JP2557791B2 - 印刷機械のインキング装置 - Google Patents

印刷機械のインキング装置

Info

Publication number
JP2557791B2
JP2557791B2 JP5183993A JP18399393A JP2557791B2 JP 2557791 B2 JP2557791 B2 JP 2557791B2 JP 5183993 A JP5183993 A JP 5183993A JP 18399393 A JP18399393 A JP 18399393A JP 2557791 B2 JP2557791 B2 JP 2557791B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
inking
rollers
groups
roller
printing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP5183993A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0740529A (ja
Inventor
隆 近江
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tokyo Kikai Seisakusho Co Ltd
Original Assignee
Tokyo Kikai Seisakusho Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tokyo Kikai Seisakusho Co Ltd filed Critical Tokyo Kikai Seisakusho Co Ltd
Priority to JP5183993A priority Critical patent/JP2557791B2/ja
Publication of JPH0740529A publication Critical patent/JPH0740529A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2557791B2 publication Critical patent/JP2557791B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、印刷機のインキング
装置で、特に軸方向に往復動可能にした複数のインキン
グローラーを用いてインキ出しを行なうようにしたイン
キング装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】インキング装置のインキ経路であるイン
キングローラーの配列中に、インキを練りかつ軸方向へ
のインキの分散を適度に行うために、軸方向に往復動す
るローラーを設けることは、例えば、「GATFオフセ
ット便覧」(昭和45年7月31日、印刷出版研究所発
行)の第12:41頁左欄6〜10行目及び24〜27
行目、「新聞印刷印刷編改訂版」(昭和55年10月3
1日、(社)日本新聞協会発行)の第33頁右欄20行
目〜第34頁左欄3行目、「オフ輪印刷技術」(昭和5
6年9月15日、GATF極東事務所発行)の第23頁
右欄3〜13行目、「印刷機械入門」(昭和60年7月
1日、印刷学会出版部発行)第42頁6〜10行目等に
記載されるように、印刷機において極めて一般的な構成
である。
【0003】そして、軸方向に往復動する各ローラー
は、インキ練りのムラをなくし良好な練り効果を得るた
めに、例えば前記「新聞印刷印刷編改訂版」の第34頁
左欄1〜3行目に記載されるように、複数がそれぞれ直
径を異ならせて設けられている。
【0004】ところで、このようなインキング装置中の
インキングローラーの軸方向の往復動は、前記「新聞印
刷印刷編改訂版」の第35頁左欄1行目、実公昭48−
44245号公報の第1頁1欄34行目〜同頁2欄5行
目、実公昭54−3763号公報の第1頁2欄18〜2
7行目に記載されるように、印刷機に振動を生じさせる
大きな要因となっており、その解決策として、前記「新
聞印刷印刷編改訂版」の第35頁左欄2〜3行目、実公
昭54−3763号公報に示されるように、軸方向の往
復動の位相を適宜にずらすことによって、前記往復動の
折り返し点において印刷機に付与される同一の向きの衝
撃の重複を回避し、衝撃が増大されることを防止すると
ともに、フレームに付与される衝撃の一部相殺によって
衝撃が減少されるようにしたり、実公昭48−4424
5号公報に示されるように、インキングローラーに軸方
向の往復動を伝達する機構に緩衝部材を介在させ、往復
動の折り返し点において、インキングローラーから印刷
機のフレームに付与される衝撃を吸収、緩衝させるよう
にし、インキングローラーの軸方向の往復動による印刷
機の振動を極力抑えるようにしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従
来の技術には、次のような解決すべき課題があった。前
記「新聞印刷印刷編改訂版」には、インキングローラー
の往復動の位相を適宜にずらすことによって、前記往復
動の折り返し点において印刷機に付与される同一の向き
の衝撃の重複を回避し、衝撃が増大されることを防止す
るとともに、フレームに付与される衝撃の一部相殺によ
って衝撃が減少されるようにした機構が示されている
が、この機構は、前記往復動の位相についてのみ考慮し
たものであり、前記往復動の折り返し点において印刷機
のフレームに付与される衝撃の大きさは考慮されておら
ず、結果的に、印刷機の若干の振動を残すものであっ
た。
【0006】また、実公昭54−3763号公報に示さ
れる機構では、往復動する複数のインキングローラー
を、同一の円盤に係属させるようになっている。そのた
め、この円盤を、これに係属させる複数のインキングロ
ーラーの設置位置の略中央部に設けなければならず、イ
ンキングローラーの配置によっては実施不可能な場合が
あり、実施範囲が限定されるものであった。
【0007】他方、実公昭48−44245号公報に示
されるものでは、大型かつ高速の印刷機での大きな衝撃
を吸収、緩衝させて十分な効果を得るには、受容力の大
きな緩衝部材を必要とし、それだけ駆動伝達機構が大型
化することになり、しかも、衝撃を全て吸収することが
できず、若干の振動を残すものであった。更に、緩衝部
材の消耗に対するメンテナンス費用等のランニングコス
トがかさみ、かつメンテナンスのための機械停止による
作業能率の低下をきたす等、様々な不都合があった。
【0007】加えて、近年、設置面積が小さく、しかも
多くのバリエーションで印刷できる、複数の印刷部を高
く積み重ねた印刷機が開発されるに至ったが、この印刷
機では、小さな振動が増幅されて大きな振動となって現
われ、特に作業者に大きな不安感を与えることになり、
また印刷品質が不安定になる一因となり得る等の不都合
を指摘されるようになった。
【0008】この発明は、従来若干残っていた、インキ
ングローラーの軸方向の往復動による印刷機の振動を防
止し、特に、複数の印刷部を高く積み重ねた印刷機に実
施しても、前記往復動による印刷機の振動をほとんど発
生させることがなく、従って、作業者が安心して作業に
従事することができ、併せて、印刷品質の安定化に寄与
し得る印刷機械のインキング装置を提供すると共に、一
対のフレームに複数の印刷部を備えた印刷機にあって
も、インキング装置による振動を防止でき、例えば一対
の印刷部にて走行紙の表裏の両面に印刷を施す印刷機に
おける両面印刷を安定した印刷品質でもって印刷するこ
とができるようにした印刷機械のインキング装置を提供
することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明に係る印刷機械のインキング装置は、複数の
インキングローラーからなり、かつこの複数のインキン
グローラーを2つ以上の偶数のグループに分けると共
に、それらを2つのグループで1組となるように組み合
わせ、各組み合わせの両グループのインキングローラー
の相互を軸方向に往復動するようにし、さらに、前記一
方のグループのインキングローラーの径と他方のグルー
プのインキングローラーの径が異なる印刷機械のインキ
ング装置において、前記両グループのインキングローラ
ーの相互を略等しい質量とし、この両グループのインキ
ングローラーを、等周期かつ等変位量で、さらに相互に
逆向きの関係で往復動する往復駆動手段に連結した構成
となっており、また対向する一対のフレームに一斉に印
刷作動可能な複数の印刷部を対称又は略対称な位置関係
に配し備え、かつ各印刷部毎に、複数のインキングロー
ラーからなり、かつこの複数のインキングローラーを2
つ以上の偶数のグループに分けると共に、それらを2つ
のグループで1組となるように組み合わせ、各組み合わ
せの両グループのインキングローラーの相互を軸方向に
往復動するようにし、さらに前記一方のグループのイン
キングローラーの径と他方のグループのインキングロー
ラーの径が異なる印刷機械のインキング装置において、
前記グループのインキングローラーの相互を略等しい
質量とし、この両グループのインキングローラーを、等
周期かつ等変位量で、さらに相互に逆向きの関係で往復
動する往復駆動手段に連結すると共に、前記対称又は略
対称な位置関係に配した複数の印刷部毎のインキング装
置を2つ以上の偶数のグループに分け、かつ、それらを
対称又は略対称な位置に配された2つのグループで1組
となるように組み合わせ、各組み合わせの両グループの
対称又は略対称な位置関係に配されたインキングローラ
ーを、等周期かつ等変位量で、さらに相互に逆向の関係
で往復動するよう前記往復駆動手段を作動する機構と
た構成となっている。
【0010】
【作 用】前記構成によれば、印刷機の作動に合わせ
て、またはインキング装置のみ独立して、インキング装
置が作動すると、各グループの一方のインキングローラ
ーの駆動手段と他方のインキングローラーの駆動手段と
が一斉に作動し、一方のインキングローラーと他方のイ
ンキングローラーは、設定に従って逆向きの関係で、し
かも等しい周期かつ等しい変位量で、それぞれ軸方向に
往復動する。ところで、インキングローラーの往復動に
よる印刷機の振動は、前記往復動によって印刷機のフレ
ームに付与される衝撃、即ち、この衝撃を生む前記往復
動にともなう慣性力に起因するが、この慣性力は、往復
動する各ローラーの質量と往復動における加速度の積で
あり、往復動の加速度は、往復動の周期と変位量で定ま
るから、前記構成によれば、一方のインキングローラー
と他方のインキングローラーとにおいて、質量は等し
く、往復動の加速度は大きさが等しく向きが逆向きとな
り、即ち慣性力は、大きさが等しく向きが逆向きとな
る。従って、一方のインキングローラーの慣性力と、他
方のインキングローラーの慣性力は、印刷機のフレーム
において互いに相殺するように作用し、印刷機に振動を
生じさせない。
【0011】
【実 施 例】次に、この発明の実施例について、図面
を参照して説明する。図1は、軸方向に往復動する2本
の金属ローラー1,2及び複数のゴムローラー3を有す
るインキング装置Iを備えた輪転印刷機RPの概略構成
を示す概略構成図、図2は、図1を下方から見たもの
で、往復動する2本の金属ローラー1,2の軸方向の位
相関係について、その設定状態を示す説明図、図3,図
4は、2本の金属ローラー1,2を往復動させる駆動手
段の構成例及び2本の金属ローラー1,2の構成例を示
す模式図、図5は、図3(又は図4)に示す2本の金属
ローラー1,2のそれぞれの、往復動のときの慣性力を
同一座標上に示したグラフ、図6は、図1に示す輪転印
刷機RPと略同様の構成のものを積み重ねた輪転印刷機
TPにおける各インキング装置の2本の金属ローラー
1,2の軸方向の位相関係について、その設定例を、図
2を参照して符号のみにて示した説明図である。
【0012】輪転印刷機RPは、走行紙Wの表裏両面に
対向して、それぞれ1つの印刷部を有しており、これら
の印刷部は、それぞれブランケット胴B、版胴P、イン
キング装置I、湿し水装置D等を具備し、各印刷部のブ
ランケット胴Bは、互いに他方の印刷部の圧胴としての
機能を果たしている。インキング装置Iは、第1の金属
ローラー1、第2の金属ローラー2、複数のゴムローラ
ー3、3…によって構成され、隣り合うもの同士が相互
に接触した状態で回転し、インキ壷4内のインキを版胴
Pに装着された刷版に供給する。上記第1・第2の金属
ローラ1,2はインキ練りのムラをなくすために径が異
ならせてあり、版胴Pに近い方の第1の金属ローラ1の
方が大径になっている。
【0013】金属ローラー1,2は、例えば図3,図4
に示すように、版胴Pに連係された回転駆動系Gによ
り、版胴Pに装着された刷版と略同一の周速で回転させ
られるとともに、軸方向往復動のための公知の駆動手段
5又は6a,6bによって、軸方向に往復動させられ
る。
【0014】図1に示すような、印刷部を左右に有する
輪転印刷機RPにおける、インキング装置Iの2つの金
属ローラー1,2の、軸方向位相の最も有効な設定状態
は、例えば、図2に示す通りである。即ち、それぞれの
インキング装置Iにおいて、大径の金属ローラー1と小
径の金属ローラー2とが、同一のタイミングで、それぞ
れ相反する側の最大変位位置を占めるように設定し、か
つ、両印刷部の対比においては、両印刷部の大径の金属
ローラー1,1同士が、同一のタイミングで、それぞれ
相反する側の最大変位位置を占めるように設定する。
尚、後の説明の便宜の上、図2の左右のインキング装置
Iの2つの金属ローラー1,2の前記位相の設定状態
を、それぞれAタイプ、Bタイプと仮称する。図中S
は、各金属ローラー1または2の最大変位量を示してい
る。
【0015】図3に示される駆動手段5は、版胴Pと一
体回転する回転カム部材51の偏心位置に一端部を連結
されたクランク52の他端を、屈曲部を回動自在に支持
したベルクランク53の一端部に結合し、かつベルクラ
ンク53の他端部に係合部材54aを設けるとともに、
この係合部材54aを大径の金属ローラー1の軸11に
設けた溝部材55aと係合し、更に、長手方向の中央部
を回動自在に支持するとともに、その両端部に係合部材
54b,54cを設けたクランク56を設け、このクラ
ンク56の一端部に設けた係合部材54bを、前記大径
の金属ローラー1の軸11に設けた溝部材55aと係合
し、他端部に設けた係合部材54cを、小径の金属ロー
ラー2の軸21に設けた溝部材55bと係合した機構で
あり、回転カム部材51の回転により、大径の金属ロー
ラー1と小径の金属ローラー2は、等周期かつ等変位量
をもって、それぞれ逆向きに、軸方向の往復動をする。
【0016】また、2つの金属ローラー1,2は、等し
い質量に設けられる。例えば、2つの金属ローラー1,
2が同一素材であるときは、少なくとも大径の金属ロー
ラー1が中空に構成される。即ち、図3(図4も同じ)
の実施例において、2つの金属ローラー1,2の両側の
軸部分11,12及び21,22の質量が同一に設けら
れ、かつ2つの金属ローラー1,2の長さL1、中空部
の長さL2がいずれも等しく、大径の金属ローラー1の
外径がR1、小径の金属ローラー2の外径がR2である
とき、大径の金属ローラー1の内径r1と小径の金属ロ
ーラー2の内径r2とを、
【0017】
【数1】
【0018】の関係となるよう構成する。図4に示され
る駆動手段6a,6bは、大径の金属ローラー1と小径
の金属ローラー2とにそれぞれ個別に係合して設けら
れ、それぞれ係合された金属ローラー1または2を軸方
向に往復動させる。各駆動手段6a,6bは、後に説明
するギヤ比を除いて同一に構成されるので、大径の金属
ローラー1の駆動手段6aのみ説明する。
【0019】駆動手段6aは、大径の金属ローラー1の
軸11に設けたウォーム61と、このウォーム61と噛
合するウォームホィール62とを、いずれも、大径金属
ローラー1の軸11に係属させられたギヤボックス63
内で回転するように設けるとともに、ウォームホィール
62の偏心部に係合部材64を設け、この係合部材64
を、大径の金属ローラー1の軸方向に対して直角になる
よう固定して設けた溝65と係合させた機構であり、大
径の金属ローラー1の回動によって、ウォーム61を介
してウォームホィール62が回動すると、係合部材64
が溝65に沿って往復動する一方、ウォーム61,ウォ
ームホィール62,ギヤボックス63が、大径の金属ロ
ーラー1の軸11を介して、大径の金属ローラー1とと
もに、大径の金属ローラー1の軸方向に往復動する。
【0020】大径の金属ローラー1と小径の金属ローラ
ー2の各駆動手段6a,6bは、前記の作動により、そ
れぞれ係合する金属ローラー1または2を、その回転に
対応して個別に軸方向に往復動させるものであり、他
方、2つの金属ローラー1,2は、外径が相違していな
がら、版胴Pに装着された刷版と略同じ周速で回転させ
られており、回転数が相違している。従って、2つの金
属ローラー1,2の往復動を等周期で行わせるために、
大径の金属ローラー1に係合する駆動手段6aと、小径
の金属ローラー2に係合する駆動手段6bの、ウォーム
61とウォームホィール62とのギヤ比を変えて、双方
のウォームホィールが等しい回転数となるよう構成され
る。即ち、図4の実施例において、大径の金属ローラー
1の外径がR1、小径の金属ローラー2の外径がR2、
2つの金属ローラー1,2のそれぞれに係合する駆動手
段6a,6bのウォーム61,61の条数が同一であれ
ば、大径の金属ローラー1の駆動手段6aのウォームホ
ィール62の歯数N1と小径の金属ローラー2の駆動手
段6bのウォームホィール62の歯数N2とを、
【0021】
【数2】
【0022】の関係となるよう構成する。更に、2つの
金属ローラー1,2の軸方向位相を、組付けのときに、
図2に示すAタイプ又はBタイプのように、即ち、2つ
の金属ローラー1,2が、それぞれ相反する側の最大変
位位置を占めるように設定する。また、2つの金属ロー
ラー1,2は、前記図3についての説明と同様に、等質
量に構成する。
【0023】以上の構成によれば、輪転印刷機RPが作
動し版胴Pが駆動されると、インキング装置Iの、略等
しい質量である2つの金属ローラー1,2は、回転駆動
系Gを介して、版胴Pに装着された刷版と略同一の周速
で回転させられるとともに、駆動手段5又は6a,6b
によって軸方向に、等周期、等変位量をもって、相互が
逆向きに往復動させられる。
【0024】この往復動における各金属ローラー1また
は2の慣性力F1またはF2は、大径の金属ローラー1
の質量をM1、往復動の中心からの変位量をY1、小径
の金属ローラー2の質量をM2、往復動の中心からの変
位量をY2、回転カム部材51またはウォームホィール
62の角速度をωとすると、 F1=M1・ω2 ・Y1、F2=M2・ω2 ・Y2 で表わされる。また、2つの金属ローラー1,2は、質
量が同じで、等周期、等変位量で逆向きに変位すること
から、 M1=M2、Y1=−Y2 であり、2つの金属ローラー1,2のそれぞれの慣性力
F1とF2は、 F1=−F2 となり、図5のグラフに示す通りとなる。
【0025】これら慣性力F1とF2とが、2つの金属
ローラー1,2を支持するフレームFRに作用すると、
慣性力F1と慣性力F2は、互いに相殺するよう干渉
し、フレームFRに振動が発生しない。即ち、輪転印刷
機RPは振動しない。
【0026】以上説明したインキング装置Iは、例えば
図6に示すような輪転印刷機TPに実施することが可能
であり、輪転印刷機TPに実施するときは、各段の2つ
の印刷部のインキング装置Iを、2つの金属ローラー1
及び2の軸方向位相設定において、双方共、同一のタイ
プ、すなわちAタイプもしくはBタイプに統一してもよ
いが、一方をAタイプ、他方をBタイプとし、かつ上下
隣り合う段において、AタイプとBタイプを左右入れ替
えて設定すると、より有効である。この発明は、以上説
明した実施例に限定されるものではなく、特許請求の範
囲を逸脱しない設計上の改変を含むものである。
【0027】なお、上記実施例では、金属ローラーの本
数が2本の場合について説明したが、3本以上の場合で
あっても同様である。また、上記実施例ではインキング
装置Iを構成する複数の金属ローラー1,2及びゴムロ
ーラー3のうち、2本の金属ローラー1,2を、これの
一方と他方とを逆向きの関係で往復動するようにした
が、これは金属ローラーとゴムローラーを、また2本の
ゴムローラーのそれぞれの相互を互いに逆向きの関係で
往復動するようにしてもよい。そしてこのいずれの場合
も、互いに逆向きに往復動する各ローラーの質量は同じ
にする。
【0028】
【発明の効果】この発明の実施により、インキ練りにム
ラが生じることがないようにするために、インキング装
置を構成する2つのグループのインキングローラーの相
互のローラー径が異なるインキング装置におけるインキ
ングローラーの軸方向の往復動に伴って発生していた印
刷機械の振動をなくすことができた。従って、特に、複
数の印刷部を高く積み重ねた印刷機においても、前記往
復動に伴って発生する印刷機の振動を、ほとんど発生さ
せることがなくなった。従って、作業者に不安感を与え
ることがなくなり、精神的負担を軽減することができる
ようになった。また、印刷機の振動がなくなったので、
印刷品質の安定化にも大きく寄与した。また、対向する
一対のフレームに一斉に印刷作動可能な複数の印刷部を
対称又は略対称な位置関係に配して備え、かつ各印刷部
毎に、複数のインキングローラーからなり、かつこの複
数のインキングローラーを2つ以上の偶数のグループに
分けると共に、それらを2つのグループで1組となるよ
うに組み合わせ、各組み合わせの両グループのインキン
グローラーの相互を軸方向に往復動するようにし、さら
に前記一方のグループのインキングローラーの径と他方
のグループのインキングローラーの径を異ならせた印刷
機械のインキング装置にあっても、インキング装置によ
る振動を防止でき、例えば一対の印刷機械にて走行紙の
表裏の両面に印刷を施す印刷機における両面印刷を安定
した印刷品質でもって印刷することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】軸方向に往復動する2本の金属ローラーを有す
るこの発明に係るインキング装置を備えた輪転印刷機の
概略構成を示す概略構成図である。
【図2】図1の構成を下方から見たもので、往復動する
2本の金属ローラーの軸方向の位相関係について、その
設定状態を示す説明図である。
【図3】2本の金属ローラーを往復動させる駆動手段と
2本の金属ローラーの構成を示す模式図である。
【図4】2本の金属ローラーを往復動させる他の駆動手
段と図3と同様の2本の金属ローラーの構成を示す模式
図である。
【図5】この発明に係るインキング装置における2本の
金属ローラーの、往復動のときのそれぞれの慣性力を同
一座標上に示したグラフである。
【図6】図1に示す輪転印刷機と略同様の構成のものを
積み重ねた輪転印刷機における、各インキング装置の2
本の金属ローラーの軸方向の位相関係について、その設
定例を、図2を参照して符号のみにて示した説明図であ
る。
【符号の説明】
1…大径の金属ローラー、2…小径の金属ローラー、3
…ゴムローラー、4…インキ壺、5,6a,6b…駆動
手段、11,12…大径の金属ローラーの軸、21,2
2…小径の金属ローラーの軸、51…回転カム部材、5
2…クランク、53…ベルクランク、54a,54b,
54c…係合部材、55a,55b…溝部材、56…ク
ランク、61…ウォーム、62…ウォームホィール、6
3…ギヤボックス、64…係合部材、65…溝、RP,
TP…輪転印刷機、FR…フレーム、B…ブランケット
胴、P…版胴、I…インキング装置、D…湿し水装置、
G…回転駆動系、W…走行紙、L1 …金属ローラーの長
さ、L2 …金属ローラーの中空部の長さ、R1…大径の
金属ローラーの外径、R2…小径の金属ローラーの外
径、r1…大径の金属ローラーの内径、r2…小径の金
属ローラーの内径、S…金属ローラーの最大変位量。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数のインキングローラーからなり、か
    この複数のインキングローラーを2つ以上の偶数のグ
    ループに分けると共に、それらを2つのグループで1組
    となるよう組み合わせ、各組み合わせの両グループのイ
    ンキングローラーの相互を軸方向に往復動するように
    し、さらに、前記一方のグループのインキングローラー
    の径と他方のグループのインキングローラーの径が異な
    印刷機械のインキング装置において、 前記両グループのインキングローラーの相互を略等しい
    質量とし、この両グループのインキングローラーを、等
    周期かつ等変位量で、さらに相互に逆向きの関係で往復
    動する往復駆動手段に連結したことを特徴とする印刷機
    械のインキング装置。
  2. 【請求項2】 対向する一対のフレームに一斉に印刷作
    動可能な複数の印刷部を対称又は略対称な位置関係に配
    して備え、かつ各印刷部毎に、複数のインキングローラ
    ーからなり、かつこの複数のインキングローラーを2つ
    以上の偶数のグループに分けると共に、それらを2つの
    グループで1組となるように組み合わせ、各組み合わせ
    の両グループのインキングローラーの相互を軸方向に往
    復動するようにし、さらに前記一方のグループのインキ
    ングローラーの径と他方のグループのインキングローラ
    ーの径が異なる印刷機械のインキング装置において、 前記グループのインキングローラーの相互を略等しい
    質量とし、この両グループのインキングローラーを、等
    周期かつ等変位量で、さらに相互に逆向きの関係で往復
    動する往復駆動手段に連結すると共に、前記対称又は略
    対称な位置関係に配じた複数の印刷部毎のインキング装
    置を2つ以上の偶数のグループに分け、かつ、それらを
    対称又は略対称な位置に配された2つのグループで1組
    となるように組み合わせ、各組み合わせの両グループの
    対称又は略対称な位置関係に配されたインキングローラ
    ーを、等周期かつ等変位量で、さらに相互に逆向の関係
    で往復動するよう前記往復駆動手段を作動する機構と
    たことを特徴とする印刷機械のインキング装置。
JP5183993A 1993-07-26 1993-07-26 印刷機械のインキング装置 Expired - Lifetime JP2557791B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5183993A JP2557791B2 (ja) 1993-07-26 1993-07-26 印刷機械のインキング装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5183993A JP2557791B2 (ja) 1993-07-26 1993-07-26 印刷機械のインキング装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0740529A JPH0740529A (ja) 1995-02-10
JP2557791B2 true JP2557791B2 (ja) 1996-11-27

Family

ID=16145446

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP5183993A Expired - Lifetime JP2557791B2 (ja) 1993-07-26 1993-07-26 印刷機械のインキング装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2557791B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CZ20013876A3 (cs) * 2000-12-01 2002-07-17 Heidelberger Druckmaschinen Ag Způsob redukce vybrací v tiskovém stroji
WO2015097754A1 (ja) * 2013-12-24 2015-07-02 三菱重工印刷紙工機械株式会社 印刷機及びインキ供給方法

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS543763Y2 (ja) * 1973-10-12 1979-02-21

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0740529A (ja) 1995-02-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN1077039C (zh) 单张纸轮转胶印机
US6050185A (en) Printing unit for a web-fed rotary printing press
US6408747B2 (en) Offset printing unit
US7568426B2 (en) Printing unit and inking unit
JP2000094633A (ja) ウェブ輪転印刷機のためのインプリント印刷ユニット
JP2001322236A (ja) ウェブ輪転印刷機における印刷ユニット配列
EP0342573B1 (en) Printing apparatus and method
JP2002538998A (ja) 輪転印刷機の印刷装置
US20040231536A1 (en) Printing groups of a printing press
US7293503B2 (en) Slide-in print unit for a variable format in offset printing
JP2557791B2 (ja) 印刷機械のインキング装置
US5511474A (en) Drive for an oscillating roller in an inking unit of a rotary printing press
JPH06255077A (ja) 印刷機
JP4896461B2 (ja) 印刷機
US8156865B2 (en) Method of operating a printing machine and printing machine for carrying out the method
US6539858B2 (en) Digital printing press
SU1050891A1 (ru) Привод многокрасочных ротационных листовых печатных машин
CA2119342A1 (en) Printing machine
EP1677981B1 (en) Inker driven shaftless unit
US20040231535A1 (en) Printing groups of a printing press
US20070277688A1 (en) Printing couple of a printing unit of a printing press
JPS59222356A (ja) 輪転印刷機のインキ装置
JPWO2015097754A1 (ja) 印刷機及びインキ供給方法
JP4199458B2 (ja) インキ装置
JP2724654B2 (ja) 練りローラ横振り装置

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080905

Year of fee payment: 12

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110905

Year of fee payment: 15

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110905

Year of fee payment: 15

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130905

Year of fee payment: 17

EXPY Cancellation because of completion of term