JP2558979B2 - 低音再生装置 - Google Patents

低音再生装置

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JP2558979B2
JP2558979B2 JP3338094A JP33809491A JP2558979B2 JP 2558979 B2 JP2558979 B2 JP 2558979B2 JP 3338094 A JP3338094 A JP 3338094A JP 33809491 A JP33809491 A JP 33809491A JP 2558979 B2 JP2558979 B2 JP 2558979B2
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  • Obtaining Desirable Characteristics In Audible-Bandwidth Transducers (AREA)
  • Circuit For Audible Band Transducer (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は小型ながら超低音を高い
最大出力音圧レベルで再生する、MFB(モーショナル
フィードバック)を利用した低音再生装置に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】近年、音楽ソースやAVソースに入って
いる超低音を、一般家庭でも十分な音量で再生すること
が重要視され、小型ながら超低音を高い音圧レベルで再
生できる低音再生装置が要望されてきている。
【0003】以下に従来の低音再生装置について、図面
を参照しながら説明する。図12に示すように、ドライ
バユニット21がキャビネット23の内部を2分割する
キャビティ分割部材23cに取り付けられ、パッシブラ
ジエータ22が外側に取り付けられている。また、ドラ
イバユニット21は電力増幅器24により駆動され、電
力増幅器24の前段にはローパスフィルタ25が挿入さ
れている。
【0004】この従来の低音再生装置の動作を、図13
に示す従来の低音再生装置のスピーカシステムの等価回
路で説明する。
【0005】低い方のある周波数f1 ではMd,Mpと
Cd,Cc1,Cc2,CpとでVdとVpの位相がほぼ同
じになるような共振が、高い方のある周波数f2 ではM
d,MpとCc2,CpとでVdとVpの位相が逆になる
ような共振が起こり、この2つの共振周波数より外側の
帯域では12dB/oct以上で音圧が減衰する特性が
得られる。また、f1 ,f2 のほぼ中間の周波数fr
(通称、反共振周波数と呼ぶ)においてはMpとCp,
Cc2とで共振が起こり、このときVdは極小になる。
【0006】Md,Cc1,Red,Cc2,Mpを適当な値
に設計する(通常、Cd≪Cc1、Cp≪Cc2、Rmd,R
c1,Rc2,Rp≪Redなので、前記パラメータに着目す
ればよい。)ことにより、つまり、Md,Cc1,Cc2
Mpの値を適当なバランスにしてf1 ,f2 の共振ピー
クの高さをそろえ、Redを十分大きくして(Md,Mp
が大きいほど、また、Cc1,Cc2が小さいほど共振のQ
が高くなり、Redはより大きな値が必要になる。)各々
の共振ピークをダンプすることにより、f1 ,f2 の間
の1.5〜2.5オクターブの帯域でフラットな音圧周
波数特性を得ることができる。
【0007】再生周波数帯域を超低域側にシフトさせる
には、Mp,Md,Cc1,Cc2を大きくすることにより
1 ,f2 を下げればよい。ただし、Md,Mpだけを
大きくすると共振のQが高くなるので、Cc1,Cc2も大
きくする必要がある。
【0008】このスピーカシステムは共振を利用してい
るので密閉型スピーカシステムより能率が高く、かつ、
バンドパス特性を有しているので低音再生用として適し
ている。また音響理論上公知であるが、ドライバユニッ
トの後方が密閉されているので、いかに低い周波数であ
ろうとドライバユニット後方の逆相音圧が前方に回り込
んで干渉することがない。従って他の形式の共鳴型キャ
ビネット(バスレフ型や、ドライバユニット後方のキャ
ビティと前方のキャビティの両方にポートを有するタイ
プ)で生じるような超低域での著しい音圧低下がなく、
帯域を超低域側にシフトするのに非常に適している。
【0009】このスピーカシステムを電力増幅器24で
駆動することにより、超低域を再生する低音再生装置を
構成している。なお、周波数が数百Hzになるとキャビ
ネット内部に定在波がのって特性が乱れることもあり、
ローパスフィルタ25を入れて不要な高い周波数を十分
減衰させている。
【0010】なお、電磁制動抵抗Redとはドライバユニ
ットの振動系が振動するときに発生するボイスコイルの
逆起電力による電磁ブレーキを意味し、電磁制動抵抗R
ed=(磁気回路の磁束密度×ボイスコイル有効導体長)
2/ボイスコイル直流抵抗 であるので、一般的に磁気回
路の強力なドライバユニットほどRedが大きい。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記従来
の構成では、超低域でフラットな音圧周波数特性を得る
ためにはMd,Mp,Cc1,Cc2,Redを大きくする必
要があるので、ドライバユニットとパッシブラジエータ
の実効振動質量を大きくし、ドライバユニットの磁気回
路を強力にするとともに、Cc1=第1のキャビティの容
積/(空気密度×空気音速2×S12)、Cc2=第2のキ
ャビティの容積/(空気密度×空気音速2×S12)であ
るので、キャビティを大きくせずにCc1,Cc2を大きく
するためには、ドライバユニットの実効振動面積S1を
小さくせざるを得なかった。
【0012】従って、昨今大出力な電力増幅器が実現容
易な状況であるにもかかわらず、ドライバユニットの実
効振動面積が小さいがために超低域では最大出力音圧レ
ベルを高くすることができない、ドライバユニットの振
動板の振幅が非常に大きくなるので歪が多い、ドライバ
ユニットの実効振動質量、磁気回路ともに大きくなるの
でドライバユニットの実現が困難であるといった数々の
問題点を有していた。
【0013】あるいは、逆に超低域での最大出力音圧レ
ベルを高くするためにドライバユニットの実効振動面積
を無理に大きくすると、Cc1,Cc2が小さくなるばかり
でなく、共振周波数が高くならないようにするためにM
d,Mpを大きくする必要があるので上述した2つの共
振周波数f1 ,f2 の共振のQが非常に高くなり、Red
を少々大きくしてもダンプしきれないほどの大きなピー
クが発生して、また特にf 1 のピークの方が高くなる傾
向があり、フラットな音圧周波数特性が得られないとい
う問題点も有していた。
【0014】図12に従来の低音再生装置の一例を示
す。ドライバユニット21は実効振動半径78mm、実
効振動質量14.5g、磁気回路の磁束密度0.8テス
ラ(=8000ガウス)、ボイスコイルの有効導体長8
m、直流抵抗5Ω、無歪最大振幅±4mm(一般に、口
径が小さいスピーカほど無歪最大振幅が小さい)、最低
共振周波数30Hzなる口径20cmのスピーカであ
り、このドライバユニット21がキャビティ分割部材2
3cに取り付けられ、大振幅が可能な口径40cmで実
効振動半径165mm、実効振動質量598gなるパッ
シブラジエータ22がキャビネット23の外側に取り付
けられている。第1のキャビティ23aは内容積35リ
ットル、第2のキャビティ23bの内容積15リットル
である。
【0015】ドライバユニット21は出力100Wの電
力増幅器24で駆動され、その前段にはカットオフ周波
数320Hzのローパスフィルタ25が挿入されてい
る。
【0016】この従来の低音再生装置の実測した音圧周
波数特性を図10に示す。30Hzから120Hz程度
にわたってほぼフラットな特性が得られているが、30
Hzにおける無歪最大出力音圧レベルは約89dBしか
ない。最大出力音圧レベルが低いのは電力増幅器の出力
が足りないためではなく、ドライバユニットの振幅で制
限されるためである。
【0017】最大出力音圧レベルを高くするために、実
効振動半径125mm、実効振動質量46g、磁気回路
の磁束密度0.8テスラ、ボイスコイルの有効導体長1
0m、直流抵抗5Ω、無歪最大振幅±6mm、最低共振
周波数30Hzなる口径30cmのスピーカを、上記口
径20cmのスピーカの代わりに取り付けた場合の音圧
周波数特性を図11に示す。30Hzと140Hz付近
に磁気回路を少々強力にしてもダンプできないほど高い
ピークが生じており、また特に30Hzの方のピークが
高くなり、実用にならないことがわかる。
【0018】本発明は上記従来の問題点を解決するもの
で、小型ながら超低音を高い最大出力音圧レベルでフラ
ットに再生する低音再生装置を提供することを目的とす
る。
【0019】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に本発明の低音再生装置は、ドライバユニットと、パッ
シブラジエータと、内部を2分割するキャビティ分割部
材に前記ドライバユニットを取り付けてこれの後方を密
閉するとともに前記パッシブラジエータを外側に取り付
けるキャビネットと、前記ドライバユニットを駆動する
電力増幅器と、前記電力増幅器と前記ドライバユニット
との間に挿入されて前記ドライバユニットの振動系速度
に比例した電圧を検出する検出回路と、前記検出回路か
ら前記電力増幅器に帰還して低域の2つの共振周波数の
ピークのレベルを同じにする量の加速度型帰還と、さら
に前記加速度型帰還をかけた時の前記ピークが平坦化さ
れる量の速度型帰還とを同時にかける帰還回路と、を備
えている。
【0020】
【作用】この構成によって、ドライバユニットにMFB
がかかり、ドライバユニットの電磁制動抵抗と実効振動
質量を等価的に非常に大きくすることができるので、2
つの共振周波数f1 ,f2 を下げるだけでなく 1 ,f
2 のピークを等しく抑えることができる。またドライバ
ユニットの後方が密閉されているので、いかに低い周波
数であろうとドライバユニット後方の音圧が前方へ回り
込んで干渉することがないので、超低域でフラットな音
圧周波数特性をドライバユニットの実効振動面積が大き
い状態でつまり高い最大出力大音圧で得られる。
【0021】
【実施例】以下、本発明の実施例について、図面を参照
しながら説明する。
【0022】図1に本発明の低音再生装置の第1の実施
例を示す。ドライバユニット1は実効振動半径125m
m、実効振動質量46g、磁気回路の磁束密度0.8
テスラ、ボイスコイルの有効導体長10m、直流抵抗5
Ω(電磁制動抵抗=(磁束密度×有効導体長)2/直流
抵抗 であるので、このドライバユニットの電磁制動抵
抗は12.8機械Ωである。)、無歪最大振幅±6m
m、最低共振周波数30Hzなる口径30cmのスピー
カであり、このドライバユニット1がキャビティ分割部
材3cに取り付けられ、大振幅が可能な口径40cmで
実効振動半径165mm、実効振動質量598gなるパ
ッシブラジエータ2がキャビネット3の外側に取り付け
られている。第1のキャビティ3aは内容積35リット
ル、第2のキャビティ3bの内容積15リットルであ
る。
【0023】ドライバユニット1は出力200Wの電力
増幅器4で駆動される。検出回路5はR1=3.9K
Ω、R2=220Ω、R3=0.33Ω、L=0.1m
Hおよびドライバユニットのボイスコイルを一辺とする
ブリッジ回路であり、電力増幅器4とドライバユニット
1との間に挿入されている。
【0024】このブリッジ回路の出力電圧つまり検出回
路5の出力電圧はドライバユニット1の振動系の速度に
正比例したものとなる。これは電気音響理論上、周知で
はあるが、今一度図2,図3,図4を参照して説明する
ことにする。
【0025】図2は一般のスピーカのインピーダンス特
性を示したものであるが、周波数が極めて低いところで
はボイスコイルの直流抵抗Reとなり、最低共振周波数
0でピークZmax (磁気回路の強力なスピーカではZm
ax は100〜300Ω程度にもなる)になり、中低音
域で再びReに近づき、高音域で緩やかに上昇するカー
ブを持っている。
【0026】図3はスピーカのボイスコイルのインピー
ダンス成分を示している。Zeはボイスコイルの制動イ
ンピーダンス(スピーカの振動系が動かないよう固定し
た状態でボイスコイルが示すインピーダンス)と呼ばれ
るもので、ボイスコイルの直流抵抗Reとインダクタン
スが直列につながったものである。(BL)2/Zmは
ボイスコイルの動インピーダンスと呼ばれるものであ
り、振動系が振動する時に発生するボイスコイルの逆起
電力によるインピーダンスである。ボイスコイルの逆起
電力E=BL×V(Vはボイスコイルの速度)であるの
で、動インピーダンスは振動系の速度に正比例したもの
となっている。
【0027】つまり、図2に示すインピーダンスカーブ
はボイスコイル直流抵抗とインダクタンスに動インピー
ダンスが重畳されたものである。図4に従来の低音再生
装置のスピーカシステムのインピーダンスカーブを示し
ているが、これも同様である。
【0028】さて、ここで図1の検出回路5に示すよう
なブリッジ回路の一辺にスピーカ、つまり、ドライバユ
ニットのボイスコイルを接続して、Re:R3=R1:
R2、および、L=ボイスコイルインダクタンス×(R
3/Re)の関係式でブリッジの平衡をとることによ
り、ブリッジ回路の出力にはボイスコイルの直流抵抗分
とインダクタンス分による電圧がキャンセルされて出て
こない。そして、動インピーダンス分による電圧だけが
ブリッジ回路の出力より出てくる。つまり、このブリッ
ジ回路によりドライバユニット1の振動系の速度に正比
例した電圧を検出できることになる。
【0029】なお、実際にはドライバユニット結線のた
めのリード線の直流抵抗などがあり、また、ボイスコイ
ル制動インピーダンスに僅かながら容量成分が含まれる
ので、上記関係式による各素子の値から微調整が必要で
ある。そういう理由で、本実施例の検出回路5のブリッ
ジ回路の各素子の値は上記関係式によるものと、ちょう
ど同じわけではない。
【0030】以上説明したように、検出回路5の出力電
圧はドライバユニット1の振動系の速度に比例した電圧
であるが、これを微分回路に通すことにより振動板の加
速度に比例した電圧が得られる。本実施例の帰還回路6
は、ドライバユニット1の実効振動質量が等価的に76
gになるような、つまり2つの共振周波数f 1 ,f 2
ピークのレベルを同じにする量の加速度型帰還がかかる
ゲインをもつ微分回路と、ドライバユニット1の電磁制
動抵抗が等価的に51.2機械Ωになるような、つまり
上記の加速度型帰還をかけた時のf 1 ,f 2 のピークを
平坦化する量の速度型帰還がかかるようなゲイン調整回
路とが合成されたものである。そして検出回路4の出力
電圧は上記の帰還回路6で電力増幅器4に帰還してい
る。なお、約250Hz以上では不安定にならないよう
帰還量を減衰させている。
【0031】また、電力増幅器4の前段にはカットオフ
周波数250Hzのローパスフィルタ7が挿入され、不
要な帯域を減衰させている。
【0032】以下、図5,図6および図13を参照し
て、MFBによる効果を詳しく説明する。
【0033】ドライバユニットの振動系の速度は図13
の等価回路のVdで表わされるが、周波数が非常に低い
と等価回路のCc1のリアクタンス成分が支配的になり、
周波数が1/2倍になるとVdが1/2倍になるという
関係になり、6dB/octで減衰する特性になる。逆
に、周波数が非常に高いと等価回路のMdのリアクタン
ス成分が支配的になり、周波数が2倍になるとVdが1
/2になるという関係になり、こちらも6dB/oct
で減衰する特性になる。
【0034】一方、f1 ,f2 付近の周波数において
は、音圧周波数特性にピークがある場合、Vdもf1
2 においてピークを持ち、反共振周波数frにおいて
は極小になる。つまり、パッシブラジエータの音圧周波
数特性が図5の(A)のようになる時、ドライバユニッ
トの振動系の速度Vdは図5の(B)のようになる。
【0035】ここで、前記構成のようにしてドライバユ
ニットの振動系速度に比例した電圧を検出して速度型帰
還(負帰還)をかけると、ドライバユニットの振動系の
速度を一定にする方向にサーボがかかるので、f 1 ,f
2 のピークのレベルが同じである場合、ドライバユニッ
トの振動系の速度はf1 ,f2 のピークが等しく平らに
なって図5の(D)のようになる。つまり、音圧周波数
特性はこれに従って図5の(C)のようになり、f1
2 のピークのとれたフラットなものになる。これはち
ょうど図13の等価回路のドライバユニットの電磁制動
抵抗Redを大きくしたことと等価であり、ドライバユニ
ットの磁気回路を強力にしたことに相当する。帰還量を
大きくすることにより、ドライバユニットの電磁制動抵
抗Redを等価的に非常に大きくすることができる。
【0036】また、加速度型帰還(負帰還)をかける
と、ドライバユニットの振動系加速度を一定にする方向
にサーボがかかる。加速度は速度を角周波数で微分した
ものなので、図5の(B)の特性全体が6dB/oct
ほど左下がりになる。つまり、振動系加速度は、f2
上でフラットでf1 以下で12dB/octで減衰する
(E)のような特性である。これが一定になる方向にサ
ーボがかかるので、より低い周波数まで振動系加速度が
フラットな帯域が広がることとなり、これはちょうど図
13の等価回路のドライバユニットの実効振動質量Md
を大きくしたことと等価であり、ドライバユニットの振
動系を重くしたことに相当する。帰還量を大きくするこ
とによりドライバユニットの実効振動質量Mdを等価的
に非常に大きくすることができる。ただし共振のQは高
くなるのでf 1 ,f 2 のピークレベルは高くなり、特に
2 の方が帰還量が大きくなるためピークがより高くな
る。
【0037】従って、上記のように速度型、加速度型帰
還を併用してかけることによりドライバユニットの電磁
制動抵抗と実効振動質量を等価的に非常に大きくするこ
とができる。
【0038】以下、図6を参照しながらドライバユニッ
トの実効振動面積が大きい場合でも、速度型、加速度型
帰還を併用して超低域でフラットな音圧周波数特性が得
られることを説明する。図6の(A)はドライバユニッ
トの実効振動面積が大きい状態で帰還なしの音圧周波数
特性を示すが、f1 ,f2 の周波数が高くピークもあ
り、一般的にf 1 のピークの方がレベルが高い。これに
加速度型帰還をかけるとドライバユニットの実効振動質
量が等価的に大きくなる。さらに、パッシブラジエータ
実効振動質量Mpを大きくすることにより、(A)の2
つの共振周波数f1 ,f2 が下がり、またf 2 のピーク
のレベルの方がより大きくなり(B)のように、f 1
2 のピークのレベルが揃った特性になる。
【0039】実際には、帰還をあまり高い周波数までか
けると動作が不安定になり、発振することもあるので、
ある周波数fc以上は帰還量を減少させる。従って、
(B)のようにfc以上でゲインが上がる特性になる。
【0040】これにさらに速度型帰還をかけることによ
り、ドライバユニットの電磁制動抵抗が等価的に大きく
なり、 1 ,f 2 のピークのレベルが揃っているために
1,f2 のピークを同じように抑えることができる。
さらに、ローパスフィルタで不要なfc以上を減衰させ
ることにより、最終的には(C)のように超低域でフラ
ットな音圧周波数特性が得られることになるのである。
【0041】以上のように構成された本発明の低音再生
装置は、ドライバユニットにMFBがかかり、ドライバ
ユニットの電磁制動抵抗と実効振動質量を等価的に非常
に大きくすることができる(たとえば、電磁制動抵抗を
12.8から51.2機械Ωにすることは磁気回路の磁
束密度を2倍にもすることに相当し、これを従来のよう
に磁気回路自体で実現することは極めて困難であり、と
てつもないコストアップを招く。)ので、2つの共振周
波数f1 ,f2 を下げるだけでなく、ピークを抑えるこ
とができ、超低域でフラットな音圧周波数特性をドライ
バユニットの実効振動面積が大きい状態で得られる。
【0042】以上のように構成された低音再生装置の実
測した音圧周波数特性を図8に示す。図8から明らかな
ように、30Hzから120Hz程度にわたってほぼフ
ラットな特性が得られているばかりでなく、キャビネッ
ト内容積合計50リットルという小型でありながら、3
0Hzにおいて約100dBの無歪最大出力音圧レベル
を得ることができる。
【0043】なお、本実施例においては検出回路5の中
にLを入れたが、ボイスコイルの口径が小さいまたは磁
気回路ヨークに銅ショートリングが付いている等で、ボ
イスコイルのインダクタンスが無視できるほど小さい場
合にはLを省略してもよい。また、本実施例では検出回
路5をブリッジ回路としたが、後で第2の実施例の説明
で述べるような、ドライバユニットと電力増幅器の間に
挿入された値の小さい抵抗としてもよい。
【0044】では次に、本発明の第2の実施例について
図7を参照しながら説明する。ドライバユニット11は
実効振動半径176mm、実効振動質量85g、磁気回
路の磁束密度1テスラ、ボイスコイルの有効導体長14
m、直流抵抗5Ω(電磁制動抵抗=(磁束密度×有効導
体長)2/直流抵抗 であるので、このドライバユニット
の電磁制動抵抗は39.2機械Ωである。)、無歪最大
振幅±8mm、最低共振周波数20Hzなる口径40c
mのスピーカであり、このドラバユニット11がキャビ
ティ分割部材13cに取り付けられ、大振幅が可能な口
径46cmで実効振動半径185mm、実効振動質量
3.41Kgなるパッシブラジエータ12aと、これと
同じ実効振動面積と実効振動質量をもつパッシブラジエ
ータ12bが、キャビネット13の外側の相対向する面
にそれぞれ取り付けられている。第1のキャビティ13
aは内容積60リットル、第2のキャビティ13bの内
容積16リットルである。
【0045】ドライバユニット11は出力600Wの電
力増幅器14で駆動される。また、ドライバユニット1
1と電力増幅器14との間には検出回路15として値の
小さい抵抗Rが挿入されている。この実施例ではR=
0.1Ωである。
【0046】この抵抗Rの両端の電圧はドライバユニッ
ト11のボイスコイルインピーダンスカーブ(図4参
照)と反比例したものになる。つまり、2つの共振周波
数f1,f2 で極小、反共振周波数frで極大になる。
【0047】本実施例のように、磁気回路の磁束密度B
とボイスコイル有効導体長Lが大きく、積BLが十分大
きくなる場合には、ボイスコイルインピーダンスは低音
域においては動インピーダンスが支配的になり、制動イ
ンピーダンスを無視することができる。つまり、抵抗R
の両端の電圧すなわち検出回路15の検出電圧は動イン
ピーダンスと反比例したもの、つまり、ドライバユニッ
ト11の振動系の速度と反比例したものとみなすことが
できる。
【0048】したがって、この検出電圧をそのまま位相
を反転せずに正帰還してやることにより、速度型帰還が
かかる。分かりやすく説明すると、2つの共振周波数f
1 ,f2 においては検出電圧は極小となり、正帰還して
いても電力増幅器14の出力はほとんど変わらない。と
ころが、反共振周波数Frやf1 ,f2 の外側の周波数
では検出電圧が大きくなり、正帰還しているため電力増
幅器14の出力が増大する。つまり、相対的にf1 ,f
2 のピークを抑える方向に帰還がかかるのであり、前述
した速度型帰還と同じ動作をするものである。
【0049】また、この検出電圧を微分回路を通すこと
により、ドライバユニット11の振動系の加速度に反比
例した電圧が得られるので、それをそのまま位相を反転
せずに正帰還してやることにより、加速度型帰還がかか
る。
【0050】以上のようにして、ドライバユニット11
の実効振動質量が等価的に370gになるような、つま
り2つの共振周波数f 1 ,f 2 のピークのレベルを同じ
にする量の加速度型帰還がかかるゲインをもつ微分回路
と、ドライバユニット11の電磁制動抵抗が等価的に1
80機械Ωになるような、つまり上記の加速度型帰還を
かけた時のf 1 ,f 2 のピークを平坦化する量の速度型
帰還がかかるようなゲイン調整回路とからなる帰還回路
16で電力増幅器14に帰還している。なお約200H
z以上では不安定にならないよう帰還量を減衰させてい
る。
【0051】また、電力増幅器14の前段にはカットオ
フ周波数200Hzのローパスフィルタ17が挿入さ
れ、不要な帯域を減衰させている。
【0052】以上にように構成された低音再生装置は、
ドライバユニットにMFBがかかり、ドライバユニット
の電磁制動抵抗と実効振動質量を等価的に非常に大きく
することができるので、2つの共振周波数f1 ,f2
下げるだけでなく2つのピークを等しく抑えることがで
る。またドライバユニットの後方が密閉されているの
で、いかに低い周波数であろうとドライバユニット後方
の音圧が前方へ回り込んで干渉することがないので、超
低域でフラットな音圧周波数特性をドライバユニット
実効振動面積が大きい状態でつまり高い最大出力大音圧
得られる。またそればかりではなく、本実施例ではキ
ャビネットの外側の相対向する面に実効振動質量と実効
振動面積が同等であるパッシブラジエータを各々取り付
けたことにより、実効振動質量の非常に大きなパッシ
ブラジエータがキャビネットに与える振動反作用力が互
いに打ち消し合うので、大出力時のキャビネットの振動
が極めて小さくなり不要な共振音や雑音を発生しないと
いう効果を有している。
【0053】以上のように構成された低音再生装置の実
測した音圧周波数特性を図9に示す。図9から明らかな
ように、20Hzという超低音から100Hz程度にわ
たってほぼフラットな特性が得られているばかりでな
く、キャビネット内容積合計76リットルという小型で
ありながら、20Hzにおいて約100dBの無歪最大
出力音圧レベルを、30Hzにおいては約111dBと
いう強大な無歪最大出力音圧レベルを得ることができ
る。
【0054】また、キャビネットの振動はパッシブラジ
エータをキャビネットの外側の片面にまとめて取り付け
た場合の100分の1程度となり、無歪最大出力音圧レ
ベルを出したときにおいても不要な共振音や雑音がほと
んど発生しない。
【0055】なお、本実施例においては検出回路を値の
小さい抵抗としたが、第1の実施例で述べたようなブリ
ッジ回路としてもよいことは言うまでもない。
【0056】
【発明の効果】以上の説明からも明らかなように、本発
明は、内部を2分割するキャビティ分割部材にドライバ
ユニットを取り付けてこれの後方を密閉するとともにパ
ッシブラジエータをキャビネットの外側に取り付け、電
力増幅器とドライバユニットとの間に挿入された検出回
路によりドライバユニットの振動系速度に比例した電圧
を検出し、帰還回路により検出回路から電力増幅器に帰
還して低域の2つの共振周波数f 1 ,f 2 のピークのレベ
ルを同じにする量の加速度型帰還と、さらに前記加速度
型帰還をかけた時の前記ピークが平坦化される量の速度
型帰還とを同時にかける構成としたことにより、ドライ
バユニットの電磁制動抵抗と実効振動質量を等価的に非
常に大きくすることができ、2つの共振周波数 1 ,f
2 を下げるだけでなく 1 ,f 2 ピークを等しく抑え
ることができるので、またドライバユニットの後方が密
閉されているので、いかに低い周波数であろうとドライ
バユニット後方の音圧が前方へ回り込んで干渉すること
がないので、超低域でフラットな音圧周波数特性をドラ
イバユニットの実効振動面積が大きい状態で得られ、小
型ながら超低域を高い最大出力大音圧レベルでフラット
に再生できる低音再生装置を実現できるものである。
【0057】さらに、キャビネットの外側の相対向する
面に実効振動質量と実効振動面積が同等であるパッシブ
ラジエータを各々取り付けたことにより、実効振動質量
の非常に大きなパッシブラジエータがキャビネットに
与える振動反作用力が互いに打ち消し合うので、大出力
時においてもキャビネットの振動が極めて小さく不要な
共振音や雑音を発生しない低音再生装置を実現すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例における低音再生装置の
構成を示すブロック図
【図2】同第1の実施例におけるスピーカのボイスコイ
ルのインピーダンス特性を示す特性図
【図3】同第1の実施例におけるスピーカのボイスコイ
ルのインピーダンス成分を示す等価回路図
【図4】同第1の実施例を説明するための低音再生装置
のスピーカシステムのインピーダンス特性を示す特性図
【図5】同第1の実施例におけるMFBの効果を説明す
るための特性図
【図6】同第1の実施例におけるMFBの効果を説明す
るための特性図
【図7】本発明の第2の実施例における低音再生装置の
構成を示すブロック図
【図8】本発明の第1の実施例における実測した音圧周
波数特性を示す特性図
【図9】本発明の第2の実施例における実測した音圧周
波数特性を示す特性図
【図10】従来の低音再生装置における実測した音圧周
波数特性を示す特性図
【図11】従来の低音再生装置における実測した音圧周
波数特性を示す特性図
【図12】従来の低音再生装置の構成を示すブロック図
【図13】従来の低音再生装置のスピーカシステムの等
価回路図
【符号の説明】
1 ドライバユニット 2 パッシブラジエータ 3 キャビネット 4 電力増幅器 5 検出回路 6 帰還回路 7 ローパスフィルタ

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ドライバユニットと、パッシブラジエー
    タと、内部を2分割するキャビティ分割部材に前記ドラ
    イバユニットを取り付けてこれの後方を密閉するととも
    に前記パッシブラジエータを外側に取り付けるキャビネ
    ットと、 前記ドライバユニットを駆動する電力増幅器と、 前記電力増幅器と前記ドライバユニットとの間に挿入さ
    れて前記ドライバユニットの振動系速度に比例した電圧
    を検出する検出回路と、 前記検出回路から前記電力増幅器に帰還して低域の2つ
    の共振周波数のピークのレベルを同じにする量の加速度
    型帰還と、さらに前記加速度型帰還をかけた時の前記ピ
    ークが平坦化される量の速度型帰還とを同時にかける帰
    還回路と、を備えたことを特徴とする低音再生装置。
  2. 【請求項2】キャビネットの外側の相対向する面に実効
    振動質量と実効振動面積が同等であるパッシブラジエー
    タを各々取り付けたことを特徴とする請求項1に記載の
    低音再生装置。
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