JP2557308B2 - 新規なアンドロステンジオン誘導体 - Google Patents

新規なアンドロステンジオン誘導体

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JP2557308B2
JP2557308B2 JP4318002A JP31800292A JP2557308B2 JP 2557308 B2 JP2557308 B2 JP 2557308B2 JP 4318002 A JP4318002 A JP 4318002A JP 31800292 A JP31800292 A JP 31800292A JP 2557308 B2 JP2557308 B2 JP 2557308B2
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純二 中村
誠 吉浜
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は次の一般式(I)で示さ
れる新規なアンドロステンジオン誘導体に関する。本発
明の化合物はアロマターゼ阻害作用を有しており、エス
トロゲンの生合成阻害剤として医薬の分野で利用が期待
される。
【化2】 〔但し、式中R1 は水酸基または炭素数2〜8の直鎖ま
たは分枝状のアルコキシカルボニル、R2 はオキソまた
は炭素数2〜8の直鎖または分枝状のアルコキシカルボ
ニル、点線は二重結合の存在または不存在、波線はα−
またはβ−配位をそれぞれ表す。〕
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】アンド
ロスタンジオン誘導体については、アンドロステロンや
アンドロスタンジオンなどのホルモンが天然において知
られており、また生理活性を持つ誘導体が多数合成され
ている。本発明者らは、先に開発した14α−ヒドロキ
シ−4−アンドロステン−3,6,17−トリオンのエ
ステル誘導体(特開平1−131193号公報参照)よ
り3位のカルボニル基の還元された種々の化合物を合成
することができ、これらの化合物がエストロジェン合成
酵素(アロマターゼ)活性阻害作用を有することを見出
した。従って、本発明はエストロジェン合成酵素(アロ
マターゼ)活性阻害作用を有する新規なアンドロステン
ジオン誘導体を提供することを課題とする。
【0003】
【課題を解決するための手段】一般式(I)で示される
本発明化合物はさらに下記の一般式(Ia)および(Ib)で表
すことができる。
【化3】 〔但し、式中R1 および波線は前記と同意義を表す。R
2 はアルコキシカルボニルを表す。〕 上記一般式中R1 及びR2 で示されるアルコキシカルボ
ニルとは、炭素数2〜8の直鎖あるいは分枝状のアルコ
キシカルボニルを意味し、具体的にはホルミルオキシ、
アセチルオキシ、プロピオニルオキシ、イソプロピオニ
ルオキシ、ブチロイルオキシ、イソブチロイルオキシ、
ペンタノイルオキシ、ベンジルオキシ等を例示すること
ができる。一般式(Ia)の化合物は一般式(VIII) で示
される公知の化合物、6−アルコキシカルボニル−14
α−ヒドロキシ−アンドロスタ−4、5−ジエン−3、
17−ジオン(特開平1−131193号公報参照)を
出発物質として以下のように還元反応及びエステル化反
応を行なって製造することが出来る。
【化4】 〔但し、式中R1 、R2 および波線は前記と同意義を有
する。〕
【0004】この反応中の1)の還元反応は通常の還元
反応の条件に従って行えばよく、例えばテトラヒドロフ
ラン、1,4−ジオキサン、ジエチルエーテル等の有機
溶媒中で、シアノ水素化ほう素ナトリウム、水素化よう
素ナトリウム、リチウムアルミニウムヒドリド等の還元
剤と反応させると良い。他の反応条件についても、各反
応試薬の性質に対応した反応条件を適宜選択して反応を
行えばよい。2)の中間体(IX)のエステル化反応はピ
リジン等の適当な有機溶媒中で酸無水物、例えば無水蟻
酸、無水酢酸、無水プロピオン酸等の低級脂肪酸の酸無
水物または低級脂肪酸ハロゲン化物と反応させると良
い。他の反応条件についても、各反応試薬の性質に対応
した反応条件を適宜選択して反応を行えばよい。
【0005】一般式(Ib) の化合物は一般式(IX) で示
される新規化合物、3α(β)、14α−ジヒドロキシ
−6−アルコキシカルボニル−アンドロスタ−4、5−
ジエン−17−オンを出発物質として以下のように脱エ
ステル化反応及びエステル化反応を行なって製造するこ
とが出来る。
【0006】
【化5】 〔但し、式中R1 、R2 および波線は前記と同意義を有
する。〕
【0007】この反応式中の1)の脱エステル化反応は
通常の脱エステル化反応の条件に従って行えばよく、例
えばメタノール等の極性溶媒中で、アンモニア水または
希水酸化ナトリウム溶液、ナトリウムメチラート等のア
ルカリで反応させると良い。他の反応条件についても、
各反応試薬の性質に対応した反応条件を適宜選択して反
応を行えばよい。2)の中間体(X) のエステル化反応は
ピリジン等の適当な有機溶媒中で酸無水物、例えば無水
蟻酸、無水酢酸、無水プロピオン酸、などの低級脂肪酸
の酸無水物または低級脂肪酸のハロゲン化物と反応させ
ると良い。他の反応条件についても、各反応試薬の性質
に対応した反応条件を適宜選択して反応を行えばよい。
【0008】以下に実施例を示して、本発明をより具体
的に説明する。
【実施例1】3α、14α−ジヒドロキシ−6−プロピ
オニルオキシ−アンドロスト−4、6−ジエン−17−
オン(IIa)および3β、14α−ジヒドロキシ−6−プ
ロピオニルオキシ−アンドロスト−4、6−ジエン−1
7−オン(IIb)
【化6】
【化7】 6−プロピオニルオキシ−14α−ヒドロキシ−アンド
ロスト−4、6−ジエン−3、17−ジオン2gをテト
ラヒドロフラン40mlに溶解し、この溶液に濃硫酸1
mlを添加し、更にシアノ水素化ほう酸ナトリウム0.
68gをテトラヒドロフラン10mlに溶解した溶液を
添加後室温にて18時間撹拌した。反応混合物の溶媒を
減圧下で10mlまで濃縮し、水100mlを加えて酢
酸エチル(50ml)で3回抽出した。得られた酢酸エ
チル抽出液を無水硫酸ナトリウムで乾燥したのち、溶媒
を40℃にて減圧下で留去した。得られた残渣(1.5
6g)を以下の条件にて分取用高速液体クロマトグラフ
ィーにより2種の化合物を分別分取し、メタノールより
再結晶すると3α、14α−ジヒドロキシ−6−プロピ
オニルオキシ−アンドロスト−4、6−ジエン−17−
オン(IIa)265mg(収率13.2%)、融点170
〜171℃および3β、14α−ジヒドロキシ−6−プ
ロピオニルオキシ−アンドロスト−4、6−ジエン−1
7−オン(IIb)560mg(収率27.9%)、融点2
21〜223℃を得た。 分取用高速液体クロマトグラフィー操作条件 使用カラム:Senshu-pak Silica 30φ×250mm 使用溶媒:クロロホルム:メタノール=98:2 流速:28ml/min、 検出:254nm
【0009】この反応式を次に示した。
【化8】
【0010】このものの物理恒数はそれぞれ以下の通り
である。 3α、14α−ジヒドロキシ−6−プロピオニルオキシ
−アンドロスト−4、6−ジエン−17−オン (IIa): 融点: 170〜171 ℃ IR:図1 NMR:図2 FAB Mass(M+H):375 3β、14α−ジヒドロキシ−6−プロピオニルオキシ
−アンドロスト−4、6−ジエン−17−オン(IIb): 融点: 221〜223 ℃ IR:図3 NMR:図4 FAB Mass(M+H):375
【0011】
【実施例2】3α、14α−ジヒドロキシ−アンドロス
ト−4−エン−6、17−ジオン(IIIa)及び3β、14
α−ジヒドロキシ−アンドロスト−4−エン−6、17
−ジオン(IIIb)
【化9】
【化10】 3α、14α−ジヒドロキシ−6−プロピオニルオキシ
−アンドロスト−4、6−ジエン−17−オン(IIa) 1
98mgをメタノール20mlに溶解した溶液に濃アン
モニア3mlを添加して室温にて18時間撹拌した。反
応混合物の溶媒を減圧で留去し、得られた反応物をアセ
トン2mlより再結晶すると3α、14α−ジヒドロキ
シ−アンドロスト−4−エン−6、17−ジオン(IIIa)
20.8mg(収率12.4%)、融点274〜276
℃を得た。また、3β、14α−ジヒドロキシ−6−プ
ロピオニルオキシ−アンドロスト−4、6−ジエン−1
7−オン(IIb) 198mgを用いて上記と全く同一の反
応操作を行うと3β、14α−ジヒドロキシ−アンドロ
スト−4−エン−6、17−ジオン(IIIb) 56.8m
g(収率33.8%)、融点198〜200℃を得た。
【0012】この反応式を次に示した。
【化11】
【0013】このものの物理恒数はそれぞれ以下の通り
である。 3α、14α−ジヒドロキシ−アンドロスト−4−エン
−6、17−ジオン(IIIa) : 融点:274 〜276 ℃ IR:図5 NMR:図6 FAB Mass(M+H):319 3β、14α−ジヒドロキシ−アンドロスト−4−エン
−6、17−ジオン(IIIb) : 融点: 198〜200 ℃ IR:図7 NMR:図8 FAB Mass(M+H):319
【0014】
【実施例3】3α−アセトキシ−14α−ヒドロキシ−
アンドロスト−4−エン−6、17−ジオン(IVa)およ
び3β−アセトキシ−14α−ヒドロキシ−アンドロス
ト−4−エン−6、17−ジオン(IVb)
【化12】
【化13】 3α、14α−ジヒドロキシ−アンドロスト−4−エン
−6、17−ジオン(IIIa) 60mgをピリジン0.5
mlに溶解した溶液に無水酢酸0.25mlを添加し、
室温にて21時間撹拌した。反応混合物に水50mlを
加え酢酸エチル(30ml)で2回抽出した。抽出液を
0.1N塩酸(40ml)で2回洗浄し、さらに水(4
0ml)で2回洗浄を行って無水硫酸ナトリウムで乾燥
した後溶媒を減圧にて留去した。得られた残渣をシリカ
ゲルカラム(30g,10φ×300mm)にかけ、ヘ
キサン:酢酸エチル=3:1の溶媒で溶出した。得られ
た化合物をアセトン:ヘキサン=2:1で結晶化すると
3α−アセトキシ−14α−ヒドロキシ−アンドロスト
−4−エン−6、17−ジオン(IVa)26.2mg(収
率38.6%)、融点176〜177℃を得た。また、
3β、14α−ジヒドロキシ−アンドロスト−4−エン
−6、17−ジオン(IIIb)60mgを用いて上記と全く
同一の反応操作を行うと3β−アセトキシ−14α−ヒ
ドロキシ−アンドロスト−4−エン−6、17−ジオン
(IVb)18.5mg(収率27.2%)、融点224〜
225℃を得た。
【0015】この反応式を次に示した。
【化14】
【0016】このものの物理恒数はそれぞれ以下の通り
である。 3α−アセトキシ−14α−ヒドロキシ−アンドロスト
−4−エン−6、17−ジオン(IVa): 融点: 176〜177 ℃ IR:図9 NMR:図10 FAB Mass(M+H):361 3β−アセトキシ−14α−ヒドロキシ−アンドロスト
−4−エン−6、17−ジオン(IVb): 融点: 224〜225 ℃ IR:図11 NMR:図12 FAB Mass(M+H):361
【0017】
【実施例4】3α−アセトキシ−6−プロピオニルオキ
シ−14α−ヒドロキシ−アンドロスト−4、6−ジエ
ン−17−オン(Va)および3β−アセトキシ−6−プ
ロピオニルオキシ−14α−ヒドロキシ−アンドロスト
−4、6−ジエン−17−オン(Vb)
【化15】
【化16】 3α、14α−ジヒドロキシ−6−プロピオニルオキシ
−アンドロスト−4、6−ジエン−17−オン(IIa)5
4.3mgをピリジン0.5mlに溶解した溶液に無水
酢酸0.25mlを添加し、室温にて18時間撹拌し
た。反応混合物に水50mlを加え酢酸エチル(30m
l)で2回抽出した。抽出液を0.1N塩酸(40m
l)で2回洗浄し、さらに水(40ml)で2回洗浄を
行って無水硫酸ナトリウムで乾燥した後溶媒を減圧にて
留去した。得られた残渣をシリカゲルカラム(30g,
10φ×300mm)にかけ、ヘキサン:酢酸エチル=
3:1の溶媒で溶出した。得られた化合物をアセトンで
結晶化すると3α−アセトキシ−6−プロピオニルオキ
シ−14α−ヒドロキシ−アンドロスト−4、6−ジエ
ン−17−オン(Va)18.9mg(収率27.8
%)、融点108〜109℃を得た。また、3β、14
α−ジヒドロキシ−6−プロピオニルオキシ−アンドロ
スト−4、6−ジエン−17−オン(IIb)61.0mg
を用いて上記と全く同一の反応操作を行うと3β−アセ
トキシ−6−プロピオニルオキシ−14α−ヒドロキシ
−アンドロスト−4、6−ジエン−17−オン(Vb)1
5.2mg(収率25.2%)、融点102〜103℃
を得た。
【0018】この反応式を次に示した。
【化17】
【0019】このものの物理恒数はそれぞれ以下の通り
である。 3α−アセトキシ−6−プロピオニルオキシ−14α−
ヒドロキシ−アンドロスト−4、6−ジエン−17−オ
ン(Va) : 融点: 108〜109 ℃ IR:図13 NMR:図14 FAB Mass(M+H):417 3β−アセトキシ−6−プロピオニルオキシ−14α−
ヒドロキシ−アンドロスト−4、6−ジエン−17−オ
ン(Vb) : 融点: 102〜103 ℃ IR:図15 NMR:図16 FAB Mass(M+H):417
【0020】
【実施例5】3α、6−ジプロピオニルオキシ−14α
−ヒドロキシ−アンドロスト−4、6−ジエン−17−
オン(VIa)および3β、6−ジプロピオニルオキシ−1
4α−ヒドロキシ−アンドロスト−4、6−ジエン−1
7−オン(VIb)
【化18】
【化19】 3α、14α−ジヒドロキシ−6−プロピオニルオキシ
−アンドロスト−4、6−ジエン−17−オン(IIa)5
9.2mgをピリジン0.5mlに溶解した溶液に無水
プロピオン酸0.25mlを添加し、室温にて18時間
撹拌した。反応混合物に水50mlを加え酢酸エチル
(30ml)で2回抽出した。抽出液を0.1N塩酸
(40ml)で2回洗浄し、さらに水(40ml)で2
回洗浄を行って無水硫酸ナトリウムで乾燥した後溶媒を
減圧にて留去した。得られた残渣をシリカゲルカラム
(30g,10φ×300mm)にかけ、ヘキサン:酢
酸エチル=3:1の溶媒で溶出する。得られた化合物を
エーテルで結晶化すると3α、6−ジプロピオニルオキ
シ−14α−ヒドロキシ−アンドロスト−4、6−ジエ
ン−17−オン(VIa)25.1mg(収率36.9
%)、融点94〜96℃を得た。また、3β、14α−
ジヒドロキシ−6−プロピオニルオキシ−アンドロスト
−4、6−ジエン−17−オン(IIb)58.0mgを用
いて上記と全く同一の反応操作を行なって3β、6−ジ
プロピオニルオキシ−14α−ヒドロキシ−アンドロス
ト−4、6−ジエン−17−オン(VIb)20.7mg
(収率31.1%)、融点97〜98℃を得た。
【0021】この反応式を次に示した。
【化20】
【0022】このものの物理恒数はそれぞれ以下の通り
である。 3α、6−ジプロピオニルオキシ−14α−ヒドロキシ
−アンドロスト−4、6−ジエン−17−オン(VIa): 融点:94〜96℃ IR:図17 NMR:図18 FAB Mass(M+H):431 3β、6−ジプロピオニルオキシ−14α−ヒドロキシ
−アンドロスト−4、6−ジエン−17−オン(VIb): 融点:97〜98℃ IR:図19 NMR:図20 FAB Mass(M+H):431
【0023】
【実施例6】3α−プロピオニルオキシ−14α−ヒド
ロキシ−アンドロスト−4−エン−6、17−ジオン
(VIIa) および3β−プロピオニルオキシ−14α−ヒ
ドロキシ−アンドロスト−4−エン−6、17−ジオン
(VIIb)
【化21】
【化22】 3α、14α−ジヒドロキシ−アンドロスト−4−エン
−6、17−ジオン(IIIa)55.1mgをピリジン0.
5mlに溶解した溶液に無水プロピオン酸0.25ml
を添加し、室温にて18時間撹拌した。反応混合物に水
50mlを加え酢酸エチル(30ml)で2回抽出し
た。抽出液を0.1N塩酸(40ml)で2回洗浄し、
さらに水(40ml)で2回洗浄を行って無水硫酸ナト
リウムで乾燥した後溶媒を減圧にて留去した。得られた
残渣をシリカゲルカラム(30g,10φ×300m
m)にかけ、ヘキサン:酢酸エチル=3:1の溶媒で溶
出した。得られた化合物をアセトン:ヘキサン=1:1
で結晶化すると3α−プロピオニルオキシ−14α−ヒ
ドロキシ−アンドロスト−4−エン−6、17−ジオン
(VIIa) 15.6mg(収率24.1%)、融点155
〜156℃を得た。また、3β、14α−ジヒドロキシ
−アンドロスト−4−エン−6、17−ジオン(IIIb)
60.8mgを用いて上記と全く同一の反応操作を行う
と3β−プロピオニルオキシ−14α−ヒドロキシ−ア
ンドロスト−4−エン−6、17−ジオン(VIIb)2
8.1mg(収率39.3%)、融点274(分解)
(アセトンから結晶)を得た。
【0024】この反応式を次に示した。
【化23】
【0025】このものの物理恒数はそれぞれ以下の通り
である。 3α−プロピオニルオキシ−14α−ヒドロキシ−アン
ドロスト−4−エン−6、17−ジオン(VIIa) : 融点:155 〜156 ℃ IR:図21 NMR:図22 FAB Mass(M+H):375 3β−プロピオニルオキシ−14α−ヒドロキシ−アン
ドロスト−4−エン−6、17−ジオン(VIIb) : 融点:274 ℃ (分解) IR:図23 NMR:図24 FAB Mass(M+H):375
【0026】
【発明の効果】
アロマターゼ阻害作用 一般式(I)で表される本発明の化合物のアロマターゼ
阻害作用についてその有用性を検討した。試験例 E.A.Thompsonらの方法 (J.Biol.Chem. 249巻、5364〜53
72頁、1974年) に準じ、ヒト胎盤よりアロマターゼを抽
出精製し、〔1β、2β− 3H〕アンドロステンジオン
を基質とした酵素活性測定法における値から阻害率を算
出した。
【0027】阻害率は、次の式に基づいて算出した。 阻害率(%)=(1−試験区酵素活性値/対照区酵素活
性値)×100
【0028】
【表1】 ──────────────────────── 阻害率(%) 試験化合物 ──────── 100μMa) ──────────────────────── IIa 31.8 IIb 42.4 IIIa 14.3 IIIb 23.7 IVa 59.2 IVb 9.0 Va 65.5 Vb 11.2 VIa 65.7 VIb 10.0 VIIa 44.0 VIIb 8.0 ──────────────────────── a)試験化合物濃度 表1中の試験化合物番号は実施例中の化合物番号に対応
する。
【0029】以上の結果のとおり本発明の化合物は顕著
にアロマターゼを阻害し、エストロジェン生合成阻害剤
として有用な化合物である。また、これらの化合物のエ
ステル結合は生体内のエステラーゼによって切断され、
より活性の高い化合物に変換される可能性があり、癌、
子宮内膜症等の医薬品として優れた性質を有している。
本発明の化合物は小腸経由で(経口的にまたは肛門か
ら)、非経口的に(例えば皮下注射、静脈注射、筋肉注
射)また局所的に(皮膚もしくは吸入法などによる粘膜
を経由)投与する一般的方法により、または必要に応じ
て通常の製剤補助剤と組み合わせて、錠剤、粉末、カプ
セル、マイクロカプセル、エアゾール、乳剤、懸濁剤、
座剤または軟膏などの剤形により投与することができ
る。本発明の化合物の成人1日当たりの投与量は、経口
投与の場合10〜1000mg、筋肉内投与の場合10
〜600mg、静脈内投与の場合10〜200mgであ
る。本発明の化合物は上記のような含量で投与すること
により、癌、子宮内膜症等の疾病の予防あるいは治療を
行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で得られた化合物(IIa) のIR
【図2】実施例1で得られた化合物(IIa) のNMR
【図3】実施例1で得られた化合物(IIb) のIR
【図4】実施例1で得られた化合物(IIb) のNMR
【図5】実施例2で得られた化合物(IIIa)のIR
【図6】実施例2で得られた化合物(IIIa)のNMR
【図7】実施例2で得られた化合物(IIIb)のIR
【図8】実施例2で得られた化合物(IIIb)のNMR
【図9】実施例3で得られた化合物(IVa) のIR
【図10】実施例3で得られた化合物(IVa) のNMR
【図11】実施例3で得られた化合物(IVb) のIR
【図12】実施例3で得られた化合物(IVb) のNMR
【図13】実施例4で得られた化合物(Va)のIR
【図14】実施例4で得られた化合物(Va)のNMR
【図15】実施例4で得られた化合物(Vb)のIR
【図16】実施例4で得られた化合物(Vb)のNMR
【図17】実施例5で得られた化合物(VIa) のIR
【図18】実施例5で得られた化合物(VIa) のNMR
【図19】実施例5で得られた化合物(VIb) のIR
【図20】実施例5で得られた化合物(VIb) のNMR
【図21】実施例6で得られた化合物(VIIa)のIR
【図22】実施例6で得られた化合物(VIIa)のNMR
【図23】実施例6で得られた化合物(VIIb)IR
【図24】実施例6で得られた化合物(VIIb)NMR

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 次の一般式(I)で表される新規なアン
    ドロステンジオン誘導体 【化1】 〔但し、式中R1 は水酸基または炭素数2〜8の直鎖ま
    たは分枝状のアルコキシカルボニル、R2 はオキソまた
    は炭素数2〜8の直鎖または分枝状のアルコキシカルボ
    ニル、点線は二重結合の存在または不存在、波線はα−
    またはβ−配位をそれぞれ表す。〕
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