する負荷時タ
ップ切換器の運転監視システムであって、 前記伝動体に取り付けられ、該伝動体に発生する歪を
検出する伝動体歪検出部、前記切換開閉器の一部に取り
付けられ、器内圧力の変化を検出する圧力検出部、およ
び、前記操作体に取り付けられ、該操作体に発生する歪
を検出する操作体歪検出部のうちの少なくとも2種の検
出部と、 前記少なくとも2種の検出部の各検出信号に基づい
て、運転状態を監視する監視手段とを備え、 前記監視手段は、 前記少なくとも2種の検出部から出力される検出信号
のそれぞれについて、1タップ切り換えごとの変化のピ
ーク値と変化の継続時間とを求め、かつ、 得られた変化のピーク値と変化の継続時間とを、それ
ぞれ予め定められた正常動作の範囲を示す基準値と比較
して異常の有無を検出すること を特徴とする負荷時タップ切換器の運転監視システム
が提供される。
また、本発明の第3の態様によれば、伝動体を介して
伝達される駆動力により、操作体を駆動操作して、タッ
プ切り換え操作が行われる切換開閉器を有する負荷時タ
ップ切換器の運転監視システムであって、 タップ巻線のタップ切り換え時の電流を検出する電流
検出部を有する検出手段と、 該電流値に基づいて、切換開閉器の接触子の消耗量を
算出し、該算出結果に基づいて、接触子の消耗を監視す
る機能を有する監視手段とを備えることを特徴とする負
荷時タップ切換器の運転監視システムが提供される。
さらに、本発明第4の態様によれば、伝動体を介して
伝達される駆動力により、操作体を駆動操作して、タッ
プ切り換え操作が行われる切換開閉器を有し、かつ、該
切換開閉器と接続されて、該切換開閉器内の絶縁油を浄
化する活線浄油機を備える負荷時タップ切換器の運転監
視システムであって、 絶縁油の汚損度を検出する油汚損度検出部と、油汚損
度検出部の検出信号に基づいて、油汚損度を監視して、
活線浄油機の動作の制御を処理する処理装置とを備え、 前記油汚損度検出部は、前記活線浄油機に送られる絶
縁油に光を投射する発光部と、絶縁油を透過した発光部
からの光を受光する受光部とを有し、 前記処理装置は、前記油汚損度検出部の検出信号を取
り込んで、これに基づいて、絶縁油の光透過率を求める
と共に、この光透過率を予め設定した基準値と比較し
て、その結果に応じて、活線浄油機の運転を行なうか否
かを判定するものであること を特徴する負荷時タップ切換器の運転監視システムが
提供される。
また本願第5の態様によれば、伝動体を介して伝達さ
れる駆動力により、操作体を駆動操作して、タップ切り
換え操作が行われる切換開閉器を有する負荷時タップ切
換器の運転監視システムであって、 前記切換開閉器の器内圧力の変化を検出する圧力検出
部、前記操作体に発生する歪を検出する操作体歪検出
部、および前記伝動体に発生する歪を検出する伝動体歪
検出部のうち、少なくとも圧力検出部を有し、かつ、タ
ップ巻線のタップ切り換え時の電流を検出する電流検出
部を有する検出手段と、 該検出手段の検出信号に基づいて、運転状態を監視す
る監視手段とを備え、 かつ、該監視手段は、電流検出部により検出される電
流値に基づいて、切換開閉器の接触子の消耗量を算出し
て、接触子の消耗を監視すると共に、前記圧力検出部に
より検出された圧力に異常がある場合に、前記接触子の
消耗との関係を判別する機能を有して構成されることを
特徴とする負荷時タップ切換器の運転監視システムが提
供される。
さらに、本願第6の態様によれば、タップ切り換え時
のアークにより絶縁油が分解されて生ずるガスによる圧
力変化、タップ切り換え時に切換開閉器の操作体に生ず
る歪、および、タップ切り換え時に前記操作体に駆動力
を伝達する伝動体に生ずる歪のうち、少なくとも2種に
ついての検出を行ない、 前記検出結果をそれぞれ予め定めた正常時の変化と比
較して、検出結果の全てが正常時の下限より小さい場
合、タップ切り換えが行われていないと判定し、検出結
果の一部が正常時の下限より小さい場合、当該検出部自
体が異常であると判定すること を特徴とする負荷時タップ切換器の運転監視方法が提
供される。
また、本願第7の態様によれば、切換開閉器と、タッ
プ選択器と、これらの操作するための駆動力を出力する
電動操作機構と、該電動操作機構からの駆動力を伝達す
る伝動体と、伝動体伝動体を介して伝達される駆動力に
より、切換開閉器のタップ切り換え操作を行なう操作体
とを有する負荷時タップ切換器において、 タップ切り換え操作の異常有無を監視する運転監視シ
ステムを備え、 該運転監視システムは、 前記伝動体に取り付けられ、該伝動体に発生する歪を
検出する伝動体歪検出部、前記切換開閉器の一部に取り
付けられ、器内圧力の変化を検出する圧力検出部、およ
び、前記操作体に取り付けられ、該操作体に発生する歪
を検出する操作体歪検出部のうちの少なくとも2種の検
出部と、 前記少なくとも2種の検出部の各検出信号に基づい
て、運転状態を監視するための処理を行なう処理装置と
を備え、 前記処理装置は、演算および判定を含む各種処理を実
行するためのCPU(中央処理ユニット)と、CPUの動作プ
ログラムおよび演算結果を含むデータを記憶するための
メモリとを有し、 該CPUは、 前記少なくとも2種の検出部から出力される検出信号
のそれぞれについて、1タップ切り換えごとの変化のピ
ーク値と変化の継続時間とを求める演算と、 得られた変化のピーク値と変化の継続時間とを、それ
ぞれ予め定められた正常動作の範囲を示す基準値と比較
して異常の有無を検出する判断とを実行すること を特徴とする負荷時タップ切換器が提供される。
[作用] 本発明の検出手段を構成する前記各検出部は、監視手
段と相俟って、それぞれ次のように動作する。まず、切
換開閉器内の圧力検出部の検出値により、圧力変化を監
視し、切換時の異常の兆候を見つけることができる。
一方、切換開閉器の操作軸に設けられる歪検出部によ
り、歪の変化を検出することにより、切換開閉器の途中
停止やタップ間短絡兆候を判断できる。
また、伝動軸の歪検出部の値の変化を検出することに
より、駆動系に異常の兆候有りと判定することができ
る。
さらに、活線浄油機の入口側油導管に設けた絶縁油汚
損度検出部の検出値が、ある規定の検出感度に達するま
で活線浄油機を連続運転する制御をすれば、絶縁低下な
どに起因する事故が未然に防止されることになる。
また、タップ巻線の電流検出手段による検出電流値に
より、タップ切換時の切換開閉器接触子の消耗量を演算
することで、その結果を前記検出結果に組み入れ、判定
結果の信頼性を上げることができる。
つまり、検出した多角的データで適切な判定を実施す
ることにより、異常の兆候を事前に感知可能な総合的な
運転監視システムを構築することができ、変圧器の計画
停止や定期検査の推進など、機器の運営に支障を与えな
い適切な処置ができるものである。
もちろん、個々の検出手段と監視手段とによっても部
分的ではあるけれども、運転監視システムが構成でき
る。
[実施例] 以下、本願発明の一実施例について、図面を参照して
説明する。
本発明の一実施例の運転監視システムは、例えば、第
1A図に示すように、運転状態を表す信号を取り出す手段
として、前記切換開閉器の器内圧力の変化を検出する圧
力検出部、前記操作軸に発生する歪を検出する操作軸歪
検出部、および、前記伝動軸に発生する歪を検出する伝
動軸歪検出部を有する検出手段と、該検出手段の検出信
号に基づいて、運転状態を監視する監視手段とを備えて
構成される。
また、前記監視手段は、例えば、第1B図に示すよう
に、演算手段と、判定手段と、出力手段とで構成され
る。
第2A図に、本願発明の負荷時タップ切換器の運転監視
システムの一実施例の構成を示す。
第2図において、本実施例が適用される負荷時タップ
切換器LTCは、電流切換のための接触部5を備えた切換
開閉器DSと、タップ巻線のタップを選択、接続するタッ
プ選択器TSと、これらの駆動系等とを備えて構成され
る。基本的には、上述した第5図に示す負荷時タップ切
換器LTCと同一の構成である。従って、同一の部分には
同一符号を付すこととして、説明を繰り返さない。
本実施例の負荷時タップ切換器LTCが、上述した従来
のものと相違する点は、検出手段を構成するセンサ部を
有する点にある。
すなわち、切換開閉器DS内部の圧力検出部S1を該切換
開閉器DSの機構部9の上面に設け、切換開閉器DSの操作
軸6の操作軸歪検出部S2を機構部9側に近接した操作軸
6上に設け、また、電動操作機構DMに近接した伝動軸10
上に伝動軸歪検出部S3を設けてある。
圧力検出部S1は、前記機構部9の上面以外の部分、例
えば、側面に設けてもよい。すなわち、切換開閉器DS内
部の圧力が伝わる任意の位置に設けることができる。
また、操作軸歪検出部S2は、機構部9内の位置でもよ
い。同様に、伝動軸歪検出部S3は、機構部9側の伝動軸
上でもよい。すなわち、それぞれの歪が発生する任意の
場所でよく、点検のし易さなどを考慮した適切な位置に
選べる。
上述した圧力検出部S1、操作軸歪検出部S2、伝動軸歪
検出部S3は、それぞれ1箇所に限らず、複数箇所に同じ
検出部を配置してもよい。同一の検出内容の検出部、例
えば、圧力検出部S1を複数設定すると、測定誤差を少な
くすることができて好ましい。また、操作軸歪検出部S2
等では、これを複数箇所に配置することにより、測定誤
差を少なくすると共に、歪の発生分布をも検出すること
ができて、軸体の疲労等を検出できる利点もある。
なお、圧力検出、歪検出は、上記対象物に限らず、他
の部材についても、行なうことができる。
ここで、これら圧力検出部S1、切換開閉器操作軸歪検
出部S2、および、伝動軸歪検出部S3には、追従性が良
く、信頼性の高いセンサ、例えば、歪ゲージを使用し、
該ゲージの抵抗変化により信号を検出する方式をとる。
もっとも、圧力、歪等を検出できる他のセンサを用いて
もよい。
次に、本実施例を構成する監視手段の一例について説
明する。
第2A図に示すように、本実施例の監視手段は、入力回
路20と、演算回路30と、判定回路40と、表示回路50とを
備えた処理装置PUにより構成される。
この処理装置PUは、例えば、第2E図に示すようなハー
ドウェアにより構成することができる。すなわち、監視
システム全体の制御、演算、判定等を実行するCPU90
と、該CPU90の動作プログラムを格納するROM91と、各種
設定基準値の格納やワークエリヤを設定するRAM92とを
これらに、入力回路20および表示回路50が接続されて、
処理装置PUが構成される。この処理装置PUには、タップ
切換ロック回路53も接続される。
入力回路20は、入力インタフェースとして機能し、圧
力検出部S1、操作軸歪検出部S2および伝動軸歪検出部S3
からの検出信号を増幅すると共に、ディジタル信号に変
換する。この入力回路20は、タップ切り換え毎に、前記
CPU90により起動され、前記各検出部S1〜S3から一定周
期でサンプリングを行なう機能をも有している。
演算回路30は、前記ディジタル化された検出信号に基
づいて、タップ切り換え時に生ずる圧力変化、操作軸歪
の変化、および伝動軸歪の変化について、各々検出され
た変化の絶対値(ピーク値)および変化の継続時間を算
出する。この他、積分値を求めることもできる。また、
圧力変化については、平均値を求めてもよい。
なお、この演算回路30には、前記入力回路20から送ら
れる各入力データを少なくともタップ切り換え分記憶す
ると供に、演算結果を記憶するメモリを有している。具
体的には、前記RAM92に、このための記憶領域を設定し
てある。
判定回路40は、第2B図に示すような機能を有する。す
なわち、各検出部S1〜S3の検出信号が、タップ切り換え
時に、一定のレベル以上出力されていない時には、検出
部自体の異常と判定する検出信号有無判定部41a〜41cを
有している。また、検出信号がある場合に、各々につい
て、継続時間と絶対値とを設定値と比較して、異常の有
無を判定する異常有無判定部42a〜42fと、前記すべての
異常有無判定部42a〜42fにおける異常なしの判定結果に
ついての論理積をとるアンド回路45と、前記すべての異
常有無判定部42a〜42fにおける重大な異常有りの結果に
ついての論理和をとるオア回路46と、前記異常有無判定
部42a〜42dにおける軽い異常有りの結果についての論理
和をとるオア回路43と、前記異常有無判定部42eおよび4
2fにおける軽い異常有りの結果についての論理和をとる
オア回路44とを有している。
前記異常有無判定回路42a〜42fは、正常値に対する倍
数により、基準を設定している。その際、上述したよう
に、倍数を大,小の2段に設定して、重大な異常と軽い
異常との2段階の判定を行なっている。
また、表示回路50は、切換開閉器内の圧力上昇におめ
る異常または操作軸における異常があると、これを警報
表示する切換開閉器警報回路51と、伝動軸における異常
があると、これを警報表示する駆動系警報回路52と、監
視箇所のいずれかに重大な異常があると、これを警報表
示すると供に、タップ切り換えの停止を指示する信号を
出力するタップ切換ロック回路53と、検出信号が無い場
合に、これを表示する検出信号無し表示回路54と、すべ
ての異常有無判定部42a〜42fにおいて異常が検出されな
い場合に、システムが正常である旨を表示する正常表示
部55とを有して構成される。
この表示回路50は、前記したように、各信号につい
て、その表示を行なうことができればよい。本実施例で
は、パネル上で、各々ランプ表示する構成としている
が、CRT等のディスプレイ装置の画面上で領域を設定し
て、各々表示する構成としてもよい。いずれの場合も、
対応するメッセージを併せて表示することができる。ま
た、音声によりメッセージを出力してもよい。さらに、
印字装置を用いてもよい。
次に、前記のように構成される実施例の作用について
説明する。
タップ切り換え時に、CPU90により入力回路20が起動
され、前記した圧力検出部S1、操作軸歪検出部S2および
伝動軸歪検出部S3から出力される検出信号を、入力回路
20において増幅し、サンプリングすると共に、ディジタ
ル値に変換する。
これらのデータは、演算回路30に送られて、ここで、
監視すべき対象物の状態を表わすデータが求められる。
すなわち、圧力変化については、1タップ切り換えに
ついて数秒以下の範囲で、第6A図に示すような圧力変化
を生じる。そこで、この圧力変化のピーク値の絶対値
と、圧力変化の継続時間とを算出する。
また、操作軸歪は、1タップ切り換えについて、約50
ms程度、第6B図に示すように、歪が発生し、その大きさ
が変化する。そこで、この歪の変化のピーク値の絶対値
と、歪の継続時間とを求める。
さらに、伝動軸歪は、1タップ切り換えについて、約
5秒程度、第6C図に示すような波形で歪が発生し、変化
する。そこで、この歪の変化のピーク値の絶対値と、歪
の継続時間とを求める。
これらの演算結果は、判定回路40に送られて、設定基
準と比較され、異常の有無が判定される。
判定回路40では、まず、1タップ切り換え毎に、前記
した各検出信号が存在しているか否かを、検出信号有無
判定部41a〜41cにおいて行なう。ここでは、例えば、前
記演算回路30から出力される演算結果が、正常値に比較
して著しく小さい場合、対応する検出部が動作していな
いか、または、タップ切換電源の異常でタップ切り換え
が行なわれていないと判定する。ここで、両者は、この
現象が演算結果の一部か前部かで区別できる。すなわ
ち、一部であれば、これに対応する検出部の異常であ
り、一方、すべての演算結果が異常であれば、タップ切
り換えが行なわれていないと判別できる。
この結果は、検出信号無し表示回路54に送られ、警報
表示される。
上述のようにして、検出信号有無の判定を行なうこと
が可能であることは、次の理由による。すなわち、圧力
検出の場合、タップ切り換え時には、正常、異常にかか
わらず、アークが発生し、これによって絶縁油が分解し
て、ガスが発生する。このガスにより切換開閉器内の圧
力が上昇する。従って、タップ切り換えの指示がなされ
ているにもかかわらず、圧力検出信号が低いレベルのま
まであれば、タップ切り換えが行なわれていないか、ま
たは、圧力検出部S1自体に故障があることが分かる。
同様に、操作軸歪および伝動軸歪についても、それぞ
れの軸が正常に回転していても、ある程度の歪が発生す
るので、これを利用して、各々の検出部S2またはS3の異
常が発見できる。
なお、すべての検出部S1〜S3が同時に故障すること
は、起きる確率が低いので、殆んど発生しない。従っ
て、すべての検出部S1〜S3の検出出力が無い場合には、
タップ切換えが行なわれていないこと、すなわち、駆動
力を発生していないことと考えられる。
検出信号が存在する場合には、各検出信号について、
それぞれ異常の有無が判定される。判定は、前記演算回
路で算出された継続時間および絶対値について各々行な
われる。また、これらの継続時間および絶対値について
は、それぞれ、下判定値と上判定値とを設定してある。
前者は、装置を停止させるに至らない軽い異常、後者
は、装置を停止させる必要のある重大な異常に対応す
る。
なお、これらの判定値は本実施例では、正常値の倍数
により設定してある。すなわち、異常有無判定回路42a
〜42fの各々には、第2B図において( )内に示す数値
のような判定基準が設定される。
今、圧力の絶対値が、たとえば、下判定値である正常
値の2倍以上、または、継続時間が正常値の2倍以上に
なった時には、切換開閉器DSに切換時のアークが伸びる
ような何らかの異常兆候が考えられるとして、判定回路
40の判定結果が切換開閉器警報回路51に導びかれて、警
報表示をすることになる。そして、圧力の絶対値がたと
えば、上判定値である正常値の3倍以上、または、継続
時間が正常値の4倍以上になった時には、異常が進展し
つつあるとして、判定回路40の判定結果がタップ切換を
停止するタップ切換ロック回路53に導かれ、モータMに
よるタップ切換を停止する。もちろん、それ以外の正常
運転時には、判定回路40の判定結果が正常を表示する正
常表示部55に導かれることは言うまでもない。
ここでは、一例として、圧力検出部S1をとり上げて説
明したが、他の操作軸歪検出部S2および伝動軸歪検出部
S3についても、同様にして、検出値の絶対値と継続時間
をそれぞれ別々に正常値と比較するようにして、その結
果を、アンド回路またはオア回路により、各々警報回路
や表示部に導くようになっている。
前記実施例が構成する通常システムとしては、タップ
切換時にトリガーをかけることで、その都度、検出部S1
〜S3を作動させればよい。しかし、圧力検出部S1のみ
は、必要に応じ切換しない時の圧力をも検出させること
により、負荷時タップ切換器運転状態全般の監視が可能
となる。そうすることで、なおいっそうの信頼度を上げ
ることができる。
前記した実施例では、切換開閉器の内部圧力、操作軸
歪、伝動軸歪について、検出を行なっているが、いずれ
か一つまたは二つについて検出を行なう構成としてもよ
い。この場合、内部圧力の検出を検出項目に含めること
が好ましい。また、この他の項目についても監視を行な
うことが好ましい。例えば、後述する絶縁油の汚損度、
切換開閉器の接触子の消耗量等についての監視が挙げら
れる。
前記実施例は、伝動軸により駆動力が伝達されて、操
作軸が駆動操作される構造のタップ切換器に適用される
例であるが、本願発明は、これに限定されない。すなわ
ち、駆動源からの駆動力を伝達する手段と、該伝達手段
により駆動されて、タップ切換器を切換操作する操作手
段とを備える構造を有する負荷時タップ切換器に、広く
適用することができる。この場合、伝達手段は、前記し
た伝動軸に限らず、駆動力を伝達する機能を有する伝動
体、例えば、棒状材、カム、歯車機構等を広く含むもの
から、最適なものが選定される。同様に、操作手段は、
前記した操作軸に限らず、前記伝達手段からの駆動力を
受けて、タップ切り換え操作を行なう機能を有する操作
体、例えば、操作桿、カム、歯車機構等を広く含むもの
から、最適なものが選定される。
従って、前述した実施例における伝動軸歪検出は、伝
達手段の歪検出の一例であり、操作軸歪検出は、操作手
段の歪検出の一例である。
また、処理装置PUは、以下の実施例においても同様で
あるが、例えば、電動操作機構DM内に収納することがで
きる。もちろん、この位置に限らず、他の位置に設ける
ことも可能である。その一例としては、図示しない別設
置の制御室内に設けることが挙げられる。
また、前記表示回路20は、その目的によって任意に選
ぶことができる。また、カラー表示などを採用し、表示
画面上で色分けなどにより、正常、警報、あるいは、タ
ップ切換ロックの別を容易に判別可能にするのも良い。
もちろん、表示の内容を更に細分化し、前記表示が切換
開閉器に関するものなのか、あるいは、伝動軸に関する
ものなのかなどを同時に示し、問題の生じている部分が
どこか分かるようにすると、実用的である。
次に、本願発明の他の実施例について説明する。この
実施例は、前記した実施例の負荷時タップ切換器に、活
線浄油機が設けられている場合の例である。すなわち、
負荷時タップ切換器LTCに活線浄油機15が付く場合に、
入口側油導管12に油汚損度検出部S4を設ける構成とした
ものである。なお、本実施例は、活線浄油機の部分を除
いては、前記した実施例と同一の構成であるから、本実
施例では、相違する点を中心として説明する。
活線浄油機15は、内部に瀘材14aとポンプ14bとを有
し、油導管12,13を介して、切換開閉器DSに接続されて
いる。
前記油汚損度検出部S4は、第2C図に示すように、入口
側油導管12をはさんで光発光部81と受光部82とを備えて
構成される。
また、この油汚損度検出部S4の出力は、前記した第2A
図に示すように、処理装置PUに入力される。すなわち、
この処理装置PUが、監視手段を構成している。
処理回路PUの入力回路20は、油汚損度検出部S4の出力
信号をサンプリングすると共に、ディジタル値に変換す
る機能を有する。また、演算回路30は、前記検出信号に
基づいて、光の透過率を算出すると共に、これを保持す
る機能を有する。
一方、判定回路40は、前記算出された光透過率につい
て、設定した基準値を越えるか否か判定する透過率判定
部42gと、透過率が設定値を越えている場合には、活線
浄油機のポンプ14bを停止させるよう指示する停止指示
回路47と、透過率が設定値に達しない時、ポンプ14bの
運転を継続させるよう制御する浄油機制御回路48と、こ
の制御回路48の出力信号を受けて、浄油に要する時間を
計時し、絶縁油の汚損の程度を求める汚損度算出回路49
とを有している。表示回路50は、前記算出された汚損度
を表示する汚損度表示回路56を有している。
次に、本実施例の作用について説明する。
本実施例は、入口側油導管12中を流れる絶縁油7の汚
損度により、光通透過部85a,85bを透過して受光部82が
受ける光量が変化することを利用したものである。
この油汚損度検出部S4により検出された光情報は、第
2A図に示す処理装置PUに入力され、入力回路20でディジ
タル化され、さらに、演算回路30において透過率が算出
される。
算出された透過率は、第2B図に示す透過率判定部42g
において、予め設定された基準値と比較される。なお、
前記基準値は、許容限界に対応する透過率の1倍に設定
してある。
ここで、基準値に達しない場合、すなわち、汚損度が
基準値の1倍を越える場合には、浄油機制御回路48で活
線浄油機15を運転継続させ、基準値以下になるまで停止
させないようになっている。これは、絶縁油7の状態を
常に十分な絶縁耐力を有する状態に保持することを意味
し、絶縁低下などに起因する事故を未然に防止する作用
を担うものである。
他に、油汚損度検出部S4としては、第2D図に示すもの
のように、入口側油導管12の中に一対の電極83,84を設
けて構成されるものでもよい。これは、電圧を加えるこ
とで、該電極83,84間を通過する絶縁油7の耐電圧値を
検出器88により検出することによって、油の汚損度を検
出する。これによっても、第2C図に示す油汚損度検出部
と同様の効果が得られる。
なお、本実施例において、汚損度算出回路49により算
出された汚損度により、切換開閉器DS内で、絶縁油を異
常に汚損する現象が発生していることを検知することが
できる。すなわち、絶縁油自体が新しいものである場合
には、その異常な汚損は、内部での異常、特に、異常ア
ークやアーク継続によって生じていると考えることがで
きる。従って、この汚損度の監視のみにより、運転監視
システムを構成することができる。
もっとも、前記した第1A図に示すように、圧力検出等
の監視と組み合せることが好ましい。さらに、前記した
第1A図に示すように、圧力検出、操作軸歪および伝動軸
歪と、この汚損度とを組み合せればより好ましい。
次に、本願発明のさらに他の一実施例について説明す
る。
本実施例は、一般的な負荷時タップ切換器に適用され
るもので、第3図に、本実施例の構成の概要を示す。
第3図において、本実施例が適用される負荷時タップ
切換器は、変圧器のタップ巻線2のタップ3を選択器TS
と、固定接触子71および可動接触子72を有する切換開閉
器DSとを有する。
この負荷時タップ切換器に適用される監視システム
は、負荷電流IOを計測する任意線路端位置に設けられる
電流検出部S5と、この電流検出部S5により検出した電流
を処理する処理装置PUとにより構成される。
前記電流検出部S5としては、例えば、変流器が使用さ
れる。
前記処理装置PUは、前記した各実施例と同様に、第2E
図に示すハードウェアにより構成することができる。こ
の処理装置PUは、機能的には、入力回路20と、演算回路
30と、判定回路40と、表示回路50とを有して構成され
る。
入力回路20は、前記した各実施例における機の他、電
流信号をサンプリングすると共に、ディジタル化する機
能を有する。
演算回路30は、前記した各実施例における機能の他、
接触子消耗量を算出する機能、およびそれまでの接触子
消耗量を記憶保持する機能を有する。
判定回路40は、第4図に示すように、上述した第2B図
に示すものとほぼ同じ構成である。相違する点は、オア
回路43の後段に、接触子消耗量判定部60を設けて構成さ
れることである。
表示回路50は、接触子交換時期表示部57を付加したこ
との他は、前記第2B図に示したものと同じ構成である。
次に、本実施例の作用について説明する。
まず、電流検出部S5で検出された電流信号は入力回路
20に送られ、ディジタル値に変換され、演算回路30に送
られる。この演算回路30では、タップ切換毎に接触子7
1,72の消耗量が算出される。その演算結果は、前記圧力
検出部S1、操作軸歪検出部S2等からの結果と共に、判定
回路40に導かれる。これと同時に、接触子交換時期表示
部57に送られ、接触子の交換時期を表示する。これよっ
て、計画的交換作業など運営上の便宜をはかることがで
きる。
次に、前記演算回路30における接触子消耗量の算出
は、つぎのように行なわれる。
すなわち、接触子消耗量は切換電流のn乗(一般にn
≒1.6)に比例することが実験的に知られている。そこ
で負荷の変動に比例するタップ切換毎の電流値を知るこ
とにより、その都度の接触子消耗量を求めることができ
る。これを積算することで、精度の高い消耗量累計がわ
かる。
ここで、i回目における1回の切り換え時の接触子消
耗量をΔWiとし、その時の電流をIiとするとΔWiは次式
で求められる。
ΔWi≒Ii 1.6 つぎに、(i−1)回目までの累計消耗量をWi-1とする
と、i回目における累計消耗量Wiは、次式により求ま
る。
Wi=Wi-1+ΔWi 従って、タップ切り換え毎に電流を測定し、これによ
りΔWiを求め、これを順次累積加算することにより、消
耗量の総計が求まる。
ところで、切換回数が大きくなり、接触子の消耗量が
多くなったり、接触子間の消耗量のアンバランス量が多
くなってくると、切換開閉器の接触子のオン−オフ時
間、すなわちシーケンス時間が長くなり、タップ切換時
の発生アークが伸びる方向になる。この現象を利用する
のが、前記接触子消耗量判定部60である。前記結果を接
触子消耗判定部60に送ることで、もし、切換開閉器DS内
の正常時より高い圧力の上昇が生じた場合、それが接触
子消耗量大により、アーク伸びの発生確率の高い状態で
そうなったのか、反対にほとんど新品の状態であるにも
かかわず、軸の固渋などによりタップ切換速度が遅くな
って生じたのか、現象の推定もでき、より信頼性の高い
判定ができる。
前記した実施例は、接触子消耗量の算出を行なう機能
の他、前記した他の実施例の機能を組み合せた例である
が、本実施例固有の接触子消耗量の算出機能のみにより
監視システムを構成することも可能である。
[発明の効果] 本発明によれば、タップ切換に伴なう圧力、歪汚損等
の各種変化の検出部を設け、検出値を基準値と比例判定
することで、切換開閉器と伝動部などの駆動系に関する
不具合を事前に予測し、負荷時タップ切換器の事故を未
然に防止可能な運転監視システムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
第1A図は本願発明の負荷時タップ切換器の運転監視シス
テムの構成を示すブロック図、第1B図は本願発明の負荷
時タップ切換器の運転監視システムの構成に使用する監
視装置の構成を示すブロック図、第2A図は本願発明の負
荷時タップ切換器およびその運転監視システムの一実施
例の構成を示す説明図、第2B図は本願発明の監視システ
ムにおける判定回路および表示回路の一実施例の機能構
成示すブロック図、第2C図および第2D図は各々本願発明
の負荷時タップ切換器の運転監視システムの他の実施例
の構成要素の一部を示す要部断面図、第2E図は本願発明
の監視システムの構成に使用できるハードウェアの構成
の一例を示すブロック図、第3図は本願発明の監視シス
テムのさらに他の実施例の構成を示す説明図、第4図は
前記実施例を含む本願発明の監視システムの構成に使用
できる判定回路および表示回路の他の実施例を示すブロ
ック図、第5図は従来の負荷時タップ切換器の構成を示
す説明図、第6A図は圧力の時間変化を示すグラフ、第6B
図は操作軸歪の時間変化を示すグラフ、第6C図は伝動軸
歪の時間変化を示すグラフである。 LTC…負荷時タップ切換器、TS…タップ選択器、DS…切
換開閉器、S1…圧力検出部、S2…操作軸歪検出部、S3…
伝動軸歪検出部、S4…油汚損度検出部、S5…電流検出
部、DM…電動操作機構、1…変圧器タンク、2…タップ
巻線、3…タップ、6…操作軸、10…伝動軸、15…活線
浄油機、20…入力回路、30…演算回路、40…判定回路、
50…表示回路、41a〜41c…検出信号有無判定部、42a〜4
2f…異常有無判定部、51…切換開閉器警報回路、52…駆
動系警報回路、53…タップ切換ロック回路、54…検出信
号無し表示回路、55…正常表示部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐々木 清 茨城県日立市国分町1丁目1番1号 株 式会社日立製作所国分工場内 (56)参考文献 特開 昭62−213515(JP,A) 特開 昭63−87124(JP,A) 特開 昭60−177609(JP,A) 特開 昭61−281510(JP,A) 実開 昭61−104521(JP,U) 特公 昭49−46583(JP,B1)

Claims (14)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】伝動体を介して伝達される駆動力により、
    操作体を駆動操作して、タップ切り換え操作が行われる
    切換開閉器を有する負荷時タップ切換器の運転監視シス
    テムであって、 前記伝動体に取り付けられ、該伝動体に発生する歪を検
    出する伝動体歪検出部と、 前記伝動体歪検出部の検出信号に基づいて、運転状態を
    監視する監視手段とを備え、 前記監視手段は、前記伝動体歪検出部から出力される検
    出信号から、1タップ切り換えごとの歪変化のピーク値
    と歪の継続時間とを求め、かつ、得られた歪変化のピー
    ク値と歪の継続時間とを、予め定められた正常動作の範
    囲を示す基準値と比較して異常の有無を判定すること を特徴とする負荷時タップ切換器の運転監視システム。
  2. 【請求項2】伝動体を介して伝達される駆動力により、
    操作体を駆動操作して、タップ切り換え操作が行われる
    切換開閉器を有する負荷時タップ切換器の運転監視シス
    テムであって、 前記伝動体に取り付けられ、該伝動体に発生する歪を検
    出する伝動体歪検出部、前記切換開閉器の一部に取り付
    けられ、器内圧力の変化を検出する圧力検出部、およ
    び、前記操作体に取り付けられ、該操作体に発生する歪
    を検出する操作体歪検出部のうちの少なくとも2種の検
    出部と、 前記少なくとも2種の検出部の各検出信号に基づいて、
    運転状態を監視する監視手段とを備え、 前記監視手段は、 前記少なくとも2種の検出部から出力される検出信号の
    それぞれについて、1タップ切り換えごとの変化のピー
    ク値と変化の継続時間とを求め、かつ、 得られた変化のピーク値と変化の継続時間とを、それぞ
    れ予め定められた正常動作の範囲を示す基準値と比較し
    て異常の有無を検出すること を特徴とする負荷時タップ切換器の運転監視システム。
  3. 【請求項3】請求項1または2において、前記検出手段
    は、タップ巻線のタップ切り換え時の電流を検出する電
    流検出部をさらに有し、 前記監視手段は、電流検出部が検出した電流値に基づい
    て、切換開閉器の接触子の消耗量を算出し、該算出結果
    に基づいて、接触子の消耗を監視する機能をさらに有す
    ること を特徴とする負荷時タップ切換器の運転監視システム。
  4. 【請求項4】請求項1または2において、前記切換開閉
    器が、それと接続されて、当該切換開閉器内の絶縁油を
    浄化する活線浄油機を備えるものである場合であって、 絶縁油の汚損度を検出する油汚損度検出部と、 油汚損度検出部の検出信号に基づいて、油汚損度を監視
    して、活線浄油機の動作の制御を処理する処理装置とを
    さらに備え、 前記油汚損度検出部は、前記活線浄油機に送られる絶縁
    油に光を投射する発光部と、絶縁油を透過した発光部か
    らの光を受光する受光部とを有し、 前記処理装置は、前記油汚損度検出部の検出信号を取り
    込んで、これに基づいて、絶縁油の光透過率を求めると
    共に、この光透過率を予め設定した基準値と比較して、
    その結果に応じて、活線浄油機の運転を行なうか否かを
    判定するものであること を特徴とする負荷時タップ切換器の運転監視システム。
  5. 【請求項5】請求項2において、負荷時タップ切換器が
    油入りの切換器であり、前記少なくとも2種の検出部に
    含まれる1種の検出部は、圧力検出部である負荷時タッ
    プ切換器の運転監視システム。
  6. 【請求項6】請求項2において、前記少なくとも2種の
    検出部には、操作体歪検出部および圧力検出部を少なく
    とも含み、かつ、前記2種の検出部のほかに、タップ巻
    線のタップ切り換え時の電流を検出する電流検出部をさ
    らに備え、 前記監視手段は、電流検出部により検出される電流値に
    基づいて、切換開閉器の接触子の消耗量を算出して、接
    触子の消耗を監視すると共に、前記圧力検出部により検
    出された圧力に異常がある場合に、前記接触子の消耗と
    の関係を判別する機能を有して構成されること を特徴とする負荷時タップ切換器の運転監視システム。
  7. 【請求項7】請求項3または6において、前記監視手段
    は、切換開閉器の接触子の消耗量を算出するに際し、1
    回の切換時の接触子消耗量をΔWi、その時の電流をIi
    (i−1)回目までの累計消耗量をWi-1として、i回目
    における累計消耗量Wiを、 Wi=Wii-1+ΔWi ここで、ΔWi≒Ii 1.6 により演算して求めるものである、負荷時タップ切換器
    の運転監視システム。
  8. 【請求項8】切換開閉器と、タップ選択器と、これらの
    操作するための駆動力を出力する電動操作機構と、該電
    動操作機構からの駆動力を伝達する伝動体と、伝動体を
    介して伝達される駆動力により、切換開閉器のタップ切
    り換え操作を行なう操作体とを有する負荷時タップ切換
    器において、 タップ切り換え操作の異常有無を監視する運転監視シス
    テムを備え、 該運転監視システムは、 前記伝動体に取り付けられ、該伝動体に発生する歪を検
    出する伝動体歪検出部、前記切換開閉器の一部に取り付
    けられ、器内圧力の変化を検出する圧力検出部、およ
    び、前記操作体に取り付けられ、該操作体に発生する歪
    を検出する操作体歪検出部のうちの少なくとも2種の検
    出部と、 前記少なくとも2種の検出部の各検出信号に基づいて、
    運転状態を監視するための処理を行なう処理装置とを備
    え、 前記処理装置は、演算および判定を含む各種処理を実行
    するためのCPU(中央処理ユニット)と、CPUの動作プロ
    グラムおよび演算結果を含むデータを記憶するためのメ
    モリとを有し、 該CPUは、 前記少なくとも2種の検出部から出力される検出信号の
    それぞれについて、1タップ切り換えごとの変化のピー
    ク値と変化の継続時間とを求める演算と、 得られた変化のピーク値と変化の継続時間とを、それぞ
    れ予め定められた正常動作の範囲を示す基準値と比較し
    て異常の有無を検出する判断とを実行すること を特徴とする負荷時タップ切換器。
  9. 【請求項9】請求項8において、前記運転監視システム
    は、タップ巻線のタップ切り換え時の電流を検出する電
    流検出部をさらに備え、かつ、 前記CPUは、前記電流検出部で検出された電流値に基づ
    いて、切換開閉器の接触子の消耗量を算出し、該算出結
    果に基づいて、接触子の消耗を監視することをさらに行
    なう 負荷時タップ切換器。
  10. 【請求項10】請求項8または9において、 前記切換開閉器と接続されて、該切換開閉器内の絶縁油
    を浄化する活線浄油機をさらに備え、 前記運転監視システムは、絶縁油の汚損度を検出する油
    汚損度検出部をさらに備え、かつ、 前記CPUは、油汚損度検出部の検出信号に基づいて、油
    汚損度を監視して、活線浄油機の動作の制御を処理する
    機能をさらに有する 負荷時タップ切換器。
  11. 【請求項11】伝動体を介して伝達される駆動力によ
    り、操作体を駆動操作して、タップ切り換え操作が行わ
    れる切換開閉器を有する負荷時タップ切換器の運転監視
    システムであって、 前記切換開閉器の器内圧力の変化を検出する圧力検出
    部、前記操作体に発生する歪を検出する操作体歪検出
    部、および、前記伝動体に発生する歪を検出する伝動体
    歪検出部と、 前記各検出部からの検出信号に基づいて、運転状態を監
    視する監視手段とを備え、 前記監視手段は、 前記各検出部対応に設けられ、それぞれの検出信号につ
    いて、予め設定された上限値および下限値と比較する検
    出値比較手段と、 各検出部対応に設けられ、それぞれの検出信号の継続時
    間を、予め設定された上限値および下限値と比較する継
    続時間比較手段と、 検出値比較手段および継続時間比較手段において全ての
    検出信号がそれぞれの上限値と下限値とを含んでこれら
    の間にある場合には、正常と判定してそれを示す信号を
    出力する正常判定手段と、 検出値比較手段および継続時間比較手段においていずれ
    かの検出信号がその上限値を超える場合には、異常と判
    定して、タップ切換をロックする信号を出力するタップ
    切換ロック判定手段と、 前記伝動軸歪検出部からの検出信号の値およびその継続
    時間が、共に下限値を下回る場合には、伝動軸を駆動す
    る駆動系の異常と判断して、それを示す信号を出力する
    駆動系判定手段と、 前記圧力検出部および操作軸歪検出部からの各値および
    それらの継続時間のうち、少なくとも1つが下限値を下
    回る場合には、切換開閉器の異常と判断して、それを示
    す信号を出力する切換開閉器異常判定手段とを備えるこ
    と を特徴とする負荷時タップ切換器の運転監視システム。
  12. 【請求項12】請求項11において、前記監視手段は、 正常判定手段から出力される信号に基づいて、正常であ
    ることを表示する正常表示部と、 タップ切換ロック判定手段から出力される信号に基づい
    て、タップ切換をロックするタップ切換ロック回路と、 駆動系判定手段から出力される信号に基づいて、駆動系
    の異常を警報するための駆動系警報回路と、 切換開閉器異常判定手段から出力される信号に基づい
    て、切換開閉器の異常を警報するための切換開閉器警報
    回路と をさらに備える負荷時タップ切換器の運転監視システ
    ム。
  13. 【請求項13】請求項12において、前記監視手段は、前
    記各検出部からの検出信号の有無の検出をそれぞれ行な
    う信号有無検出手段と、この信号有無検出手段からの信
    号に基づいて、検出信号無しを表示するための検出信号
    無し表示回路とをさらに備える、負荷時タップ切換器の
    運転監視システム。
  14. 【請求項14】タップ切り換え時のアークにより絶縁油
    が分解されて生ずるガスによる圧力変化、タップ切り換
    え時に切換開閉器の操作体に生ずる歪み、および、タッ
    プ切り換え時に前記操作体に駆動力を伝達する伝動体に
    生ずる歪のうち、少なくとも2種についての検出を行な
    い、 前記検出結果をそれぞれ予め定めた正常時の変化と比較
    して、検出結果の全てが正常時の下限より小さい場合、
    タップ切り換えが行われていないと判定し、検出結果の
    一部が正常時の下限より小さい場合、当該検出部自体が
    異常であると判定すること を特徴とする負荷時タップ切換器の運転監視方法。
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